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~プロローグ~ 宮河那月side
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2○×△年 4月4日 AM8:40
朝日学園の体育館への長い廊下を走る、一人の少女がいた。
名前は宮河那月。
何を隠そう、彼女も10倍の倍率を乗り越えて入学した500人のうちの1人だ。
そんな彼女がなぜ走っているのか。
それは簡単なこと。
遅刻しそうだからだ。
「も~!なんで廊下が100mもあるの~!」
朝日学園の本校舎から体育館までの渡り廊下は100mある。さすが日本一の名門、朝日学園。そんなことを思いながら、やっとのことで体育館の入口に入った。まだ何人か人がいるのを確認して那月はほっと息をついた。
「間に合ってよかった……!」
朝日学園の体育館は一階部分はホールになっているので、靴を履き替える必要がない。那月はそのまま扉へ向かった。すると、開いていた窓から人の声がした。気になったのでそっと見てみる。そこには、いかにも不良という感じの3人組が非力そうなメガネの男の子を取り囲んでいた。
(カツアゲかなぁ……?名門の朝日学園でもそーゆーのあるんだ…。先生、呼んだ方がいいのかな?)
辺りを見渡すが、先生らしき人は1人もいない。
(困ったなぁ…。どーしよう……。)
悩んでいる那月の横を1人の女の子が横切った。彼女はそのまま外へ出て、3人組の方へ行った。
そしてーー
「貴様ら、何をしている!その者を開放しろ!」と言った。彼女の綺麗な長い黒髪が太陽に照らされて煌めいた。3人組は顔を引きつらせ「ああんっ!?」と言った。そして、3人組のリーダー的な人が彼女に近づいた。すると、「女は黙ってな!!」と彼女に殴りかかった。
(危ない!)
那月はぎゅっと目をつぶった。
しかしーー。
「うわぁぁぁ!」
次の瞬間、聞こえたのは不良の叫び声だった。
那月がそっと目を開けると不良のリーダーは5mくらい吹っ飛んで気を失っていた。
女の子がいた方を見ると金髪の男の子がいた。
「女の子を殴ろうとするなんて信じらんない!」
そう言って手をパッパッと払い、女の子の方へ行った。
「大丈夫?怪我はない?」
男の子は心配そうに彼女に声をかけた。彼女は「ああ。平気だ。ありがとう」と言って、メガネの男の子の元へ駆け寄った。
「お前、大丈夫か?立てるか?」
彼女が声をかけると、
「だっ大丈夫です!ありがとうございました!」と、男の子は涙目になりながら言った。
「そうか」ほっとした彼女は、その男の子に手を差しのべた。もう1人の金髪の男の子は、「2人とも、怪我なくて良かったよ!」と笑った。
その後3人は仲良く体育館へ入っていった。
(とりあえず、一件落着って感じかなー?)
一息つくと、入口の方から誰かの足音が聞こえた。那月が振り返ろうとすると、
ドンッ
「きゃっ!」「うわぁ!」
ぶつかってしまった。
「いったぁ……」
「ごっごめんなさい……!」
その人は、那月が顔を見る間もなく体育館へ入っていった。
(なんだったんだろう?まぁ、怪我してないからいーけど……。)
ちょっとジンジンする腕をさすりながら、那月はふと床に落ちてる光るものを見つけた。
(あれは……?)
そっと近づいてみると、《チョコバナナの香り》と書いてあるリップだった。
(さっきの子が落としたのかな?)
