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第22話「魔法神グリモア」
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※神様の登場回です。
ーーーーー
深夜に目が覚めた。おふ、またロランの胸を枕にしていた
(・・・なんで一緒のベッドなの?)
周りを見ると姉ちゃんは戻っていない
(まあ初めてのお泊まり会だし)
領主の屋敷で借りた部屋は4人部屋。俺と姉ちゃんとロランが使う予定だった。
姉ちゃんはリーサとレミとレノンが居る部屋に行ってそのまま寝た様だ。
(ベッド4つあるのに)
ロランを見て、そう思いながらトイレに向かう
廊下には前世の様にトイレの標識と矢印がある。アオキが付けたんだろう
トイレを済ませて戻ろうとした
「エディ」
(ん?)
「だれ?」
反応が無い。歩こうとする
「こっち」
(どっち?)
嫌な感じは全くしないので探検してみる
(地下?)
階段があった。良いのかな?と思いながら降りてみる
(部屋は開けない方が良いだろうなあ)
いくつかある部屋を通り過ぎて行き止まりまで来た。壁全体が両開きの扉だった。
「ぐりもーあー・・グリモア?」
(どう見てもローマ字だよな)
扉には『grimoire』の文字があった。扉に触れると勝手に開いていく
(入れって事?戻った方が良いだろうか?)
考える。もし魔法神が呼んだとしたら会えるのではないか?
意を決して入った
中は薄らと明るい。そこには祭壇があった。人が15人ぐらいなら座れるベンチもある。
(祭壇か・・これは女神像?しかしすごい事になってるな)
木製の女神像の周りは草花が茂っていた。生えていたでは無い、茂っているのだ。
(太陽は見えないよね。どう言う事?)
祭壇に近づく。女神像を見て、ふと思った
(会った記憶は無いけど、見覚えがある?)
女神像と言っても精巧な作りでは無い。暇潰しに手彫りしてみたって感じで、多少手先が器用なら作れるレベルだ。
(うーん・・戻ろう)
戻ろうとして振り向く
「え?じゃんぐる?」
そこは別世界になった。前世なら熱帯雨林って感じだが見た事無い木や草花ばかりだ。
(・・・帰れるのだろうか?)
「お待ちしていました、青木誠司さん」
綺麗な女性の声がした。振り返ると女性が立っている。背景が見えるぐらいに透通っていた。
「おばけ?」
「失礼な」
ノリは良さそうだ
ーーーーー
「私はグリモア、魔法神と呼ばれています」
「どうも」
「きっと青木さんが訪れてくれると信じていました」
「たんじょうパーティーで来てただけだよ?」
「・・・私はどうしても青木さんに謝罪とお願いをしたいのです」
(謝罪?)
「なにかあった?」
「青木さんをこの世界に連れてきた理由です」
(それは知りたいな)
俺は頷く
「それには、まずこの世界の成り立ちから説明する事になります」
「・・はなし長い?」
「・・・端折ります」
「それなら」
「この世界は地球に比べてとても若い星として誕生しました。
地球の様に生命も生まれましたが、魔素が満ちていた為に全く違う進化を遂げました」
「まじゅう?」
グリモアは頷く
「魔物達の進化の過程で人と言える存在が誕生しました。今では魔族と呼ばれています。私もその一員です」
(なるほど。国語辞典に載ってた通りか)
「私が魔法を発明し広めた事を地球の神々に認められ、この星の神になる様に導かれました」
(地球の神が認めた?)
