4 / 36
第4話「ダンスは裏切らない。筋肉も裏切らない」──目覚める筋肉の記憶、屋敷に筋肉布教開始!
しおりを挟む
この世には、裏切るものと、裏切らないものがある。
人も恋も裏切るけど、筋肉は裏切らない。
……これ、前世のダンストレーナーが言ってた名言。
だから私は、信じることにした。
「踊るぞ、筋肉のために!」
今はまだ、クラゲみたいな体。
正座で痺れ、腕はぷにぷに。自慢じゃないけど、腕立ては0.5回しかできない。
そんな私が今、優雅な舞踏の代わりにやっているのは――
「スクワット・オン・ザ・リズム! そして、カーブ! からの……片足ターン、からのバランス崩壊!!」
ぐらり。
「きゃっ……あたたたた……!」
床に倒れ込んで悶える私を、侍女が遠巻きに見ていた。
でも誰も止めない。むしろ、最近は距離をとってくれてる。
そう、私は今――筋肉と孤独の道を歩んでいる。
前世では社畜の傍ら、深夜にスタジオへ通って、誰にも見られないところで踊っていた。
夢だったんだ、いつか舞台で踊ること。
思い出してから、もう止まれない。
「貴族令嬢だって、筋肉つけたっていいじゃない!」
だって見てよこの体――
「この、ぽよんぽよんの腕。これはもう……裏切りとかのレベルじゃない。テロだよ、人体に対するテロ」
スイーツ三昧、お茶会三昧、ドレスに合わせて食事制限したりしなかったり。
優雅な暮らしの代償は、筋肉の死滅だった。
「スイーツ、好きだけどさ……筋肉には勝てないよね」
私は立ち上がる。
踊るために。自分の足で立つために。
筋肉を手に入れるために。
「クラウディオ様? ああ、いたねそんな男」
未練? ないない。
筋肉のない男に恋したことを、今となっては反省してるレベル。
「お姫様抱っこしてくれる筋力すらなかったよね……うん、無理」
筋肉に目覚めた今、恋の定義も変わった。
頼れる男は、まず筋肉から。
人も恋も裏切るけど、筋肉は裏切らない。
……これ、前世のダンストレーナーが言ってた名言。
だから私は、信じることにした。
「踊るぞ、筋肉のために!」
今はまだ、クラゲみたいな体。
正座で痺れ、腕はぷにぷに。自慢じゃないけど、腕立ては0.5回しかできない。
そんな私が今、優雅な舞踏の代わりにやっているのは――
「スクワット・オン・ザ・リズム! そして、カーブ! からの……片足ターン、からのバランス崩壊!!」
ぐらり。
「きゃっ……あたたたた……!」
床に倒れ込んで悶える私を、侍女が遠巻きに見ていた。
でも誰も止めない。むしろ、最近は距離をとってくれてる。
そう、私は今――筋肉と孤独の道を歩んでいる。
前世では社畜の傍ら、深夜にスタジオへ通って、誰にも見られないところで踊っていた。
夢だったんだ、いつか舞台で踊ること。
思い出してから、もう止まれない。
「貴族令嬢だって、筋肉つけたっていいじゃない!」
だって見てよこの体――
「この、ぽよんぽよんの腕。これはもう……裏切りとかのレベルじゃない。テロだよ、人体に対するテロ」
スイーツ三昧、お茶会三昧、ドレスに合わせて食事制限したりしなかったり。
優雅な暮らしの代償は、筋肉の死滅だった。
「スイーツ、好きだけどさ……筋肉には勝てないよね」
私は立ち上がる。
踊るために。自分の足で立つために。
筋肉を手に入れるために。
「クラウディオ様? ああ、いたねそんな男」
未練? ないない。
筋肉のない男に恋したことを、今となっては反省してるレベル。
「お姫様抱っこしてくれる筋力すらなかったよね……うん、無理」
筋肉に目覚めた今、恋の定義も変わった。
頼れる男は、まず筋肉から。
4
あなたにおすすめの小説
国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします。
