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第46話「模擬戦 前編」
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魔法戦の控室に入る。
「エル」
そう呼んでロランはローブの中から『シロ』を出す
「『シロ』来てくれたの?」
ギャウギャウ
『シロ』はエルにすり寄る。そして抱っこする
「『シロ』くすぐったい」
『シロ』はエルの腋に頭を突っ込み、ちゅぱちゅぱする
(行動は子猫と一緒だな・・てか役得だな)
「ねえちゃん、ミルクあるよ」
エディはウエストバッグから『シロ』のミルクを出す。朝に時間停止を重ねたのでまだ温かい。
補助魔法の一種なので、エディの魔力でも半日は持つのだ
「ありがとう」
『シロ』はがっつり肉を食べるが、まだミルクも飲みたがる甘えん坊である
「それじゃ、上に行きましょう」
とイサベル様
「うん」
控室にはコールと『シロ』が残る。
剣士の部は、貴賓室にロレイン、控室にロバート。
格闘の部は、貴賓室にセレス、控室に使用人の二人だ。
観客席に行く通路とは別の所を通る。会場の最前列は全て貴賓室。
その上に観客席が並ぶ
「いいの?」
「何も問題無いわよ?」
「まほう飛んでこない?」
「魔石でガードされてるわよ」
(対魔法ローブみたいな物か)
そして試合が始まった
ーーーーー
この世界にはまだ音響システムが無いので、審判の声しか聞こえない。
選手紹介は入場者全員に渡されたパンフレットに書いている。1人1ページ使われている
(姉ちゃんは・・21番か。ロバルデューの鉄板の冒険者。7歳で鉄板になり、まだ3か月・・)
紹介文を見る。最後に選手一言があった
(近代魔法で頑張ります・・うん、姉ちゃんらしい)
そして対戦する選手の番号の板が掲げられる
(7番バンズと・・・12番エクレン。魔術師団の人とフレックス領の冒険者か)
2人が入場する
(普通に防具なんだけど?)
会場で対魔法ローブを着る
(不正防止ね)
「はじめ!」
観客席も盛り上がる。試合を見る
(やっぱり魔術師団のが有利か・・普段から訓練してるし)
格闘と魔法の部は、基本的に若手を出すのが暗黙の了解になっていた
バンズはエクレンの周りに魔法陣を作り体制を崩す。エクレンも反撃するが当たらない。
バンズの杖の先にエクレンが重なると、強力な魔法で攻撃する
(ミアさんみたいな戦い方だ)
エクレンが倒れる。バンズは地面から電気の魔法を浴びせ、動きを止める。
そして強力な風魔法。エクレンに直撃し、壁まで吹き飛ばされた
「それまで!」
魔石の魔力が切れた
「え?1分もたってないよ?」
「最後の一撃が決め手ね。魔法ローブが無かったら真っ二つね」
とイサベル様
(そんなヤバい魔法なのか)
魔術師団の団員は、銀板の魔法使い並みの魔力がある。
そして試合は続く。魔術師団は全く手を休めないので、1分持たずに冒険者達は敗れる
忙しくパンフレットを見てて、ふとエディは思った
「これ手書きだよね?」
「そうよ。学生達のアルバイトよ」
「へー」
そして掲げられた番号は3番と21番。魔術師団の新鋭ワグフライと鉄板のエルだ
ーーーーー
二人が入場する
「「「「「おお~~~」」」」」
観客席が盛り上がるが、今までとは違う。皆、小悪魔スタイルのエルに注目していた
(服、間に合ってよかった)
今日に合わせて服を持ってきたのは、エルが着て目立てばミニスカが流行るのでは無いかと言う邪な考えからである
(貴族様はどうかな?)
他の貴賓室を見る
普通にすました顔をしている
(うーん・・あれ?女の子の顔が怖い?)
10歳前後の歳の令嬢達は、エルを睨んでいた
(ミニスカは失敗だったかな?)
