ネイビーブルー・カタストロフィ――誰が○○○を×したか――

４ エロ魔王に訊いてみな（その３）

　戻ったオペレーションルームのソファで静刻がギィアに問い掛ける。
「で、どうするんだ」
「“穿きっぱなしだから盗まれない”と言うのなら、脱いでおけばいいのです。簡単なことなのです」
　言いながらスカートのファスナーに手を突っ込み次々とブルマを引っ張り出す。
「手伝うのです。忘れ物・亡くし物防止マーカー」
　そう言って取り出したマーカーを静刻へ差し出す。
　静刻はギィアのやるとおりにブルマのメーカータグをマーカーでなぞる。
「このマーカーは発信器なのです」
　ギィアが顔を上げて、手のひらを壁に向ける。
　畳一枚分ほどのサイズを持つ半透明のスクリーンが現れた。
　そこには校内の見取り図が描かれており、光の点が明滅している片隅の一角がこのオペレーションルームらしい。
「ポータブル転送機」
　次にギィアがつぶやいてファスナーの奥から引っ張り出したのは、ホースにつながれたクリーナーヘッド、すなわち“掃除機の吸い込み口”である。
「さあ行くがいいのです。あんまり人の通らない所がいいのです」
　ブルマが次々とクリーナーヘッドへ吸い込まれ、それにあわせてスクリーンの光点が校内のあちこちへと移動していく。
「これでいいのです」
　すべてのブルマを吸い込み終わったホースを、ファスナーへと戻す。
「ブルマをエロアイテムとして認識している男子生徒が通りかかれば、黙って見過ごすはずはないのです。ふっふっふっ」
「おとり捜査ってやつか」
　スクリーンを見る静刻にギィアが頷く。
「あとは動くのを待つだけなのです。……動かないのです」
「そりゃそうだ。今は授業中だろ。休み時間にならないと誰も通らないよ」
　そして、ベッドに身を投げる。
「ゆっくり待ってりゃいいんじゃねえの」