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蜜月、やり直し
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一方その頃コンスタンスは、侍女リアと邸の庭を散策していた。
朝食の後オレリアンは仕事があるので、それが終わるまで好きなことをして待っているように言われたのだ。
日差しが強くなってきたため、リアは外に出ることにいい顔をしないが、コンスタンスは日焼けなんて気にならないし、元々外が大好きだ。
花の手入れをしている庭師や厩舎で馬の世話をしている馬丁と話をしたり、庭に遊びに来た鳥や蝶を追いかけたりして時間を過ごしていた。
「旦那様がね、お仕事が終わったらお馬に乗せてくださるんですって。
湖に遊びに行こうって」
キラキラと笑顔を輝かせながら話す主人に、リアは少々鼻白んだ。
たしかに今のヒース侯爵は一生懸命妻のご機嫌とりをしているが、リアとしてはまだまだあの男を信用してはいない。
公爵令嬢を妻に迎えながら、1年近くも放置しておけるような男なのである。
そう、あの男は、完璧な貴婦人で、リアが尊敬し、お慕いしていたお嬢様を蔑ろにしていたのだ。
急に改心して妻に償い、尽くしているように見えても、そんなことでリアの腹の虫は治らない。
今こうして、あの男にされてきたことを何一つ覚えていないという主人が夫を慕っていることも、本当に腹立たしいと思う。
だがリアとて、幼い少女に変わってしまったとしてもやっぱり今のコンスタンスも大好きだし、慕う気持ちは変わらない。
だから、主人には幸せになって欲しいし、主人の幸せにあの男が必要だと言うなら、我慢…というか、応援するのはやぶさかではない。
だって…。
「ねぇリア。
旦那様、早く来ないかしら。
私旦那様と目が合うとね、胸がドキドキするの。
それからね、旦那様に頭を撫でられると頭が温かくなるの。
それから旦那様にギュッとされるとね、胸がキュンキュンして、嬉しいのに苦しくなるの。
ねぇ、これって恋よね?
私、旦那様に恋してるんだわ」
………。
正直、主人の頭の中はお花畑状態だとは思う。
でも幸せそうな顔でこんな台詞を吐かれたら、邪魔をする気もなくなってしまうではないか。
「コニー!」
邸の方から、オレリアンが手を振って駆けてくる。
コンスタンスも夫の姿を見とめると
「旦那様!」
と駆け寄った。
抱きついてきた妻を満面の笑みで抱き上げる夫は、本当に愛おしくて仕方がないと言うような顔をする。
「あんな顔されちゃ、やっぱりしょうがないわよねぇ」
残されたリアは、1人ポツリと呟いた。
オレリアンは愛馬に妻を乗せると、その後ろに自分も跨った。
領内をゆっくり歩いていると、農作業中の人や遊び回っている子供たちが手を振ってくる。
2人はそんな領民たちに笑顔で手を振り返し、道行く人に挨拶しながら森の方へ入って行った。
樹々の間から溢れる光を浴び、オレリアンの金色の髪が輝く。
コンスタンスがそんな夫を眩しそうに見上げると、彼は目尻を下げ、
「どうしたの?」
と優しく聞いてくる。
コンスタンスはにっこり笑って、
「旦那様、綺麗」
と告げた。
金の髪も蒼い目も綺麗だし、妻を抱えながら馬を操る姿はとても凛々しいと思う。
『綺麗』と言われたオレリアンは目を丸くして、でもすぐにニカッと笑うと、
「何を言うんだろうね、この子は」
と言った。
「私なんかより、貴女の方がよっぽど綺麗だろう?」
「ううん。旦那様の方が綺麗」
コンスタンスは小さく首を横に振って、夫の胸にそっと寄り添った。
夫の鼓動の音が、とくんとくんと聞こえる。
今朝目覚めた時も彼女は夫の腕の中で、この音を聞いていた。
(すごく、安心する…)
オレリアンの腕の中はとても居心地がいい。