ーーーーー
エルSide
(はずかしい・・)
エルは会場の中央に向かう。ミニスカに慣れないので、緊張している
「では、これを着てください」
「はい」
ローブを着て、エルは安心する。対戦相手のワグフライを見る。杖ではなく、小型のシールドを持っていた
(ミアみたいだ)
そして両者離れ、開始線に移動する
「はじめ!」
ワグフライがエルの全方向に魔法陣を作りながらけん制する。エルは目で見る事無く避ける
(初戦は一撃でって言ってたけど、どうしよう?)
エルは母親のエルザの教え通りに行動する
(よし!)
エルは走り、距離を詰める。走るエルの正面に魔法陣が出来た
エルは指向性の魔法を重ね、そのまま魔法陣を突っ切る
「!?」
ワグフライは魔法が発動しなかった事に驚く
そしてエルが立ち止まり、ファイアーボールを放った
ワグフライは小型のシールドを構える。だがエルが放ったのはフォークボール。
時速180km程から急激に速度が落ち、ファイアーボールも下に落ちる
「ぐほあ!」
もちろん構えたシールドの下にあるのは、急所である。
防具を付けていても150km近い速度で当たれば、地獄の苦しみを味わう事になる
うずくまるワグフライを見た審判は、試合を止める
「それまで!」
ーーーーー
(・・・ねえちゃん・)
観客の反応は様々だった。唖然とする者、クスクス笑う者、同情の目を向ける者。
エディが横を見るとイサベル様も笑うのを堪えていた
ロランは「そんなに痛いの?」な顔をしている。
担架で運ばれるワグフライを見たエディは気の毒になった
「ちょっとみてくる」
「エディ?どうしたの?」
「あれ、けっこう痛い」
「そうなの?」
「うん」
ロランとの話を切り上げ、ワグフライが運ばれた方の通路を走る
(どこかな?)
魔術師団の防具を着た男たちが集まっている場所があった
(ここかな?)
小さな体を生かして、控室に入る。ワグフライは担架に乗ったまま、床に置かれている。
まだ痛そうだ
(防具はしてたから潰れてないよね?)
エディは癒しの魔法(打撲)を発動する
「ん!?坊や、どこから?」
エディが小さいので、気づかなかった団員達が驚く
(えいっ)
ワグフライの腰に手を当てる。魔法陣が体内に浸透する様に消えていく
(へー。こうなるんだ)
エディはあと3回同じ魔法を繰り返し、控室を出て行く
「お、おいっ、坊や、まっ・・」
エディを掴もうとした手をすり抜け、元来た道を走って行った。
魔術師団員達は意味が分からず呆然としていたが、ワグフライが普通に立ち上がる
「死ぬかと思ったぜ」
「大丈夫なのか?」
「ああ、何でか痛みが無くなったよ」
「そうか・・」
ーーーーー
「どうだった?」
とロラン
「だいじょうぶかな?」
「そお?」
治療?してる間に次の試合が終わっていた
(また魔術師団の人の勝利かな)
エディがパンフレットを見てると、イサベル様が呟く
「あの子・・」
(うん?)
エディも見る
「たすけてくれた人?」
パンフレットで17番を探す
(パウリ領、初の模擬戦参加者。鉄板の冒険者セラ、16歳・・間違いない・・ん?)
エディは選手一言を見る
(パウリ領へ一緒に行ってくれる彼氏募集中。私より強いといいな)
「・・・たすけてくれた人だ」
「そうだね」
とロラン
「助けて?」
イサベル様が聞いてくるので、簡単に事情を説明した
「そうなの?あの子、パウリ家の令嬢よ」
「きぞくなの?」
(彼氏できるの?)
