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アーネスト③
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(なんでこいつはこんな無防備なんだ・・・)
雨に濡れながら屋敷に帰ると彼女の服がぐっしょりと濡れピタリと引っ付いたシャツから深い谷間がくっきりと見えていた。中に着ている下着も浮かび上がりそれを視角に捕らえた瞬間アーネストの下半身がピクリと反応する。
(俺は思春期の少年か!!)
貴族の嗜みで女の体は何度も見てきている。さすがに若い頃は遊んできたが、子種を残すことが貴族の重要課題であり、セックスに快楽を求めるようなことはないと考えている。アーネストは焦って後ろに回り彼女の髪を拭いたのだが、下半身はなかなか収まらないようだ。
(このごわついた髪も、触ってみると猫の毛みたいで良いな)
彼女は気持ちよさそうにアーネストのされるがままになっている。ついでに耳の中を拭いてあげると、艶かしい声が響いた。
「ん・・・」
(ぐっ・・・)
アーネストの下半身がさらに立ち上がるのを感じる。必後ろから髪を拭いているので気づかれはしないだろうが、紳士としてこの状況はいけない。
「エレナ様、お帰りなさい」
セインが二人の帰宅に気づき、階段を駆け降りた。アーネストは気持ちを鎮めるため顔をしかめる。
「二人ともずぶ濡れじゃないですか。アーネスト様、早くお風呂へ。エレナ様の髪は私が拭いておきます」
「・・・ああ」
セインがタオルを取り彼女の髪を拭く。自分には見せない彼女の笑顔にアーネストはモヤモヤとした気分で風呂へと向かった。
+
+
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コルケット領の資料も数日で一通り読みこなしてまとめてある。コルケット男爵が亡くなってから、あの生意気な女性がこれらを一人で運営していたとは驚いた。普通であれば破産するような状態であるのに、災害があった年は税金を多く取らずに国民に還元するなど彼女たちが色々と我慢することで赤字もこれ以上増やさないようにしてきたのだろう。
(磨いたら光る逸材だな・・・)
『わぁ、赤の鞭、お姉さまにぴったしね!!』
ぼんやりと考えごとをしていると一室から女性たちの笑い声が聞こえる。アーネストは気になり部屋を覗いた。するとエレナ・ラングリーが赤い馬の鞭を撫でているのが見えた。
「どうなされたのですか」
「今度使おうと思ってるレースの鞭が届いたの」
「あなたが、レースに出るのか?」
「ええ、そうよ」
エレナは当たり前だというようにアーネストに答えた。
「そうだ、エレナ様、是非その鞭で私を打って試してみてください」
「キャハハ、セイン変態!!」
「ふふふ」
彼女の妹たちがケラケラよ笑っている。セインが冗談で言っているのだと女性たちは思っているのだろうが、セインの瞳は本気であると訴えている。
「やだセイン。私がセインを傷つける訳ないじゃない」
「いえ、お願いです、少しだけ」
「し、仕方ないわね。振りだけよ」
エレナはセインの尻を軽くはたいた。鞭を寸止めしたので、ペチッと軽く音が鳴っただけである。それだけでもセインは喜んでいるようだ。
「レディがレースに参加するなんて私は反対だ」
「あら、侯爵は頭がお堅いのね」
アーネストのイライラが募る。部屋を出て、バタンと寝室の扉を閉めた。
(くそっ!)
彼女を気安く名前で呼び、犬のように従順になるセイン。そんなセインに心を許す彼女を見るだけで、胸を潰されたような苦しみが押し寄せてくる。この気持ちは、嫉妬であり、アーネストが彼女に魅力を感じていることを認めざる負えない。
(私は侯爵だ。珍しい野蛮な奴に興味を持っただけで、すぐに落ち着くだろう)
アーネストはそう信じて枕に顔を埋めた。
雨に濡れながら屋敷に帰ると彼女の服がぐっしょりと濡れピタリと引っ付いたシャツから深い谷間がくっきりと見えていた。中に着ている下着も浮かび上がりそれを視角に捕らえた瞬間アーネストの下半身がピクリと反応する。
(俺は思春期の少年か!!)
貴族の嗜みで女の体は何度も見てきている。さすがに若い頃は遊んできたが、子種を残すことが貴族の重要課題であり、セックスに快楽を求めるようなことはないと考えている。アーネストは焦って後ろに回り彼女の髪を拭いたのだが、下半身はなかなか収まらないようだ。
(このごわついた髪も、触ってみると猫の毛みたいで良いな)
彼女は気持ちよさそうにアーネストのされるがままになっている。ついでに耳の中を拭いてあげると、艶かしい声が響いた。
「ん・・・」
(ぐっ・・・)
アーネストの下半身がさらに立ち上がるのを感じる。必後ろから髪を拭いているので気づかれはしないだろうが、紳士としてこの状況はいけない。
「エレナ様、お帰りなさい」
セインが二人の帰宅に気づき、階段を駆け降りた。アーネストは気持ちを鎮めるため顔をしかめる。
「二人ともずぶ濡れじゃないですか。アーネスト様、早くお風呂へ。エレナ様の髪は私が拭いておきます」
「・・・ああ」
セインがタオルを取り彼女の髪を拭く。自分には見せない彼女の笑顔にアーネストはモヤモヤとした気分で風呂へと向かった。
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コルケット領の資料も数日で一通り読みこなしてまとめてある。コルケット男爵が亡くなってから、あの生意気な女性がこれらを一人で運営していたとは驚いた。普通であれば破産するような状態であるのに、災害があった年は税金を多く取らずに国民に還元するなど彼女たちが色々と我慢することで赤字もこれ以上増やさないようにしてきたのだろう。
(磨いたら光る逸材だな・・・)
『わぁ、赤の鞭、お姉さまにぴったしね!!』
ぼんやりと考えごとをしていると一室から女性たちの笑い声が聞こえる。アーネストは気になり部屋を覗いた。するとエレナ・ラングリーが赤い馬の鞭を撫でているのが見えた。
「どうなされたのですか」
「今度使おうと思ってるレースの鞭が届いたの」
「あなたが、レースに出るのか?」
「ええ、そうよ」
エレナは当たり前だというようにアーネストに答えた。
「そうだ、エレナ様、是非その鞭で私を打って試してみてください」
「キャハハ、セイン変態!!」
「ふふふ」
彼女の妹たちがケラケラよ笑っている。セインが冗談で言っているのだと女性たちは思っているのだろうが、セインの瞳は本気であると訴えている。
「やだセイン。私がセインを傷つける訳ないじゃない」
「いえ、お願いです、少しだけ」
「し、仕方ないわね。振りだけよ」
エレナはセインの尻を軽くはたいた。鞭を寸止めしたので、ペチッと軽く音が鳴っただけである。それだけでもセインは喜んでいるようだ。
「レディがレースに参加するなんて私は反対だ」
「あら、侯爵は頭がお堅いのね」
アーネストのイライラが募る。部屋を出て、バタンと寝室の扉を閉めた。
(くそっ!)
彼女を気安く名前で呼び、犬のように従順になるセイン。そんなセインに心を許す彼女を見るだけで、胸を潰されたような苦しみが押し寄せてくる。この気持ちは、嫉妬であり、アーネストが彼女に魅力を感じていることを認めざる負えない。
(私は侯爵だ。珍しい野蛮な奴に興味を持っただけで、すぐに落ち着くだろう)
アーネストはそう信じて枕に顔を埋めた。
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