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第24話「エディの秘密」
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「ああ、こうりゅう・・」
交流や直流、オルタネーターや前世の職業を思い出す。
(そうだ、会社員時代は農機具の部品を納めるメーカーだったんだ)
そこには携帯用発電機に使われる部品もあったが、海外の部品と価格競争を強いられ倒産してしまった。
「こうりゅうとは?」
領主が問いかけてくる
(・・・あっ。姉ちゃんの魔法でオルタネーターを思い出してしまった・・)
全員が注目している
「え、ええと・・電流の向きが変わる電気・・(汗」
「向きが変わる事に意味はあるのか?」
「ぷ、プラスとかマイナスとか気にしなくていい・・(汗」
「なるほど!」
思いっきり領主に肩を掴まれる。そして・・
「エディは初代の様な知識を持っているのか?」
俺は言葉に詰まる。持っているとも、無いとも言える。
そもそも、この質問に答えて良いのだろうか?
「エディは封印された書物を開ける。それはアオキと同じ存在だからでは無いのか?」
(・・・)
俺は姉ちゃんに目線で助けを求める
「エディはアオキ・セイジなの?」
(前世ではそう言う名前でした)
まあ質問の意図は、アオキと同じ存在なのかって事だろう。
今度はロランに目線で助けを求める
「エディって時々すごい知恵を見せるけど、アオキにも負けていないのね」
(はっきり言ってボロ負けです)
ロレインとセレスを見る・・・・・ダメだ、期待した目で見てくる・・
俺は観念する事にした
「おれは・・アオキの様な知識はもっていない。でもアオキの知識がなにに使われるのかしっている」
「そうなのか?」
俺は頷く
「何処でその知識を・・・いや、エディはまだ3歳だな」
再び頷く
「持って生まれたと言う事なのか?」
「そう・・」
ーーーーー
今度は屋敷の書斎に場所を移す。そこにロバートさんも呼ばれた
「はっはっ、納得ですな。エディ坊ちゃんの知識の深さには感服しましたから」
(そこまでだったかな?いや、俺は3歳だからか)
「しかし、これを世間に知られると大問題になるぞ」
領主は別の心配をしていた
「この事は国にも黙っておく。下手に外国へ知れると、エディを奪う為の戦争になりかねない」
「え?せんそう?」
「どの国もアオキの再来を願っている。アルファティがロランに期待した様にな」
「・・・もしかして11年後のせんそうって、ぼくが原因?」
「グリモアが予見する物とは違うだろう。だが違う形で戦争になるかも知れん」
(なんてこった)
姉ちゃんが割って入る
「戦争とかグリモアってどういう事?」
(・・・)
「エディはグリモア神に会った。その時に11年後の戦争を止める様に頼まれたそうだ」
(おい、領主!)
「エディ、神様に会ったの?」
「う、うん」
「すごい!どんな人だった?」
「よくおぼえてない。さいだんの女神さまに似ていた」
「あの女神像はアオキ・セイジが彫った物だ。アオキもグリモアに会ったと言う事か」
「グリモアが別世界の知識をひろめるようにアオキにたのんだらしいよ」
「別世界だと?」
(やべっ)
この世界の人族の祖先が地球人。グリモアは地球の様な文明を望んだが、魔力が存在していた為に違う進化をした。
「エディが持つ知識も、別世界の物なのか?」
「・・・たぶん。知っているだけでよく分からない」
「ふむ。その話はまあいい。問題はエディの存在その物だな」
(誤魔化せた?)
ロバートさんが提案する
「それでは護衛を付けますか?」
「一般人のエディに護衛が付いていると、何かあると感付かれるぞ?」
「私が居るから何も心配ないよ?」
「確かに、ロランとエディなら公然の関係だな」
(・・・えっ?俺とロランって公然の仲なの?)
