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白亜の神殿
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優しい花の香りが黄金の神殿を満たす。
リアと共に現れた青い花は、ひらりと風に乗ってファタの手のひらに落ちた。
「お呼びでしょうか。ファタお姉様」
「ふむ……『女神の花』か。あやつにやったのか」
「はい。私のせいで、愛の芽を摘み取るところでしたから。ほんのお詫びです」
「お前が気にすることではない。運命は一つではないのだ」
「……そうかもしれません。ですが、彼女の涙を止めなければと思ったのです。お詫びになればいいのですが」
「ふむ。あやつには過ぎたる物よ」
ファタの手のひらにあった青い花は、吸い込まれるように消えてしまった。
その様子をじっと見ていたアストロンの王に、ファタはククッと笑う。
「なんだ。欲しかったか?」
「い、いえ……」
とは言ったものの、王の本音としては、ものすごく欲しい。『女神の花』はそれこそ伝説的な花だ。咲いている間、持ち主に幸運を運ぶという。『女神の花』があれば、幸運がリアの心を運んでくれはしないだろうか。
リアはその場に見覚えのある顔を見て、フフッと笑った。
白金色の髪に色素の薄い水色の瞳。アストロンの王様と、もう一人はーーーー。
(あら、あの方は……。ふふっ、またお会いしてしまいました)
目が合った瞬間、彼はこちらに駆け寄ろうとする。隣にいる緑色の髪の男性にやんわりと止められたけれど。
「リア、お前の使命は分かっているな」
「もちろんです」
「ふむ。閨事について、先代からどれくらい知識を引き継いだ」
「ねや、ごと……ですか?」
「子を作る行為のことだ」
キョトンと首を傾げる様子に、ファタは頭を抱えた。
「あやつめ……、わざと知識から抜いたな。悪趣味なヤツがやりそうなことだ」
チラとこの場にいる男共に視線をむける。
性知識ゼロの女など面倒に思うかと思いきや、アレクシスとジェイスの目はよけいに煌めいている。
「まぁ、よい。それについては男の役目だ。伴侶となる者に身を任せるがよい」
「はい……? ふふ、分かりました」
一応返事をしたけれど、姉の言葉を全て理解した訳ではない。ただ、身を任せていいのならそれでいいと思う。必要なら追々覚えればいいとリアは判断した。
「で、そろそろこの国を出るのか」
「そうですね。他の神ともご挨拶したいですし」
祝福をくれた神や、先代と親しかった神にも会ってみたいと思う。
「ふむ。ならば、白亜の神殿に行ってみないか」
「白亜の神殿……知性の女神、ティス様のお気に入りの神殿ですね」
白亜の神殿。
メレニール王国にある神殿だ。知性の女神ティスは、先代の大地の神とも親しかったらしい。
リアとしても一度会いたいと思っていたから、ちょうどいい。
「分かりました。そちらに行ってみます」
足元にフワリと風が吹く。ミルクティー色の髪が揺れ、今まさに現れた時と同じように消えるーーーー時。
「ちょっと待ってくれ!」
風が止まった。
「え?」
アストロンの皇太子は、咄嗟に叫んだことに自分でも驚いているようで、グッと奥歯を噛みしめていた。
「ええと……どうされました?」
リアの問いに、アレクシスの瞳が輝く。
「昨夜は……大地の女神とは知らず、大変失礼しました」
「ふふっ。こちらこそ、恋人との一時を邪魔してごめんなさいね」
「恋人ではありません!」
食いぎみに否定する様子に、リアはキョトンと首を傾げる。
昨夜、一緒にいた黒髪の令嬢は恋人ではないと言うのなら、友人だろうか。それにしては彼女のアレクシスを見る目が甘く色付いていたけれど。
どちらにしろ、リアが気にすることではない。アレクシスは運命の相手ではなかったのだから。
「あらまぁ、それは残念。とてもお似合いでしたのに」
あの時、リアは確かにアレクシスのキスを受け入れた。
与えられる初めての行為が気持ちよくて、唇に触れる感触も、歯列をなぞる濡れた肉厚な舌も、混ざりあう甘い唾液も。全て受け入れた。
けれど今、リアの赤い糸はアレクシスと繋がっていない。
