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第20話「グランドマスター」
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時間は朝まで遡る。ロランは早朝から領主の屋敷の前に来ていた
(まさかまたここに来るなんてね)
屋敷の門に辿り着く。そこにはセレスが待っていた
「おはようロラン」
「おはよう。待ってたの?」
「うん。パパに許可もらってるから自由に使って」
屋敷の中に入ってすぐのロビーの所に、テーブルや椅子が並んでいた。
「こんな所で良いの?そこ入口だよ?」
「うちの家は昔からここでパーティーするんだよ」
「へー」
アオキ・セイジの時からの伝統である。堅苦しいのが苦手だったアオキは、パーティーの時は庭を使い誰もが来れる様にしていた。
ただ貴族に対しては失礼になる事もあったので、門と玄関を開放しロビーを使う様になる。
ロランはロビーを眺める。昔、伯爵にしてもらった誕生パーティーを思い出す。
「よし」
ギルドで借りたマジックバッグから色々な飾り付けを出した。セレスとメイドさん3人に手伝って貰いながら作業を進める。
「うまくいくかな・・」
セレスは心配しながら作業する
「大丈夫よ。セレスが気にしすぎなんだよ」
「でも・・」
「エディはとても知恵が働くわ。私も頼りにしてるの。でもやっぱり3歳の男の子でもあるの」
「・・・」
「エディも知らない事は沢山あるのよ?セレスに教えられる事なんていくらでも見つかるよ?」
「うん」
順調に作業を進めているとフェルヴがやって来た
「派手だな」
「フェルヴどうしたの?」
「いや。ジャンに用事があるだけだ」
獣人のメイドさんが一人、フェルヴに近づく
「では、私が案内します」
「ああ、頼む」
そうして屋敷の中に入り、応接室でジャンを待つ
「フェルヴ、動いたか?」
ジャンが慌てて入って来た
「ああ、4つに分かれてる」
「予想通りか。人払いの方は?」
「ギルドに伝えておいた。今は奴らが動きやすくなってる」
「一人も逃すわけにいかないからな」
「こちらから仕掛けるか?」
「ゼフィラムの事だ。どんないちゃもんを付けるか分からん。先に動かせよう」
「フロスト達には苦労させるな」
「心配要らん。フロストが相手だと王国騎士団も嫌がる」
「それじゃ、護衛対象は子供だけで良いな?」
「ああ。エディとエルは、フロストとスキナーに任せろ」
立ち上がるフェルヴ
「それじゃ外の奴だけ頼むぞ」
「ああ、うちの私兵にも良い肩慣らしになるだろう」
そしてフェルヴは出て行った。静かに聞いていたロバートが口を開く
「やっと荷が下りそうですな」
「エディットに気づかれなくて良かったよ」
「はっはっ、彼なら怒りのあまり何をするか分かりませんからな」
「ああ、絶対旅行中に襲われたとか、そんな文句を言われるぞ」
「しかし他国の銅板の冒険者になって来るとは予想外でしたな」
「いや、そんな奴は居る。だが兵士にやらせるとは」
「銅板でも所得した地の身分証として使えますからなあ」
「兵士に銀板を与えたり、いったい冒険者を何だと思ってるのか・・」
「そう言えばセレスお嬢様がロランと冒険者ギルドに行く様ですが、よろしいので?」
「構わん。セレスティアにもこの街の冒険者を信用させなきゃならん」
「他の地の冒険者とは違いますからな」
「俺達がこの地の冒険者に支えられてると知るのは必要な事だ」
そうしてジャンも準備にかかる。すぐに動ける私兵の配置と、王都に連絡する為の要員を準備する。
この世界ではまだ通信技術が発達していない。未熟な世界で通信を広げると軍だけが利用するとアオキが判断したのだ。
その為に昔から言った者勝ちな所があり、王宮は他国の動向をいつも気にしている。
ーーーーー
エディが学塾に向かっている頃、ロランとセレスも屋敷を出て冒険者ギルドに向かう。
「プレゼントあれで良いのかなあ」
セレスは心配している
「大丈夫よ。こう言うのも何だけど、エディの家って何も無いから」
「・・・」
初めて他人にプレゼントをあげるセレス。内心はドキドキ物である
「でもロランのプレゼントって弟にあげる物じゃないよね?」
「え?恋人よ?」
「そ、そうなの?」
話題に花を咲かせながら歩く二人だった
冒険者ギルドが一角にある広場に来ると、20人の不審な男達が道を塞いだ。目立つ場所だが不審者には考えがある
「なに?」
一人の男が下手くそな共用語でロランに話かける