「何でちきゅう?」
「知識を有する生命が居る惑星にしか神は存在しません。
地球の神々は始まりの神です。グリモアと言う名も地球の神より頂いた物です」
(地球の神様は宇宙を支配してたりして)
「約2000年前に地球を訪問しました。まさに文明が開花しようとしている時代でした。
魔族は地球の人みたいに、新たな発見や探究をする人種では無かったのです」
(弥生時代だっけ?ローマ帝国があったりイエス○リストが居たんだよね)
「そこで地球より動植物の種を頂いて、この世界で進化を促しました」
「それでちきゅうと同じ動物や食べ物がおおいの?」
「ええ。まず亜人が、そして獣人が誕生しました。獣人は魔族より社会性がありましたが縄張りの維持に力を入れ、文明の進化は起こりませんでした」
(読めてきた)
「そして転移、転生の許可を頂いたのです」
(やっぱり転移もあるのか)
「それには条件があります。その地の神が許可をする事。人として何も残せなかった事。人として輪廻の輪に乗れない事です」
「え?じゃあおれは?」
「コオロギの予定でした」
(へー・・まあコオロギも良いかもね?)
「まず転移は失敗しました。膨大な魔力を得ましたが、それに侵され死んでいながら死ねないと言う状況です」
「それって」
「不死者となりました」
(不死王?地球人だったのか)
「転生は魔族の子として生まれ成功しましたが、魔族なので文明の発展はありません。
その後も試行錯誤を繰り返して、転生型の転移に成功したのです」
「ん?」
「転生でありながら地球人のまま、魔族である母親の胎内に宿したのです。
多くの人族が生まれ、その中で強力な魔力を持つ人族が誕生するようになりました」
「もしかして?」
「私も手を貸し、彼らを中心に魔法国家グリモワールを建設したのです。
彼らは魔道具を作り、飛躍的に文明が進化しました」
(この世界の人族の祖先が地球人。ロランは強力な魔力を得た人の末裔か)
ここで一息置いた。グリモアが紅茶を用意してくれる。
ーーーーー
全然話を端折って無い気がするが、この世界の歴史にも興味があるので黙っておく
「でもほろんじゃったね」
「ええ、人族を甘く見ていました。何処までも強欲であり、嫉妬が激しく、執念深い。魔族や獣人はそれ程ではありません」
(前世の歴史も争いばかりだしな)
「それでも魔道具は残ったので、さらなる進化を待ちました」
「でもだめだった?」
「そうです。しかも後退しようとしていました」
「それでアオキ?」
グリモアは頷くが申し訳なさそうな顔をする
「私はヨーロッパを中心に転生者を選んできました。
でも計画を実行するには神々の目が厳しいので、比較的緩い日本人を選択したのです」
(ふむ?)
「青木誠二さんと言う素晴らしい方が死を迎えようとしていました。
学者であり研究者であり、多くの企業の顧問も勤めた名誉教授です」
(何それ天才じゃん)
「でも彼は輪廻の輪に乗る事が決まっていました」
「おれは関係あったの?」
「青木誠二さんと同日に亡くなる方を見つけました。
それがあなたである青木誠司さんです」
(・・・)
「私はあなたを転生者として貰える許可を頂きました。
そして青木誠二さんを奪う為の隠れ蓑にしたのです」
(なるほど。アオキが欲しいから俺と見せかけて奪った訳か)
グリモアは頷く。心が読めるのだろうか?
