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エレナ④
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(うぅ・・・寝れない・・・)
ブロア侯爵とは一緒に馬を駆け少し打ち解けた気がしていたのだが、妹やセインと鞭の御披露目をしている時にやって来たブロア侯爵は少し様子がおかしかった。少し壁際で皆の様子を観察していたかと思うと、イライラした様子で部屋を出ていってしまったのだ。
(いったい私たちが何をしたっていうのよ。何が不満なのか言ってくれないと分からないわ)
エレナはモヤモヤとした気持ちに寝付けず、少しワインを飲もうと客間に向かった。ワインを開けグラスに注ぐ。エレナは一気にそれを煽った。
──カチャ──
ほろ酔い気分になっていると、ブロア侯爵が中に入ってきた。
「ブロア侯爵、こんな時間にどうしたんですか」
「なかなか寝付けなくて、少し歩こうとしたら電気がついてるのが見えた」
「そう・・・ブロア侯爵もワインどう?」
「ああ、頂こう」
エレナはグラスをもう一つ戸棚から持ってくる。注いだワインをブロア侯爵に手渡すと、彼はエレナの座っているソファーの横に座った。二人ワインを無言で飲み続ける。
(何も話さないなんて気まずいわね)
エレナは何も話そうとしないブロア侯爵に目を向けると、彼はエレナの目を見つめた。
「・・・アーネストだ」
「え?」
「私の名はアーネストだ」
ブロア侯爵により沈黙は破られたのだが、その一言に耳を疑った。
「アー、ネスト?」
「ああ」
「・・・じゃあ私のことはエレナと」
「エレナ・・・」
耳元で囁かれた自分の名ドキリとする。彼の声を媒介にするだけで、自分の名がこんなにも特別な色合いを持つだなんてエレナには知らなかった。
(もっと名前を呼んでほしい)
エレナは熱を持った瞳でアーネストを見つめる。彼の瞳に獣のような情熱が見えた気がした。彼の顔が徐々にエレナに近づいてくる。エレナは瞳を閉じた。
「んっ・・・」
エレナの唇は無理やり開かされ、舌を吸われた。先程飲んでいたワインの味が混じりあう。彼からの激しい熱にエレナは溶かされてしまいそうだ。
「ふぅ・・・」
舌を離そうにも離してくれない。歯茎や舌の裏までねっとりと舐められ、エレナの下半身がズクンと熱くなるのを感じる。しばらくしてアーネストは唇を離した。
「セインには、唇を許したのか?」
「セインとは、そんなんじゃ・・・」
アーネストはエレナの脚をスーっと撫でる。
「でも、この脚をセインに見せても良いのだろう?」
「っ・・・そんな色気のある関係じゃ・・・」
「彼は何度この脚に唇を寄せたいと思ったであろうな」
アーネストはエレナの脚に顔を埋め、キスをした。そして床に跪き、エレナの脚を持ち上げ、指を一本一本しゃぶった。
「ブロア侯爵!そんな汚いところ!!」
「アーネストだ」
「・・・ア、アーネスト。・・・辞めてっ」
チュパッ、チュパッとまるで飴を舐めるかのように舐め、足の指の間も赤い舌でつつかれる。
「んっ・・・くすぐったいわ」
アーネストは何度言っても辞めようとしない。彼の美味しそうにしゃぶる姿を見てエレナは段々と、気持ちいいと感じてくる。エレナはモゾモゾと脚を刷り寄せた。
「こんな無防備な格好でいるあなたが悪い」
エレナは白く透けた、ピンクのリボンが付いたネグリジェを愛用している。男勝りではあるが、本当は可愛いものが好きで、誰も見ない部分に可愛らしいものを使っている。それ故可愛らしい下着が増えていったのだ。
「ア、アーネスト・・・」
──ガタン──
「セイン・・・」
「あなたたち二人何をしているのですか」
「っ・・・少しワインを飲んでいただけよ」
「へぇ、ではアーネスト様。あなたは床に跪いてどうしたんです」
「・・・少し酔っぱらって躓いただけだ」
アーネストの苦し紛れの言い訳にセインは目を細めた。
「そうだ、あなたの婚約者のキャサリン様がこちらにいらっしゃるようですよ。侯爵の仮面を明日までにきちんと嵌めなおしておくことですね」
