病んでる僕は、

蒼紫

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【改訂前】なんて面倒くさい…

異様な盛り上がりよう

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「うわぁ、最悪ぅ。僕逃げる側だったみたぁい」
顔を顰めてそう言う加奈川くんの手にはしっかりと白いくじが握られてる。

「…ドンマイ、です。」
すると、異様に僕の手元のくじを見つめる加奈川くん。

「…交換するつもりは無いですからね?」
「ちぇっ」
ちぇって、子供かよ。


さてさて、どうしたものか。
一人で行動できるのは有難い。
だけど、僕には一つ心配事がある。

「まぁ、気をつけていれば大丈夫か…」
「ん?何か言ったぁ?」
「いえ、何も」
窓の外を見て呟くと加奈川くんにも聞こえてしまったみたいだった。
なんでもない、と言うようにうっすらと笑って見せると加奈川くんは少し不思議そうな顔をした後、くじを鉢巻きに交換しに行った。

あ、僕もくじを返しに行かなきゃ。

「では、そろそろ鬼ごっこを始めたいと思います」
放送委員によるアナウンスが入ると館内が一層騒がしくなる。

逃げる側の人達は今か今かとスタートが切られるのを待っている。

すると、カウントダウンが始まる。
年明けのカウントダウンのような盛り上がりようだ。少し引く。
大の大人、とまでは言わないがこの歳で鬼ごっこで盛り上がるってなぁ。
「…三、二、一、どうぞ、スタートです!」
「「「わー!!」」」

滝のような勢いで扉から流れるように逃げていく。

数人は面倒くさそうに歩いてゆっくり出ていった。
ちなみに加奈川くんはこの部類に入る。
生徒会役員達は運動神経もかなり良いみたいで、先陣切って出ていき、直ぐに背中も見えなくたった。

「では鬼の方々はもう暫くお待ちください!」

また騒がしくなる体育館。

「生徒会の方々を捕まえられるかな?」 
「よっしゃぁ!バンバン捕まえて景品貰うぜ!」
「モブ太くんも鬼だったんだぁ!」
「モブ郎くんは誰を捕まえたいの?」
「モブ助くんは逃げる側かぁ」
「僕達は生徒会の方々をサポートしよう!」
「「はい!」」

皆和気藹々として楽しそうだ。

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