「あなたに謝りたいのは、そう言う経緯だからなの。ごめんなさい」
そう言って深々と頭を下げた。言葉使いも説明口調から変わっていた
ーーーーー
そしてグリモアは一息ついた後、話を続ける
「その時に日本から受け入れた転生者は20人。その中にはあなたの父親になる血筋も居ましたよ」
「え?パパのせんぞ日本人?」
「そうです」
「もしかしてロバートさんも?」
「ええ」
「でもパパにまりょく無いよ?」
「転生先が人族でしたから」
「・・もしかしてアオキは?」
「そうです。強力な魔力を得る為に魔族の親を選択しました」
(アオキの出身地が分からないはずだ)
「そしてこの世界の文明を開花させる為に、前世の記憶を残したのです」
「それが今のぶんめいって事?」
「ええ」
ふと思った
「じゃあおれはどうしてここに?」
「私は地球の神々の怒りに触れ、力を奪われました。当時は世界に干渉する事が出来なくなったのです」
(まあバレたら怒られるよね。不正だし)
「隠れ蓑であるあなたは転生していません。魂の行き場が無くなり、私はあなたを保護する事だけに専念しました」
(見覚えがあると思ったのはそれでか)
「ようやく一人だけ転生させる力が戻った時、困った事が起こりそうになっていたのです」
「おこりそうってみらい?」
「ええ。人の国が2つの勢力に別れ、大きな戦争になります。文明が大幅に後退する要因になるでしょう」
(地球はある意味戦争も進化の切っ掛けになったけど、この世界では逆か)
グリモアは頷く
「未だ魔力に頼る世界ですから」
(ふむ)
ーーーーー
「・・で、お願いって?」
「アオキが残した封印された技術書と指南書を開いて欲しいのです」
「そんなのがあるの?」
「大きな戦争を防ぐための、とても有用な事が記載されています」
「ひらけるの?」
「封印された書物は、前世が日本人のアオキ・セイジにしか開けません」
(なるほど)
「それでおれに前世のきおくがあるの?」
「はい。でもおよそ200年程眠っていましたので、記憶は完全に戻っていません」
(それは実感してる。そう言えば知りたい事があった)
「エルフのげんごが分かったのは?」
「私が与えた能力です。しかし私の力が足りず、アオキほど完璧ではありません」
「もじ分かんないもんね」
「ごめんなさい」
(十分助かってるので謝らなくていいのに・・)
「ふういんされた本をひらいたら、おれがアオキって思われない?」
「それは無いでしょう。この事を知ってるのは私が神として世界に干渉できるからです」
「・・ひらけばいいだけ?」
「内容に関しては、ロランが力になってくれます」
(もしかして、ロランに合わせて俺が生まれた?)
グリモアは頷いた
「唯一のタイミングでした。あなたが前世の様にならない家族と協力者に出会えるのは、今しか無いのです」
(なるほど。ロランとは縁が切れない訳ね・・出来ちゃって冒険者が実現しそうだ)
まあ今の家族に囲まれて幸せにしてもらったので、協力しても良いかと思った
ーーーーー
「だいたい分かった。おれは必要なかったけど必要になったわけね」
「早い話がそうです。でも最初は、もっと恵まれた家庭に転生させようと思ってたのですよ?」
「いまの家族がいいよ」
「そう言ってもらえると嬉しいです」
「せんそうはいつ?」
「今から11年後です。でもそれまでに技術革新が起これば、戦争をしたい国は諦めるかも知れません」
(ふむ)
圧倒的な国力の差は前世でも有効だ。しかもこの世界は前世より遥かに遅れている
「いいよ。きかいがあったら封印された本をひらいみてる」
「ありがとう」
そう言ってグリモアは再び頭を下げた
「あえて良かったよ、グリモア・・さま?」
「グリモアって呼んで」
「あ!そういえば本ってどこにあるの?」
「ロバルデュー家の屋敷にあるけど?」
(ちょうどそこに居たんだよなあ)
肝心な事を思い出した
「帰れるの?」
「もちろん祭壇の所に戻れるわ」
「またあえる?」
「屋敷の祭壇か、魔王国の神殿でなら会えるわね」
(魔王国は遠いな・・でもここって領主様の屋敷だし・・)
「きかいがあれば来るよ」
「お待ちしています。今度はエディの話しも聞かせてね」
(言わなくても知ってそうだが・・)
とりあえず頷いておく。そうしたら風景がどんどんと透明になっていく。
元の祭壇が目に入った頃には、元の場所に戻っていた
(魔法神に会えるとは・・まあ色々納得できたよ)
戦争は嫌だ。この世界に来たのはたまたまだが、とても気に入ってる。
止められる可能性があるなら、やってみようと思った
ーーーーー
エディは祭壇を出て部屋に戻った。祭壇のベンチの隅に、ジャンが座っていた事を気づかずに
ーーーーー
深夜に目が覚めた。おふ、またロランの胸を枕にしていた
(・・・なんで一緒のベッドなの?)