「婚、約者・・・?」
──ズキン──
セインの言葉にエレナの胸が傷んだ。
ブロア侯爵とは一緒に馬を駆け少し打ち解けた気がしていたのだが、妹やセインと鞭の御披露目をしている時にやって来たブロア侯爵は少し様子がおかしかった。少し壁際で皆の様子を観察していたかと思うと、イライラした様子で部屋を出ていってしまったのだ。
(いったい私たちが何をしたっていうのよ。何が不満なのか言ってくれないと分からないわ)
エレナはモヤモヤとした気持ちに寝付けず、少しワインを飲もうと客間に向かった。ワインを開けグラスに注ぐ。エレナは一気にそれを煽った。
──カチャ──
ほろ酔い気分になっていると、ブロア侯爵が中に入ってきた。
「ブロア侯爵、こんな時間にどうしたんですか」
「なかなか寝付けなくて、少し歩こうとしたら電気がついてるのが見えた」
「そう・・・ブロア侯爵もワインどう?」
「ああ、頂こう」
エレナはグラスをもう一つ戸棚から持ってくる。注いだワインをブロア侯爵に手渡すと、彼はエレナの座っているソファーの横に座った。二人ワインを無言で飲み続ける。
(何も話さないなんて気まずいわね)
エレナは何も話そうとしないブロア侯爵に目を向けると、彼はエレナの目を見つめた。
「・・・アーネストだ」
「え?」
「私の名はアーネストだ」
ブロア侯爵により沈黙は破られたのだが、その一言に耳を疑った。
「アー、ネスト?」
「ああ」
「・・・じゃあ私のことはエレナと」
「エレナ・・・」
耳元で囁かれた自分の名ドキリとする。彼の声を媒介にするだけで、自分の名がこんなにも特別な色合いを持つだなんてエレナには知らなかった。
(もっと名前を呼んでほしい)
エレナは熱を持った瞳でアーネストを見つめる。彼の瞳に獣のような情熱が見えた気がした。彼の顔が徐々にエレナに近づいてくる。エレナは瞳を閉じた。
「んっ・・・」
エレナの唇は無理やり開かされ、舌を吸われた。先程飲んでいたワインの味が混じりあう。彼からの激しい熱にエレナは溶かされてしまいそうだ。
「ふぅ・・・」
舌を離そうにも離してくれない。歯茎や舌の裏までねっとりと舐められ、エレナの下半身がズクンと熱くなるのを感じる。しばらくしてアーネストは唇を離した。
「セインには、唇を許したのか?」
「セインとは、そんなんじゃ・・・」
アーネストはエレナの脚をスーっと撫でる。
「でも、この脚をセインに見せても良いのだろう?」
「っ・・・そんな色気のある関係じゃ・・・」
「彼は何度この脚に唇を寄せたいと思ったであろうな」
アーネストはエレナの脚に顔を埋め、キスをした。そして床に跪き、エレナの脚を持ち上げ、指を一本一本しゃぶった。
「ブロア侯爵!そんな汚いところ!!」
「アーネストだ」
「・・・ア、アーネスト。・・・辞めてっ」
チュパッ、チュパッとまるで飴を舐めるかのように舐め、足の指の間も赤い舌でつつかれる。
「んっ・・・くすぐったいわ」
アーネストは何度言っても辞めようとしない。彼の美味しそうにしゃぶる姿を見てエレナは段々と、気持ちいいと感じてくる。エレナはモゾモゾと脚を刷り寄せた。
「こんな無防備な格好でいるあなたが悪い」
エレナは白く透けた、ピンクのリボンが付いたネグリジェを愛用している。男勝りではあるが、本当は可愛いものが好きで、誰も見ない部分に可愛らしいものを使っている。それ故可愛らしい下着が増えていったのだ。
「ア、アーネスト・・・」
──ガタン──
「セイン・・・」
「あなたたち二人何をしているのですか」
「っ・・・少しワインを飲んでいただけよ」
「へぇ、ではアーネスト様。あなたは床に跪いてどうしたんです」
「・・・少し酔っぱらって躓いただけだ」
アーネストの苦し紛れの言い訳にセインは目を細めた。
「そうだ、あなたの婚約者のキャサリン様がこちらにいらっしゃるようですよ。侯爵の仮面を明日までにきちんと嵌めなおしておくことですね」
「婚、約者・・・?」
──ズキン──
セインの言葉にエレナの胸が傷んだ。
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