樋口紗夕
恋愛
公爵令嬢ヘレーネは王立魔法学園の卒業パーティーで第三王子ジークベルトから婚約破棄を宣言される。
ジークベルトの真実の愛の相手、男爵令嬢ルーシアへの嫌がらせが原因だ。
国外追放を言い渡したジークベルトに、ヘレーネは眉一つ動かさずに答えた。
「国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします」
【完結】悪役令嬢は婚約破棄されたら自由になりました
きゅちゃん
ファンタジー
王子に婚約破棄されたセラフィーナは、前世の記憶を取り戻し、自分がゲーム世界の悪役令嬢になっていると気づく。破滅を避けるため辺境領地へ帰還すると、そこで待ち受けるのは財政難と魔物の脅威...。高純度の魔石を発見したセラフィーナは、商売で領地を立て直し始める。しかし王都から冤罪で訴えられる危機に陥るが...悪役令嬢が自由を手に入れ、新しい人生を切り開く物語。
完璧すぎると言われ婚約破棄された令嬢、冷徹公爵と白い結婚したら選ばれ続けました
鷹 綾
恋愛
「君は完璧すぎて、可愛げがない」
その理不尽な理由で、王都の名門令嬢エリーカは婚約を破棄された。
努力も実績も、すべてを否定された――はずだった。
だが彼女は、嘆かなかった。
なぜなら婚約破棄は、自由の始まりだったから。
行き場を失ったエリーカを迎え入れたのは、
“冷徹”と噂される隣国の公爵アンクレイブ。
条件はただ一つ――白い結婚。
感情を交えない、合理的な契約。
それが最善のはずだった。
しかし、エリーカの有能さは次第に国を変え、
彼女自身もまた「役割」ではなく「選択」で生きるようになる。
気づけば、冷徹だった公爵は彼女を誰よりも尊重し、
誰よりも守り、誰よりも――選び続けていた。
一方、彼女を捨てた元婚約者と王都は、
エリーカを失ったことで、静かに崩れていく。
婚約破棄ざまぁ×白い結婚×溺愛。
完璧すぎる令嬢が、“選ばれる側”から“選ぶ側”へ。
これは、復讐ではなく、
選ばれ続ける未来を手に入れた物語。
---
王太子を寝取って成り上がるヒロインなんてなれるわけがない
みやび
恋愛
玉の輿を寝取ってハッピーエンドに持ち込むのは大変すぎるだろっていう話
婚約破棄ってしちゃダメって習わなかったんですか?
https://www.alphapolis.co.jp/novel/902071521/123874683
ドアマットヒロインって貴族令嬢としては無能だよね
https://www.alphapolis.co.jp/novel/902071521/988874791
婚約破棄する王太子になる前にどうにかしろよ
https://www.alphapolis.co.jp/novel/902071521/452874985
と何となく世界観が一緒です。
婚約破棄されたので、辺境で「魔力回復カフェ」はじめます〜冷徹な辺境伯様ともふもふ聖獣が、私の絶品ご飯に夢中なようです〜
咲月ねむと
恋愛
「君との婚約を破棄する!」
料理好きの日本人だった前世の記憶を持つ公爵令嬢レティシアは、ある日、王太子から婚約破棄を言い渡される。
身に覚えのない罪を着せられ、辺境のボロ別荘へ追放……と思いきや、レティシアは内心ガッツポーズ!
「これで堅苦しい妃教育から解放される! 今日から料理三昧よ!」
彼女は念願だったカフェ『陽だまり亭』をオープン。
前世のレシピと、本人無自覚の『魔力回復スパイス』たっぷりの手料理は、疲れた冒険者や町の人々を瞬く間に虜にしていく。
そんな店に現れたのは、この地を治める「氷の騎士」こと辺境伯ジークフリート。
冷徹で恐ろしいと噂される彼だったが、レティシアの作った唐揚げやプリンを食べた瞬間、その氷の表情が溶け出して――?
