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『ハーブは魔法じゃ育たない!?マロン、本気の薬草園づくり』王家ピンチ、即位できない。
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森の朝は、静かで清らか。
鳥のさえずりと、風に揺れる木々の音。
そんな中、マロンは真剣な顔でスコップを握っていた。
「……ダメだわ。水撒いて魔法かけても、全然“薬”としての効能が出ない」
「野菜はあんなに育ったのに?」とマロン。
「神聖魔法でキュウリまでできたじゃない」とマルグリット。
マロンは、耕したばかりの畑を見つめて首を振る。
「薬草はね、時間と手間がかかるものなの。
土の力、水の質、陽の当たり方──そして何より、“育てた人間の意志”」
「育てた人間の……意志?」
「うん。即効性のある祈りとか、魔法とは別の力。
地道に、季節を感じて、時間をかけて、ちゃんと向き合わないと……“薬”にはならないの」
⸻
その日の午後。
3人は、森の一角に「薬草園の畝」を作っていた。
「このレーンはラベンダー用。アルカリ性の土がいいって」
「じゃあ、カモミールは酸性のほうが……」
「ミントは繁殖力強すぎるから、別の鉢に隔離よー!」
⸻
「ねえ、マロン」
マルグリットが、そっと問いかける。
「“聖女”って、魔法で一発、奇跡を起こせる人……じゃないの?」
「ううん。私はね、違うと思ってる。
祈りも、薬も、生活も──“生きること”って、地味で、積み重ねが必要なんだよ」
アデルが笑った。
「……じゃあ、わたしたち。
森で“地味に最強”目指しますか!」
⸻
こうして、森の一角には、本気のハーブ園が広がっていく。
3人は、汗と笑顔で今日も畝をならす。
美と癒しと、ちょっとの魔法。
“女神の薬草園”が、静かに始まった──。
◾️王家の式典日 /立太子と結婚式
ーーーーーーー
宮殿式典の控室。王子の立太子の式典
ジニーの結婚式
聖女の祝福、即位として王家を支える。はず・・
金糸の衣装に身を包んだジニーは、大鏡の前で化粧を直していた。
「……で? 聖女はいつ入ってくるのかしら?」
侍従たちが顔を見合わせ、言い淀む。
そこへ神殿の上級神官が、冷や汗だらだらで飛び込んできた。
「お、王太子殿下……その……聖女様が、行方不明でして……」
部屋の空気が凍りつく。
「……は?」ジニーの口紅が止まった。
「いつからだ」王子の声が低くなる。
神官は、しどろもどろに答えた。
「き、昨日の朝から……塔の部屋を離れられたままで……
もしかして、お戻りになるかと……」
「昨日!? 式が今日だと知っていて黙っていたのか!」
「も、申し訳ありません! 王家にご迷惑を……」(実は聖女消えて、1週間以上)
ジニーが立ち上がり、ドレスの裾をばさっと払った。
「迷惑どころじゃないわ! 王妃と側妃が並んで“民の安寧”を象徴するのが、この式の目玉なのよ!?
私ひとりじゃ、まるで格が足りないみたいじゃない!」
王子はなおも信じられないという顔で呟く。
「そんなはずはない……花束を塔に……届けてないのか?」
(※一週間前から、塔はすでに空っぽでした)
進行係と侍従長が必死で言い合う。
「台本から側妃登場の場面を削除するか……」
「いや、空席を置くだけでも不自然だ!」
「替え玉を立てろ! 修道女でも、ヴェールをかぶせればわからん!」
式まであと一刻。
控室は修羅場と化していた。
ジニー視点
壇上のライトが熱い。
笑顔は完璧に保っている──けれど、心の中では叫びっぱなしだ。
(なんでよ!? 聖女が体調不良って……このタイミングで?)
朝、神殿から伝えられたのは、たった一言。
「聖女殿は、急な体調不良により、登壇できません」
(急なって何よ! どうせ仮病でしょ!?)
