妻がゾンビになりまして……

Mr.Six

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4-1:妻と買い物に行きまして……

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 美鈴がゾンビになって2週間、

後日、朝日バスから連絡があり、通院費や慰謝料が決まった。

勿論、金額の問題じゃなかったし、渡辺と朝日バスの社長が直々に謝罪に来て、

浦見は懲戒解雇して、今後の対策や、運行体制などを見直すということで、

誠意はしっかりと感じれたと思うから示談に応じることにした。

花音にも同席して納得してもらった。

俺は会社に連絡をして、しばらくは、定時で上がれるように仕事を調整してくれた。

上司の人も、凄く心配してくれていて、

お見舞いに行こうかとか言ってたけど、

流石に今の美鈴に合わせるわけにはいかないから丁重にお断りした。

美鈴はすっかり落ち着きを取り戻し、すぐに噛みついて来るっていうのは減ってきている。

でも、変わらず体は冷たいし、寝るし食べるしゾンビであることに変わりはない。

そういえば、食材ってなくなってきてるよな?

俺は冷蔵庫の中身を確認した。

ない……

え、こんなに食べたん?

お茶しか入ってないんか? ってぐらいカスカスだな。

まぁ、幸い今日は土曜日だし、買いに行くか。

俺は寝ている花音を、起こしに部屋に向かった。

「おい、花音~」

あ、待てよ確か花音部屋を開けたら怒るよな。

俺は部屋の扉をノックして起きてるかを確認した。

「ん~、何? 誰?」

「あの、パパなんだけどさ、食材ないからちょっとスーパーに買い物行ってくるからママお願いしてもいい?」

「は~い、いってらっしゃい」

花音はそれから一切返事がなかった。

たく、よく寝るよ。

もう昼前だぞ。

美鈴に影響されたか?

俺は美鈴が寝ている部屋に向かって扉を開ける。

美鈴は寝息を立てながらスヤスヤと寝ていた。

寝ているときは普通の人と変わりないんだよな。

しかし、

可愛いな~

肌は白くてすべすべしてるし、

長い髪が乱れてるのが、無防備というかなんというか

美鈴があまりにも愛おしすぎて、

俺は美鈴のおでこにキスをした。

「いってくるよ、美鈴」

「ん~、うぅ」

やばい、起こすかもしれないな。

また噛みつかれる前に家を出ないと。

俺は急いで支度をして、家を出ようとする。

「あぁ~」

あ、起きたね。

どうしようか、連れて行くわけにはいかないし。

美鈴は部屋から出て、冷蔵庫に向かって歩き出した。

「美鈴、ごめん今食材が無いんだ、買ってくるから待っててくれるか?」

「うぅ」

美鈴はこっちを見て睨んでる。

睨んでる美鈴も可愛いな。

けど、

「う~ん、ちょっと待ってくれないかなぁ」

「ふぁあ~、そしたら私もついていくからさ、ママと3人で出かけない?」

花音は寝ぼけながら部屋を出てきて、頭をかいていた。

「え、いや、でもママはゾンビって知られたらダメなんじゃ」

「バレなきゃいいじゃん」

そういって、花音はヘアゴムで髪をお団子にまとめ、洗面所に向かった。

「え~、大丈夫かな?」

外に出すってことは、ゾンビであることを隠しながらってことだろ?

美鈴がゾンビになってから買い物は基本的に花音に任せてたからな。

待てよ、

服はどうするつもりだ?

格好は?

「おい、花音! やっぱりママは家にいてもらった方が」

「大丈夫だよ、私がついてるから」

そういって、花音は簡単に支度を済ませ、美鈴のコーディネートを始めた。

「ねぇ、ママの服ってどこにあるの?」

「あぁ、服は確か、そこのタンスの中に」

俺が指さしたタンスを花音はおもむろに漁りはじめ、

服を合わせる。

美鈴の着ている服を脱がせ始めると、美鈴の綺麗な肌と共に下着が露呈する。

いつも、見ているとはいえ、昼にみるには刺激が強い。

俺は思わず顔を手で隠す。

「ちょ、ちょっと花音! せめて、部屋で着替えさしてくれ」

「なに、ママの体に興奮してんだよ、汚ねぇ」

花音は暴言を吐きながら俺を見ていた。

そりゃ、興奮するだろ、美鈴だぞ?

「いいから、早く」

「はぁ、めんどくさ。ママ! 行こう」

花音は美鈴を連れて、部屋を戻り、扉を閉める。

「ふぅ、マジか」

本当に3人で出かけるのか?

いろいろ対策しないといけないだろうな。

でも、どうしたらいいだろう。

俺はどうすればいいかわからず、玄関前でウロウロしていた。

すると、部屋の扉が開いて、花音と美鈴は出てきた。
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