「ロラン、ゼフィラム帝国に一緒に来よう」
「何でよ?」
「貴女に協力するからだ」
「誕生パーティーの場所はもう決めたわよ?」
「そうじゃない」
「じゃあ用は無いけど?」
「アルファティ教国とやらないか?」
「?・・勝手にやれば?」
「貴女の恨みだ」
「恨みなんて害虫にしか無いよ?」
「貴女を捨てた国の伯爵とやらないか?」
「?・・パパの事は好きよ?」
「・・・」
不審者は方針を変える
「多くの報酬が用意された。貴族を帝国として招待したい」
「?・・間に合ってるわ」
「まだこの国は貴族でいられまい」
「?・・元々貴族じゃないわよ?」
ロランは妾の子である。頭が良すぎたので一時期伯爵の子として扱われただけだ
「・・・」
不審者は方針を変える
「貴女の友達も旅立った。今すぐ行くべきだろう」
「そんな友達知らないわ」
「貴女が生活の姉弟だ。もう国境を出た」
動揺したのはセレスだった
「エディとエル?ロラン?」
セレスはロランを見る。ロランは冷静だった
「・・さらったの?」
「いいや。旅立った」
「何処へ?」
「ゼフィラム帝国だ」
「そお?じゃあそこで待ち合わせしてるから、ちょっと待ちましょうか?」
冒険者ギルドを指さす
「そんな時間は無い」
「待ち合わせの時間までもう少しなのよ」
「・・・貴女の友達が待っている」
「私がここで待つ事になってるの」
「・・・」
セレスは心配している。何故ロランが平気なのかまだ分からないのだ
ーーーーー
ちょうどその頃、エルが初めて近代魔法を発動させスキナーが敵を仕留めていた。
「ヒヤヒヤさせないでよね、スキンヘッド君」
騒ぎに気付いて近くの家の裏窓に居た婦人が右手を下ろした。大きなお腹を抱えている。
「魔力を全く感じない電気なんて、久しぶりにアオキの魔法を見たわね」
古代魔法と現代魔法でも電気を使う事は出来る。だがそれは多くの魔力を変換した物だ。
有力な魔法使いなら事前に察知が可能であり、魔力の電気なので魔法で対抗する事も出来る。
だがエルが使った近代魔法は純粋な電力を発している。標的にされれば雷と同じく浴びるしか無い。
「あの姉弟がオーサーの言ってたエディットの子達ね。この子の友達になってくれるかしら?」
お腹をさすりながらロバルデューの人族で最高の冒険者、オーサーの妻である魔族ヴィスクゥエスがエルを楽しそうに見つめていた。
そしてもう一人、もう少し離れた建物で杖を下ろした婦人が居た。母親のエルザだ。
彼女はフェルヴからの通達を受けている。スキナーが戦っていたので倒された時に備えていた。
「エルはやっぱり私の娘ね」
エルザは楽しそうに呟く。エルに昔の自分を重ねている
「でもエディってほんとに3歳なのかしら?」
姉を守ろうと行動したエディを不思議に思う様になった
ーーーーー
冒険者ギルドの中ではロラン達と不審者の動向を見守る者が居た
「ハッ、堂々と姿を見せるとはやるじゃねえか」
「めんどくさいのお。下手に手を出すとこっちが襲った事にされる」
ガルべスとドク爺が話す
「あの中には無関係を装って騒ぐのが居るでしょうね」
そう予想するのは中堅の女性冒険者リミエだ
「他国の銅板で来ておるからのお・・考えたもんじゃ」
「今回失敗しても、暴行の原因になったロランを渡せって所か?ハッ、めんどくせえ」
「いっそ殺っちゃえば?」
「死人に口無しって言いますし?」
過激な発言は受付嬢のティアとアリシアだ
「必要ならそうするが、俺達は戦争やってんじゃねえぞ?」
ガルべスが尤もな事を言う
「それに証言者を残さないと国が困るでしょ」
リミエは王都出身なので国も気がかりなのは仕方ない
「全員から手を出してもらうしか無いっすねー」
そう言うのはやる気の無さそうな、猫耳の中堅冒険者マーフィー
「仕方ない。後が面倒じゃが使うしか無いか」
兎人族のドク爺とティアは外の会話が聞こえている。
「どれ、わしが行く事にする。お主らは逃がさん様にだけしてくれ」
全員が頷いた
ーーーーー
不審者は勧誘は無理だと判断し、手を変える。大きな音を出す笛を鳴らした。
「あの姉弟が旅立っている。我らの手の内だ」
「?・・やっぱさらったって事?」
不審者は頷く
「ロラン」
セレスは泣きそうだ
「今ここに辿り着く」
「そう。で?」
「・・・命が惜しいか?」
「こっちのセリフになりそうだけど?」
人がやってくる気配は全く無い。不審者達は徐々に焦りだす
(失敗したと言うのか?あれだけ入念に計画を立て人も割いたのだぞ?)