※ジャンの策略です
「わ、わたしもエディを守るよっ」
エルはそう言い、エディを抱き寄せる。エルはエディが生まれた時から決意している
「家族なら最も自然に振舞えるが・・・エディットには黙っておいた方が良いな」
「ん?パパはだめなの?」
「奴は過保護すぎる。一日中エディを離さなくなるぞ」
それは嫌です。パパごめんなさい
ーーーーー
「エル、お前は剣術も覚えた方がいい」
「剣?」
「近代魔法を覚えたとしても魔力が少ない。護衛としては不向きだ」
「でも・・」
「魔法を止めろとは言わない。だが魔力が多い者は人口の2割も居ないんだ。拘る必要も無いぞ?」
「・・うん」
姉ちゃんは少しガッカリしている。気持ちは分かる。
もしも前世で、地球で魔法が使える様になれば、誰もが必死になって覚えたがるだろう。
そして俺は以前から思っていた事を試す事にした。
ロランから飛行の魔法を聞いた時、魔法陣にも反動があると。確信したのは姉ちゃんの電磁石で魔法陣がブレていた事。
「ねえちゃんが好きそうな剣があるかも知れないよ?」
「どう言う事?」
「うーんと、ロラン手伝って」
「いいよ」
そして俺の考えを伝える。全員が驚いた顔を見せた
(指南書には載って無いのだろうか?いや、封印された方にあるかも?)
ロランも初めて試す事なので、詠唱から作らなければならない。
だがロランは公開された近代魔法を全て覚えている。世界に法則がある様に、詠唱にも法則がある。
「どこまで鍛えたら良いのかな?」
「まずは鉄でやってみたらどうだ?」
ロランと領主が相談しながら紙面に詠唱を組み立てる。
姉ちゃんだけでなく、セレスも覗きこんでいた。
「こうかしら?」
ロランが完成した詠唱を姉ちゃんに見せる。
そして姉ちゃんは魔法陣を出し、詠唱を書き込んだ。
「わっ!」
「「おおっ」」「へえ」「カッコいい!」
魔法陣の中心から槍の様に前に突き出しながら、どんどん円が縮んでいく。
手に収まるぐらいになると、一本の剣の形をしていた。
近代魔法は勘違いの魔法だ。柄の部分は魔法陣、刃は詠唱が並んで刃の形になった。
「これ使えるかな?」
姉ちゃんは目を輝かせている
「実用には耐えれますかな?試してみるとしましょう」
ロバートさんは壁に飾っていたサーベルを持ち出す
「ではエルお嬢、殺す気でかかって来なさい」
「え?でも?」
「心配いりません。お嬢の腕では掠りもしませんから」
ちょっと姉ちゃんがイラっとした。初めて見た
そして剣を振るう。と言うより振り回すと言った感じ
ロバートさんは軽々と魔法陣の剣を弾き返す
「うう・・結構重い・・」
まあ鉄を再現してるし。軽くてよく切れる素材も考えておこう・・
「なかなかの衝撃ですな。近代魔法にこんな事が出来るとは」
ロランも気に入った様だ
「槍とか弓も出来そうね。盾なんかも良いんじゃない?」
「これは良い事を知ったな。ロレインとセレスティアも覚えておけよ」
「はい」「う、うん」
1分も持たず、姉ちゃんはへばった
「・・・これじゃエディを守れない」
(いやいや姉ちゃん、あなた6歳ですよ)
「剣術は日々の鍛錬がモノを言いますからな。訓練すれば強くなりますよ」
「教えてください」
「剣術は私より適任者が居ます。訓練の時間も割り当てましょう」
姉ちゃんは頭を下げた
「今日は収穫の多い一日だな。エディの事はここに居る者以外に話さない様に」
領主が念を押して言い、全員が頷く。そして姉ちゃんの剣が消えた
「およそ3分か。これは魔力量に影響すると思って良さそうだな」
「ぱ、パパ、私も剣術習っていい?」
セレスも剣を習いたい様だ
「許可しよう。と言っても最初は基礎体力の向上ぐらいだぞ?」
「うん」(・・私もお姉ちゃんなんだから)
ーーーーー
こうして日々勉強と訓練が続く
教室も直り、学塾も始まって早2ヶ月。夏になり、姉ちゃんとセレスのスケジュールは凄まじい物になった。
学塾が終わってから共用語の勉強に2時間。近代魔法に2時間。その後、剣の訓練に1時間。
終わる時刻は春の5刻半(約午後5時)を過ぎ、約午後6時まで続ける。
セレスは帰宅した後に貴族としての教養を学ぶ。姉ちゃんは戻って来たポルを世話した後、魔法陣の無詠唱化の為に何度も魔法を使う。
二人を見て、前世で習い事をしてた子供も大概だったなあと思いだす。
夜はいつもの様に姉ちゃんとロランと一緒にお風呂に入った