きっと記憶がなくなる前も、こうして夫に寄り添っていたに違いない…。
コンスタンスはそう信じ込んでいた。
朝食の後オレリアンは仕事があるので、それが終わるまで好きなことをして待っているように言われたのだ。
日差しが強くなってきたため、リアは外に出ることにいい顔をしないが、コンスタンスは日焼けなんて気にならないし、元々外が大好きだ。
花の手入れをしている庭師や厩舎で馬の世話をしている馬丁と話をしたり、庭に遊びに来た鳥や蝶を追いかけたりして時間を過ごしていた。
「旦那様がね、お仕事が終わったらお馬に乗せてくださるんですって。
湖に遊びに行こうって」
キラキラと笑顔を輝かせながら話す主人に、リアは少々鼻白んだ。
たしかに今のヒース侯爵は一生懸命妻のご機嫌とりをしているが、リアとしてはまだまだあの男を信用してはいない。
公爵令嬢を妻に迎えながら、1年近くも放置しておけるような男なのである。
そう、あの男は、完璧な貴婦人で、リアが尊敬し、お慕いしていたお嬢様を蔑ろにしていたのだ。
急に改心して妻に償い、尽くしているように見えても、そんなことでリアの腹の虫は治らない。
今こうして、あの男にされてきたことを何一つ覚えていないという主人が夫を慕っていることも、本当に腹立たしいと思う。
だがリアとて、幼い少女に変わってしまったとしてもやっぱり今のコンスタンスも大好きだし、慕う気持ちは変わらない。
だから、主人には幸せになって欲しいし、主人の幸せにあの男が必要だと言うなら、我慢…というか、応援するのはやぶさかではない。
だって…。
「ねぇリア。
旦那様、早く来ないかしら。
私旦那様と目が合うとね、胸がドキドキするの。
それからね、旦那様に頭を撫でられると頭が温かくなるの。
それから旦那様にギュッとされるとね、胸がキュンキュンして、嬉しいのに苦しくなるの。
ねぇ、これって恋よね?
私、旦那様に恋してるんだわ」
………。
正直、主人の頭の中はお花畑状態だとは思う。
でも幸せそうな顔でこんな台詞を吐かれたら、邪魔をする気もなくなってしまうではないか。
「コニー!」
邸の方から、オレリアンが手を振って駆けてくる。
コンスタンスも夫の姿を見とめると
「旦那様!」
と駆け寄った。
抱きついてきた妻を満面の笑みで抱き上げる夫は、本当に愛おしくて仕方がないと言うような顔をする。
「あんな顔されちゃ、やっぱりしょうがないわよねぇ」
残されたリアは、1人ポツリと呟いた。
オレリアンは愛馬に妻を乗せると、その後ろに自分も跨った。
領内をゆっくり歩いていると、農作業中の人や遊び回っている子供たちが手を振ってくる。
2人はそんな領民たちに笑顔で手を振り返し、道行く人に挨拶しながら森の方へ入って行った。
樹々の間から溢れる光を浴び、オレリアンの金色の髪が輝く。
コンスタンスがそんな夫を眩しそうに見上げると、彼は目尻を下げ、
「どうしたの?」
と優しく聞いてくる。
コンスタンスはにっこり笑って、
「旦那様、綺麗」
と告げた。
金の髪も蒼い目も綺麗だし、妻を抱えながら馬を操る姿はとても凛々しいと思う。
『綺麗』と言われたオレリアンは目を丸くして、でもすぐにニカッと笑うと、
「何を言うんだろうね、この子は」
と言った。
「私なんかより、貴女の方がよっぽど綺麗だろう?」
「ううん。旦那様の方が綺麗」
コンスタンスは小さく首を横に振って、夫の胸にそっと寄り添った。
夫の鼓動の音が、とくんとくんと聞こえる。
今朝目覚めた時も彼女は夫の腕の中で、この音を聞いていた。
(すごく、安心する…)
オレリアンの腕の中はとても居心地がいい。
きっと記憶がなくなる前も、こうして夫に寄り添っていたに違いない…。
コンスタンスはそう信じ込んでいた。
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