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文筆業とか言ってみたり
9 ぽっぽっぽー
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休憩時間のホワイエで興奮気味の人々から少し離れ、僕は壁にもたれてぐったりしていた。
飲み物を買いに行っていたミラロゥが戻ってきて、心配顔で僕を覗き込んだ。
「疲れたんなら帰ろうか?」
「ここまで来たら全部見たい。結果も気になるし、ミラロゥだってそうでしょう?」
「まあ、そうだな」
誰が優勝するかで盛り上がる一団を横目に、僕は綺麗な赤色のラズベリーソーダをちびちび飲んだ。
耳に音楽が残っていた。『鳩ぽっぽ』というか、『トゥルトートゥ』が。
レゲエ風、ロック風、フォークダンス風にアレンジされて、どの人のダンスもすごかった。
はたして『トゥルトートゥ』を踊った人が優勝するのか、それとも他のダンサーか、気になるところだ。
パンフレットに目を落とすと、このあとは特別パフォーマンスとなっている。それが終われば授賞式。
「そろそろ戻ろうか」
再開のベルが鳴り、司会者が紹介したのは三人組のダンサーだ。
「さあ、今年一番会場を沸かせたダンサーたちの登場です!」
まさかまた『トゥルトートゥ』じゃないだろうな。
チラッと思ったけれど、さすがに考えすぎだろう。
それにしても、一人で踊る人が多いからこうして組んでるのは珍しい……。 ん? あの人たち、どっかで見たことあるような。
その時、曲が流れだし僕はそっちに気を取られた。
会場にも大きな笑いが巻き起こる。
歌は、『ぽっぽっぽー』のリフレインから始まった。もちろん僕の声ではなく、伸びやかな女性の声だ。
大会実行委員は僕との約束をしっかり守ってくれた。僕の歌声を使った者は失格とお触れを出してくれたのだ。だから、安心して見に来ていた。
ダンスは、『豆が欲しいか』のあたりからゆったりと始まった。そして『みんなで仲良く』の辺りで三人が三方向に勢いよく手を伸ばし、ステップを踏み始める。
ダンサーたちには悪いが、僕には歌の方が気になった。この国では聞くことのない日本語が珍しく、そして楽しかったのだ。
こちらの言葉に直すのではなく、わざわざ日本語で歌ってくれたことが嬉しかった。
でもどうやったんだろう。耳コピかな。すごいなあ。
出だしだけでなく、一番の歌詞を全部歌ってくれた。
「鳩ぽっぽだ……」
アレンジはそれなりにされているんだけど、それでも僕の知っている、なじみのある歌だ。
自分の歌声が恥ずかしいからと耳を塞いできたけれど、こうして聞くと、いい曲だな。
繰り返される『ぽっぽっぽー』にあわせて自然と体が揺れていた。
一緒に歌いたくなってしまう。懐かしく童心に帰るような気持ちだ。
大いに盛り上がった特別パフォーマンスが終わる。
袖に引っ込みかけたダンサーの一人が、ふと立ち止まり、こちらにむけて手を振ったように見えた。
次はいよいよ授賞式だ。
選手たちがそろって壇上に並ぶ。
「さあ、いったい誰が優勝するのかー!」
司会者が歌うよう舞台袖を指し示す。するとトロフィーを持った男性が、誰が優勝するのかなみたいなダンスを披露し、選手たちはオレオレ、オレだろ? みたいなアピールを始める。もちろん、それもダンスになっている。