けれど、それを言葉にできるわけがない。
ここは立太子の式典。
王妃となる私が、取り乱すわけにはいかない。
民衆の視線が刺さる。
誰もが「聖女の祝福」を待っている。
なのに──その“花と虹の瞬間”は、やって来ない。
⸻
王子視点
(……体調不良、だと?)
神官の報告に、王子の手は無意識に拳を握る。
本来なら、式典の最後、聖女の祝福によって即位は完成する。
それがなければ、ただの「結婚式」にすぎない。
民衆も、貴族も、式の流れが変だと気づき始めている。
壇上の奥、国王や重臣たちがひそひそと話し、険しい顔でこちらを見てくる。
(……来ない理由が、本当に“体調”だけならいいが)
司会役の神官が、乾いた笑みで場をつなぐ。
「えー……聖女殿は本日、ご体調がすぐれないため──」
その瞬間、ざわめきが爆発した。
ーーーーー
「今日だっけ?」「ああ~ん、今日だよー」
マロンは草の上にごろんと寝転び、片手に酒瓶。
その横で、アデルがフォークダンスのようにくるくる回っている。
「右~、左~、ほらマロン、ステップ踏んで!」
「うわー!」(マロン、嬉しそうに足を揺らす)
足がもつれて、ダメな酔っ払い?
アデルはそれを見ながら、自分もぐびっと一口飲んで、
「……あー、平和。王家の結婚式? あっちはあっちで頑張ればいいじゃん」
風がハーブ園を抜け、どこからかアデルの笑い声とマロンの足音が混じって響いてきた。
この瞬間だけは、世界の重さなんてどこにもない。
⸻
一方、森の奥では。
マルグリットはハーブ園の土を耕しながら、考える。
◆ ハーブ園と「6個縛り」の法則
森暮らしが落ち着いてきた頃、マルグリットはある“欲”に目覚めた。
「ハーブ園を作りたいのですわ!」
マロンは「また急だなあ」と言いながらもニコニコ。
アデルは「オレは料理に使えるやつ希望」と即答。
マロンは「虫除けと肌に効くやつで」と現実的。
──そして一行は、山を越えた先の村にある、こぢんまりしたハーブ専門店へ。
棚いっぱいに並んだ種の袋に、マルグリットの目がキラキラと輝いた。
「えっ、これ全部ハーブ? 種類が……多すぎて選べません!」
ラベンダー、ローズマリー、ミント、タイム、カモミール……
薬用から香り系まで、無限の選択肢がそこにあった。
悩みまくっていたそのとき、店主のおばあさんが笑って言った。
「うちはねぇ、種を5つ買ったら、1つおまけ。だから6個ずつ選んでね」
「えっ、セット……なんですの?」
「そうそう、6個で1パック。じゃないと計算めんどくさいから」
その瞬間、マルグリットの脳内に電卓が浮かんだ。
(買いたい種が……11個……いや、あと1個で12……ということは、2セット? でも13個になると……)
「……わたくし、人生で初めて“割り切れない悔しさ”を味わいましたわ」
結局その日は、アデルとマロンにも“2個ずつ欲しい種”を選んでもらい、
見事に18個(=3セット) 揃えることに成功。
店主のおばあさんは満足げに袋を包みながら、
「また来な。次も6個で計算するから」
と、にこにこ。
帰り道、マルグリットは嬉しそうに袋を抱えながら言った。
「この森を、癒しの香りでいっぱいにするのです!」
アデル「虫が減るなら大歓迎」
マロン「お肌にも良さそう」
「花粉対策にもなるかな~」
それぞれの欲が芽吹いた瞬間だった。
──なお、畑に植える際は「ラベル忘れ」で何がどこかわからなくなった模様。
現在、発芽した芽にみんなで
「これタイムじゃない?」
「いや、それはミントっぽい」
