秘密の師弟関係

ほのじー

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第一章:再会

茶会の裏側(後)Side:シルベスター

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「報告ご苦労様」

シルベスターは執務室で影からの報告を受けた。ランドルフは麻薬組織のアジト約五十人を一人で始末し、その責任者の口から黒幕である人物を割らせたのだ。

(バロック公爵の正妻はスノーランド雪国国王の第三王女ウララが降嫁して来たんだっけ。シャーロットを恨んでいるとしたら彼女が怪しいな)

ランドルフは黒幕であるバロック公爵家を訪問した。公爵は否定するも、ランドルフが証拠の一部を見せると、警備らしき人物たちがランドルフに剣を向けてきたがランドルフは全員を簡単に気絶させ、公爵にすべて罪を吐くように脅・・説得したらしい。

バロック公爵はほぼすべての事を吐いたが、妻ウララは無関係であると拘束されても主張していた。スノーランドとの国際関係もあるので、公爵夫人ウララを無闇に拘束できないこともあり、公爵夫人は今すぐ何もできないだろうということで、監視だけ二十四時間体制で置き、今後対応を決定することにした。ひとまずはシャーロットの安全確保と情報収集だ。

(ここまですんなり事が進むなんて、嬉しい誤算だな。ランドルフがあんだけ本気をだしたのはミリアちゃんに危険を犯してほしくなかったんだろうなぁ。本人は気づいてやってるんだろうか・・・)


ランドルフは義理堅いが、あまり本気を見せない。常に淡々としており、感情的になることがあまりないのだ。ランドルフをそこまで本気にさせたミリアと、ミリアを無意識に守ろうとするランドルフ。

(さあ、今から義母のところに面会に行くか。茶会の前で準備が忙しいのに呼び出すなって怒られそうだけど)

正妃ベラは自然と美しさをこよなく愛する変人とも言って良い。特に騎士のような筋肉質の男が近づくと、「美しくないわ!」と言って嫌がるのだ。シルベスターや国王にでさえ、彼女の庭に入ることを禁止している。そんな彼女を国王はそれなりに愛しており、二人は仲良くやっているようなので不思議だ。最近ではベラは綺麗な男に女装させて楽しむ趣味もできたらしい。

(あの女、本当に何を考えているかわからんな)

しかも彼女は情報通で、シルベスターもあまり知られたくない情報を王や妹にしれっと暴露されそうになるときは冷や汗ものだ。

シルベスターはため息をつき、重い腰を上げ正妃に会いに向かった。
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