交わる運命が、一瞬にして閉ざされたのだ。他でもない、アレクシス自身の行動によって。
アレクシスは拳を強く握った。
「大地の女神様」
緑色の髪の壮齢の男が、一歩前に出た。
「お初にお目にかかります。メレニール王国のジェイス・ベルニールと申します」
流れるような仕草で優雅に頭を下げる。
その様子にリアは目を細めた。
「メレニールですか。ではご一緒に行きます?」
「大地の女神様がよろしければ喜んで。ぜひエスコートさせて下さい」
当たり前のように差し出されたジェイスの手に、こちらも当たり前のように手を乗せる。
二人の様子に、なかなかお似合いだなとファタは面白そうに笑う。国王は青白い顔をして、アレクシスはギリと音がなるほど奥歯を噛みしめた。
「お姉様。彼を拐って行ってもいいです?」
「くくっ。そやつはなかなかに身分ある者。
だが、そやつ自身が了承しているならば、文句を言う奴など居らぬ。なぁ、アストロンの王よ」
「ふふ、良かった。アストロンの国王様、後はよろしくお願いしますね。
では、行ってまいります」
フワリと風が二人の足元に纏わりつく。
瞬きをした瞬間、一瞬にしてリアとジェイスの姿は消えた。
花の香りだけが黄金の神殿に残された。
「ファタ様……」
項垂れながらアストロンの王は、力なく首を振る。
あの男はダメだ。
若い青二才とは違って、地位も経験もある。おまけに顔もいい。
「大地の女神様と、ベルニール卿の運命は……いや、やはり聞かないでおきます」
「くくっ。なんだ、聞かぬのか。
ならば、そこの木偶の坊の尻を叩いてやることだ」
呆然とリアが消えた場所を見つめ続けるアレクシスに、国王は眉間をおさえる。
勝ち目のない戦いだったのだろうか。
もはや望みは紙切れよりも薄いのか。
「……………父上」
低めの美声が掠れた声を出す。
ファタは思わず身を乗り出した。
「父上。俺も、メレニールに行ってもいいでしょうか」
無数の運命が見えるファタの目が、三日月のように細くなる。
今宵は良い酒でも持って、愛の姉の元に行ってみようか。妹が酒の肴にぴったりな道を選ぶかもしれない。
愛の姉は素直に祝福するだろうか。
黄金の神殿を後にするアレクシスの背を見ながら、ファタはニヤリと口角をあげた。
リアと共に現れた青い花は、ひらりと風に乗ってファタの手のひらに落ちた。
「お呼びでしょうか。ファタお姉様」
「ふむ……『女神の花』か。あやつにやったのか」
「はい。私のせいで、愛の芽を摘み取るところでしたから。ほんのお詫びです」
「お前が気にすることではない。運命は一つではないのだ」
「……そうかもしれません。ですが、彼女の涙を止めなければと思ったのです。お詫びになればいいのですが」
「ふむ。あやつには過ぎたる物よ」
ファタの手のひらにあった青い花は、吸い込まれるように消えてしまった。
その様子をじっと見ていたアストロンの王に、ファタはククッと笑う。
「なんだ。欲しかったか?」
「い、いえ……」
とは言ったものの、王の本音としては、ものすごく欲しい。『女神の花』はそれこそ伝説的な花だ。咲いている間、持ち主に幸運を運ぶという。『女神の花』があれば、幸運がリアの心を運んでくれはしないだろうか。
リアはその場に見覚えのある顔を見て、フフッと笑った。
白金色の髪に色素の薄い水色の瞳。アストロンの王様と、もう一人はーーーー。
(あら、あの方は……。ふふっ、またお会いしてしまいました)
目が合った瞬間、彼はこちらに駆け寄ろうとする。隣にいる緑色の髪の男性にやんわりと止められたけれど。
「リア、お前の使命は分かっているな」
「もちろんです」
「ふむ。閨事について、先代からどれくらい知識を引き継いだ」
「ねや、ごと……ですか?」
「子を作る行為のことだ」
キョトンと首を傾げる様子に、ファタは頭を抱えた。
「あやつめ……、わざと知識から抜いたな。悪趣味なヤツがやりそうなことだ」
チラとこの場にいる男共に視線をむける。
性知識ゼロの女など面倒に思うかと思いきや、アレクシスとジェイスの目はよけいに煌めいている。
「まぁ、よい。それについては男の役目だ。伴侶となる者に身を任せるがよい」
「はい……? ふふ、分かりました」