その割にはこの街を知らなさすぎである
実力行使に出ようとする。5人の男が武器を持った。剣が3人、ボウガンが2人だ
「その娘、死んだぞ?」
セレスの事だ。相変わらず下手な共用語だが、最後通告である
そしてロランと会話をしていた男の肩に、ドク爺の手が乗せられた。全員が固まった。
気付いていたのはギルドに向いていたロランとセレスだけ。
普通にゆっくり歩いてきたが、誰も気配を感じる事は出来なかった
「この街で騒ぎを起さんでくれんかのお?」
「・・・」
流暢な共用語でそう言い、男の横を通り過ぎてロランに近づく。誰も動けない。
「ロラン、後はこの街の冒険者に任せるとよい」
「私もこの街の冒険者だよ?」
「・・・そうか」
(変わったのお・・あれからわずかひと月程と言うのに・)
そして金色のカードを出す。金板、国の代表者を表す。冒険者ギルドのグランドマスターの証にも金板が使われる。
「わしはこの国のグランドマスター、ドックラング。お主らへの逮捕権を冒険者に発行した。覚悟しておけ」
金板はどこかの国の副将軍の印籠並みである。銅板を盾に騒いでも金板に潰される。
ただし冒険者ギルドは独立組織の為、ドク爺も金板を認めた他国のギルドへ出向き、事情説明が必要になる。行使した時の権力が大きいからである。
アオキに倣って4カ国以上の冒険者ギルドに承認されるのが、グランドマスターだ。
不審者達は全員ローブを脱ぎ捨てる。剣士5人、魔法使い5人、ボウガン10人だ。
ボウガンはある意味、ロランの天敵と言える
ーーーーー
ロランはセレスを抱きかかえる
「ロラン、魔法使いだけ頼む」
ロランは頷く
まずボウガンが立て続けに放たれたが、ドク爺は外れる矢は無視し、ロランに向かった矢を叩き落とす。
唖然とする弓兵達。兎人族の耳は矢のスピード、威力、向き、位置を即座に判断する。
ドク爺は戦闘経験が豊富な為、他の兎人とは格が違った。そして剣士が3人迫って来る。
一人がドク爺に襲いかかり、二人はドク爺が避けた所を狙おうとする。
しかしドク爺の『一歩』は剣士を越え、後ろを取った。
剣士は気付く間もなく、手刀で気絶させられた
魔法使い達が慌てて杖の先に魔法陣を出すが、ロランを前にやってはいけない事だと彼らは知らない。
魔法陣に白い魔法陣が重なった。すでに発動している状態だ
近代魔法を知らないので動揺する魔法使い達。3人が構わず魔法を発動した。
火、風、水を使おうとするが自爆する
勘違いの魔法の前には、現代魔法は無意味である。
指向性の魔法。魔力を電波だと勘違いさせ、パラボラアンテナの効果を発揮する。
エルでは1つしか出せないが、ロランなら100でも可能だ。
ボウガン部隊が矢をセットし終わった頃には、3人の剣士と3人の魔法使いが倒れていた。
残り2人の剣士はドク爺に挑むが、他の12人は散り散りに逃げた。
心意気に応じるドク爺。手刀で剣に応戦する。
剣士も死線を潜り抜けた強者である。戦いながらドク爺の手捌きに陶酔していく。
ドク爺を慕う者が多いのも、剣を必要としない見事な手刀があるからだ。
そしてドク爺は手刀で頸椎を狙い、2人を気絶させた
「すごい。でも逃げちゃったよ?」
とセレス。ロランが答える
「この街からは逃げられないよ?」
「そうなの?」
「うん」
「・・・そうだ!エディ達大丈夫かな?」
「心配無いよ。この街で人攫いなんて、私ならやりたくないからね」
セレスは父親の近代魔法を知っている。その威力も
「へ、へえー」
ーーーーー
魔法使い二人が路地を駆け抜ける
「グランドマスターなんて聞いてねえぞ?」
「と、とにかく国に戻ろう。俺達では判断できん」
角を曲がった所で足を止める
「女かよ、焦らすな!」
そう言い杖を構えた
中堅の女性冒険者リミエ、長身のサーベルを抜く。
魔法使いが魔法陣を出した瞬間、一気に踏み込み長剣で魔法陣の詠唱の一部を破壊する。
「「え?」」
魔法は不発に終わった
リミエの剣術は優れていないが、格闘が苦手な魔法使いだと敵では無い。
そして二人を峰打ちで仕留める
魔法使い潰しで名が通るエディットの弟子(自称)
魔力にも剣術にも恵まれない彼女は、エディットの事を知りストーカーを始めた。
せめて魔法使い相手に戦える様になれば、護衛依頼の仕事を貰えると思ったのだ。
エディットは仕方なく、学生時代に魔法陣ごと殴ってる内に気付いた弱点を教える。
簡単では無かったが、エディットに付き纏い技術を得たのである。
今ではこの地が気に入りロバルデューの冒険者となり、訪れる旅行者の護衛依頼を受けている。
ーーーーー
2人の弓兵が森をめがけて突っ走る。足の速い2人だ
「早く知らせないと」
「グランドマスターが居たとはな」
全力で走る。森の入口が見えてきた
「森に入れば合流できる・・」
先頭が振り向くと誰も居なかった。足を止める。だがやって来るのは恐怖だけ。
再び走ろうとすると、目の前に拳が迫っていた
「!?」
顎を殴られ昏倒する。猫人族の冒険者マーフィーがそこに立っていた
「疲れた~、こんなに速いとは思わなかったよ」
猫人族。その機敏さは猫人ならではの物がある。だか彼は格闘を得意としていない。
待ち伏せと不意打ちを戦術に選ぶ事になり、いつしか賞金稼ぎと呼ばれる様になった。
ーーーーー
次々仲間が捕まる中、一人で行動している弓兵が居た。普段から隠密の仕事をしている男だ。
捕まっていく仲間を囮にして森に入っていく
(どう言う事だ?)
森に居た仲間14人が、4人の衛兵によってロープで数珠繋ぎにされている
(衛兵ごときに捕まるとは、何をやっていたんだ?)
ロバルデューの私兵は獣人が多く、交代勤務だ。彼らも調査はしていたはず。
だが人族と獣人が共に暮らす国は3カ国しか無く、その為に獣人の能力を軽く見ていた。
弓兵の後ろに赤毛の犬獣人ブランが立つ
「おあっ」
ボウガンを出し至近距離で射るが軽くかわされた。
ブランは剣を抜き、峰で弓兵の胴体を打ち抜く
「ごぼぐぇ~」
内容物をぶちまけながら弓兵は倒れた
「領主様よ、これじゃ訓練にもならねえぞ?」
そう言って弓兵を引き摺りながら仲間と合流する
ーーーーー
冒険者ギルドでは騒然としていた。フロストが戻って来てエディが先にギルドへ来てるはずだと告げたのだ。
さすがにロランも焦りだした
ドク爺とガルべスは思案する。セレスはもう泣きそうだ
そんな時にフィル先生がギルドに入って来る。後ろにはエルとエディが居た。
フィルはスキナーとは別の道を探していたので、合流が遅れてしまったのだ。
「エディ!!」
ロランはエディを抱き上げ、唇を押しつけるようにキスをした
「っ!ちょ、待ってろらん」
ここではさすがに恥ずかしい。エディも赤くなり周りを見る
(・・・)
フロストがorzな体勢になっていた
(まさかまたここに来るなんてね)
屋敷の門に辿り着く。そこにはセレスが待っていた
「おはようロラン」
「おはよう。待ってたの?」
「うん。パパに許可もらってるから自由に使って」
屋敷の中に入ってすぐのロビーの所に、テーブルや椅子が並んでいた。
「こんな所で良いの?そこ入口だよ?」
「うちの家は昔からここでパーティーするんだよ」
「へー」
アオキ・セイジの時からの伝統である。堅苦しいのが苦手だったアオキは、パーティーの時は庭を使い誰もが来れる様にしていた。
ただ貴族に対しては失礼になる事もあったので、門と玄関を開放しロビーを使う様になる。
ロランはロビーを眺める。昔、伯爵にしてもらった誕生パーティーを思い出す。
「よし」
ギルドで借りたマジックバッグから色々な飾り付けを出した。セレスとメイドさん3人に手伝って貰いながら作業を進める。
「うまくいくかな・・」
セレスは心配しながら作業する
