使いっパシリのゾルゲさん

ゴエモン

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15パシリ 使いっパシリのゾルゲさん

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「私事で失礼した。それではブリコス殿、軍議を始めましょう」

 平常運転に戻った男は座面に腰を落ち着かせると辺りを見回す。リリーは固まっていた。ヴェラもブリコスもドラコもゴリアテもゾルゲも他の十二将軍全員固まっていた。

「どうされました皆様?」

 はじめに動いたのはリリーだった。いや動いたというよりテーブルに突っ附した。そして嗚咽しその悲哀の音色が室内を支配した。思考は止まり、鼓動はリズムを刻むのを放棄し、スレンダーな肉体は餓死した死人のように痩せこけ、ショートボブの桃色の艷やかな髪は泥に浸かった鯰の髭となり、チャームポイントのハートマークがついた尻尾は乾燥して萎びた自然薯かと思われた。その全てがモノトーンであり灰色であり、酷い喜劇を単色でふざけて描いた絵画となっていた。

 その姿に意識を取り戻して駆け寄るヴェラが、大丈夫? 戻ってきてリリー! と心の底から心配し何度も何度も声をかけ背中をさする。ときおり、どんな邪悪な術さえも凌ぐ凶悪でこの世を滅ぼしそうな邪視を黒騎士に向ける。
 あらゆる魔術に精通する死霊王ブリコスは、この場をおさめる術がないかと術式を高速構築するときの思考でこの場シミュレートする。が、それよりただ一死人に戻りたかった。なんならこの場から逃れられるなら魔王様に死罪と自らに言って欲しかった。
 鬼王ゴリアテは両手を叩こうとしたままその人だったが、まだ固まって動けないでいた。百鬼の王の力を持ってしてもこの拘束は解けないでいた。いや、解けないでいて欲しかった。
 ゾルゲもポカンと開けた口を閉められずに、いま起きたことを整理するので精一杯だった。過去も未来も見通す力があるのに油断していたとはいえこの展開は一切読めなかった。

 ようやく死霊王の口が開いた。
そこから紡ぎ出される言葉は───
この場を鎮める術式の詠唱───ではなかった。

「アシュランよ」

「なんでございましょうか?」

「なんでではない! 朴念仁朴念仁とは思っていたが、お主ただのアホじゃったんだな! 脳筋ゴリアテのほうが可愛く見えるほどのな!」

「ゴ、ゴリアテ殿と比較されるなど! なんて侮辱を!」

「アシュランてめぇ! 俺は脳筋なのある程度自覚してるが、てめぇの頭は天然呆然大自然だわ!」

 アシュランの一言が凍てついた耳に入ったゴリアテは瞬時に解凍された。頭は悪いが鬼王は仲間と認めた者を気にするタイプである。そのためこういう機微には意外に敏い。何と言っても彼は子沢山で妻がいる。

「アシュランお兄ちゃん最低すぎ……」

 ドラコがポツリと呟く本音に皆が頷く。今まで表面には出さなかったがドラコは口調ほど精神年齢は幼くない。人が一生の中頃に差し掛かるくらいにはもう年齢を重ねている。ただ種族の特性として歩みが遅いだけであり、子供というわけではない。リリーがアシュランに首ったけだなんてとうの昔に気付いていた。揶揄したりしないのは陰ながら応援してるし、他人の恋愛事に興味津々なのは他の女の子となんら変わりない。だからこそアシュランの言葉は女として許せない。振るなら振るでもっとやり方があるだろう。なぜリリーをここまで貶めてコケにするのか。なんならこの場で龍の姿に戻り黒騎士を全力をもって焼きつけ踏みつけて丸呑みにしてやってもよいくらいの怒りを覚えていた。

「ド、ドラコ殿まで……いったい皆どうしたのだ! はっ───精神汚染か! まさかゾルゲ貴様!」

「なにゆえ吾輩!? 吾輩何にもしてませんって! 本当に何にもしてません! この有様はアシュラン様、貴方のせいですよ!」

「私こそなにもしていないではないか!」

 その刹那、全方向からお前のせいじゃー! リリーちゃんに謝れー! と叫び声と猛烈なヤジが飛ぶ。

 もう手遅れかもしれぬがとブリコスは突っ伏したまま先程から慟哭を止めたリリーに語りかける。

「リリーよ、軍議はもう中止じゃ。好きにせい。みんなお前の味方じゃぞ」

「ありがとうございます」

 間断なく返事をし、幽冥の境で彷徨う亡者の如く淫魔はフラリと立ち上がる。気遣うヴェラの手を握り返してテーブルに置き、もう大丈夫と上がらぬ首だけを立てに振るジェスチャーをする。

