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第三章 魔術都市ランギスト
03 ランギストでの拠点
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さて、ランギストという街の印象を一言で表すと『雑多な街』と言ったところだろうか。
地球なのでもそうだが、普通は世界中どの街に行ってもある程度景観には統一性があるものだが、ここにはあまりそういったようなものが見られなかった。
例えば、街門から入って直ぐに日本の田舎町にあるような木造建築があったかと思えば、その隣に赤いレンガ造りの建物があったり。
流石に鉄筋コンクリートの建物は見られなかったが、石造りの塔の様な建築物が街の中央部に建っていたりと和風なんだか洋風なんだかわからない趣があった。
街を歩く人も様々で、肌や髪色が地球に比べればバリエーションが豊富で、どこか不思議な印象を受ける。人口が多いのか観光客が多いのかは知らないが、石畳が敷かれた路地を歩いている人達は日本の都会ほどでは無いにしても多いと感じるくらいではあった。
だけど、てっきりこの世界の人間はみんな手足が短い種族だと思っていた俺からすれば、俺とさほど変わらない身体的特徴を持っている人が殆どだという事の方に驚いたものだが。
ネヴィーさん夫婦やフラヴィの手足が短いのは、遺伝か何かなのだろうか?
そのフラヴィだが、今では俺の隣で並ぶようにして歩いており、一枚の書類をこちらに向けて何やら説明をしている。
ちなみに、その説明が何を言っているのかさっぱりわからなかったからこうして現実逃避をしていたのだが、流石にこれ以上生返事をしていたら適当に合わせているのがバレてまた怒られせるかも知れない。
俺は仕方なくフラヴィの説明を聞きつつ書類に目を落とす。
ちなみにこの書類は、街に入る時にフラヴィが門の所にいた役人らしい人からもらっていたもので、どうやら俺に関する事らしいという事は理解した。
それというのも、街に入る時にフラヴィは兵士さんに金属のプレートの様な物を見せただけでノーチェックだったのだが、いざ俺が入る時になって別室に案内され、そこにいた女性の受付の様な人にフラヴィがあれこれと説明した後に渡されたのがこの書類だったからだ。
一応、お金の類は取られていないようだったが、なにやら街に入る、滞在するには制約があるらしく、現在それについてフラヴィから説明を受けているという状況というわけだ。
「※※※※※※※※※※※※。私とソーマが※※※※※※※2日間※※※※※出る※入る※出来ない。※※※※※※※※2人必要。私と※※※。※※家に行く※※※後で、※※※※※※行く。わかった?」
書類から俺の顔へと視線を移して尋ねてくるフラヴィだが、何を言っているかわからないないのに「わかった」も糞もない。
そもそも、この少女は俺がどの程度の会話レベルの持ち主なのか時折忘れる節がある。心折れるわぁ。
「わからない」
「…………」
だから、俺は正直にそう答えるしかなかったわけなのだが、そんな俺の態度を見て、フラヴィは眉間に皺を寄せた後に俺の右腕を強めに叩いて黙ってしまった。
なんだろうこの理不尽。言葉が不自由な俺はこの心のモヤモヤをどこで晴らせばいいのだろう。
さて、こうして無言で街の中を行軍する事になった凸凹コンビだが、街に到着するまでの道程と違い、フラヴィは常に俺の右横に並ぶ位置から動こうとはしなくなった。
それどころか、たまに俺の手を握ると歩く道を誘導したり、何だかよくわからない場所で唐突に手を引いてきたりするようになっていた。
まあ、何となく多分だけど理由はわからないでもないのだけど、恐らく、危険人物とか危険な場所とかに俺が近づくと物理的に遠ざけているようである。
なんというか、あれだ。
母親とかが子供相手にするようなあれ。
俺はフラヴィの子供でもなんでも無いのだが、この世界の初心者である事はまごう事なき事実なので、特に文句も言わずにされるがままに2人で歩く。
やがて、周りの景色……というか、雰囲気がこれまでの雑多な感じから変化して、同じような建物が並ぶ区画へと入ったようだ。
よく見ると通りを歩いている人の種類も変わった。明らかに通行している年齢層が若いのだ。
建物も赤いレンガ造りの集合住宅のような……ようするに、寮とかアパートのような建物がその大部分を占めている。
その様子から俺は学生の住む街……という印象を受けた。
「ここ※※※。入る」
フラヴィが足を止めたのはその中の建物の一つ。
赤いレンガ造りなのは同じだが、周りのほかの建物よりは少し立派なもののようにも見える。
フラヴィは俺の手を引くとその建物の扉を開き、中に入る。
中に入るとまず目に入るのは受付のような小窓と5~6人が寛げる程度の談話室。その脇には廊下がまっすぐ伸びており、左右向かい合わせに扉が4つづつ。一番奥には階段があり、2階へと続いているようだった。