周りを見ると姉ちゃんは戻っていない
(まあ初めてのお泊まり会だし)
領主の屋敷で借りた部屋は4人部屋。俺と姉ちゃんとロランが使う予定だった。
姉ちゃんはリーサとレミとレノンが居る部屋に行ってそのまま寝た様だ。
(ベッド4つあるのに)
ロランを見て、そう思いながらトイレに向かう
廊下には前世の様にトイレの標識と矢印がある。アオキが付けたんだろう
トイレを済ませて戻ろうとした
「エディ」
(ん?)
「だれ?」
反応が無い。歩こうとする
「こっち」
(どっち?)
嫌な感じは全くしないので探検してみる
(地下?)
階段があった。良いのかな?と思いながら降りてみる
(部屋は開けない方が良いだろうなあ)
いくつかある部屋を通り過ぎて行き止まりまで来た。壁全体が両開きの扉だった。
「ぐりもーあー・・グリモア?」
(どう見てもローマ字だよな)
扉には『grimoire』の文字があった。扉に触れると勝手に開いていく
(入れって事?戻った方が良いだろうか?)
考える。もし魔法神が呼んだとしたら会えるのではないか?
意を決して入った
中は薄らと明るい。そこには祭壇があった。人が15人ぐらいなら座れるベンチもある。
(祭壇か・・これは女神像?しかしすごい事になってるな)
木製の女神像の周りは草花が茂っていた。生えていたでは無い、茂っているのだ。
(太陽は見えないよね。どう言う事?)
祭壇に近づく。女神像を見て、ふと思った
(会った記憶は無いけど、見覚えがある?)
女神像と言っても精巧な作りでは無い。暇潰しに手彫りしてみたって感じで、多少手先が器用なら作れるレベルだ。
(うーん・・戻ろう)
戻ろうとして振り向く
「え?じゃんぐる?」
そこは別世界になった。前世なら熱帯雨林って感じだが見た事無い木や草花ばかりだ。
(・・・帰れるのだろうか?)
「お待ちしていました、青木誠司さん」
綺麗な女性の声がした。振り返ると女性が立っている。背景が見えるぐらいに透通っていた。
「おばけ?」
「失礼な」
ノリは良さそうだ
ーーーーー
「私はグリモア、魔法神と呼ばれています」
「どうも」
「きっと青木さんが訪れてくれると信じていました」
「たんじょうパーティーで来てただけだよ?」
「・・・私はどうしても青木さんに謝罪とお願いをしたいのです」
(謝罪?)
「なにかあった?」
「青木さんをこの世界に連れてきた理由です」
(それは知りたいな)
俺は頷く
「それには、まずこの世界の成り立ちから説明する事になります」
「・・はなし長い?」
「・・・端折ります」
「それなら」
「この世界は地球に比べてとても若い星として誕生しました。
地球の様に生命も生まれましたが、魔素が満ちていた為に全く違う進化を遂げました」
「まじゅう?」
グリモアは頷く
「魔物達の進化の過程で人と言える存在が誕生しました。今では魔族と呼ばれています。私もその一員です」
(なるほど。国語辞典に載ってた通りか)
「私が魔法を発明し広めた事を地球の神々に認められ、この星の神になる様に導かれました」
(地球の神が認めた?)