「いたたたたた」
姉ちゃんの手が酷い。マメが出来てずる剥けだ。今日から木剣での素振りが始まった。
「あらうよ」
ロランと一緒に姉ちゃんを洗う
「ありがとう」
そして湯船に浸かった
「生き返るう~」
(姉ちゃん、年寄りくさいぞ)
お風呂を付けてもらって良かったと、この時思った
「あんまりむりしないでね?」
「大丈夫よ。冒険者になるのはエディの為にもなるから」
「ぼくもねえちゃんが心配だよ?」
「うれしいよエディ」
そう言ってキスをしてくる。久しぶりに姉ちゃんのキスをゲットした
(まだロレインよりは1歩リードしてるな)
「エディもジャンに付き合わされて大変でしょ?」
そう言いながらロランは俺を抱き寄せて、張り合う様にキスをする。
姉ちゃんのキスはいかにも子供なキスだが、ロランは情熱的だ。年齢的にそう言った感情を持て余してるのだろう。
「明日はもうすこし早くきてって言ってたね」
「エディのおかげで発電所の完成もずいぶん近づいたみたいね」
学塾が休みの日は、午前中にロランと姉ちゃんと一緒に翻訳の仕事をしている。
他の日は領主の屋敷に通っている。前世で電気や電波がどの様に使われていたか教えているのだ。
アオキの様に構造までは知らないが、多少の知識はある。
交流は変圧をしやすい事、送電が容易な事、直流に変換しやすい事。
あと蓄電は直流じゃないと無理とか、直流は弱電の利用に長けてるとか、長距離に向いてるとか・・。
知ってる事を教えれば、後は研究してる人たちが答えを見つけてくれる。
この世界の人族も先祖は地球人。頭の良い人が沢山いるのだ。ただ魔法があった為に研究されなかっただけだ。
「電気ってそんなにすごいのかなあ?」
姉ちゃんは疑問形だが、スマホから新幹線まで電気で動きますよ?
「かのうせいは魔法よりずっとあると思う」
「そうなんだ?」
魔法は個人としては最高に良い物だけど、社会としてはバラツキが大きすぎる。
電気は誰にでも同等のエネルギーを得られるのだ。
ーーーーー
翌朝、領主Side
ロバルデュー領の領主、ジャン・シルヴェストセイジは早朝から多量の資料を見ていた
「おはようございます。ずいぶんお早いですな?」
「ああ、早くから電波に関する資料が届けられた」
「エディ坊ちゃんが言ってた奴ですか?これで発電所を制御すると?」
「ああ。上手く行けば領館から発電所の制御が可能らしい」
執事を務めるロバートも資料を見る
「これは・・他にも利用価値がありそうですな?」
「通信の技術はほぼ確立している。この資料の様に増幅が可能になれば、世界の国と電波でやり取り出来るな」
「ふむ。発電所がより重要になりますな」
そうしてるとドアがノックされる
「入れ」
ディーンが入って来る。
「昨夜、王都よりジェフリー医師がヒューイット市街に到着したと報告がありました」
「来たか!」
「しかし本当に国内最高の医師を引き抜くとは・・」
「癒しの魔法を実現するには、彼ほどの技術が必要かも知れん。やってみる価値はある」
ジャンはエディ達に翻訳されたノートを持つ。技術書の目録にあった医療技術に癒しの魔法と書かれている。
高い知性、近代魔法、豊富な治療経験、人体の隅々まで知り尽くしている事。これらが揃って可能になるかも知れないと記載されていた。
そしてアオキが書き残していた、未完成だが数多くの癒しの魔法の詠唱。
アオキには出来なかったが、近代魔法を使えるジェフリー医師ならと高額の報酬を払い、ロバルデュー領に引き抜いたのだ。
交流や直流、オルタネーターや前世の職業を思い出す。
(そうだ、会社員時代は農機具の部品を納めるメーカーだったんだ)
そこには携帯用発電機に使われる部品もあったが、海外の部品と価格競争を強いられ倒産してしまった。
「こうりゅうとは?」
領主が問いかけてくる
(・・・あっ。姉ちゃんの魔法でオルタネーターを思い出してしまった・・)
全員が注目している
「え、ええと・・電流の向きが変わる電気・・(汗」
「向きが変わる事に意味はあるのか?」
「ぷ、プラスとかマイナスとか気にしなくていい・・(汗」
「なるほど!」
思いっきり領主に肩を掴まれる。そして・・
「エディは初代の様な知識を持っているのか?」
俺は言葉に詰まる。持っているとも、無いとも言える。
そもそも、この質問に答えて良いのだろうか?