「たぶんセロリ……」
と、わいわい言い合っている。
鳥のさえずりと、風に揺れる木々の音。
そんな中、マロンは真剣な顔でスコップを握っていた。
「……ダメだわ。水撒いて魔法かけても、全然“薬”としての効能が出ない」
「野菜はあんなに育ったのに?」とマロン。
「神聖魔法でキュウリまでできたじゃない」とマルグリット。
マロンは、耕したばかりの畑を見つめて首を振る。
「薬草はね、時間と手間がかかるものなの。
土の力、水の質、陽の当たり方──そして何より、“育てた人間の意志”」
「育てた人間の……意志?」
「うん。即効性のある祈りとか、魔法とは別の力。
地道に、季節を感じて、時間をかけて、ちゃんと向き合わないと……“薬”にはならないの」
⸻
その日の午後。
3人は、森の一角に「薬草園の畝」を作っていた。
「このレーンはラベンダー用。アルカリ性の土がいいって」
「じゃあ、カモミールは酸性のほうが……」
「ミントは繁殖力強すぎるから、別の鉢に隔離よー!」
⸻
「ねえ、マロン」
マルグリットが、そっと問いかける。
「“聖女”って、魔法で一発、奇跡を起こせる人……じゃないの?」
「ううん。私はね、違うと思ってる。
祈りも、薬も、生活も──“生きること”って、地味で、積み重ねが必要なんだよ」
アデルが笑った。
「……じゃあ、わたしたち。
森で“地味に最強”目指しますか!」
⸻
こうして、森の一角には、本気のハーブ園が広がっていく。
3人は、汗と笑顔で今日も畝をならす。
美と癒しと、ちょっとの魔法。
“女神の薬草園”が、静かに始まった──。
◾️王家の式典日 /立太子と結婚式
ーーーーーーー
宮殿式典の控室。王子の立太子の式典
ジニーの結婚式
聖女の祝福、即位として王家を支える。はず・・
金糸の衣装に身を包んだジニーは、大鏡の前で化粧を直していた。
「……で? 聖女はいつ入ってくるのかしら?」
侍従たちが顔を見合わせ、言い淀む。
そこへ神殿の上級神官が、冷や汗だらだらで飛び込んできた。
「お、王太子殿下……その……聖女様が、行方不明でして……」
部屋の空気が凍りつく。
「……は?」ジニーの口紅が止まった。
「いつからだ」王子の声が低くなる。
神官は、しどろもどろに答えた。
「き、昨日の朝から……塔の部屋を離れられたままで……
もしかして、お戻りになるかと……」
「昨日!? 式が今日だと知っていて黙っていたのか!」
「も、申し訳ありません! 王家にご迷惑を……」(実は聖女消えて、1週間以上)
ジニーが立ち上がり、ドレスの裾をばさっと払った。
「迷惑どころじゃないわ! 王妃と側妃が並んで“民の安寧”を象徴するのが、この式の目玉なのよ!?
私ひとりじゃ、まるで格が足りないみたいじゃない!」
王子はなおも信じられないという顔で呟く。
「そんなはずはない……花束を塔に……届けてないのか?」
(※一週間前から、塔はすでに空っぽでした)
進行係と侍従長が必死で言い合う。
「台本から側妃登場の場面を削除するか……」
「いや、空席を置くだけでも不自然だ!」
「替え玉を立てろ! 修道女でも、ヴェールをかぶせればわからん!」
式まであと一刻。
控室は修羅場と化していた。
ジニー視点
壇上のライトが熱い。
笑顔は完璧に保っている──けれど、心の中では叫びっぱなしだ。
(なんでよ!? 聖女が体調不良って……このタイミングで?)
朝、神殿から伝えられたのは、たった一言。
「聖女殿は、急な体調不良により、登壇できません」
(急なって何よ! どうせ仮病でしょ!?)