「何でちきゅう?」
「知識を有する生命が居る惑星にしか神は存在しません。
地球の神々は始まりの神です。グリモアと言う名も地球の神より頂いた物です」
(地球の神様は宇宙を支配してたりして)
「約2000年前に地球を訪問しました。まさに文明が開花しようとしている時代でした。
魔族は地球の人みたいに、新たな発見や探究をする人種では無かったのです」
(弥生時代だっけ?ローマ帝国があったりイエス○リストが居たんだよね)
「そこで地球より動植物の種を頂いて、この世界で進化を促しました」
「それでちきゅうと同じ動物や食べ物がおおいの?」
「ええ。まず亜人が、そして獣人が誕生しました。獣人は魔族より社会性がありましたが縄張りの維持に力を入れ、文明の進化は起こりませんでした」
(読めてきた)
「そして転移、転生の許可を頂いたのです」
(やっぱり転移もあるのか)
「それには条件があります。その地の神が許可をする事。人として何も残せなかった事。人として輪廻の輪に乗れない事です」
「え?じゃあおれは?」
「コオロギの予定でした」
(へー・・まあコオロギも良いかもね?)
「まず転移は失敗しました。膨大な魔力を得ましたが、それに侵され死んでいながら死ねないと言う状況です」
「それって」
「不死者となりました」
(不死王?地球人だったのか)
「転生は魔族の子として生まれ成功しましたが、魔族なので文明の発展はありません。
その後も試行錯誤を繰り返して、転生型の転移に成功したのです」
「ん?」
「転生でありながら地球人のまま、魔族である母親の胎内に宿したのです。
多くの人族が生まれ、その中で強力な魔力を持つ人族が誕生するようになりました」
「もしかして?」
「私も手を貸し、彼らを中心に魔法国家グリモワールを建設したのです。
彼らは魔道具を作り、飛躍的に文明が進化しました」
(この世界の人族の祖先が地球人。ロランは強力な魔力を得た人の末裔か)
ここで一息置いた。グリモアが紅茶を用意してくれる。
ーーーーー
全然話を端折って無い気がするが、この世界の歴史にも興味があるので黙っておく
「でもほろんじゃったね」
「ええ、人族を甘く見ていました。何処までも強欲であり、嫉妬が激しく、執念深い。魔族や獣人はそれ程ではありません」
(前世の歴史も争いばかりだしな)
「それでも魔道具は残ったので、さらなる進化を待ちました」
「でもだめだった?」
「そうです。しかも後退しようとしていました」
「それでアオキ?」
グリモアは頷くが申し訳なさそうな顔をする
「私はヨーロッパを中心に転生者を選んできました。
でも計画を実行するには神々の目が厳しいので、比較的緩い日本人を選択したのです」
(ふむ?)
「青木誠二さんと言う素晴らしい方が死を迎えようとしていました。
学者であり研究者であり、多くの企業の顧問も勤めた名誉教授です」
(何それ天才じゃん)
「でも彼は輪廻の輪に乗る事が決まっていました」
「おれは関係あったの?」
「青木誠二さんと同日に亡くなる方を見つけました。
それがあなたである青木誠司さんです」
(・・・)
「私はあなたを転生者として貰える許可を頂きました。
そして青木誠二さんを奪う為の隠れ蓑にしたのです」
(なるほど。アオキが欲しいから俺と見せかけて奪った訳か)
グリモアは頷く。心が読めるのだろうか?
