異世界でも自由生活~とりま必要なのは奴隷であってる?!~

咲楽桔梗

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そうだ!奴隷を買おう

眷属:リンディーアーノシア(1)

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 目を覚ますと腕に中に収まっていた温もりが身動みじろいだ。紫の瞳がジッとオレの顔を見て居る。
「おはよう」
 声をかけても返事をせずに見つめ続ける。
 お互いまだ衣服は身に付けていない。布団の中でリンのカラダを抱え直して、キスできる位置に持ち上げた。抵抗はないようなので軽く唇を合わせてみたけれど目を瞑ってくれない。
「やっぱり痛くていやになった?」
 根深いコンプレックス持ちのオレは急に不安になった。幸せだと感じていたのは自分だけで、リンは契約上逆らえないから黙って腕の中に居るのではないかと焦りを感じて囲っていた温もりから身を離す。
「無理をさせてごめんな、朝食にしようか。トイレと洗面所案内しよう」
 これ以上紫の瞳と視線を合わせるのが怖くなってベッドから出ようとすると
「無理です」
 と否定的な言葉を発せられた。そっか、無理か……でも、童貞は卒業させて貰ったし感謝を忘れないようにしないと。など、今後どうやって触らずに嫌悪されること無く二人で過ごしていけるのかを考えようとしていたら、腕を取られて起こした身体を再びシーツに沈めることとなった。
「私一人でアマネのお相手は無理です。あと数人は夜伽可能な奴隷を購入しなくては」
 は?アマネさんどうされたのです。倒れ込んだオレの上に這い上がるようにして重なる温もり、サラサラ肌で気持ちが良い。
「オレに抱かれたの後悔してるんじゃ」
「まだそんなことを、ご褒美だといったじゃないですか。演技せずにあそこまで乱れたのなんて初めてなのですよ、ごちそうさまでした。そして放心して返答できず申し訳ございませんでした、おはようございます」
 演技?ごちそうさま?放心?危うい言葉が並んでいる。挨拶は無視されたわけでは無いらしい、よかった。
「それなら、何が無理なんだ」
 不安は残っている。だがリンの太ももでオレの股間をグイグイされて気がつく。昨夜あれだけ出したのに、元気だった。すっごく元気だった。寝落ちする前になんか生えたよな、きっとそれが原因。
「あ!気にしないで、自分で処理するから。朝からリンに無理させたりしないから」
 リンはムッとして答える。
「主に自分でなどと。奴隷なりに意地があるのです、男妾奴隷兼第一奴隷の私がしっかりアマネの下半身管理させていただきます」
 えーいやだ。ラノベ奴隷モノのテンプレ展開イヤだ。なんで奴隷や恋人が主人公無視してハーレム築くの?流され主人公になりたくないんですけど。
「勘弁してください。オレはオレのモノなのでリンにだって好きにされたくないです。それにオレの理想は浮気も不倫もしない一途夫だから他の男妾なんて要りません」
「夜伽可能な奴隷と言ったのです、男妾とは言ってませんよ。気に入って頂けたのならなによりです」
 リンが顔を真っ赤にしてオレの胸に顔を埋めた。
 そうだな、何でオレは男妾と同性を限定したのだろうか?リンとの一夜が最高だったのも確かにあるけれど、女性の涙や怯えた目、別れ話になったときの金切り声や罵りの言葉。思い出しただけで心だけで無く下半身も萎えた。卵が先か鶏が先かじゃないけれど、ここまでセットでトラウマだったらしい。
「なんで小さくさせているのです?私のことを気に入らなかったなど今更許しませんよ」
 お怒りモードのリンの頭を撫でながら
「違うよ、リンの指摘で気がついたんだけどオレって大きいことだけで無く、それを嫌がったり怖がったりして心までグサグサ抉ってきた女性も苦手になってたんだなって。そんな女性数えるほどしか居なかったのに全女性敵認定してるんだなって」
 性的なことを関連付けなければ普通に女性と話せていたので気がつかなかった。
「なるほど、下半身の管理はいったん諦めます。しかし、今日はもう一人奴隷を購入しに行きましょう」
 なぜに?
「アマネの欲している世間の常識を私が知らないからです」
 ドヤ顔された。仲間になる奴隷が欲しかったのだけれど、一番の目的は常識を教えて貰うことだったはず。おやぁ?魅了魔法には罹ってなかったけれど、リンの魅力に惑わされていたらしい。
「奴隷になるまで森で暮らして、奴隷になってから囲われて暮らしました。世間を知りません」
 ですよねー。デンゴの口車に乗ってしまいました。
「1つだけ、生活魔法は加護のある人間に付くものです。その上で自覚が無いとスキルボードに載りません。昔は家族などが使っていたり教えたりしたのですが、最近は信仰心が薄くなってきたようで加護持ち自体減ってしまったと聞きました。職業に賢者がありますので、今後も知識ではお力になれると思います」
 見た目クールビューティーで、脱いでも脱がなくてもエロくて、性格カワイイってすげえな、リンさん。デンゴの口車に乗って良かったです。
 もう一人奴隷か、宿屋だと不便になっていきそうだな。仲間は増やす予定だから奴隷購入に異存は無いけど、住むとこ考えないと。それより朝飯食いたいし、シャワー浴びたい。トイレも行きたい。
「ありがとね、生活魔法のこと教えてくれて。サイ様に嘘つき呼ばわりするところだったよ」
 良い子良い子と頭なでなでする。気持ちよさそうだ。
「続きは起きてからしよう。カラダ大丈夫?起き上がれる?」
 リンを抱きかかえたまま、身体に負担をかけないように起き上がる。収納から体力回復ポーションを取り出し渡す。
「ありがとうございます。随分きれいな色をしたポーションですね」
 ポーション作成時、最後に流す魔力で透明だったものが発色する。発色したことで完成となるのだが等級が上がるほどに濁りが消えるようだった。
 リンは察したのだろう、鑑定してから呆れた顔をして飲み干した。
「飲みやすいですね、朝の怠さと節々の痛みを和らげるために飲むには効果が高すぎますけれど」
 軽い嫌みを挟んでくる。
「落ち着いたら早めに薬師ギルドで免許を発行して貰いましょう」
 リンもそう思いますか、楽しみだな。
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