うん。やっぱりここ旅館とかホテルのような宿泊施設というよりも「下宿所」みたいな感じだな。
「あら、フラヴィ。おかえりなさい。※※※長い※※※※※※?」
中に入り、周りを観察していた俺の耳に届いたのは、女性の声だった。
声のした方を向くと受付だと思われる小窓から金髪ショートカットの妙齢の女性が顔を出しているのが見えた。
雰囲気からしてそれなりの年齢だとは思うが、かと言っておばさんと表現するのもはばかられるような、そんな人だった。
「ただいま。アメリア。※※※※※※※※※。※※※※※※※? 名前はソーマ」
俺の手を引き小窓まで移動したフラヴィがなにやら俺の事を紹介したらしい。何を言っているか殆どわからなかったが多分間違いない。
そして、小窓から顔を出している金髪女性の名前がアメリアというのだろう。
フラヴィからの紹介にアメリアさんは少し垂れ気味の青い瞳を興味深そうに俺に向けた後、直ぐにフラヴィに視線を戻す。
「※※?」
「違う」
悪戯っぽく何かを尋ねたアメリアさんの問いに、フラヴィは苦虫を噛み潰したような顔で答える。
その際握られた手がギリギリと強く占められ俺の手にとても慎ましいとは言い難い痛みが発生した。
流石自分で自分を強いと言うだけはある。魔法だけじゃなくて腕力もそれなりに鍛えていると見えて感心である。が、それとこれとは話は別だが。
「フラヴィ、痛い」
「煩い」
「※※良い※※~?」
「※※※ない」
俺の切実な願いもフラヴィにとってはどうでもいいらしい。
一言で切って捨てると、その後に再び続いたアメリアさんの追撃も返す刀で切って捨てた。
すごいな、この子。性格キツめなのは知っていたけど、それは得体の知れない俺だけに対してかと思っていたのだが、結構馴染みがあるように見える相手にも変わらないらしい。
フラヴィはそこで話は終わりとばかりに後ろを向くと、俺の手を引き廊下を進む。
その行動に当然俺はまるでフィギアスケーターのように強制的に回転させられると、繋がれた犬のようにフラヴィに引っ張られる結果となる。
そんな俺達の様子を見ていたらしいアメリアさんの鈴を転がしたような笑い声が後ろから聞こえてきたが、今度はフラヴィは反応しない。
強いて言えば俺の手を握る力が増したくらいである。理不尽な。
◇◇◇◇
恐らくフラヴィの寝泊まりしている部屋……だと思われる場所は2階の一番奥の通りに面している部屋だった。
扉を開けると一段高くなっており、そこから先は板張りの床になっている事から、どうやら土足厳禁であるらしい。
フラヴィに習い靴を脱いで部屋に入ると、想像していたよりは広い部屋だった。10畳位のスペースはあるだろうか。入って正面に窓があり、向かい側に建っているレンガ造りの建物が見える。
そして、入って左手の壁際にベッドが一つ、反対側には机と本棚とクローゼット。それから畳まれた毛布があった。
特に散らかっているわけでもなく綺麗なものだ。まあ、女の子の部屋としたらベッドの脇の箱に突っ込まれていたロッドとか刃物の類が物騒ではあったが。
「荷物※※※置く※※※」
フラヴィが指さした先にあったのは毛布だった。そこに荷物を置けということだろう。
そういえばこの部屋の状況からやけにこの毛布だけが浮いているなと思っていたのだが、こいつは俺の為にフラヴィわざわざ購入したのかもしれない。
俺は荷物を置くと振り返り、フラヴィと向かい合う。
フラヴィはベッドに腰掛け顔を顰めている。
実に不満そうだが、ここまで俺は何も自分の意思で行動していない。全てフラヴィ主導の元に導かれてきた結果だから、そんな顔をされても反応に困ってしまう。
だから──。
「今日から※※※※ここはソーマの家。変な事※※※※※※※」
──親の敵のような目でそんな事を言われても、俺は曖昧に頷くことしか出来なかった。
地球なのでもそうだが、普通は世界中どの街に行ってもある程度景観には統一性があるものだが、ここにはあまりそういったようなものが見られなかった。
例えば、街門から入って直ぐに日本の田舎町にあるような木造建築があったかと思えば、その隣に赤いレンガ造りの建物があったり。
流石に鉄筋コンクリートの建物は見られなかったが、石造りの塔の様な建築物が街の中央部に建っていたりと和風なんだか洋風なんだかわからない趣があった。
街を歩く人も様々で、肌や髪色が地球に比べればバリエーションが豊富で、どこか不思議な印象を受ける。人口が多いのか観光客が多いのかは知らないが、石畳が敷かれた路地を歩いている人達は日本の都会ほどでは無いにしても多いと感じるくらいではあった。
だけど、てっきりこの世界の人間はみんな手足が短い種族だと思っていた俺からすれば、俺とさほど変わらない身体的特徴を持っている人が殆どだという事の方に驚いたものだが。
ネヴィーさん夫婦やフラヴィの手足が短いのは、遺伝か何かなのだろうか?