「大丈夫よ。セレスが気にしすぎなんだよ」
「でも・・」
「エディはとても知恵が働くわ。私も頼りにしてるの。でもやっぱり3歳の男の子でもあるの」
「・・・」
「エディも知らない事は沢山あるのよ?セレスに教えられる事なんていくらでも見つかるよ?」
「うん」
順調に作業を進めているとフェルヴがやって来た
「派手だな」
「フェルヴどうしたの?」
「いや。ジャンに用事があるだけだ」
獣人のメイドさんが一人、フェルヴに近づく
「では、私が案内します」
「ああ、頼む」
そうして屋敷の中に入り、応接室でジャンを待つ
「フェルヴ、動いたか?」
ジャンが慌てて入って来た
「ああ、4つに分かれてる」
「予想通りか。人払いの方は?」
「ギルドに伝えておいた。今は奴らが動きやすくなってる」
「一人も逃すわけにいかないからな」
「こちらから仕掛けるか?」
「ゼフィラムの事だ。どんないちゃもんを付けるか分からん。先に動かせよう」
「フロスト達には苦労させるな」
「心配要らん。フロストが相手だと王国騎士団も嫌がる」
「それじゃ、護衛対象は子供だけで良いな?」
「ああ。エディとエルは、フロストとスキナーに任せろ」
立ち上がるフェルヴ
「それじゃ外の奴だけ頼むぞ」
「ああ、うちの私兵にも良い肩慣らしになるだろう」
そしてフェルヴは出て行った。静かに聞いていたロバートが口を開く
「やっと荷が下りそうですな」
「エディットに気づかれなくて良かったよ」
「はっはっ、彼なら怒りのあまり何をするか分かりませんからな」
「ああ、絶対旅行中に襲われたとか、そんな文句を言われるぞ」
「しかし他国の銅板の冒険者になって来るとは予想外でしたな」
「いや、そんな奴は居る。だが兵士にやらせるとは」
「銅板でも所得した地の身分証として使えますからなあ」
「兵士に銀板を与えたり、いったい冒険者を何だと思ってるのか・・」
「そう言えばセレスお嬢様がロランと冒険者ギルドに行く様ですが、よろしいので?」
「構わん。セレスティアにもこの街の冒険者を信用させなきゃならん」
「他の地の冒険者とは違いますからな」
「俺達がこの地の冒険者に支えられてると知るのは必要な事だ」
そうしてジャンも準備にかかる。すぐに動ける私兵の配置と、王都に連絡する為の要員を準備する。
この世界ではまだ通信技術が発達していない。未熟な世界で通信を広げると軍だけが利用するとアオキが判断したのだ。
その為に昔から言った者勝ちな所があり、王宮は他国の動向をいつも気にしている。
ーーーーー
エディが学塾に向かっている頃、ロランとセレスも屋敷を出て冒険者ギルドに向かう。
「プレゼントあれで良いのかなあ」
セレスは心配している
「大丈夫よ。こう言うのも何だけど、エディの家って何も無いから」
「・・・」
初めて他人にプレゼントをあげるセレス。内心はドキドキ物である
「でもロランのプレゼントって弟にあげる物じゃないよね?」
「え?恋人よ?」
「そ、そうなの?」
話題に花を咲かせながら歩く二人だった
冒険者ギルドが一角にある広場に来ると、20人の不審な男達が道を塞いだ。目立つ場所だが不審者には考えがある
「なに?」
一人の男が下手くそな共用語でロランに話かける
「ロラン、ゼフィラム帝国に一緒に来よう」
「何でよ?」
「貴女に協力するからだ」
「誕生パーティーの場所はもう決めたわよ?」
「そうじゃない」
「じゃあ用は無いけど?」
「アルファティ教国とやらないか?」
「?・・勝手にやれば?」
「貴女の恨みだ」
「恨みなんて害虫にしか無いよ?」
「貴女を捨てた国の伯爵とやらないか?」
「?・・パパの事は好きよ?」
「・・・」
不審者は方針を変える
「多くの報酬が用意された。貴族を帝国として招待したい」
「?・・間に合ってるわ」
「まだこの国は貴族でいられまい」
「?・・元々貴族じゃないわよ?」