けれど、それを言葉にできるわけがない。
ここは立太子の式典。
王妃となる私が、取り乱すわけにはいかない。
民衆の視線が刺さる。
誰もが「聖女の祝福」を待っている。
なのに──その“花と虹の瞬間”は、やって来ない。
⸻
王子視点
(……体調不良、だと?)
神官の報告に、王子の手は無意識に拳を握る。
本来なら、式典の最後、聖女の祝福によって即位は完成する。
それがなければ、ただの「結婚式」にすぎない。
民衆も、貴族も、式の流れが変だと気づき始めている。
壇上の奥、国王や重臣たちがひそひそと話し、険しい顔でこちらを見てくる。
(……来ない理由が、本当に“体調”だけならいいが)
司会役の神官が、乾いた笑みで場をつなぐ。
「えー……聖女殿は本日、ご体調がすぐれないため──」
その瞬間、ざわめきが爆発した。
ーーーーー
「今日だっけ?」「ああ~ん、今日だよー」
マロンは草の上にごろんと寝転び、片手に酒瓶。
その横で、アデルがフォークダンスのようにくるくる回っている。
「右~、左~、ほらマロン、ステップ踏んで!」
「うわー!」(マロン、嬉しそうに足を揺らす)
足がもつれて、ダメな酔っ払い?
アデルはそれを見ながら、自分もぐびっと一口飲んで、
「……あー、平和。王家の結婚式? あっちはあっちで頑張ればいいじゃん」
風がハーブ園を抜け、どこからかアデルの笑い声とマロンの足音が混じって響いてきた。
この瞬間だけは、世界の重さなんてどこにもない。
⸻
一方、森の奥では。
マルグリットはハーブ園の土を耕しながら、考える。
◆ ハーブ園と「6個縛り」の法則
森暮らしが落ち着いてきた頃、マルグリットはある“欲”に目覚めた。
「ハーブ園を作りたいのですわ!」
マロンは「また急だなあ」と言いながらもニコニコ。
アデルは「オレは料理に使えるやつ希望」と即答。
マロンは「虫除けと肌に効くやつで」と現実的。
──そして一行は、山を越えた先の村にある、こぢんまりしたハーブ専門店へ。
棚いっぱいに並んだ種の袋に、マルグリットの目がキラキラと輝いた。
「えっ、これ全部ハーブ? 種類が……多すぎて選べません!」
ラベンダー、ローズマリー、ミント、タイム、カモミール……
薬用から香り系まで、無限の選択肢がそこにあった。
悩みまくっていたそのとき、店主のおばあさんが笑って言った。
「うちはねぇ、種を5つ買ったら、1つおまけ。だから6個ずつ選んでね」
「えっ、セット……なんですの?」
「そうそう、6個で1パック。じゃないと計算めんどくさいから」
その瞬間、マルグリットの脳内に電卓が浮かんだ。
(買いたい種が……11個……いや、あと1個で12……ということは、2セット? でも13個になると……)
「……わたくし、人生で初めて“割り切れない悔しさ”を味わいましたわ」
結局その日は、アデルとマロンにも“2個ずつ欲しい種”を選んでもらい、
見事に18個(=3セット) 揃えることに成功。
店主のおばあさんは満足げに袋を包みながら、
「また来な。次も6個で計算するから」
と、にこにこ。
帰り道、マルグリットは嬉しそうに袋を抱えながら言った。
「この森を、癒しの香りでいっぱいにするのです!」
アデル「虫が減るなら大歓迎」
マロン「お肌にも良さそう」
「花粉対策にもなるかな~」
それぞれの欲が芽吹いた瞬間だった。
──なお、畑に植える際は「ラベル忘れ」で何がどこかわからなくなった模様。
現在、発芽した芽にみんなで
「これタイムじゃない?」
「いや、それはミントっぽい」
「たぶんセロリ……」
と、わいわい言い合っている。
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