「エディは封印された書物を開ける。それはアオキと同じ存在だからでは無いのか?」
(・・・)
俺は姉ちゃんに目線で助けを求める
「エディはアオキ・セイジなの?」
(前世ではそう言う名前でした)
まあ質問の意図は、アオキと同じ存在なのかって事だろう。
今度はロランに目線で助けを求める
「エディって時々すごい知恵を見せるけど、アオキにも負けていないのね」
(はっきり言ってボロ負けです)
ロレインとセレスを見る・・・・・ダメだ、期待した目で見てくる・・
俺は観念する事にした
「おれは・・アオキの様な知識はもっていない。でもアオキの知識がなにに使われるのかしっている」
「そうなのか?」
俺は頷く
「何処でその知識を・・・いや、エディはまだ3歳だな」
再び頷く
「持って生まれたと言う事なのか?」
「そう・・」
ーーーーー
今度は屋敷の書斎に場所を移す。そこにロバートさんも呼ばれた
「はっはっ、納得ですな。エディ坊ちゃんの知識の深さには感服しましたから」
(そこまでだったかな?いや、俺は3歳だからか)
「しかし、これを世間に知られると大問題になるぞ」
領主は別の心配をしていた
「この事は国にも黙っておく。下手に外国へ知れると、エディを奪う為の戦争になりかねない」
「え?せんそう?」
「どの国もアオキの再来を願っている。アルファティがロランに期待した様にな」
「・・・もしかして11年後のせんそうって、ぼくが原因?」
「グリモアが予見する物とは違うだろう。だが違う形で戦争になるかも知れん」
(なんてこった)
姉ちゃんが割って入る
「戦争とかグリモアってどういう事?」
(・・・)
「エディはグリモア神に会った。その時に11年後の戦争を止める様に頼まれたそうだ」
(おい、領主!)
「エディ、神様に会ったの?」
「う、うん」
「すごい!どんな人だった?」
「よくおぼえてない。さいだんの女神さまに似ていた」
「あの女神像はアオキ・セイジが彫った物だ。アオキもグリモアに会ったと言う事か」
「グリモアが別世界の知識をひろめるようにアオキにたのんだらしいよ」
「別世界だと?」
(やべっ)
この世界の人族の祖先が地球人。グリモアは地球の様な文明を望んだが、魔力が存在していた為に違う進化をした。
「エディが持つ知識も、別世界の物なのか?」
「・・・たぶん。知っているだけでよく分からない」
「ふむ。その話はまあいい。問題はエディの存在その物だな」
(誤魔化せた?)
ロバートさんが提案する
「それでは護衛を付けますか?」
「一般人のエディに護衛が付いていると、何かあると感付かれるぞ?」
「私が居るから何も心配ないよ?」
「確かに、ロランとエディなら公然の関係だな」
(・・・えっ?俺とロランって公然の仲なの?)