ロランは妾の子である。頭が良すぎたので一時期伯爵の子として扱われただけだ
「・・・」
不審者は方針を変える
「貴女の友達も旅立った。今すぐ行くべきだろう」
「そんな友達知らないわ」
「貴女が生活の姉弟だ。もう国境を出た」
動揺したのはセレスだった
「エディとエル?ロラン?」
セレスはロランを見る。ロランは冷静だった
「・・さらったの?」
「いいや。旅立った」
「何処へ?」
「ゼフィラム帝国だ」
「そお?じゃあそこで待ち合わせしてるから、ちょっと待ちましょうか?」
冒険者ギルドを指さす
「そんな時間は無い」
「待ち合わせの時間までもう少しなのよ」
「・・・貴女の友達が待っている」
「私がここで待つ事になってるの」
「・・・」
セレスは心配している。何故ロランが平気なのかまだ分からないのだ
ーーーーー
ちょうどその頃、エルが初めて近代魔法を発動させスキナーが敵を仕留めていた。
「ヒヤヒヤさせないでよね、スキンヘッド君」
騒ぎに気付いて近くの家の裏窓に居た婦人が右手を下ろした。大きなお腹を抱えている。
「魔力を全く感じない電気なんて、久しぶりにアオキの魔法を見たわね」
古代魔法と現代魔法でも電気を使う事は出来る。だがそれは多くの魔力を変換した物だ。
有力な魔法使いなら事前に察知が可能であり、魔力の電気なので魔法で対抗する事も出来る。
だがエルが使った近代魔法は純粋な電力を発している。標的にされれば雷と同じく浴びるしか無い。
「あの姉弟がオーサーの言ってたエディットの子達ね。この子の友達になってくれるかしら?」
お腹をさすりながらロバルデューの人族で最高の冒険者、オーサーの妻である魔族ヴィスクゥエスがエルを楽しそうに見つめていた。
そしてもう一人、もう少し離れた建物で杖を下ろした婦人が居た。母親のエルザだ。
彼女はフェルヴからの通達を受けている。スキナーが戦っていたので倒された時に備えていた。
「エルはやっぱり私の娘ね」
エルザは楽しそうに呟く。エルに昔の自分を重ねている
「でもエディってほんとに3歳なのかしら?」
姉を守ろうと行動したエディを不思議に思う様になった
ーーーーー
冒険者ギルドの中ではロラン達と不審者の動向を見守る者が居た
「ハッ、堂々と姿を見せるとはやるじゃねえか」
「めんどくさいのお。下手に手を出すとこっちが襲った事にされる」
ガルべスとドク爺が話す
「あの中には無関係を装って騒ぐのが居るでしょうね」
そう予想するのは中堅の女性冒険者リミエだ
「他国の銅板で来ておるからのお・・考えたもんじゃ」
「今回失敗しても、暴行の原因になったロランを渡せって所か?ハッ、めんどくせえ」
「いっそ殺っちゃえば?」
「死人に口無しって言いますし?」
過激な発言は受付嬢のティアとアリシアだ
「必要ならそうするが、俺達は戦争やってんじゃねえぞ?」
ガルべスが尤もな事を言う
「それに証言者を残さないと国が困るでしょ」
リミエは王都出身なので国も気がかりなのは仕方ない
「全員から手を出してもらうしか無いっすねー」
そう言うのはやる気の無さそうな、猫耳の中堅冒険者マーフィー
「仕方ない。後が面倒じゃが使うしか無いか」
兎人族のドク爺とティアは外の会話が聞こえている。
「どれ、わしが行く事にする。お主らは逃がさん様にだけしてくれ」
全員が頷いた
ーーーーー
不審者は勧誘は無理だと判断し、手を変える。大きな音を出す笛を鳴らした。
「あの姉弟が旅立っている。我らの手の内だ」
「?・・やっぱさらったって事?」
不審者は頷く
「ロラン」
セレスは泣きそうだ
「今ここに辿り着く」
「そう。で?」
「・・・命が惜しいか?」
「こっちのセリフになりそうだけど?」
人がやってくる気配は全く無い。不審者達は徐々に焦りだす
(失敗したと言うのか?あれだけ入念に計画を立て人も割いたのだぞ?)