一応返事をしたけれど、姉の言葉を全て理解した訳ではない。ただ、身を任せていいのならそれでいいと思う。必要なら追々覚えればいいとリアは判断した。
「で、そろそろこの国を出るのか」
「そうですね。他の神ともご挨拶したいですし」
祝福をくれた神や、先代と親しかった神にも会ってみたいと思う。
「ふむ。ならば、白亜の神殿に行ってみないか」
「白亜の神殿……知性の女神、ティス様のお気に入りの神殿ですね」
白亜の神殿。
メレニール王国にある神殿だ。知性の女神ティスは、先代の大地の神とも親しかったらしい。
リアとしても一度会いたいと思っていたから、ちょうどいい。
「分かりました。そちらに行ってみます」
足元にフワリと風が吹く。ミルクティー色の髪が揺れ、今まさに現れた時と同じように消えるーーーー時。
「ちょっと待ってくれ!」
風が止まった。
「え?」
アストロンの皇太子は、咄嗟に叫んだことに自分でも驚いているようで、グッと奥歯を噛みしめていた。
「ええと……どうされました?」
リアの問いに、アレクシスの瞳が輝く。
「昨夜は……大地の女神とは知らず、大変失礼しました」
「ふふっ。こちらこそ、恋人との一時を邪魔してごめんなさいね」
「恋人ではありません!」
食いぎみに否定する様子に、リアはキョトンと首を傾げる。
昨夜、一緒にいた黒髪の令嬢は恋人ではないと言うのなら、友人だろうか。それにしては彼女のアレクシスを見る目が甘く色付いていたけれど。
どちらにしろ、リアが気にすることではない。アレクシスは運命の相手ではなかったのだから。
「あらまぁ、それは残念。とてもお似合いでしたのに」
あの時、リアは確かにアレクシスのキスを受け入れた。
与えられる初めての行為が気持ちよくて、唇に触れる感触も、歯列をなぞる濡れた肉厚な舌も、混ざりあう甘い唾液も。全て受け入れた。
けれど今、リアの赤い糸はアレクシスと繋がっていない。
交わる運命が、一瞬にして閉ざされたのだ。他でもない、アレクシス自身の行動によって。
アレクシスは拳を強く握った。
「大地の女神様」
緑色の髪の壮齢の男が、一歩前に出た。
「お初にお目にかかります。メレニール王国のジェイス・ベルニールと申します」
流れるような仕草で優雅に頭を下げる。
その様子にリアは目を細めた。
「メレニールですか。ではご一緒に行きます?」
「大地の女神様がよろしければ喜んで。ぜひエスコートさせて下さい」
当たり前のように差し出されたジェイスの手に、こちらも当たり前のように手を乗せる。
二人の様子に、なかなかお似合いだなとファタは面白そうに笑う。国王は青白い顔をして、アレクシスはギリと音がなるほど奥歯を噛みしめた。
「お姉様。彼を拐って行ってもいいです?」
「くくっ。そやつはなかなかに身分ある者。
だが、そやつ自身が了承しているならば、文句を言う奴など居らぬ。なぁ、アストロンの王よ」
「ふふ、良かった。アストロンの国王様、後はよろしくお願いしますね。
では、行ってまいります」
フワリと風が二人の足元に纏わりつく。
瞬きをした瞬間、一瞬にしてリアとジェイスの姿は消えた。
花の香りだけが黄金の神殿に残された。
「ファタ様……」
項垂れながらアストロンの王は、力なく首を振る。
あの男はダメだ。
若い青二才とは違って、地位も経験もある。おまけに顔もいい。
「大地の女神様と、ベルニール卿の運命は……いや、やはり聞かないでおきます」
「くくっ。なんだ、聞かぬのか。
ならば、そこの木偶の坊の尻を叩いてやることだ」
呆然とリアが消えた場所を見つめ続けるアレクシスに、国王は眉間をおさえる。
勝ち目のない戦いだったのだろうか。
もはや望みは紙切れよりも薄いのか。
「……………父上」
低めの美声が掠れた声を出す。
ファタは思わず身を乗り出した。
「父上。俺も、メレニールに行ってもいいでしょうか」
無数の運命が見えるファタの目が、三日月のように細くなる。
今宵は良い酒でも持って、愛の姉の元に行ってみようか。妹が酒の肴にぴったりな道を選ぶかもしれない。
愛の姉は素直に祝福するだろうか。
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