 そして…… 

「アシュラン」

 静かに動く口元から発せられた重い言霊は騒ぎが始まりかけていた室内を物理的な寒さを感じない冷めた力で辺りを鎮める。

「な、なんだ。私はただ淫魔たる貴女に迷惑が……」

「だまれ」

 強制的に声をかき消す深い慟哭の叫び。

「な、何が気に触ったのだ!」

「アシュラン♡」 

 別人としか思えぬ若き乙女の声。

「ど、どうした?」

「セックスしよ」

  “性交”
  言葉の意味としてはそうなのだが、性別や種族を超えた快楽をもたらす本気となった淫魔から発せられたその言葉は、通常のそれとはだいぶ意味が異なるものだった。
 夢魔の世界で自我が喪失し現実の肉体が滅びるまでこの世のものとは思えぬそして二度と味わうことのない快楽に支配される───それは廃人であり死と同義─── 

 早い話が本気をだした淫魔と性交したが最後、死ぬまで何もない空間に向かって、倒れようが、踏まれようが、腰をカクカク動かすだけのゼンマイ仕掛けのおもちゃとなる。

「お、落ち着いてくだされリリー殿!?」

 灰色になった桃色の髪は紅蓮に燃えて振り乱れる。キツく黒騎士を睨みつける目に比べれば地獄の獄卒の睥睨なんぞ子猫が擦り寄るときの甘えた目に過ぎなかったと思わされる程だった。

「だまって私に犯されろアシュラン!」

「リリー殿!」

 みるみるうちに両手の爪は猛禽類のような鉤爪となり、飛びかかる肉食獣の如きの跳躍はひと跨ぎにアシュランの喉元に食らいつく。
 しかし、魔王軍次席は伊達や酔狂じゃない。ヒラリと跳ね、背後の椅子を使ってバク転してこれをやりすごすと眼の前には噂を捻じ曲げ広めたゾルゲがキョトンとしている。

「ゾルゲ殿───いや、ゾルゲ! やはり貴様の仕業か!」

「えーーー⁉ だーーーかーーーら違いますって!」

 傘使いが椅子を跳ね上げ飛び退くと、アシュランのサーベルは右袈裟斬りからVの字を描いて左肩へ抜けていく。これは不味いと逃げ出すと愛剣をビュンビュン振り回しながらゾルゲに迫るその目は、こちらを疑い下手人扱いした目になっている。その後ろを普段の可愛らしくも妖艶な姿からは想像もできない修羅がアシュランを追っている。

「そもそも貴様がいらん噂をたてるからこんなことになるのだろうが!」

「私は元々あった噂の指向性をほんのちょこっと変えただけですよ! この事態はアナタが恋するレディを傷つけたから起きてるんです! そんなこともわからんのですか!」

「アシュラーーーーン!! やらせろーーー!!!」

 もはや剣術も型も関係なく右や左と愛剣でやたらめったら撫で切りにしてゾルゲを追うアシュラン、アシュラン追う修羅となったリリーら三人は要塞内を駆け巡る。明かりが灯る回廊を抜け居館を荒らし、別棟を破壊し、厠塔を爆破して、中庭をグルグルグルグル何十周と長距離走し、城塔を駆け登り、窓から抜け出し飛び降り、兵舎の屋根伝いを駆け抜け、隣の壁塔へ大ジャンプし外壁の歩廊までの超跳躍。
 しかしとうとう端も端に追い詰められたゾルゲはそのまま数十メートル下へパラソル広げて飛び降り滑空しなんとかその場を逃れ命拾いする。
 おのれ逃したか! と呟く黒騎士は己の危機に気が付いて、はたと後ろを振り返ればそこには陰気と淫気に支配された修羅が間近に迫る。

「まて、リリーどの。これは誤解だ。話を聞いて欲しい」

 今さらなにをっ! と飛びかかるリリーの両手を掴んで無力化しその柔らかな身体を寄せる。修羅の抵抗する力は、模擬戦をしたときに受けた鬼王ゴリアテを凌ぐレベルだが、魔剣の力を開放し全力をだす。

「聞いて欲しい」

「聞けるかぁ!」

 掴まれた両手が軋む。

「私は知っている。ここに連れてこられた幼い頃その時から、貴女がずっと私のことを見守ってくれていたことを」

 え? にわかに発動中の邪眼に正気が戻る。

「どんなときも必ず貴女は私の事を見ていてくれた。幼い頃は恥ずかしくて手を払ってしまったが───」

 鉤爪がシュルシュルと音をたてて元に戻る。

(そ、それはぁ…… 私の方がほんの悪戯心でぇ……)

「でも貴女はそんな私を見捨てたりせず、修行や戦いに明け暮れて傷つき戻ってきた私を、その眼差しでいつも癒やしてくれていたことを」

(いや、邪眼だからそんな癒やしの力はないんだけどなぁ……)

 アシュランはリリーの両手を離し小柄な身体に腕をまわし抱き寄せる。

(え、なになに!? 私抱きしめられてる⁉)

「私は知っています。親代わりのディノスが亡くなって孤独になり自暴自棄になりそうなときも、魔剣に頼りすぎて身も心も削れてしまったときも、貴女は温かい眼差しで包み込んでくれていたことを」

(ごめん! それ嗜虐心で誘惑しようとしてただけだから!)

