ネイビーブルー・カタストロフィ――誰が○○○を×したか――

古間降丸

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4 エロ魔王に訊いてみな(その7)

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 そして、一時間後。
「ただいまなのですっ」
 静刻はソファから跳ね起き、帰ってきたギィアに脱ぎ捨てていったスカートを差し出す。
「おかえりっていうか、ごくろうさん」
「ふっふっふっ。細工は隆々、仕上げをご覧じろなのです」
 未来から来たアンドロイドとは思えないことを言いながら、ギィアはいそいそとスカートを穿いてブルマを脱ぐ。
 続けてスカートのファスナーから取り出したのは、ポータブルの電磁調理器らしきものとひとつの鍋である。
 予想外の“調理セット”になにが始まるのかと眉根を寄せる静刻に構わず、ギィアは鍋にペットボトルから水を注ぎブルマを――煮る。
 まったく意味不明なギィアの行動に、さすがに意図の読めない静刻が問い掛ける。
「なにやってんだ」
「この煮汁が必要なのです」
 数分後、鍋からブルマを取り出し、その煮汁に――
「視線検出用発色試薬」
 ――とつぶやき、ファスナーの奥から取り出したスポイトの薬品を垂らす。
 煮汁の色が赤く変わった。
「こ、ここここ、これなのです、これなのですっ。あはははははっ」
 見たこともないレベルでギィアが興奮している。
「落ち着けよ、なんだよこの色」
「この色こそが“集めた視線に反応して出た色”なのです」
「つまり、色が出たってことはちゃんと視線を集めてたってことだな」
「そうなのです。でも、これだけでは終わらないのですっ。視線理由判別試薬」
 さらに取り出した別の試薬を垂らす。
「こうして少しの間、待つことで“どういう視線を集めたか”まで、わかるのです」
「“どういう視線”? エロ目線かどうか?」
「そうなのですっ。あたしのブルマを見ていた人がなにを考えていたか、その思考内容が言葉として出力されるのですっ」
 ごぽごぽと“ブルマ汁”が泡立ち始めた。
「そろそろなのです。間もなくどんな目線があたしのブルマを見ていたか、いかに“いやらしい目”で見られたかが証明されるのです。あはははははっ」
「落ち着けって」
 いさめる静刻を、ギィアが逆に一喝する。
「黙って聞くのですっ」
「へいへい」
 しかし、澄ませた耳に入ってきたのは――。

 “なんでこいつスカート穿いてないんだ?”

 思わず噴き出す静刻にギィアが赤い顔で叫ぶ。
「笑うなっなのですっ」
「いや、だって笑うだろ。“いやらしい目”で見られてると思ったら“不思議そうな目”で見られてたって」
「ぐぬぬ、なのです」
「エロ目線の存在を証明するつもりが、ギィアに性的魅力がないことを証明したってことだな」
 そう言って笑い続ける静刻にギィアが宣言する。
「じゃあ“性的魅力の塊”で試すのですっ」
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