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三章:大人
リリィの過去
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※リリィ過去編です
「巫女・・・様?」
東の服をまとった、どこか記憶の片隅に残るこの人は誰であっただろうか。リリィは巫女様という名前を聞き、霧のかかった過去が少しずつ蘇ってくる。
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『巫女様、この世界へようこそいらっしゃいました』
リリィ、元の名は『霧島璃々花』だ。リリィは別世界で生まれ生活していたのだが、両親の運転していた車が交通事故に合った瞬間に、リリィはこの世界に飛ばされていた。
「巫女様は、この世界を変えるために遣われた神の使者なのです」
「かみの、ししゃ?」
「巫女様にはまだ難しいですかな」
東の国の預言者と呼ばれる者の導きにより呼ばれたリリィは、ある年寄りに保護された。しわくちゃな顔でリリィと同じ黒髪の「婆」は、元々百年前に召喚された巫女、『ニホンジン』の孫であるらしく、リリィの言葉も理解しているようだった。
「巫女様は、オーラを持つ者の攻撃を無効化できるのですよ」
婆は簡単な言葉でリリィに説明をした。とにかく預言者によると、リリィはイーストランドの持つ不思議なオーラという力を無効化ことができるそうだ。その圧倒的な力を封じることができれば、輝かしい未来が待っているという預言だ。
「巫女はイーストランドで強力なオーラ持ちの国王や、“兵器”と呼ばれる者を息の根を止めるであろう、そう予言がされたそうです」
召喚術が発動し、召喚された巫女はまだ幼い幼女であることに国王含め皆驚愕した。オーラを無効化する方法を伝えてもまだ理解できないような小さな子供だ。婆はリリィがきちんと理解するように、巫女に精通している「婆」が教育係として任命されたのだ。リリィはしばらくの間、足の悪い婆の住む集落に託された。
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「巫女様、お逃げください!!」
「ばあ!!」
「私は良いのです、巫女様はこの道を真っ直ぐ、振り返らずに走るのですよ」
イーストランドの兵士が雪崩れ込む。女子供も捕まえられ、抵抗する者は切り裂かれる。通常戦争時には兵士だけが戦うのだが、イーストランドに新しい国王が誕生して以降、そういうルールを完全に無視するよう市民にまで手を出してきたのだ。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・」
リリィは走った。まっすぐ婆に言われた道に向かおうとしたのだが、ふと森から大きな気を感じる。まるで森の妖精たちがリリィを誘うように、引き寄せられる。婆の言葉が頭に過るが、リリィは本能に従うことにして森の中に入っていった。
(婆の言ってた強いオーラを感じる)
リリィの逃げないといけないという気持ちは目の前にいる真紅の瞳に囚われたことにより、失われる。この人に付いていかないといけない、その本能からの警告が頭で鳴り響く。
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(なんで今まで忘れてたんだろう)
リリィの記憶は封印されたように、奥で眠っていたのだが、今まで疑問も感じることはなかった。東の国の使者に巫女と言われた瞬間にその記憶の封印が解けてしまったのだ。
(私は、ヴィーの敵になる者・・・)
リリィは運命に逆らうため、必死に仕事に取り組んだ。リリィは意識しなければオーラを無効化することはない。リリィはあれからオーラのことをカイルに相談し(巫女の話は濁した)カイルを実験台にさせてもらったのだが、強く念じるとオーラは現れないようだった。仕事中にリリィが意識しない限り、影響を受けることも与えることもないだろう。
(私、無意識にヴィーのオーラを抑制していたのね)
リリィが小さい頃、ヴィンセントが魘されて眠っていることが何度かあった。リリィはヴィンセントが苦しんでほしくないと、暴走するオーラに「ヴィーの中で暴れないで」とお願いした。するとそのオーラはひっそりと静まったのだ。
(預言どおりになると、ヴィーが戦争に負けて亡くなってしまうかもしれない。そんなの嫌)
イーストランドに愛着はないのだが、ヴィンセントが亡くなるのは嫌だ。戦争で何千何万人もの人が亡くなっているにも関わらず、ヴィンセントさえ助かれば良いという、リリィの自己中心的な考えに嫌気がさす。
