アムゴーン~宇宙一の愛を込めて~

宮中齋 美祐希

文字の大きさ
2 / 4

~プロローグ~ 早乙女遥都side

しおりを挟む

2○×△年  4月4日 AM8:45
桜がひらひらと舞い散る中、朝日学園の体育館への道を息を切らして走る少年の姿があった。
彼は早乙女 遥都(サオトメ ハルト)。15歳。AB型。身長160cm。
金髪に少し茶色が混ざったサラサラの髪をおかっぱにして、前髪はきっちりぱっつん。黒縁のメガネをかけている彼は少し女の子のようだが、れっきとした男子である。
日本人の母とイギリス人の父とのハーフである彼は、先程10年ぶりに日本へ帰ってきた。そんな彼は、今日から朝日学園の第100期生となった。彼は頭が良く、朝日学園の中でも難関と言われる特進科への入学だった。
そんな彼がなぜ走っているのか。
それは簡単なこと。
遅刻しそうだからだ。


「よしっ……!あれが体育館だねっ……!」
本校舎から体育館までの100mの渡り廊下まで来た僕は安堵の表情を浮かべながら、ラストスパートをかけた。
そして、
「よしっ!これで終わりだー!」
100mを走りきり、体育館の入口にそのままのスピードで突っ込んだ。
するとーー。
ドンッ
「きゃっ!」「うわぁ!」
女の子にぶつかってしまった。

「いったぁ……」
「ごっごめんなさい……!」
僕は恥ずかしくなってその女の子の顔も見ずに走って、体育館の中へ入ってしまった。
(ぜったい、嫌なやつだと思われたよ……)
少し涙目になりながら俯いた。

「遥都ー?どうしたの?」
「お母さん……」
僕のお母さん、早乙女 菊(サオトメ キク)は綺麗な黒髪を持つ日本人形のような人だ。
「早く席に行った方がいいぞ。お前と数人以外は皆、座っている。」
「お父さん……」
僕のお父さん、早乙女 レオンは金髪碧眼のイギリス人だ。
そんな2人に促され、僕は自分の席に向かった。
そして、そっと合格通知を見る。
そこには
『早乙女遥都さん。合格おめでとうございます。あなたは朝日学園第100期生、特進科 理系コース 1年3組となりました。また、受験時の順位は第3位です。入学式では、順位順に着席していただくことになるので、順位を覚えておいてください。』と、書かれていた。

少し歩いていたら、《1年3組》の文字を見つけた。よし、と思い僕は小走りで自分の席へ向かった。そっと周りを見渡すと座っていないのは僕と2、3人ってとこだった。
(一番最後じゃなくてよかった……!)
ほっとして自分の席に座った。すると、よくある校内放送の音楽が鳴り響いた。
ピーンポーンパーンポーン…… 
『新入生、保護者の皆様にご連絡致します。5分後の9時より朝日学園、第100期生の入学式を始めます。まだ会場内にいない方がおりましたら、速やかに入場してください。』
(あと5分か……)
僕はそっと辺りを見てみた。皆、日本一の名門校の朝日学園に入学する超エリート達だ。その中に自分がいる。そのことが何より嬉しかった。将来の夢を叶えるため、この《夢に最も近い学園》である朝日学園に入学した。これから始まる新しい生活。僕は胸を高鳴らせていた。
ふと自分の後ろの席に人がいないことに気づいた。
(大丈夫かな?あと5分もないけど……。)
そう思っていたら、後ろから小走りしている音が聞こえた。その音は自分の後ろで止まり、そっと席に着いた。
(よかった。間に合ったみたいだね。)
安心していると、司会の人がマイクを持ったのが見えた。そっと姿勢を正して、息を吸った。
(さぁこれから、僕の学園生活が始まるぞ!!)
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜

来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。 望んでいたわけじゃない。 けれど、逃げられなかった。 生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。 親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。 無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。 それでも――彼だけは違った。 優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。 形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。 これは束縛? それとも、本当の愛? 穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

俺をフッた女子に拉致されて、逃げ場のない同棲生活が始まりました

ちくわ食べます
恋愛
大学のサークル飲み会。 意を決して想いを告げた相手は、学内でも有名な人気女子・一ノ瀬さくら。 しかし返ってきたのは―― 「今はちょっと……」という、曖昧な言葉だった。 完全にフラれたと思い込んで落ち込む俺。 その3日後――なぜか自分のアパートに入れなくなっていた。

バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました

美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

処理中です...