※ジャンの策略です
「わ、わたしもエディを守るよっ」
エルはそう言い、エディを抱き寄せる。エルはエディが生まれた時から決意している
「家族なら最も自然に振舞えるが・・・エディットには黙っておいた方が良いな」
「ん?パパはだめなの?」
「奴は過保護すぎる。一日中エディを離さなくなるぞ」
それは嫌です。パパごめんなさい
ーーーーー
「エル、お前は剣術も覚えた方がいい」
「剣?」
「近代魔法を覚えたとしても魔力が少ない。護衛としては不向きだ」
「でも・・」
「魔法を止めろとは言わない。だが魔力が多い者は人口の2割も居ないんだ。拘る必要も無いぞ?」
「・・うん」
姉ちゃんは少しガッカリしている。気持ちは分かる。
もしも前世で、地球で魔法が使える様になれば、誰もが必死になって覚えたがるだろう。
そして俺は以前から思っていた事を試す事にした。
ロランから飛行の魔法を聞いた時、魔法陣にも反動があると。確信したのは姉ちゃんの電磁石で魔法陣がブレていた事。
「ねえちゃんが好きそうな剣があるかも知れないよ?」
「どう言う事?」
「うーんと、ロラン手伝って」
「いいよ」
そして俺の考えを伝える。全員が驚いた顔を見せた
(指南書には載って無いのだろうか?いや、封印された方にあるかも?)
ロランも初めて試す事なので、詠唱から作らなければならない。
だがロランは公開された近代魔法を全て覚えている。世界に法則がある様に、詠唱にも法則がある。
「どこまで鍛えたら良いのかな?」
「まずは鉄でやってみたらどうだ?」
ロランと領主が相談しながら紙面に詠唱を組み立てる。
姉ちゃんだけでなく、セレスも覗きこんでいた。
「こうかしら?」
ロランが完成した詠唱を姉ちゃんに見せる。
そして姉ちゃんは魔法陣を出し、詠唱を書き込んだ。
「わっ!」
「「おおっ」」「へえ」「カッコいい!」
魔法陣の中心から槍の様に前に突き出しながら、どんどん円が縮んでいく。
手に収まるぐらいになると、一本の剣の形をしていた。
近代魔法は勘違いの魔法だ。柄の部分は魔法陣、刃は詠唱が並んで刃の形になった。
「これ使えるかな?」
姉ちゃんは目を輝かせている
「実用には耐えれますかな?試してみるとしましょう」
ロバートさんは壁に飾っていたサーベルを持ち出す
「ではエルお嬢、殺す気でかかって来なさい」
「え?でも?」
「心配いりません。お嬢の腕では掠りもしませんから」
ちょっと姉ちゃんがイラっとした。初めて見た
そして剣を振るう。と言うより振り回すと言った感じ
ロバートさんは軽々と魔法陣の剣を弾き返す
「うう・・結構重い・・」
まあ鉄を再現してるし。軽くてよく切れる素材も考えておこう・・
「なかなかの衝撃ですな。近代魔法にこんな事が出来るとは」
ロランも気に入った様だ
「槍とか弓も出来そうね。盾なんかも良いんじゃない?」
「これは良い事を知ったな。ロレインとセレスティアも覚えておけよ」
「はい」「う、うん」
1分も持たず、姉ちゃんはへばった
「・・・これじゃエディを守れない」
(いやいや姉ちゃん、あなた6歳ですよ)
「剣術は日々の鍛錬がモノを言いますからな。訓練すれば強くなりますよ」
「教えてください」
「剣術は私より適任者が居ます。訓練の時間も割り当てましょう」
姉ちゃんは頭を下げた
「今日は収穫の多い一日だな。エディの事はここに居る者以外に話さない様に」
領主が念を押して言い、全員が頷く。そして姉ちゃんの剣が消えた
「およそ3分か。これは魔力量に影響すると思って良さそうだな」
「ぱ、パパ、私も剣術習っていい?」
セレスも剣を習いたい様だ
「許可しよう。と言っても最初は基礎体力の向上ぐらいだぞ?」
「うん」(・・私もお姉ちゃんなんだから)
ーーーーー
こうして日々勉強と訓練が続く
教室も直り、学塾も始まって早2ヶ月。夏になり、姉ちゃんとセレスのスケジュールは凄まじい物になった。
学塾が終わってから共用語の勉強に2時間。近代魔法に2時間。その後、剣の訓練に1時間。
終わる時刻は春の5刻半(約午後5時)を過ぎ、約午後6時まで続ける。
セレスは帰宅した後に貴族としての教養を学ぶ。姉ちゃんは戻って来たポルを世話した後、魔法陣の無詠唱化の為に何度も魔法を使う。