あとで届けてあげようと、それを拾いに行くとまた、入口に人が来た。
「弥子様!ギリギリセーフですわ!」
「そうね、よかったわ」
女の子2人組だった。
1人は長い黒髪をツインテールにした小柄な女の子。まるでパピヨンみたいだ。もう1人は茶色でくるくるパーマの髪を綺麗に後ろでまとめているtheお嬢様って感じの子だ。2人はニコニコしながら入口を通った。そしてパピヨンの子が落ちていたリップに気づいた。
するとーー。
さっきまでの笑顔が嘘のように鬼のような形相になった。
「はぁ!?ありえないんだけど!弥子様の通る道にこんなダサいリップがあるなんて!!」
パピヨンの子はリップを拾い、「しかもチョコバナナ!?本当にダサい!こんなもの捨ててやるわ!!」
その子はリップを外へ投げようとした。
「ちょっと待って!!」
那月は自分でもびっくりするほど大きな声をだしていた。するとパピヨンの子が「はぁ!?」と言って近寄ってきた。
「なに?これ、あんたのなの?」
鋭い瞳で見つめられ、少し涙目になった。
「ちっ違うけど、それ落とした人を知ってるから届けてあげたくて……」
「はぁ!?意味わかっ「初美!落ち着きなさい!」
パーマの人がパピヨンの子を止めた。
「やっ弥子様?」
「初美、私は大丈夫だから。リップを渡してあげなさい」
「わっわかりました」
パーマの子に言われ、パピヨンの子はしぶしぶ私にリップを渡した。
「よしよし。初美、偉いわね」
パーマの子はパピヨンの子の頭を撫でた。その子も嬉しかったらしく、「弥子様ぁ」とパーマの子に抱きついている。
パーマの子はそっと、那月を見てニコッと笑った。
「ごめんなさいね。悪い子ではないのよ」
「あっいえ。気にしないでください」
「リップ、よろしくね」
そう言うと、彼女達は体育館へ入っていった。
(はぁ……。ハツミちゃんだっけ?怖かったなぁ……。でもヤコ様?は優しい良い人だったなぁ)
那月はふっと息を吐いた。
すると、よくある校内放送の音がした。
『新入生、保護者の皆様にご連絡致します。5分後の9時より朝日学園、第100期生の入学式を始めます。まだ会場内にいない方がおりましたら、速やかに入場してください。』
(あと5分!?急がなきゃ!!)
那月は慌ただしく、体育館へ入っていった。
朝日学園の体育館への長い廊下を走る、一人の少女がいた。
名前は宮河那月。
何を隠そう、彼女も10倍の倍率を乗り越えて入学した500人のうちの1人だ。
そんな彼女がなぜ走っているのか。
それは簡単なこと。
遅刻しそうだからだ。
「も~!なんで廊下が100mもあるの~!」
朝日学園の本校舎から体育館までの渡り廊下は100mある。さすが日本一の名門、朝日学園。そんなことを思いながら、やっとのことで体育館の入口に入った。まだ何人か人がいるのを確認して那月はほっと息をついた。
「間に合ってよかった……!」
朝日学園の体育館は一階部分はホールになっているので、靴を履き替える必要がない。那月はそのまま扉へ向かった。すると、開いていた窓から人の声がした。気になったのでそっと見てみる。そこには、いかにも不良という感じの3人組が非力そうなメガネの男の子を取り囲んでいた。
(カツアゲかなぁ……?名門の朝日学園でもそーゆーのあるんだ…。先生、呼んだ方がいいのかな?)
辺りを見渡すが、先生らしき人は1人もいない。
(困ったなぁ…。どーしよう……。)
悩んでいる那月の横を1人の女の子が横切った。彼女はそのまま外へ出て、3人組の方へ行った。
そしてーー
「貴様ら、何をしている!その者を開放しろ!」と言った。彼女の綺麗な長い黒髪が太陽に照らされて煌めいた。3人組は顔を引きつらせ「ああんっ!?」と言った。そして、3人組のリーダー的な人が彼女に近づいた。すると、「女は黙ってな!!」と彼女に殴りかかった。
(危ない!)