その割にはこの街を知らなさすぎである
実力行使に出ようとする。5人の男が武器を持った。剣が3人、ボウガンが2人だ
「その娘、死んだぞ?」
セレスの事だ。相変わらず下手な共用語だが、最後通告である
そしてロランと会話をしていた男の肩に、ドク爺の手が乗せられた。全員が固まった。
気付いていたのはギルドに向いていたロランとセレスだけ。
普通にゆっくり歩いてきたが、誰も気配を感じる事は出来なかった
「この街で騒ぎを起さんでくれんかのお?」
「・・・」
流暢な共用語でそう言い、男の横を通り過ぎてロランに近づく。誰も動けない。
「ロラン、後はこの街の冒険者に任せるとよい」
「私もこの街の冒険者だよ?」
「・・・そうか」
(変わったのお・・あれからわずかひと月程と言うのに・)
そして金色のカードを出す。金板、国の代表者を表す。冒険者ギルドのグランドマスターの証にも金板が使われる。
「わしはこの国のグランドマスター、ドックラング。お主らへの逮捕権を冒険者に発行した。覚悟しておけ」
金板はどこかの国の副将軍の印籠並みである。銅板を盾に騒いでも金板に潰される。
ただし冒険者ギルドは独立組織の為、ドク爺も金板を認めた他国のギルドへ出向き、事情説明が必要になる。行使した時の権力が大きいからである。
アオキに倣って4カ国以上の冒険者ギルドに承認されるのが、グランドマスターだ。
不審者達は全員ローブを脱ぎ捨てる。剣士5人、魔法使い5人、ボウガン10人だ。
ボウガンはある意味、ロランの天敵と言える
ーーーーー
ロランはセレスを抱きかかえる
「ロラン、魔法使いだけ頼む」
ロランは頷く
まずボウガンが立て続けに放たれたが、ドク爺は外れる矢は無視し、ロランに向かった矢を叩き落とす。
唖然とする弓兵達。兎人族の耳は矢のスピード、威力、向き、位置を即座に判断する。
ドク爺は戦闘経験が豊富な為、他の兎人とは格が違った。そして剣士が3人迫って来る。
一人がドク爺に襲いかかり、二人はドク爺が避けた所を狙おうとする。
しかしドク爺の『一歩』は剣士を越え、後ろを取った。
剣士は気付く間もなく、手刀で気絶させられた
魔法使い達が慌てて杖の先に魔法陣を出すが、ロランを前にやってはいけない事だと彼らは知らない。
魔法陣に白い魔法陣が重なった。すでに発動している状態だ
近代魔法を知らないので動揺する魔法使い達。3人が構わず魔法を発動した。
火、風、水を使おうとするが自爆する
勘違いの魔法の前には、現代魔法は無意味である。
指向性の魔法。魔力を電波だと勘違いさせ、パラボラアンテナの効果を発揮する。
エルでは1つしか出せないが、ロランなら100でも可能だ。
ボウガン部隊が矢をセットし終わった頃には、3人の剣士と3人の魔法使いが倒れていた。
残り2人の剣士はドク爺に挑むが、他の12人は散り散りに逃げた。
心意気に応じるドク爺。手刀で剣に応戦する。
剣士も死線を潜り抜けた強者である。戦いながらドク爺の手捌きに陶酔していく。
ドク爺を慕う者が多いのも、剣を必要としない見事な手刀があるからだ。
そしてドク爺は手刀で頸椎を狙い、2人を気絶させた
「すごい。でも逃げちゃったよ?」
とセレス。ロランが答える
「この街からは逃げられないよ?」
「そうなの?」
「うん」
「・・・そうだ!エディ達大丈夫かな?」
「心配無いよ。この街で人攫いなんて、私ならやりたくないからね」
セレスは父親の近代魔法を知っている。その威力も