そして試合が始まる
「はじめ!」
と同時に、セラがダッシュする
魔術師団スタイラーは驚くが、冷静に杖からの攻撃に変える
セラは避けながら近づく。5m程まで近づき、魔法陣を作って殴るようにファイアーボールを放つ
スタイラーに直撃し、後ろに倒れる
さらにセラは魔法陣で蹴るように風魔法を使う
立ち上がろうとしたスタイラーに直撃し、また倒れる
そして土魔法の魔法陣をセラは発動する。魔力で空中の物質をかき集めて、小さな岩を作る。
観客は盛り上がる
スタイラーが立ち上がろうとしてた所に、土魔法が来る。避けきれずに腹に命中した
「ぐおお・・」
魔力と物理の攻撃で悶絶する。さらにファイアーボールが顔面に当たる
「それまで!」
魔石の魔力が切れる。セラが圧勝した
「あのひとつよい」
「そうね。まさか土魔法まで使えると思わなかったわ」
「めずらしいの?」
「そうよ。魔術師団の団員でもベテランしか使えないわ」
「へえ」
(・・・)
「ママはどうなのかな?」
「エルザなら使えるわね。他には銀板の冒険者ぐらいね」
「この中にはいないの?」
パンフレットを見せる
「魔法戦は若手ばかりだから、あの子ぐらいじゃない?」
(なるほど)
そして試合は続く。魔術師団員に勝てた冒険者は、エルとセラと王都の冒険者トルクの3人だけだった
ーーーーー
エルの2回戦。相手は6番、魔術師団員のデビッド。パンフレットでは最大魔法が得意となっている。
観客が盛り上がる。エルの可愛らしさと1回戦の衝撃で、注目度が高かった。
ローブを着て開始線に移動
「はじめ!」
デビッドが杖を構えると同時に、エルはダッシュする
観客はセラの真似事だと思っていた。だが、エルザの指示だった
デビッドが竜巻の様な、強烈な風魔法を使う。しかも杖を動かして操作する事も出来た
エルは魔法剣を出し、切り裂きながら近づく。デビッドは見た事無い魔法に焦る
軽量化の複合が成功した事で、エルザは魔法剣の活用も考えていた
エルが近づく。デビットはマズいと思い、魔法を消滅させる。回避の態勢をとった
エルの魔法剣を避ける。魔術師団は接近戦も出来るように鍛えられている
エルの技術はプロに遠く及ばない。デビッドは杖で魔法剣の後ろから払うように送る
左手に魔法陣を出した時、エルの剣が棍棒になっているのを見て驚く
エルは正面に棒を突く
7歳のエルが突いた先には、デビッドの急所があった
「・・・それまで!」
デビッドは白目をむいていた
ーーーーー
ざわ・・・ざわ・・・
観客達は騒然となる。魔法剣よりも、わざと急所を狙ったのでは?と疑問を持った
7歳のエルの身長では、仕方のない事だが・・
「えっと・・行ってくる」
「やっぱり痛いの?気絶しちゃったけど?」
とロラン
「わぐふらいさんよりひどいかも?」
「そお?」
イサベル様は腹を抑えて臥せっている。必死に笑うのを堪えていた
またも小さな体を生かし、控室に入っていく。デビッドは担架に乗ったまま気絶している
(えいっ)
エディは癒しの魔法を5回繰り返す。
(もう一回しとこう)
そして止める魔術師団員の手をすり抜けて、元来た道を走って行った。
デビッドが目を覚ます
「あれ?ここは?」
「目が覚めたか」
「えっと?」
他の団員が説明する
「そうか・・その子供には感謝しないとな」
魔術師団員は癒しの魔法を知らないが、エディが何か特別な事をしたのは理解していた
ーーーーー
2回戦もエルとセラとトルクは、魔術師団に勝てた
そして3回戦。エルの相手はセラに負けた魔術師団員のスタイラーだ
スタイラーは氷の槍を立て続けに作り、エルと距離を取る。
1回戦、2回戦を見た団員の助言だ
エルは指向性の魔法で消滅させる。
氷の槍も物理に近いが、エルの魔法で魔力が打ち消され水蒸気となって消える
エルはエルザの指示を思い出す。まだ見せていない攻撃。
魔術師団はロレインの様に魔法陣を察知するので、どの位置から狙うか考えていた
(よしっ)
スタイラーはエルの動きに注視していた
そして近代魔法の魔法陣には魔力が送られないので、対戦経験の無いスタイラーは気づくのが遅れた。
「!?」
真下からのファイアーボールが直撃する。そう、急所に
「それまで!」
スタイラーも気絶していた
ーーーーー
ざわ・・・ざわ・・・
「あ・・悪魔だ」
またも観客席は騒然となる。エルは小悪魔から悪魔に昇格した。
エディは黙って席を立つ。ロランも何も喋らなかった
この後、魔術師団の中で、天使(エディ)と悪魔(エル)の伝説が語り継がれる事になる
「エル」
そう呼んでロランはローブの中から『シロ』を出す
「『シロ』来てくれたの?」
ギャウギャウ
『シロ』はエルにすり寄る。そして抱っこする
「『シロ』くすぐったい」
『シロ』はエルの腋に頭を突っ込み、ちゅぱちゅぱする
(行動は子猫と一緒だな・・てか役得だな)
「ねえちゃん、ミルクあるよ」
エディはウエストバッグから『シロ』のミルクを出す。朝に時間停止を重ねたのでまだ温かい。
補助魔法の一種なので、エディの魔力でも半日は持つのだ
「ありがとう」
『シロ』はがっつり肉を食べるが、まだミルクも飲みたがる甘えん坊である
「それじゃ、上に行きましょう」
とイサベル様
「うん」
控室にはコールと『シロ』が残る。
剣士の部は、貴賓室にロレイン、控室にロバート。
格闘の部は、貴賓室にセレス、控室に使用人の二人だ。
観客席に行く通路とは別の所を通る。会場の最前列は全て貴賓室。
その上に観客席が並ぶ
「いいの?」
「何も問題無いわよ?」
「まほう飛んでこない?」
「魔石でガードされてるわよ」
(対魔法ローブみたいな物か)
そして試合が始まった
ーーーーー
この世界にはまだ音響システムが無いので、審判の声しか聞こえない。
選手紹介は入場者全員に渡されたパンフレットに書いている。1人1ページ使われている
(姉ちゃんは・・21番か。ロバルデューの鉄板の冒険者。7歳で鉄板になり、まだ3か月・・)
紹介文を見る。最後に選手一言があった
(近代魔法で頑張ります・・うん、姉ちゃんらしい)
そして対戦する選手の番号の板が掲げられる
(7番バンズと・・・12番エクレン。魔術師団の人とフレックス領の冒険者か)
2人が入場する
(普通に防具なんだけど?)
会場で対魔法ローブを着る
(不正防止ね)
「はじめ!」
観客席も盛り上がる。試合を見る
(やっぱり魔術師団のが有利か・・普段から訓練してるし)
格闘と魔法の部は、基本的に若手を出すのが暗黙の了解になっていた
バンズはエクレンの周りに魔法陣を作り体制を崩す。エクレンも反撃するが当たらない。
バンズの杖の先にエクレンが重なると、強力な魔法で攻撃する
(ミアさんみたいな戦い方だ)
エクレンが倒れる。バンズは地面から電気の魔法を浴びせ、動きを止める。
そして強力な風魔法。エクレンに直撃し、壁まで吹き飛ばされた
「それまで!」
魔石の魔力が切れた
「え?1分もたってないよ?」
「最後の一撃が決め手ね。魔法ローブが無かったら真っ二つね」
とイサベル様
(そんなヤバい魔法なのか)
魔術師団の団員は、銀板の魔法使い並みの魔力がある。
そして試合は続く。魔術師団は全く手を休めないので、1分持たずに冒険者達は敗れる
忙しくパンフレットを見てて、ふとエディは思った
「これ手書きだよね?」
「そうよ。学生達のアルバイトよ」
「へー」
そして掲げられた番号は3番と21番。魔術師団の新鋭ワグフライと鉄板のエルだ
ーーーーー
二人が入場する
「「「「「おお~~~」」」」」
観客席が盛り上がるが、今までとは違う。皆、小悪魔スタイルのエルに注目していた
(服、間に合ってよかった)
今日に合わせて服を持ってきたのは、エルが着て目立てばミニスカが流行るのでは無いかと言う邪な考えからである
(貴族様はどうかな?)
他の貴賓室を見る
普通にすました顔をしている
(うーん・・あれ?女の子の顔が怖い?)
10歳前後の歳の令嬢達は、エルを睨んでいた
(ミニスカは失敗だったかな?)
