八百屋王女、なんの冗談ですか?ーー行方不明のパパが国王でした!?

夢窓(ゆめまど)

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物欲と皮肉と、リンゴ本

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カールにいちゃんの変貌――物欲と皮肉と、リンゴ本
物欲に目覚めた男
カールにいちゃんは、商人の娘ノンナと結婚してから物欲に目覚めた。

恋をして、愛があって、あれこれあったのかどうかは――
ビックには、よく分からない。
でも、確かなのは――
カールにいちゃんが、立派な商人になったということだ。

昔のカールにいちゃんは、6歳から牢屋に入っていた。王族から、いきなり過酷な環境に落とされた。
牢屋に贅沢物なんて、何もなかった。
食べ物も、最低限。
それでも、かろうじて生きていた。
だから――
物欲なんて、持ち様もなかった。

でも、今は違う。
「ビック、次はぶどうだ!」
「にいちゃん、まだやるの?」
「当たり前だろ!」
カールは、目を輝かせている。
「ぶどうの次は、桃!」
「桃!?」
「そして、チェリー!」
「もう、やめてよ……」
ビックは、頭を抱えた。

普通の王宮の王子だったのに
カールは、不運王子だった。
革命で牢屋に入れられた。
母親と祖父母を目の前で殺された。
自分も殺されかけた。
人々に、憎まれた。

ある日、カールの元に貴族たちが訪ねてきた。
「カール様、お願いがあります」
「なんだ?」
「我が国の商業大使になっていただけませんか?」
カールは、笑った。
「はっはっは」
「……カール様?」
「皮肉だな」
カールは、冷たく笑った。
「僕が子供の頃、殺そうとした皆さんが――」
「…………」
「王子としての僕を、国の駒として、必要とするなんて」
貴族たちは、黙り込んだ。

カールは、続けた。
「まあ、そう言われても仕方ない」
「カール様……」
「でも、別の誰かを探してくれ」
「僕は、もうすでに、商人だ」

カールは、きっぱりと答えた。
「傀儡の王子じゃない」



リンゴ本のヒット
リンゴ本が、大ヒットした。
売り上げは、予想を遥かに超えた。
カールは、報告書を見て笑った。
「すごいな、ビック」
「にいちゃん、すごいのはマリカだよ」
「それもそうだ」
カールは、頷いた。 

「でも、お前とランディのおかげでもある」
「……そうかな」
「ああ」
カールは、満足そうに笑った。


ノンナが、嬉しそうに言った。
「カール様、次は何にしましょうか?」
「そうだな……ぶどうか」
「ぶどう、いいですね!」
「だろ?」
カールは、目を輝かせている。
完全に、商人の顔だった。

ビックの感想
ビックは、カールを見つめた。
「にいちゃん、変わったね」
「そうか?」
「うん」
「どう変わった?」
「物欲が、すごい」
カールは、笑った。
「それは、ノンナのおかげだ」
「ノンナの?」
「ああ」
カールは、ノンナを見つめた。
「彼女と一緒にいると――欲しいものが、増えるんだ」
「……そっか」
ビックは、少しだけ羨ましそうにした。

カールの本音
カールは、ビックに言った。
「ビック」
「なに?」
「僕は、傀儡の王子じゃない」
「うん」
「でも、商人として――誇りを持ってる」
「……うん」
「だから――」
カールは、真剣な顔をした。
「別の誰かをつぎの王子に探してくれって、言ったんだ」
「分かってるよ」
ビックは、笑った。
「にいちゃんは、にいちゃんだもん」
「……そうか」
カールは、安心したように笑った。

ランディの反応
ランディが、カールの話を聞いた。
「カール様、変わりましたね」
「そうだね」
「でも――いい方向に変わったと思います」
「そうかな?」
「ええ」
ランディは、頷いた。
「物欲は、生きる力ですから」
「……そうかも」
ビックは、少しだけ納得した。

マリカの感想
マリカが、嬉しそうに言った。
「カール様、素敵ですね」
「そう?」
「はい」
「どこが?」
「自分の道を、選んだところです」
マリカは、笑顔で答えた。
「王子じゃなく、商人を選んだ」
「……そうだね」
ビックは、頷いた。

ハリスの反応
ハリスが、笑いながら言った。
「カール様、かっこいいな」
「そう?」
「ああ」
「どこが?」
「皮肉を言いながらも、前を向いてるところ」
ハリスは、笑った。
「俺も、見習いたいな」
「……そっか」
ビックは、少しだけ嬉しそうにした。

エドウィンの観察
エドウィンは、カールの話を聞いた。
「……ビクトリア殿下の兄は、商人か」
側近が、尋ねる。
「殿下、どう思われますか?」
「面白い」
「面白い、ですか?」
「ああ」
エドウィンは、笑った。
「王子を捨てて、商人を選ぶなんて」
「……確かに」
「ビクトリア殿下の家族は――みんな、面白い」
エドウィンは、満足そうに笑った。

結論
カールにいちゃんは――
商人として、物欲に目覚めた。
そして――
立派な商人になった。
王子だったのに――
王子を捨てた。
でも――
それが、カールにいちゃんだった。
そして、それは――
誰も真似できない、生き方だった。
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