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いざ、王宮へ
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今や目の前で優雅にお茶を飲む王妃に対する尊敬や思慕の念は、もうすっかりコンスタンスの中から消え去っていた。
結局は、王妃にとって大事なのはフィリップと自分だけなのである。
王妃の自分勝手な話を聞いて、コンスタンスは理解した。
コンスタンスを後宮に迎えることは、王太子妃となった隣国の王女への当てつけである。
王妃は大国から嫁入りして義母を敬わないような嫁が気に入らず、自分に従順であったコンスタンスを側に置きたいのだ。
長年婚約者であったコンスタンスを後宮に迎えて、王太子妃を牽制するために。
そして王妃がコンスタンスに拘るのは、おそらくコンスタンス自身にというより、母の言うとおり初恋相手の娘だからなのかもしれない。
それは、手に入らなかった玩具を欲しがる子供のようなものだ。
国でトップの女性になった王妃は、なんでも自分の思い通りになるとでも思っているのだろう。
それが唯一思い通りにならなかったのが、王太子と隣国の王女の結婚なのだ。
そこで、王女を牽制するために思いついたのがコンスタンスを後宮に召しあげることなのかもしれないが、それだって、ある意味自分を顧みなかった初恋相手への復讐にもなるかもしれない。
『正妃』ではなく、『寵姫』なのだから。
要するに、妾である。
今の国王…つまり王妃の夫にも、側妃や寵姫は多数いる。
フィリップの異母弟妹たちも多数いる。
フィリップが王太子の地位を確固たるものにしているのは、母が正妃であるからだ。
それをわかっていながら元婚約者のコンスタンスを公式寵姫にだなどと、娘を溺愛するルーデル公爵が許すはずないとわからないのだろうか。
それにしても。
コンスタンスが王太子の婚約者に選ばれたのも、ヒース侯爵オレリアンと結婚したのも、影で動いていたのは王妃だったのだ。
命令1つでオレリアンとコンスタンスの運命を変えておきながら、さらに思い通りにしようとしているなんて、傲慢も甚だしい。
王妃の自己満足に利用されるなんて、真っ平御免である。
コンスタンスは強い気持ちを持って顔を上げ、王妃を見据えた。
「王妃様。
夫と私が不仲とか離縁するとか、そんな話、全く根も葉もない噂ですわ」
「コンスタンス?」
「結婚してすぐ別居しておりましたのは事実ですが、それは王太子殿下との婚約が解消された私を噂や中傷から遠ざけようとした夫の誠意でございます。
夫は私を守るため、あえて私をヒース領に送ったのですわ」
「だからって新婚早々別居とは、夫として不誠実ではなくて?」
「夫は近衛騎士なのです。
王都を離れるわけにはいきませんわ」
「あら。王都で暮らす今も、別居していると聞いたけれど?」
「私が事故に遭ったため、実家の方が療養出来るだろうという彼の心遣いですわ。
その証拠に、夫は毎日見舞いに来てくれますの」
「それは…、貴女たちは想い合っていると言いたいの?」
「ええ。夫は私を慈しんでくれていますし、私も夫を慕っております」
コンスタンスはオレリアンを擁護する発言を繰り返した。
それは、少なからず王妃の神経を逆なでしたようだ。
みるみる顔が険しくなっていき、これ以上はまずいと思い始めた頃、
『バンッ』
と部屋の扉が開いた。
「母上!こちらにコニーが来ていると聞きました!」
叫びながら入ってきたのは、元婚約者である、フィリップ王太子だった。
結局は、王妃にとって大事なのはフィリップと自分だけなのである。
王妃の自分勝手な話を聞いて、コンスタンスは理解した。
コンスタンスを後宮に迎えることは、王太子妃となった隣国の王女への当てつけである。
王妃は大国から嫁入りして義母を敬わないような嫁が気に入らず、自分に従順であったコンスタンスを側に置きたいのだ。
長年婚約者であったコンスタンスを後宮に迎えて、王太子妃を牽制するために。
そして王妃がコンスタンスに拘るのは、おそらくコンスタンス自身にというより、母の言うとおり初恋相手の娘だからなのかもしれない。
それは、手に入らなかった玩具を欲しがる子供のようなものだ。
国でトップの女性になった王妃は、なんでも自分の思い通りになるとでも思っているのだろう。
それが唯一思い通りにならなかったのが、王太子と隣国の王女の結婚なのだ。
そこで、王女を牽制するために思いついたのがコンスタンスを後宮に召しあげることなのかもしれないが、それだって、ある意味自分を顧みなかった初恋相手への復讐にもなるかもしれない。
『正妃』ではなく、『寵姫』なのだから。
要するに、妾である。
今の国王…つまり王妃の夫にも、側妃や寵姫は多数いる。
フィリップの異母弟妹たちも多数いる。
フィリップが王太子の地位を確固たるものにしているのは、母が正妃であるからだ。
それをわかっていながら元婚約者のコンスタンスを公式寵姫にだなどと、娘を溺愛するルーデル公爵が許すはずないとわからないのだろうか。
それにしても。
コンスタンスが王太子の婚約者に選ばれたのも、ヒース侯爵オレリアンと結婚したのも、影で動いていたのは王妃だったのだ。
命令1つでオレリアンとコンスタンスの運命を変えておきながら、さらに思い通りにしようとしているなんて、傲慢も甚だしい。
王妃の自己満足に利用されるなんて、真っ平御免である。
コンスタンスは強い気持ちを持って顔を上げ、王妃を見据えた。
「王妃様。
夫と私が不仲とか離縁するとか、そんな話、全く根も葉もない噂ですわ」
「コンスタンス?」
「結婚してすぐ別居しておりましたのは事実ですが、それは王太子殿下との婚約が解消された私を噂や中傷から遠ざけようとした夫の誠意でございます。
夫は私を守るため、あえて私をヒース領に送ったのですわ」
「だからって新婚早々別居とは、夫として不誠実ではなくて?」
「夫は近衛騎士なのです。
王都を離れるわけにはいきませんわ」
「あら。王都で暮らす今も、別居していると聞いたけれど?」
「私が事故に遭ったため、実家の方が療養出来るだろうという彼の心遣いですわ。
その証拠に、夫は毎日見舞いに来てくれますの」
「それは…、貴女たちは想い合っていると言いたいの?」
「ええ。夫は私を慈しんでくれていますし、私も夫を慕っております」
コンスタンスはオレリアンを擁護する発言を繰り返した。
それは、少なからず王妃の神経を逆なでしたようだ。
みるみる顔が険しくなっていき、これ以上はまずいと思い始めた頃、
『バンッ』
と部屋の扉が開いた。
「母上!こちらにコニーが来ていると聞きました!」
叫びながら入ってきたのは、元婚約者である、フィリップ王太子だった。
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