「そんな貴女を」

(なんか、酷く誤解されてる! 嬉しいけど!)

「私が好きにならずにいられようか」

 ……え?

 ……はぁっ⁉

 ───えぇっ!!

 ───でもでもでもでも! 

 ───さっき未来永劫って……

 リリーを抱きしめる力がより強くなっていく。決してこの手を離さないほどに。

「貴女が私に好意を持っているという噂がたったとき、どれほど胸が高鳴っただろうか。貴女は見守ってくれていただけなのに───わかっている。夢魔族の淫魔は特定の者を好きになることなどないとわかっている。それなのに周りから揶揄され貴女に迷惑をかけてしまった───だからこそ私はその想いを殺し封印し、戦いに身を捧げることで貴女をあきらめていた」

(あきらめんなそこで!)

 だがそれ以上に自分を傷つけたくなかったのだ。貴女のような素晴らしい女性が私に振り向いてくれることなどないと…… 先の発言もそのためだ。私は───弱い男だ」

(奥手にもほどがあるぅ!)

 力強く抱きしめる手が緩み、リリーは外の世界に開放される。そのまま暖かな世界にいたかったとリリーは望んでいたのに。

「アシュラン───」

「許して欲しい。ここで自らの決意を破り想いを告げてしまったことを……」

 リリーのなだらか肩に置いた両手を離し拳を握り込む。もうこれが最後の触れ合いと誓うかの如く。

「馬鹿ね……」

(魅了が効かないわけね……)

「そうだ馬鹿だ。愚かだ。だが、これ以上貴女に迷惑はかけん」

(だって最初から───)

「もう未来永劫この想いは封印、ん───」



 その先はもう誰も見てないし誰も知らない。

 
 一部始終を見ていた将軍たちからも、続々と集合する野次馬たちからも、闇夜に浮かぶ衛星の青白い光からも、漆黒の空を彩る星々達からも、虹色の大きな大きなパラソルが二人を包み隠してしまったから───


 この物語はこれでおしまい




 でもあとちょっとだけ
 

 ◇    ◇    ◇    ◇    ◇



「ひとつわからないんですが、結局アシュラン様はリリーの魅了の邪眼にかかっていたってことですかねぇ?」 

「これは意外じゃな。誰よりも長く十二将軍を務めるお主のセリフとは思えぬ」

「というと?」

「淫魔の魅了の弱点を知っておるか?」

「さて?」

「しらばっくれておるのか?」

「いえいえ本当に、でございます。ブリコス様はご存知で?」

「伊達や酔狂でこの地位にはおらんよ。淫魔の魅了はな、淫魔自信が惚れた相手と、淫魔の心根に惚れた者同士では効果がでないんじゃ」

「つまり両思いには効かないと」

「そういうことじゃ。ときにゾルゲよ、此度の騒動お主の悪戯が原因の一端を担っていたのは間違いない。そこで騒ぎを起こした罰として休暇申請は不受理とする」

「え、吾輩だけが責任とらされるんですか⁉」

「この流れであの二人に責任を問うほどワシは野暮ではない」 

「ええ……」
(死者を冒涜するネクロマンサーのくせに、なに無駄に情深いのこの人……)

「早速だが次の任務は芸術都市ヴェニスニシスの内偵へ行ってまいれ」

「どうにも不服感は拭えませんがかしこまりました。ところであんな街、戦争となんの関係が……」

「いつも通り調査をすればよい。あぁ “ついで” 、で構わん。これを買ってくるのじゃ」

 虹色のパラソルを振るおうとして頭上に掲げたゾルゲにギッシリ文字が綴られた一枚の紙がスッと渡される。
 また土産かなんかのメモだろうまぁ、口頭でやたらめったら言われるよりいつもよりだいぶ進歩したか、と脳内によぎり掲げた日傘を振るいつつメモを開く。

「は。それでは行って参ります───(またお使いメインですかなになに……男性用女性用礼服、正礼服、夜間用礼服、お色直し用複数着。エレガントなピンヒール、パンプスなどのシューズ数足。指輪、首飾り、耳飾り等装飾品沢山。花束ありったけ。宴席用麦酒果実酒其々百樽。宴席用食料ダンスホールを埋める程。室内用装飾品……)」

 な、なんですかコレ? と口にするも転移のためのパラソルはすでに振るわれていた。

「皆まで言わせるな」

 すぅ、と音もなく消えていく足元に比べ頭部は困惑に満ちたその表情だけがこの場をうるさく彩る。

「コレ全部アタシが用意するんですか?」

「仕方ないじゃろ。お主しか空間移動できんのじゃし。飾り付けはこちらでやるでの。さらばじゃ……」

 胸元まで消えている男に魔族の参謀は干からびた手を振り始める。

「え、ちょ、ええーーー!」

 悲哀の籠もった叫びを残して床にフワリと落ちた虹色のパラソルは消えていく。
 まだまだゾルゲの使いっパシリは続くのだった。
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