(こんな黒い考えを持った私が、巫女だなんて・・・)
リリィは自分の運命を呪った。
「巫女・・・様?」
東の服をまとった、どこか記憶の片隅に残るこの人は誰であっただろうか。リリィは巫女様という名前を聞き、霧のかかった過去が少しずつ蘇ってくる。
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『巫女様、この世界へようこそいらっしゃいました』
リリィ、元の名は『霧島璃々花』だ。リリィは別世界で生まれ生活していたのだが、両親の運転していた車が交通事故に合った瞬間に、リリィはこの世界に飛ばされていた。
「巫女様は、この世界を変えるために遣われた神の使者なのです」
「かみの、ししゃ?」
「巫女様にはまだ難しいですかな」
東の国の預言者と呼ばれる者の導きにより呼ばれたリリィは、ある年寄りに保護された。しわくちゃな顔でリリィと同じ黒髪の「婆」は、元々百年前に召喚された巫女、『ニホンジン』の孫であるらしく、リリィの言葉も理解しているようだった。
「巫女様は、オーラを持つ者の攻撃を無効化できるのですよ」
婆は簡単な言葉でリリィに説明をした。とにかく預言者によると、リリィはイーストランドの持つ不思議なオーラという力を無効化ことができるそうだ。その圧倒的な力を封じることができれば、輝かしい未来が待っているという預言だ。
「巫女はイーストランドで強力なオーラ持ちの国王や、“兵器”と呼ばれる者を息の根を止めるであろう、そう予言がされたそうです」
召喚術が発動し、召喚された巫女はまだ幼い幼女であることに国王含め皆驚愕した。オーラを無効化する方法を伝えてもまだ理解できないような小さな子供だ。婆はリリィがきちんと理解するように、巫女に精通している「婆」が教育係として任命されたのだ。リリィはしばらくの間、足の悪い婆の住む集落に託された。
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「巫女様、お逃げください!!」
「ばあ!!」
「私は良いのです、巫女様はこの道を真っ直ぐ、振り返らずに走るのですよ」
イーストランドの兵士が雪崩れ込む。女子供も捕まえられ、抵抗する者は切り裂かれる。通常戦争時には兵士だけが戦うのだが、イーストランドに新しい国王が誕生して以降、そういうルールを完全に無視するよう市民にまで手を出してきたのだ。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・」
リリィは走った。まっすぐ婆に言われた道に向かおうとしたのだが、ふと森から大きな気を感じる。まるで森の妖精たちがリリィを誘うように、引き寄せられる。婆の言葉が頭に過るが、リリィは本能に従うことにして森の中に入っていった。
(婆の言ってた強いオーラを感じる)
リリィの逃げないといけないという気持ちは目の前にいる真紅の瞳に囚われたことにより、失われる。この人に付いていかないといけない、その本能からの警告が頭で鳴り響く。
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(なんで今まで忘れてたんだろう)
リリィの記憶は封印されたように、奥で眠っていたのだが、今まで疑問も感じることはなかった。東の国の使者に巫女と言われた瞬間にその記憶の封印が解けてしまったのだ。
(私は、ヴィーの敵になる者・・・)
リリィは運命に逆らうため、必死に仕事に取り組んだ。リリィは意識しなければオーラを無効化することはない。リリィはあれからオーラのことをカイルに相談し(巫女の話は濁した)カイルを実験台にさせてもらったのだが、強く念じるとオーラは現れないようだった。仕事中にリリィが意識しない限り、影響を受けることも与えることもないだろう。
(私、無意識にヴィーのオーラを抑制していたのね)
リリィが小さい頃、ヴィンセントが魘されて眠っていることが何度かあった。リリィはヴィンセントが苦しんでほしくないと、暴走するオーラに「ヴィーの中で暴れないで」とお願いした。するとそのオーラはひっそりと静まったのだ。
(預言どおりになると、ヴィーが戦争に負けて亡くなってしまうかもしれない。そんなの嫌)
イーストランドに愛着はないのだが、ヴィンセントが亡くなるのは嫌だ。戦争で何千何万人もの人が亡くなっているにも関わらず、ヴィンセントさえ助かれば良いという、リリィの自己中心的な考えに嫌気がさす。
(こんな黒い考えを持った私が、巫女だなんて・・・)
リリィは自分の運命を呪った。
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