那月はぎゅっと目をつぶった。
しかしーー。
「うわぁぁぁ!」
次の瞬間、聞こえたのは不良の叫び声だった。
那月がそっと目を開けると不良のリーダーは5mくらい吹っ飛んで気を失っていた。
女の子がいた方を見ると金髪の男の子がいた。
「女の子を殴ろうとするなんて信じらんない!」
そう言って手をパッパッと払い、女の子の方へ行った。
「大丈夫?怪我はない?」
男の子は心配そうに彼女に声をかけた。彼女は「ああ。平気だ。ありがとう」と言って、メガネの男の子の元へ駆け寄った。
「お前、大丈夫か?立てるか?」
彼女が声をかけると、
「だっ大丈夫です!ありがとうございました!」と、男の子は涙目になりながら言った。
「そうか」ほっとした彼女は、その男の子に手を差しのべた。もう1人の金髪の男の子は、「2人とも、怪我なくて良かったよ!」と笑った。
その後3人は仲良く体育館へ入っていった。
(とりあえず、一件落着って感じかなー?)
一息つくと、入口の方から誰かの足音が聞こえた。那月が振り返ろうとすると、
ドンッ
「きゃっ!」「うわぁ!」
ぶつかってしまった。
「いったぁ……」
「ごっごめんなさい……!」
その人は、那月が顔を見る間もなく体育館へ入っていった。
(なんだったんだろう?まぁ、怪我してないからいーけど……。)
ちょっとジンジンする腕をさすりながら、那月はふと床に落ちてる光るものを見つけた。
(あれは……?)
そっと近づいてみると、《チョコバナナの香り》と書いてあるリップだった。
(さっきの子が落としたのかな?)
あとで届けてあげようと、それを拾いに行くとまた、入口に人が来た。
「弥子様!ギリギリセーフですわ!」
「そうね、よかったわ」
女の子2人組だった。
1人は長い黒髪をツインテールにした小柄な女の子。まるでパピヨンみたいだ。もう1人は茶色でくるくるパーマの髪を綺麗に後ろでまとめているtheお嬢様って感じの子だ。2人はニコニコしながら入口を通った。そしてパピヨンの子が落ちていたリップに気づいた。
するとーー。
さっきまでの笑顔が嘘のように鬼のような形相になった。
「はぁ!?ありえないんだけど!弥子様の通る道にこんなダサいリップがあるなんて!!」
パピヨンの子はリップを拾い、「しかもチョコバナナ!?本当にダサい!こんなもの捨ててやるわ!!」
その子はリップを外へ投げようとした。
「ちょっと待って!!」
那月は自分でもびっくりするほど大きな声をだしていた。するとパピヨンの子が「はぁ!?」と言って近寄ってきた。
「なに?これ、あんたのなの?」
鋭い瞳で見つめられ、少し涙目になった。
「ちっ違うけど、それ落とした人を知ってるから届けてあげたくて……」
「はぁ!?意味わかっ「初美!落ち着きなさい!」
パーマの人がパピヨンの子を止めた。
「やっ弥子様?」
「初美、私は大丈夫だから。リップを渡してあげなさい」
「わっわかりました」
パーマの子に言われ、パピヨンの子はしぶしぶ私にリップを渡した。
「よしよし。初美、偉いわね」
パーマの子はパピヨンの子の頭を撫でた。その子も嬉しかったらしく、「弥子様ぁ」とパーマの子に抱きついている。
パーマの子はそっと、那月を見てニコッと笑った。
「ごめんなさいね。悪い子ではないのよ」
「あっいえ。気にしないでください」
「リップ、よろしくね」
そう言うと、彼女達は体育館へ入っていった。
(はぁ……。ハツミちゃんだっけ?怖かったなぁ……。でもヤコ様?は優しい良い人だったなぁ)
那月はふっと息を吐いた。
すると、よくある校内放送の音がした。
『新入生、保護者の皆様にご連絡致します。5分後の9時より朝日学園、第100期生の入学式を始めます。まだ会場内にいない方がおりましたら、速やかに入場してください。』
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