二人を見て、前世で習い事をしてた子供も大概だったなあと思いだす。
夜はいつもの様に姉ちゃんとロランと一緒にお風呂に入った
「いたたたたた」
姉ちゃんの手が酷い。マメが出来てずる剥けだ。今日から木剣での素振りが始まった。
「あらうよ」
ロランと一緒に姉ちゃんを洗う
「ありがとう」
そして湯船に浸かった
「生き返るう~」
(姉ちゃん、年寄りくさいぞ)
お風呂を付けてもらって良かったと、この時思った
「あんまりむりしないでね?」
「大丈夫よ。冒険者になるのはエディの為にもなるから」
「ぼくもねえちゃんが心配だよ?」
「うれしいよエディ」
そう言ってキスをしてくる。久しぶりに姉ちゃんのキスをゲットした
(まだロレインよりは1歩リードしてるな)
「エディもジャンに付き合わされて大変でしょ?」
そう言いながらロランは俺を抱き寄せて、張り合う様にキスをする。
姉ちゃんのキスはいかにも子供なキスだが、ロランは情熱的だ。年齢的にそう言った感情を持て余してるのだろう。
「明日はもうすこし早くきてって言ってたね」
「エディのおかげで発電所の完成もずいぶん近づいたみたいね」
学塾が休みの日は、午前中にロランと姉ちゃんと一緒に翻訳の仕事をしている。
他の日は領主の屋敷に通っている。前世で電気や電波がどの様に使われていたか教えているのだ。
アオキの様に構造までは知らないが、多少の知識はある。
交流は変圧をしやすい事、送電が容易な事、直流に変換しやすい事。
あと蓄電は直流じゃないと無理とか、直流は弱電の利用に長けてるとか、長距離に向いてるとか・・。
知ってる事を教えれば、後は研究してる人たちが答えを見つけてくれる。
この世界の人族も先祖は地球人。頭の良い人が沢山いるのだ。ただ魔法があった為に研究されなかっただけだ。
「電気ってそんなにすごいのかなあ?」
姉ちゃんは疑問形だが、スマホから新幹線まで電気で動きますよ?
「かのうせいは魔法よりずっとあると思う」
「そうなんだ?」
魔法は個人としては最高に良い物だけど、社会としてはバラツキが大きすぎる。
電気は誰にでも同等のエネルギーを得られるのだ。
ーーーーー
翌朝、領主Side
ロバルデュー領の領主、ジャン・シルヴェストセイジは早朝から多量の資料を見ていた
「おはようございます。ずいぶんお早いですな?」
「ああ、早くから電波に関する資料が届けられた」
「エディ坊ちゃんが言ってた奴ですか?これで発電所を制御すると?」
「ああ。上手く行けば領館から発電所の制御が可能らしい」
執事を務めるロバートも資料を見る
「これは・・他にも利用価値がありそうですな?」
「通信の技術はほぼ確立している。この資料の様に増幅が可能になれば、世界の国と電波でやり取り出来るな」
「ふむ。発電所がより重要になりますな」
そうしてるとドアがノックされる
「入れ」
ディーンが入って来る。
「昨夜、王都よりジェフリー医師がヒューイット市街に到着したと報告がありました」
「来たか!」
「しかし本当に国内最高の医師を引き抜くとは・・」
「癒しの魔法を実現するには、彼ほどの技術が必要かも知れん。やってみる価値はある」
ジャンはエディ達に翻訳されたノートを持つ。技術書の目録にあった医療技術に癒しの魔法と書かれている。
高い知性、近代魔法、豊富な治療経験、人体の隅々まで知り尽くしている事。これらが揃って可能になるかも知れないと記載されていた。
そしてアオキが書き残していた、未完成だが数多くの癒しの魔法の詠唱。
アオキには出来なかったが、近代魔法を使えるジェフリー医師ならと高額の報酬を払い、ロバルデュー領に引き抜いたのだ。
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起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。
その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。
絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
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