ーーーーー
エルSide
(はずかしい・・)
エルは会場の中央に向かう。ミニスカに慣れないので、緊張している
「では、これを着てください」
「はい」
ローブを着て、エルは安心する。対戦相手のワグフライを見る。杖ではなく、小型のシールドを持っていた
(ミアみたいだ)
そして両者離れ、開始線に移動する
「はじめ!」
ワグフライがエルの全方向に魔法陣を作りながらけん制する。エルは目で見る事無く避ける
(初戦は一撃でって言ってたけど、どうしよう?)
エルは母親のエルザの教え通りに行動する
(よし!)
エルは走り、距離を詰める。走るエルの正面に魔法陣が出来た
エルは指向性の魔法を重ね、そのまま魔法陣を突っ切る
「!?」
ワグフライは魔法が発動しなかった事に驚く
そしてエルが立ち止まり、ファイアーボールを放った
ワグフライは小型のシールドを構える。だがエルが放ったのはフォークボール。
時速180km程から急激に速度が落ち、ファイアーボールも下に落ちる
「ぐほあ!」
もちろん構えたシールドの下にあるのは、急所である。
防具を付けていても150km近い速度で当たれば、地獄の苦しみを味わう事になる
うずくまるワグフライを見た審判は、試合を止める
「それまで!」
ーーーーー
(・・・ねえちゃん・)
観客の反応は様々だった。唖然とする者、クスクス笑う者、同情の目を向ける者。
エディが横を見るとイサベル様も笑うのを堪えていた
ロランは「そんなに痛いの?」な顔をしている。
担架で運ばれるワグフライを見たエディは気の毒になった
「ちょっとみてくる」
「エディ?どうしたの?」
「あれ、けっこう痛い」
「そうなの?」
「うん」
ロランとの話を切り上げ、ワグフライが運ばれた方の通路を走る
(どこかな?)
魔術師団の防具を着た男たちが集まっている場所があった
(ここかな?)
小さな体を生かして、控室に入る。ワグフライは担架に乗ったまま、床に置かれている。
まだ痛そうだ
(防具はしてたから潰れてないよね?)
エディは癒しの魔法(打撲)を発動する
「ん!?坊や、どこから?」
エディが小さいので、気づかなかった団員達が驚く
(えいっ)
ワグフライの腰に手を当てる。魔法陣が体内に浸透する様に消えていく
(へー。こうなるんだ)
エディはあと3回同じ魔法を繰り返し、控室を出て行く
「お、おいっ、坊や、まっ・・」
エディを掴もうとした手をすり抜け、元来た道を走って行った。
魔術師団員達は意味が分からず呆然としていたが、ワグフライが普通に立ち上がる
「死ぬかと思ったぜ」
「大丈夫なのか?」
「ああ、何でか痛みが無くなったよ」
「そうか・・」
ーーーーー
「どうだった?」
とロラン
「だいじょうぶかな?」
「そお?」
治療?してる間に次の試合が終わっていた
(また魔術師団の人の勝利かな)
エディがパンフレットを見てると、イサベル様が呟く
「あの子・・」
(うん?)
エディも見る
「たすけてくれた人?」
パンフレットで17番を探す
(パウリ領、初の模擬戦参加者。鉄板の冒険者セラ、16歳・・間違いない・・ん?)
エディは選手一言を見る
(パウリ領へ一緒に行ってくれる彼氏募集中。私より強いといいな)
「・・・たすけてくれた人だ」
「そうだね」
とロラン
「助けて?」
イサベル様が聞いてくるので、簡単に事情を説明した
「そうなの?あの子、パウリ家の令嬢よ」
「きぞくなの?」
(彼氏できるの?)