「あなたに謝りたいのは、そう言う経緯だからなの。ごめんなさい」
そう言って深々と頭を下げた。言葉使いも説明口調から変わっていた
ーーーーー
そしてグリモアは一息ついた後、話を続ける
「その時に日本から受け入れた転生者は20人。その中にはあなたの父親になる血筋も居ましたよ」
「え?パパのせんぞ日本人?」
「そうです」
「もしかしてロバートさんも?」
「ええ」
「でもパパにまりょく無いよ?」
「転生先が人族でしたから」
「・・もしかしてアオキは?」
「そうです。強力な魔力を得る為に魔族の親を選択しました」
(アオキの出身地が分からないはずだ)
「そしてこの世界の文明を開花させる為に、前世の記憶を残したのです」
「それが今のぶんめいって事?」
「ええ」
ふと思った
「じゃあおれはどうしてここに?」
「私は地球の神々の怒りに触れ、力を奪われました。当時は世界に干渉する事が出来なくなったのです」
(まあバレたら怒られるよね。不正だし)
「隠れ蓑であるあなたは転生していません。魂の行き場が無くなり、私はあなたを保護する事だけに専念しました」
(見覚えがあると思ったのはそれでか)
「ようやく一人だけ転生させる力が戻った時、困った事が起こりそうになっていたのです」
「おこりそうってみらい?」
「ええ。人の国が2つの勢力に別れ、大きな戦争になります。文明が大幅に後退する要因になるでしょう」
(地球はある意味戦争も進化の切っ掛けになったけど、この世界では逆か)
グリモアは頷く
「未だ魔力に頼る世界ですから」
(ふむ)
ーーーーー
「・・で、お願いって?」
「アオキが残した封印された技術書と指南書を開いて欲しいのです」
「そんなのがあるの?」
「大きな戦争を防ぐための、とても有用な事が記載されています」
「ひらけるの?」
「封印された書物は、前世が日本人のアオキ・セイジにしか開けません」
(なるほど)
「それでおれに前世のきおくがあるの?」
「はい。でもおよそ200年程眠っていましたので、記憶は完全に戻っていません」
(それは実感してる。そう言えば知りたい事があった)
「エルフのげんごが分かったのは?」
「私が与えた能力です。しかし私の力が足りず、アオキほど完璧ではありません」
「もじ分かんないもんね」
「ごめんなさい」
(十分助かってるので謝らなくていいのに・・)
「ふういんされた本をひらいたら、おれがアオキって思われない?」
「それは無いでしょう。この事を知ってるのは私が神として世界に干渉できるからです」
「・・ひらけばいいだけ?」
「内容に関しては、ロランが力になってくれます」
(もしかして、ロランに合わせて俺が生まれた?)
グリモアは頷いた
「唯一のタイミングでした。あなたが前世の様にならない家族と協力者に出会えるのは、今しか無いのです」
(なるほど。ロランとは縁が切れない訳ね・・出来ちゃって冒険者が実現しそうだ)
まあ今の家族に囲まれて幸せにしてもらったので、協力しても良いかと思った
ーーーーー
「だいたい分かった。おれは必要なかったけど必要になったわけね」
「早い話がそうです。でも最初は、もっと恵まれた家庭に転生させようと思ってたのですよ?」
「いまの家族がいいよ」
「そう言ってもらえると嬉しいです」
「せんそうはいつ?」
「今から11年後です。でもそれまでに技術革新が起これば、戦争をしたい国は諦めるかも知れません」
(ふむ)
圧倒的な国力の差は前世でも有効だ。しかもこの世界は前世より遥かに遅れている
「いいよ。きかいがあったら封印された本をひらいみてる」
「ありがとう」
そう言ってグリモアは再び頭を下げた
「あえて良かったよ、グリモア・・さま?」
「グリモアって呼んで」
「あ!そういえば本ってどこにあるの?」
「ロバルデュー家の屋敷にあるけど?」
(ちょうどそこに居たんだよなあ)
肝心な事を思い出した
「帰れるの?」
「もちろん祭壇の所に戻れるわ」
「またあえる?」
「屋敷の祭壇か、魔王国の神殿でなら会えるわね」
(魔王国は遠いな・・でもここって領主様の屋敷だし・・)
「きかいがあれば来るよ」
「お待ちしています。今度はエディの話しも聞かせてね」
(言わなくても知ってそうだが・・)
とりあえず頷いておく。そうしたら風景がどんどんと透明になっていく。
元の祭壇が目に入った頃には、元の場所に戻っていた
(魔法神に会えるとは・・まあ色々納得できたよ)
戦争は嫌だ。この世界に来たのはたまたまだが、とても気に入ってる。
止められる可能性があるなら、やってみようと思った
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役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
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