ここでも踊るのか……。
僕はポカンとその様子を眺めた。
トロフィーを受け取ったのは優勝候補として名前をあげられていた人だ。彼がくるんと回ってトロフィーを掲げると、あちこちからおめでとうと声が上がる。
他の選手たちも、優勝者をたたえるように彼の周りで腕をひらひらさせている。そりゃ悔しい思いもあるんだろうけど、それ以上に出場者全員が、心から踊ることを楽しんでるんだ。
舞台の上がキラキラと輝いて見えた。
――お帰りのさいは、廊下等でダンスをせず、まっすぐお進みください――
そんな感じのアナウンスがずっと流れいるし、実際、会場をあとにする人々は今にも踊り出しそうな感じでうずうずしていた。でも今は、僕もその気持ちがわかる。
あとはもうみんな、夜中まであるいは夜明けまで、好き勝手踊り狂うんだろう。
「あ、いたいた! ルノン!」
帰り際、一階のホールまで来たとき、僕を呼ぶ声が聞こえた。
振り返るとそこにいたのは、さきほど特別パフォーマンスを披露していたダンサーたちだ。
ミラロゥがさりげなく立ち位置を変えて僕を隠そうとしたが、僕はそこからひょいと顔を出し、男を指さした。
「あれ、スイカ男だ」
「そろそろ名前を覚えてね!」
スイカ男が大げさに嘆くのを横目に、僕はミラロゥに問いかける。
「もしかして気づいていた?」
ミラロゥは返事の代わりに肩をすくめ、怖い感じに目を細めた。
僕がこの世界に来たばかりのころ、スイカ男に言い寄られたことがあったから、ミラロゥは警戒してるんだろう。
「大丈夫だよ、案外気のいい連中だから」
疑いの眼差しはまだ消えないが、僕としては少しでいいから話を聞きたい。
「あの『鳩ぽっぽ』誰が歌ってたの?」
「それな」
答えたのはスイカ男の仲間たちだ。
「コイツの恋人ががんばったんだよ」
「恋人ができたんだ! よかったねえ」
僕は心から喜んだ。ミラロゥもいるし、もう求婚されることもないだろうけど、なんとなくホッとした。
彼らが言うには、スイカ男はたまたまラジオを聞いていて、録音した人がいないか伝手をたどって探しまくり、音源を持っていた女性とやり取りするうち自然と恋仲になったそうだ。平和の象徴である鳩が、キューピットの役割まで果たしちゃったらしい。
あの日以来、『鳩ぽっぽ』がラジオで流れないことを不思議に思っていたというので、僕は例のエセ民族学者の存在を暴露した。
「許可を取ってなかったって!? じゃ、俺たちのダンスも迷惑だった……?」
「ううん、それは全然。自分の歌声が恥ずかしかっただけだから。やっぱり僕にとっては『ぽっぽっぽー』の方が馴染み深いしね」
さきほど、歌詞をこちらの言葉に書き替えたのが、あの民族学者だと知ったばかりだし、余計にそう思う。
「だから、ありがとう」
微笑みかけると、スイカ男の頬がポッと赤くなる。こらこら、恋人が怒るぞ。
「ルノン」
ミラロゥが僕の肩に手を置いた。おっと、僕の方こそ怒られちゃう流れかな。そう思ってたら彼は僕の耳元で囁いた。
それは僕のためにって彼が習得してくれた日本語だった。優しい声と目つきで、「歌なら私が歌おうか」って。
甘い誘いに頬が熱くなる。
だけど、ミラロゥが『鳩ぽっぽ』を? って思ったら、どうしても吹きださずにはいられなかった。
声を立てて笑う僕を、みんながあっけにとられた顔で見ていた。
あー、すごい楽しいな!
◆
「いいなあ、行きたかったな~、ダンス大会」
ダンス大会から数日後、チェルト君から電話があった。
ここのところチェルト君とすれ違い気味だったので、なんだかんだ声を聞くのも久しぶりである。
最近楽しいことあったかと聞かれたので、僕はダンス大会に行ったときのことを話した。
チェルト君は、『トゥルトートゥ』ブームの元凶が僕にあるとは知らなかったらしい。大いに驚き大いに笑った。
「チェルト君は体調どう? なんかずっと調子崩してたみたいだけど……」
「あー、いや、違うんだよ。実はさ……、いや、やっぱ直接会って話したいな」
チェルト君がそう言うので、近々会う約束をしてたんだけど、どうやら僕の方がそろそろ発情期みたいだ。
飲み物を買いに行っていたミラロゥが戻ってきて、心配顔で僕を覗き込んだ。
「疲れたんなら帰ろうか?」
「ここまで来たら全部見たい。結果も気になるし、ミラロゥだってそうでしょう?」
「まあ、そうだな」
誰が優勝するかで盛り上がる一団を横目に、僕は綺麗な赤色のラズベリーソーダをちびちび飲んだ。
耳に音楽が残っていた。『鳩ぽっぽ』というか、『トゥルトートゥ』が。
レゲエ風、ロック風、フォークダンス風にアレンジされて、どの人のダンスもすごかった。
はたして『トゥルトートゥ』を踊った人が優勝するのか、それとも他のダンサーか、気になるところだ。
パンフレットに目を落とすと、このあとは特別パフォーマンスとなっている。それが終われば授賞式。
「そろそろ戻ろうか」
再開のベルが鳴り、司会者が紹介したのは三人組のダンサーだ。
「さあ、今年一番会場を沸かせたダンサーたちの登場です!」
まさかまた『トゥルトートゥ』じゃないだろうな。
チラッと思ったけれど、さすがに考えすぎだろう。
それにしても、一人で踊る人が多いからこうして組んでるのは珍しい……。 ん? あの人たち、どっかで見たことあるような。
その時、曲が流れだし僕はそっちに気を取られた。
会場にも大きな笑いが巻き起こる。
歌は、『ぽっぽっぽー』のリフレインから始まった。もちろん僕の声ではなく、伸びやかな女性の声だ。
大会実行委員は僕との約束をしっかり守ってくれた。僕の歌声を使った者は失格とお触れを出してくれたのだ。だから、安心して見に来ていた。
ダンスは、『豆が欲しいか』のあたりからゆったりと始まった。そして『みんなで仲良く』の辺りで三人が三方向に勢いよく手を伸ばし、ステップを踏み始める。
ダンサーたちには悪いが、僕には歌の方が気になった。この国では聞くことのない日本語が珍しく、そして楽しかったのだ。
こちらの言葉に直すのではなく、わざわざ日本語で歌ってくれたことが嬉しかった。
でもどうやったんだろう。耳コピかな。すごいなあ。
出だしだけでなく、一番の歌詞を全部歌ってくれた。
「鳩ぽっぽだ……」
アレンジはそれなりにされているんだけど、それでも僕の知っている、なじみのある歌だ。
自分の歌声が恥ずかしいからと耳を塞いできたけれど、こうして聞くと、いい曲だな。
繰り返される『ぽっぽっぽー』にあわせて自然と体が揺れていた。
一緒に歌いたくなってしまう。懐かしく童心に帰るような気持ちだ。
大いに盛り上がった特別パフォーマンスが終わる。
袖に引っ込みかけたダンサーの一人が、ふと立ち止まり、こちらにむけて手を振ったように見えた。
次はいよいよ授賞式だ。
選手たちがそろって壇上に並ぶ。
「さあ、いったい誰が優勝するのかー!」
司会者が歌うよう舞台袖を指し示す。するとトロフィーを持った男性が、誰が優勝するのかなみたいなダンスを披露し、選手たちはオレオレ、オレだろ? みたいなアピールを始める。もちろん、それもダンスになっている。
ここでも踊るのか……。
僕はポカンとその様子を眺めた。
トロフィーを受け取ったのは優勝候補として名前をあげられていた人だ。彼がくるんと回ってトロフィーを掲げると、あちこちからおめでとうと声が上がる。
他の選手たちも、優勝者をたたえるように彼の周りで腕をひらひらさせている。そりゃ悔しい思いもあるんだろうけど、それ以上に出場者全員が、心から踊ることを楽しんでるんだ。
舞台の上がキラキラと輝いて見えた。
――お帰りのさいは、廊下等でダンスをせず、まっすぐお進みください――
そんな感じのアナウンスがずっと流れいるし、実際、会場をあとにする人々は今にも踊り出しそうな感じでうずうずしていた。でも今は、僕もその気持ちがわかる。
あとはもうみんな、夜中まであるいは夜明けまで、好き勝手踊り狂うんだろう。
「あ、いたいた! ルノン!」
帰り際、一階のホールまで来たとき、僕を呼ぶ声が聞こえた。
振り返るとそこにいたのは、さきほど特別パフォーマンスを披露していたダンサーたちだ。
ミラロゥがさりげなく立ち位置を変えて僕を隠そうとしたが、僕はそこからひょいと顔を出し、男を指さした。
「あれ、スイカ男だ」
「そろそろ名前を覚えてね!」
スイカ男が大げさに嘆くのを横目に、僕はミラロゥに問いかける。
「もしかして気づいていた?」
ミラロゥは返事の代わりに肩をすくめ、怖い感じに目を細めた。
僕がこの世界に来たばかりのころ、スイカ男に言い寄られたことがあったから、ミラロゥは警戒してるんだろう。
「大丈夫だよ、案外気のいい連中だから」
疑いの眼差しはまだ消えないが、僕としては少しでいいから話を聞きたい。
「あの『鳩ぽっぽ』誰が歌ってたの?」
「それな」
答えたのはスイカ男の仲間たちだ。
「コイツの恋人ががんばったんだよ」
「恋人ができたんだ! よかったねえ」
僕は心から喜んだ。ミラロゥもいるし、もう求婚されることもないだろうけど、なんとなくホッとした。
彼らが言うには、スイカ男はたまたまラジオを聞いていて、録音した人がいないか伝手をたどって探しまくり、音源を持っていた女性とやり取りするうち自然と恋仲になったそうだ。平和の象徴である鳩が、キューピットの役割まで果たしちゃったらしい。
あの日以来、『鳩ぽっぽ』がラジオで流れないことを不思議に思っていたというので、僕は例のエセ民族学者の存在を暴露した。
「許可を取ってなかったって!? じゃ、俺たちのダンスも迷惑だった……?」
「ううん、それは全然。自分の歌声が恥ずかしかっただけだから。やっぱり僕にとっては『ぽっぽっぽー』の方が馴染み深いしね」
さきほど、歌詞をこちらの言葉に書き替えたのが、あの民族学者だと知ったばかりだし、余計にそう思う。
「だから、ありがとう」
微笑みかけると、スイカ男の頬がポッと赤くなる。こらこら、恋人が怒るぞ。
「ルノン」
ミラロゥが僕の肩に手を置いた。おっと、僕の方こそ怒られちゃう流れかな。そう思ってたら彼は僕の耳元で囁いた。
それは僕のためにって彼が習得してくれた日本語だった。優しい声と目つきで、「歌なら私が歌おうか」って。
甘い誘いに頬が熱くなる。
だけど、ミラロゥが『鳩ぽっぽ』を? って思ったら、どうしても吹きださずにはいられなかった。
声を立てて笑う僕を、みんながあっけにとられた顔で見ていた。
あー、すごい楽しいな!
◆
「いいなあ、行きたかったな~、ダンス大会」
ダンス大会から数日後、チェルト君から電話があった。
ここのところチェルト君とすれ違い気味だったので、なんだかんだ声を聞くのも久しぶりである。
最近楽しいことあったかと聞かれたので、僕はダンス大会に行ったときのことを話した。
チェルト君は、『トゥルトートゥ』ブームの元凶が僕にあるとは知らなかったらしい。大いに驚き大いに笑った。
「チェルト君は体調どう? なんかずっと調子崩してたみたいだけど……」
「あー、いや、違うんだよ。実はさ……、いや、やっぱ直接会って話したいな」
チェルト君がそう言うので、近々会う約束をしてたんだけど、どうやら僕の方がそろそろ発情期みたいだ。
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