そのフラヴィだが、今では俺の隣で並ぶようにして歩いており、一枚の書類をこちらに向けて何やら説明をしている。
ちなみに、その説明が何を言っているのかさっぱりわからなかったからこうして現実逃避をしていたのだが、流石にこれ以上生返事をしていたら適当に合わせているのがバレてまた怒られせるかも知れない。
俺は仕方なくフラヴィの説明を聞きつつ書類に目を落とす。
ちなみにこの書類は、街に入る時にフラヴィが門の所にいた役人らしい人からもらっていたもので、どうやら俺に関する事らしいという事は理解した。
それというのも、街に入る時にフラヴィは兵士さんに金属のプレートの様な物を見せただけでノーチェックだったのだが、いざ俺が入る時になって別室に案内され、そこにいた女性の受付の様な人にフラヴィがあれこれと説明した後に渡されたのがこの書類だったからだ。
一応、お金の類は取られていないようだったが、なにやら街に入る、滞在するには制約があるらしく、現在それについてフラヴィから説明を受けているという状況というわけだ。
「※※※※※※※※※※※※。私とソーマが※※※※※※※2日間※※※※※出る※入る※出来ない。※※※※※※※※2人必要。私と※※※。※※家に行く※※※後で、※※※※※※行く。わかった?」
書類から俺の顔へと視線を移して尋ねてくるフラヴィだが、何を言っているかわからないないのに「わかった」も糞もない。
そもそも、この少女は俺がどの程度の会話レベルの持ち主なのか時折忘れる節がある。心折れるわぁ。
「わからない」
「…………」
だから、俺は正直にそう答えるしかなかったわけなのだが、そんな俺の態度を見て、フラヴィは眉間に皺を寄せた後に俺の右腕を強めに叩いて黙ってしまった。
なんだろうこの理不尽。言葉が不自由な俺はこの心のモヤモヤをどこで晴らせばいいのだろう。
さて、こうして無言で街の中を行軍する事になった凸凹コンビだが、街に到着するまでの道程と違い、フラヴィは常に俺の右横に並ぶ位置から動こうとはしなくなった。
それどころか、たまに俺の手を握ると歩く道を誘導したり、何だかよくわからない場所で唐突に手を引いてきたりするようになっていた。
まあ、何となく多分だけど理由はわからないでもないのだけど、恐らく、危険人物とか危険な場所とかに俺が近づくと物理的に遠ざけているようである。
なんというか、あれだ。
母親とかが子供相手にするようなあれ。
俺はフラヴィの子供でもなんでも無いのだが、この世界の初心者である事はまごう事なき事実なので、特に文句も言わずにされるがままに2人で歩く。
やがて、周りの景色……というか、雰囲気がこれまでの雑多な感じから変化して、同じような建物が並ぶ区画へと入ったようだ。
よく見ると通りを歩いている人の種類も変わった。明らかに通行している年齢層が若いのだ。
建物も赤いレンガ造りの集合住宅のような……ようするに、寮とかアパートのような建物がその大部分を占めている。
その様子から俺は学生の住む街……という印象を受けた。
「ここ※※※。入る」
フラヴィが足を止めたのはその中の建物の一つ。
赤いレンガ造りなのは同じだが、周りのほかの建物よりは少し立派なもののようにも見える。
フラヴィは俺の手を引くとその建物の扉を開き、中に入る。
中に入るとまず目に入るのは受付のような小窓と5~6人が寛げる程度の談話室。その脇には廊下がまっすぐ伸びており、左右向かい合わせに扉が4つづつ。一番奥には階段があり、2階へと続いているようだった。
うん。やっぱりここ旅館とかホテルのような宿泊施設というよりも「下宿所」みたいな感じだな。
「あら、フラヴィ。おかえりなさい。※※※長い※※※※※※?」