そして試合が始まる
「はじめ!」
と同時に、セラがダッシュする
魔術師団スタイラーは驚くが、冷静に杖からの攻撃に変える
セラは避けながら近づく。5m程まで近づき、魔法陣を作って殴るようにファイアーボールを放つ
スタイラーに直撃し、後ろに倒れる
さらにセラは魔法陣で蹴るように風魔法を使う
立ち上がろうとしたスタイラーに直撃し、また倒れる
そして土魔法の魔法陣をセラは発動する。魔力で空中の物質をかき集めて、小さな岩を作る。
観客は盛り上がる
スタイラーが立ち上がろうとしてた所に、土魔法が来る。避けきれずに腹に命中した
「ぐおお・・」
魔力と物理の攻撃で悶絶する。さらにファイアーボールが顔面に当たる
「それまで!」
魔石の魔力が切れる。セラが圧勝した
「あのひとつよい」
「そうね。まさか土魔法まで使えると思わなかったわ」
「めずらしいの?」
「そうよ。魔術師団の団員でもベテランしか使えないわ」
「へえ」
(・・・)
「ママはどうなのかな?」
「エルザなら使えるわね。他には銀板の冒険者ぐらいね」
「この中にはいないの?」
パンフレットを見せる
「魔法戦は若手ばかりだから、あの子ぐらいじゃない?」
(なるほど)
そして試合は続く。魔術師団員に勝てた冒険者は、エルとセラと王都の冒険者トルクの3人だけだった
ーーーーー
エルの2回戦。相手は6番、魔術師団員のデビッド。パンフレットでは最大魔法が得意となっている。
観客が盛り上がる。エルの可愛らしさと1回戦の衝撃で、注目度が高かった。
ローブを着て開始線に移動
「はじめ!」
デビッドが杖を構えると同時に、エルはダッシュする
観客はセラの真似事だと思っていた。だが、エルザの指示だった
デビッドが竜巻の様な、強烈な風魔法を使う。しかも杖を動かして操作する事も出来た
エルは魔法剣を出し、切り裂きながら近づく。デビッドは見た事無い魔法に焦る
軽量化の複合が成功した事で、エルザは魔法剣の活用も考えていた
エルが近づく。デビットはマズいと思い、魔法を消滅させる。回避の態勢をとった
エルの魔法剣を避ける。魔術師団は接近戦も出来るように鍛えられている
エルの技術はプロに遠く及ばない。デビッドは杖で魔法剣の後ろから払うように送る
左手に魔法陣を出した時、エルの剣が棍棒になっているのを見て驚く
エルは正面に棒を突く
7歳のエルが突いた先には、デビッドの急所があった
「・・・それまで!」
デビッドは白目をむいていた
ーーーーー
ざわ・・・ざわ・・・
観客達は騒然となる。魔法剣よりも、わざと急所を狙ったのでは?と疑問を持った
7歳のエルの身長では、仕方のない事だが・・
「えっと・・行ってくる」
「やっぱり痛いの?気絶しちゃったけど?」
とロラン
「わぐふらいさんよりひどいかも?」
「そお?」
イサベル様は腹を抑えて臥せっている。必死に笑うのを堪えていた
またも小さな体を生かし、控室に入っていく。デビッドは担架に乗ったまま気絶している
(えいっ)
エディは癒しの魔法を5回繰り返す。
(もう一回しとこう)
そして止める魔術師団員の手をすり抜けて、元来た道を走って行った。
デビッドが目を覚ます
「あれ?ここは?」
「目が覚めたか」
「えっと?」
他の団員が説明する
「そうか・・その子供には感謝しないとな」
魔術師団員は癒しの魔法を知らないが、エディが何か特別な事をしたのは理解していた
ーーーーー
2回戦もエルとセラとトルクは、魔術師団に勝てた
そして3回戦。エルの相手はセラに負けた魔術師団員のスタイラーだ
スタイラーは氷の槍を立て続けに作り、エルと距離を取る。
1回戦、2回戦を見た団員の助言だ
エルは指向性の魔法で消滅させる。
氷の槍も物理に近いが、エルの魔法で魔力が打ち消され水蒸気となって消える
エルはエルザの指示を思い出す。まだ見せていない攻撃。
魔術師団はロレインの様に魔法陣を察知するので、どの位置から狙うか考えていた
(よしっ)
スタイラーはエルの動きに注視していた
そして近代魔法の魔法陣には魔力が送られないので、対戦経験の無いスタイラーは気づくのが遅れた。
「!?」
真下からのファイアーボールが直撃する。そう、急所に
「それまで!」
スタイラーも気絶していた
ーーーーー
ざわ・・・ざわ・・・
「あ・・悪魔だ」
またも観客席は騒然となる。エルは小悪魔から悪魔に昇格した。
エディは黙って席を立つ。ロランも何も喋らなかった
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その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
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