「……美味い。この味を、一生求めていた気がする」
(ただの定食なんですけど、大げさすぎません?)
強面だけど実は甘党な辺境伯様に胃袋を掴んで求婚され、拾った白い子犬には懐かれ、レティシアの辺境ライフは毎日がお祭り騒ぎ!
一方、彼女を捨てた王太子と自称聖女は、レティシアの加護が消えたことでご飯が不味くなり、不幸のどん底へ。
「戻ってきてくれ」と泣きつかれても、もう知りません。
私は最強の旦那様と、温かいご飯を食べて幸せになりますので。
※本作は小説家になろう様でも掲載しています。ちなみに以前投稿していた作品のリメイクにもなります。
なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。
ご都合主義のハッピーエンドのSSです。
でも周りは全くハッピーじゃないです。
小説家になろう様でも投稿しています。
【完結】ひとつだけ、ご褒美いただけますか?――没落令嬢、氷の王子にお願いしたら溺愛されました。
猫屋敷 むぎ
恋愛
没落伯爵家の娘の私、ノエル・カスティーユにとっては少し眩しすぎる学院の舞踏会で――
私の願いは一瞬にして踏みにじられました。
母が苦労して買ってくれた唯一の白いドレスは赤ワインに染められ、
婚約者ジルベールは私を見下ろしてこう言ったのです。
「君は、僕に恥をかかせたいのかい?」
まさか――あの優しい彼が?
そんなはずはない。そう信じていた私に、現実は冷たく突きつけられました。
子爵令嬢カトリーヌの冷笑と取り巻きの嘲笑。
でも、私には、味方など誰もいませんでした。
ただ一人、“氷の王子”カスパル殿下だけが。
白いハンカチを差し出し――その瞬間、止まっていた時間が静かに動き出したのです。
「……ひとつだけ、ご褒美いただけますか?」
やがて、勇気を振り絞って願った、小さな言葉。
それは、水底に沈んでいた私の人生をすくい上げ、
冷たい王子の心をそっと溶かしていく――最初の奇跡でした。
没落令嬢ノエルと、孤独な氷の王子カスパル。
これは、そんなじれじれなふたりが“本当の幸せを掴むまで”のお話です。
※全10話+番外編・約2.5万字の短編。一気読みもどうぞ
※わんこが繋ぐ恋物語です
※因果応報ざまぁ。最後は甘く、後味スッキリ
廃墟送りの悪役令嬢、大陸一の都市を爆誕させる~冷酷伯爵の溺愛も限界突破しています~
遠野エン
恋愛
王太子から理不尽な婚約破棄を突きつけられた伯爵令嬢ルティア。聖女であるライバルの策略で「悪女」の烙印を押され、すべてを奪われた彼女が追放された先は荒れ果てた「廃墟の街」。人生のどん底――かと思いきや、ルティアは不敵に微笑んだ。
「問題が山積み? つまり、改善の余地(チャンス)しかありませんわ!」
彼女には前世で凄腕【経営コンサルタント】だった知識が眠っていた。
瓦礫を資材に変えてインフラ整備、ゴロツキたちを警備隊として雇用、嫌われ者のキノコや雑草(?)を名物料理「キノコスープ」や「うどん」に変えて大ヒット!
彼女の手腕によって、死んだ街は瞬く間に大陸随一の活気あふれる自由交易都市へと変貌を遂げる!
その姿に、当初彼女を蔑んでいた冷酷伯爵シオンの心も次第に溶かされていき…。
一方、ルティアを追放した王国は経済が破綻し、崩壊寸前。焦った元婚約者の王太子がやってくるが、幸せな市民と最愛の伯爵に守られた彼女にもう死角なんてない――――。
知恵と才覚で運命を切り拓く、痛快逆転サクセス&シンデレラストーリー、ここに開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる