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最終回:結婚式
しおりを挟む「マリアンヌ・・・綺麗だよ」
「ありがとう、お父様、お母様・・・」
そこにあるのは、純白のドレスに身を包んだマリアンヌの姿であった。マリアンヌからは幸せが十二分に滲み出ており、まさか約一年前に婚約破棄されボロボロになった姿の彼女だとは思わないだろう。
「真理姉・・・おめでとう」
「あ、あ、ありがとう、由奈・・・」
「こらー、泣かないでよ!!化粧取れるっしょ!!」
ユーナと第二王子ソロモンも結婚式に来てくれた。ユーナは結婚式の手伝いをしてくれたこともあり、式の前に様子を見に来てくれたようだ。
「ほら、どこからどうみても真理姉は悪役令嬢じゃなくて・・・ヒロインだよ。じゃあ、観客席でソロモン王子と見てるからね!」
「う゛ん・・・」
マリアンヌは涙をこらえ、父と扉の前に立った。扉が開くと、大勢の人の拍手がなりやまなかった。
(ユーグサイド、なんか人外の客多くない?)
そこには精霊王や、他の妖精も座っており、大きな岩まで座っていた。目が付いた、岩なのである。まともなゲストはシェリルとその家族たちだけのようだ。人嫌いのユーグらしいゲスト達である。
(・・・ま、いいか)
集中して前を向くとタキシードを着てキラキラと眩しい笑顔を向けたユーグが立っていた。眼鏡をしないユーグは、まるでお伽噺の世界の王子様のようだ。
(格好いいけど・・・)
マリアンヌはユーグの胸元のポケットから眼鏡を抜き、彼にかけた。
「ユーグの格好良さは、私だけが知ってればいい。それに、眼鏡をかけたユーグも・・・好きだ」
「っ・・・くそっ、くそっ、今から巻きで結婚式を終わらせようね。早く抱きたいから、ねえ神父さん、早くして、お願いだよ」
精霊王が座る結婚式に神父はおそれ多くてたじたじだ。アストラルの魔法使いが巻きで決行と無茶を言っていて神父はもうこのカオスな結婚に半泣きである。
「あなたは、健やかなるときも「誓います」
ユーグは神父の言葉を遮り誓いの言葉を言った。
「では新婦・・・「誓います」
二人は指輪の交換をした。あの時の虹色の指輪だ。これは精霊王の試練に行った際に精霊国の精霊に作ってもらったのだと言っていた。
(え・・・そんなの持って帰ってきていいのか?)
ユーグは神父に「はやく、はやく」という目線を送る。その視線に耐えきれず神父は開き直った。もうどうにでもなれだ。
「夫婦として認めるからもう帰ってくれ──!!」
皆の拍手が巻き起こり、空からキラキラと精霊の祝福の光が降りる。外に出ると虹が何本もできていて、市民たちは大喜びだ。
「じゃあ皆。僕たちしばらく帰ってこないけど、心配しないでね」
「え、え、どこ行くんだユーグ」
「精霊国に新婚旅行だよ」
ユーグはマリアンヌを抱え、空を飛んだ。驚いて口を開けた皆の顔が小さくなっていく。
「マリアンヌ、初夜はたくさん愛し合おうね」
「・・・いっぱい躾も、してくれる?私の旦那さん」
「もちろんだよ、僕の愛しい奥さん」
【完】
ありがとうございました!!明日番外編投稿します。新作も投稿予定なのでよろしくお願いしますm(_ _)m
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