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チャラい2人
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誘ってきたのはアイツからだった。まぁ、正直オレのタイプじゃないからこっちから誘うなんてことはないけど。それに誘ってきたというより脅してきた、が正しいな。アイツはオレがセフレと一緒にラブホから出てきたところを見た翌日、3年の教室に堂々と乗り込んできた。
アイツ=氷上大和の姿を見るや否や女子生徒が一斉に色めき立つ。
「えっ?あの子2年の氷上君じゃない?カッコいい!」
180cm後半で広い肩幅と分厚い上半身。センター分かれた艶やかな黒髪に傷跡が残る眉と切れ上がった目尻。彫刻のような横顔の大和が一点を見据えて真っ直ぐに歩いて行く。
「めちゃくちゃタイプなんだけど!」
「え?このクラスに彼女いるの?」
ゆっくりと進む大和の先にいるのはスマホゲームに夢中になっている雪城三輝という美少年。サラサラの茶髪に白い肌と大きな二重瞼が美しい典型的な猫顔で性格も自由気ままな猫そのもの。ちなみに三輝の恋愛対象は小学生の頃から男で、性に対してかなり自由奔放なところがある。三輝は大和が自分の所へ向かっていることに全く気付いてない。
あー女子うるさい。2年が何しに3年の教室に来てんだよ?まぁ…氷上は有名人だからな。女ったらしで。基本来るもの拒まずの見境ないサル野郎。女なら誰でも抱くって噂。いや、噂じゃないと思う。性欲凄そうな顔してるし。だから女子が騒ぐのも仕方ないんだけどね。
「雪城先輩って、そういう趣味あるんだ?」
「ん?オレ?」
顔を上げると机の横に立つ氷上が薄ら笑いを浮かべて見下ろしてる。コイツもしかしてオレに用があったのか?…っれにしてもただでさえデカいのに椅子に座った状態で下から見ると更にデカく感じるな。ムカつくぜ。
…てかさ、完全にケンカ売ってるよな。そういう趣味って何?意味深な言い方すんな。マジで性格悪いじゃん。
「そういう趣味ってどういう趣味なのかな?氷上君」
「んーと…ここでは言わない方がいいと思うけど?先輩の名誉の為にね」
ムカつく言い方しやがって。「どうぞ?気にせず言えば?」って開き直りたいけどオレは叩けば叩くほど埃が出る男。自慢じゃないが知られたくないことは山ほどある。退学…いやいや逮捕案件?えっ?セックスして金貰うのって犯罪?
「…分かった」
納得はしてねぇ。だけど逮捕はされたくないからとりあえずついて行くけど。
「でしょ?着いてきて?」
は?さっきから何でテメーが上からなんだよ?デッケー背中しやがって。後ろから飛び蹴り食らわせてやろーか?なんて思いながらひたすら階段を上ってたら屋上に着いた。ひとけの無い屋上って…ケンカにうってつけの場所じゃん。タイマン=だいたい体育館裏か屋上だろ。オレこいつに恨まれるようなことしたっけ?女ったらしの氷上とはタイプがド反対だから被らないはずなんだが。
「で?何?なんだよ?」
「昨日オレとすれ違ったの覚えてます?」
昨日?って学校か?それとも…
「は?何処で?」
「金持ってそうなイケメンリーマンに腰抱かれてラブホから出てきてたよね?」
あーやっぱりそっちか。昨日は久しぶりにシマさんと会ったから我慢できなくてすぐ近くのラブホに入ったんだよな。いつもは高級ホテルでヤるのに。お互いにサカっててスゴかったなぁ…けどそのせいで氷上に見つかるとか最悪なんだけど。とはいえ…
「お前とやってること変わんないよな?」
お前もラブホで女抱いてたんだろ?やってることはオレと同じじゃん。
「は?」
「お前が女抱くのとオレが男と寝るのって同じだろ?セックスには違いないんだし?」
抱く側か、抱かれる側か、の違いだから。
「じゃあ言いふらしてもいいんだ?雪城三輝先輩がパパ活してるって」
「は?パパ活!?オレはそんなことしてねーぞ!失礼なこと言うなよ」
パパ活って親くらいの年のヤツとセックスして金貰うんだよな。パパだもん。
「へぇー。おっさんから金とか貰ってねーの?それともタダでヤらせてたのか?」
おっさんって20代後半からだよな?シマさん29って言ってたからパパ活になんの?毎回金くれるし…それってやっぱパパ活?
「うっ…それは…」
「チッ、やっぱり否定しねーのかよ。このクソビッチが」
は?舌打ち?え?クソビッチ?なんなんだコイツ?
「あ?っるせーわ。お前に関係ねーだろ!それにヤリチンのテメーにだけは言われたくないぞ」
「アンタあの男と付き合ってんのか?」
「付き合うワケないじゃん。メンドクサイ。それにさ、付き合ってたら他の男と遊べないじゃん」
オレのモットーは広く浅く!ヤりたい時にヤりたい人と!これが理想。
「は?」
「え?何?その軽蔑の目…」
呆れて汚いものを見るような目…それにめちゃくちゃ殺気を感じる…逃げた方がいい?
「ド底辺のクソビッチ野郎」
なんか一気にたくさんの悪口を言われたような気がするんだけど?
「マジでクソだな。クソでクズだ」
また悪口が追加された。
「お前な…自分の顔鏡で見たことあんのか?目、鼻、口全てのパーツが完璧に配置された上品かつ綺麗な顔して肌もツヤツヤ。しかも抱き心地のよさそうなほどよい肉付きの上半身とケツ。そんだけ恵まれた見た目してんのに何で安売りしてんだよ?テメーでテメーの価値下げてんじゃねー!」
「?」
今のは褒められたのか?それとも貶された?
「とにかくオレと付き合え!!」
「えーと…氷上君さ、情緒大丈夫?」
どうしよう。怖い。目血走ってるし、顔面真っ赤で尋常じゃないくらい呼吸が荒い。この人絶対変なクスリやってる。全速力で逃げた方がいいよね。
アイツ=氷上大和の姿を見るや否や女子生徒が一斉に色めき立つ。
「えっ?あの子2年の氷上君じゃない?カッコいい!」
180cm後半で広い肩幅と分厚い上半身。センター分かれた艶やかな黒髪に傷跡が残る眉と切れ上がった目尻。彫刻のような横顔の大和が一点を見据えて真っ直ぐに歩いて行く。
「めちゃくちゃタイプなんだけど!」
「え?このクラスに彼女いるの?」
ゆっくりと進む大和の先にいるのはスマホゲームに夢中になっている雪城三輝という美少年。サラサラの茶髪に白い肌と大きな二重瞼が美しい典型的な猫顔で性格も自由気ままな猫そのもの。ちなみに三輝の恋愛対象は小学生の頃から男で、性に対してかなり自由奔放なところがある。三輝は大和が自分の所へ向かっていることに全く気付いてない。
あー女子うるさい。2年が何しに3年の教室に来てんだよ?まぁ…氷上は有名人だからな。女ったらしで。基本来るもの拒まずの見境ないサル野郎。女なら誰でも抱くって噂。いや、噂じゃないと思う。性欲凄そうな顔してるし。だから女子が騒ぐのも仕方ないんだけどね。
「雪城先輩って、そういう趣味あるんだ?」
「ん?オレ?」
顔を上げると机の横に立つ氷上が薄ら笑いを浮かべて見下ろしてる。コイツもしかしてオレに用があったのか?…っれにしてもただでさえデカいのに椅子に座った状態で下から見ると更にデカく感じるな。ムカつくぜ。
…てかさ、完全にケンカ売ってるよな。そういう趣味って何?意味深な言い方すんな。マジで性格悪いじゃん。
「そういう趣味ってどういう趣味なのかな?氷上君」
「んーと…ここでは言わない方がいいと思うけど?先輩の名誉の為にね」
ムカつく言い方しやがって。「どうぞ?気にせず言えば?」って開き直りたいけどオレは叩けば叩くほど埃が出る男。自慢じゃないが知られたくないことは山ほどある。退学…いやいや逮捕案件?えっ?セックスして金貰うのって犯罪?
「…分かった」
納得はしてねぇ。だけど逮捕はされたくないからとりあえずついて行くけど。
「でしょ?着いてきて?」
は?さっきから何でテメーが上からなんだよ?デッケー背中しやがって。後ろから飛び蹴り食らわせてやろーか?なんて思いながらひたすら階段を上ってたら屋上に着いた。ひとけの無い屋上って…ケンカにうってつけの場所じゃん。タイマン=だいたい体育館裏か屋上だろ。オレこいつに恨まれるようなことしたっけ?女ったらしの氷上とはタイプがド反対だから被らないはずなんだが。
「で?何?なんだよ?」
「昨日オレとすれ違ったの覚えてます?」
昨日?って学校か?それとも…
「は?何処で?」
「金持ってそうなイケメンリーマンに腰抱かれてラブホから出てきてたよね?」
あーやっぱりそっちか。昨日は久しぶりにシマさんと会ったから我慢できなくてすぐ近くのラブホに入ったんだよな。いつもは高級ホテルでヤるのに。お互いにサカっててスゴかったなぁ…けどそのせいで氷上に見つかるとか最悪なんだけど。とはいえ…
「お前とやってること変わんないよな?」
お前もラブホで女抱いてたんだろ?やってることはオレと同じじゃん。
「は?」
「お前が女抱くのとオレが男と寝るのって同じだろ?セックスには違いないんだし?」
抱く側か、抱かれる側か、の違いだから。
「じゃあ言いふらしてもいいんだ?雪城三輝先輩がパパ活してるって」
「は?パパ活!?オレはそんなことしてねーぞ!失礼なこと言うなよ」
パパ活って親くらいの年のヤツとセックスして金貰うんだよな。パパだもん。
「へぇー。おっさんから金とか貰ってねーの?それともタダでヤらせてたのか?」
おっさんって20代後半からだよな?シマさん29って言ってたからパパ活になんの?毎回金くれるし…それってやっぱパパ活?
「うっ…それは…」
「チッ、やっぱり否定しねーのかよ。このクソビッチが」
は?舌打ち?え?クソビッチ?なんなんだコイツ?
「あ?っるせーわ。お前に関係ねーだろ!それにヤリチンのテメーにだけは言われたくないぞ」
「アンタあの男と付き合ってんのか?」
「付き合うワケないじゃん。メンドクサイ。それにさ、付き合ってたら他の男と遊べないじゃん」
オレのモットーは広く浅く!ヤりたい時にヤりたい人と!これが理想。
「は?」
「え?何?その軽蔑の目…」
呆れて汚いものを見るような目…それにめちゃくちゃ殺気を感じる…逃げた方がいい?
「ド底辺のクソビッチ野郎」
なんか一気にたくさんの悪口を言われたような気がするんだけど?
「マジでクソだな。クソでクズだ」
また悪口が追加された。
「お前な…自分の顔鏡で見たことあんのか?目、鼻、口全てのパーツが完璧に配置された上品かつ綺麗な顔して肌もツヤツヤ。しかも抱き心地のよさそうなほどよい肉付きの上半身とケツ。そんだけ恵まれた見た目してんのに何で安売りしてんだよ?テメーでテメーの価値下げてんじゃねー!」
「?」
今のは褒められたのか?それとも貶された?
「とにかくオレと付き合え!!」
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