「へ、へえー」
ーーーーー
魔法使い二人が路地を駆け抜ける
「グランドマスターなんて聞いてねえぞ?」
「と、とにかく国に戻ろう。俺達では判断できん」
角を曲がった所で足を止める
「女かよ、焦らすな!」
そう言い杖を構えた
中堅の女性冒険者リミエ、長身のサーベルを抜く。
魔法使いが魔法陣を出した瞬間、一気に踏み込み長剣で魔法陣の詠唱の一部を破壊する。
「「え?」」
魔法は不発に終わった
リミエの剣術は優れていないが、格闘が苦手な魔法使いだと敵では無い。
そして二人を峰打ちで仕留める
魔法使い潰しで名が通るエディットの弟子(自称)
魔力にも剣術にも恵まれない彼女は、エディットの事を知りストーカーを始めた。
せめて魔法使い相手に戦える様になれば、護衛依頼の仕事を貰えると思ったのだ。
エディットは仕方なく、学生時代に魔法陣ごと殴ってる内に気付いた弱点を教える。
簡単では無かったが、エディットに付き纏い技術を得たのである。
今ではこの地が気に入りロバルデューの冒険者となり、訪れる旅行者の護衛依頼を受けている。
ーーーーー
2人の弓兵が森をめがけて突っ走る。足の速い2人だ
「早く知らせないと」
「グランドマスターが居たとはな」
全力で走る。森の入口が見えてきた
「森に入れば合流できる・・」
先頭が振り向くと誰も居なかった。足を止める。だがやって来るのは恐怖だけ。
再び走ろうとすると、目の前に拳が迫っていた
「!?」
顎を殴られ昏倒する。猫人族の冒険者マーフィーがそこに立っていた
「疲れた~、こんなに速いとは思わなかったよ」
猫人族。その機敏さは猫人ならではの物がある。だか彼は格闘を得意としていない。
待ち伏せと不意打ちを戦術に選ぶ事になり、いつしか賞金稼ぎと呼ばれる様になった。
ーーーーー
次々仲間が捕まる中、一人で行動している弓兵が居た。普段から隠密の仕事をしている男だ。
捕まっていく仲間を囮にして森に入っていく
(どう言う事だ?)
森に居た仲間14人が、4人の衛兵によってロープで数珠繋ぎにされている
(衛兵ごときに捕まるとは、何をやっていたんだ?)
ロバルデューの私兵は獣人が多く、交代勤務だ。彼らも調査はしていたはず。
だが人族と獣人が共に暮らす国は3カ国しか無く、その為に獣人の能力を軽く見ていた。
弓兵の後ろに赤毛の犬獣人ブランが立つ
「おあっ」
ボウガンを出し至近距離で射るが軽くかわされた。
ブランは剣を抜き、峰で弓兵の胴体を打ち抜く
「ごぼぐぇ~」
内容物をぶちまけながら弓兵は倒れた
「領主様よ、これじゃ訓練にもならねえぞ?」
そう言って弓兵を引き摺りながら仲間と合流する
ーーーーー
冒険者ギルドでは騒然としていた。フロストが戻って来てエディが先にギルドへ来てるはずだと告げたのだ。
さすがにロランも焦りだした
ドク爺とガルべスは思案する。セレスはもう泣きそうだ
そんな時にフィル先生がギルドに入って来る。後ろにはエルとエディが居た。
フィルはスキナーとは別の道を探していたので、合流が遅れてしまったのだ。
「エディ!!」
ロランはエディを抱き上げ、唇を押しつけるようにキスをした
「っ!ちょ、待ってろらん」
ここではさすがに恥ずかしい。エディも赤くなり周りを見る
(・・・)
フロストがorzな体勢になっていた
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