中に入り、周りを観察していた俺の耳に届いたのは、女性の声だった。
声のした方を向くと受付だと思われる小窓から金髪ショートカットの妙齢の女性が顔を出しているのが見えた。
雰囲気からしてそれなりの年齢だとは思うが、かと言っておばさんと表現するのもはばかられるような、そんな人だった。
「ただいま。アメリア。※※※※※※※※※。※※※※※※※? 名前はソーマ」
俺の手を引き小窓まで移動したフラヴィがなにやら俺の事を紹介したらしい。何を言っているか殆どわからなかったが多分間違いない。
そして、小窓から顔を出している金髪女性の名前がアメリアというのだろう。
フラヴィからの紹介にアメリアさんは少し垂れ気味の青い瞳を興味深そうに俺に向けた後、直ぐにフラヴィに視線を戻す。
「※※?」
「違う」
悪戯っぽく何かを尋ねたアメリアさんの問いに、フラヴィは苦虫を噛み潰したような顔で答える。
その際握られた手がギリギリと強く占められ俺の手にとても慎ましいとは言い難い痛みが発生した。
流石自分で自分を強いと言うだけはある。魔法だけじゃなくて腕力もそれなりに鍛えていると見えて感心である。が、それとこれとは話は別だが。
「フラヴィ、痛い」
「煩い」
「※※良い※※~?」
「※※※ない」
俺の切実な願いもフラヴィにとってはどうでもいいらしい。
一言で切って捨てると、その後に再び続いたアメリアさんの追撃も返す刀で切って捨てた。
すごいな、この子。性格キツめなのは知っていたけど、それは得体の知れない俺だけに対してかと思っていたのだが、結構馴染みがあるように見える相手にも変わらないらしい。
フラヴィはそこで話は終わりとばかりに後ろを向くと、俺の手を引き廊下を進む。
その行動に当然俺はまるでフィギアスケーターのように強制的に回転させられると、繋がれた犬のようにフラヴィに引っ張られる結果となる。
そんな俺達の様子を見ていたらしいアメリアさんの鈴を転がしたような笑い声が後ろから聞こえてきたが、今度はフラヴィは反応しない。
強いて言えば俺の手を握る力が増したくらいである。理不尽な。
◇◇◇◇
恐らくフラヴィの寝泊まりしている部屋……だと思われる場所は2階の一番奥の通りに面している部屋だった。
扉を開けると一段高くなっており、そこから先は板張りの床になっている事から、どうやら土足厳禁であるらしい。
フラヴィに習い靴を脱いで部屋に入ると、想像していたよりは広い部屋だった。10畳位のスペースはあるだろうか。入って正面に窓があり、向かい側に建っているレンガ造りの建物が見える。
そして、入って左手の壁際にベッドが一つ、反対側には机と本棚とクローゼット。それから畳まれた毛布があった。
特に散らかっているわけでもなく綺麗なものだ。まあ、女の子の部屋としたらベッドの脇の箱に突っ込まれていたロッドとか刃物の類が物騒ではあったが。
「荷物※※※置く※※※」
フラヴィが指さした先にあったのは毛布だった。そこに荷物を置けということだろう。
そういえばこの部屋の状況からやけにこの毛布だけが浮いているなと思っていたのだが、こいつは俺の為にフラヴィわざわざ購入したのかもしれない。
俺は荷物を置くと振り返り、フラヴィと向かい合う。
フラヴィはベッドに腰掛け顔を顰めている。
実に不満そうだが、ここまで俺は何も自分の意思で行動していない。全てフラヴィ主導の元に導かれてきた結果だから、そんな顔をされても反応に困ってしまう。
だから──。
「今日から※※※※ここはソーマの家。変な事※※※※※※※」
──親の敵のような目でそんな事を言われても、俺は曖昧に頷くことしか出来なかった。
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