やってらんないので、聖女も悪役もヒロインも王太子から逃げました。あとは王家で頑張って

夢窓(ゆめまど)

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副団長(アルファル)ハーブ園で才能開花!?

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アルファル、ハーブ園で才能開花!?

ララ(じっと観察しながら)
「副団長くん、意外と……器用なんだね」

アルファル「え、そうか?」

マルグリット(納得したように)
「手が大きいのに、苗をつぶさないで植えられるのは立派よ。あと、雑草と薬草の見分けも合格」

ララ「土の配合もよくなってきたし、この“男爵タイム”の葉、香りも濃くなったよ。天性の“ハーブ筋”かも!」

ジニー(ぶっきらぼうに)
「どうせ一時的な熱意でしょ。続けなきゃ意味ないんだから」

アルファル(苦笑しながら)
「意外と、こういうの向いてるのかもな」



“男の石けん”プロジェクト始動!

アデル「今日は“炭”と“セージ”、それに“黒胡椒オイル”を加えてみよう」

マルグリット「“スッキリ・ガッツリ・無駄なし”。これこそ男の石けんよ!」

アルファル「……名前は?」

ジニー(目を輝かせて)
「“浮気男よ、己を洗い流せ石けん”でどう?」

マロン「長い!もっと売れそうな名前にしようよ~」

ララ「じゃあ、“黒騎士の洗礼”とか?」

アルファル「……それ、ちょっとかっこいいな」



◾️ジニー、ツンを貫きつつも…心の変化?

石けん作りの後、ジニーが一人で包装していると、ふとアルファルの手元を思い出す。

ジニー(心の声)
(前は何ひとつ、真剣にやる姿を見たことなかった。今は、黙って土にまみれて、手を動かして……)

(……ちょっとだけ、ズルいな)

そこにアルファルがふらりとやってくる。

アルファル「……ありがとう。俺の分、ラッピングしてくれたんだな」

ジニー(そっぽ向いて)
「は? 売れ残ったらゴミになるからでしょ」

アルファル「はいはい、了解です」

ジニー(ぼそり)
「……次は、“森の匂いの石けん”にしなさい。あなた、まだ臭いから」

アルファル(にやっと笑って)
「俺のこと、よく嗅いでんのな」

ジニー(真っ赤)
「殺すぞ」


森の工房で、ジニーが最後の石けんをラッピングしていた。
炭とハーブを練り込んだ“黒騎士の洗礼”シリーズ。
それは彼女の成長の証そのものだった。



ジニー

「……ねえ、アルファル。
この世界に来た時は、あたし、王妃になるしかないと思ってた。
でも今は、王家のためじゃなく、自分のために作る石けんが、楽しいの」



アルファル(彼女の背中を見ながら)

「ジニーが笑ってる顔……俺、初めて見たかもしれない。
これからは、俺と一緒に“作る”人生を歩んでほしい」



ジニーは、少しだけ顔を赤らめた。

「……あんたと、二人で? まあ、あたしがボスでいいならね!」



ジニーの新しい店

1ヶ月後。
森のふもと、街道沿いに小さな店が建った。
• 木の看板には「HERBA SOAP(ハーバソープ)」の文字。
• 副団長は狩猟と配送担当。
• ジニーは香りやレシピの研究と販売を担当。

「ここから、あたしの物語が始まるのよ!」

開店初日、並んだ石けんはすぐに完売。
街の人々は、**“森の娘の石けんは奇跡の香りがする”**と噂した。



仲間たちの旅立ち
• マルグリットとバロンは、森で小さな挙式を行い、後日、公爵家の再建を手伝うため王都へ戻る。
• 聖女マロンとアデルは森に残り、薬とハーブの開発を続ける。
• そしてジニーは、「森の娘」と呼ばれながらも、自分の店を大きくしていく。



ジニー(夜の工房で)

「アルファル……あたしたち、王家なんかよりずっと幸せだね」

アルファル「王子より長持ちするしな、俺」

ジニー「……は? 何の話よ!?」

笑い声が、夜の街灯に優しく響いた。

アルファルは焚き火の近くまで来て、石けんを手に取る。

「これ、すごくいい匂いする。ミントとラベンダー? ジニーが作ったの?」

「そうだけど……それ、男用の“クールウォッシュ”バージョン。あんたみたいな暑苦しいやつにぴったり」

「……じゃあ、“君だけに”って意味、二重になったな」

唐草パンツを穿いて、ジニーの石けんを使う男は、世界にひとりだけ。
それが“君だけに”。

ふと、ジニーは小さく笑った。

「……あんた、ほんとバカ。でも、たぶん、世界で一番バカな“私の男”ね」

「それ、プロポーズ?」

「違う! ……でも、気が向いたらまた、唐草見てあげる」

アルファルは嬉しそうに笑った。
火の粉がぱちりと跳ねて、夜の森に、ふたりの影が重なる。

『ジニーとアルファル』
森のアトリエに、初夏の風が通り抜ける。

石けんの乾燥棚には、完成したばかりの「ハーブ&ミルク石けん」がずらりと並び、ほんのり甘い香りが漂っていた。

ジニーは黙々とラッピング作業をしていたが、ふと手を止めた。
目の前で、アルファルがなにやら地図を広げている。

「……あんた、また迷子対策?」

「違う。街の物件の場所調べてた」

「は?」

「そろそろさ、森暮らしもいいけど――」
彼はまっすぐジニーを見た。

「数年後に子供とか考えたら、街の方が安全で便利だと思うんだよな」

「……あんた、なに急に」

「俺、街で警備員の仕事でもやる。夜勤でもなんでもやるよ。
ちゃんと、まともに生きていくからさ」

ジニーは眉をひそめながら、ちょっとだけ頬を染めた。

「それ、まさかとは思うけど――」

「うん、プロポーズだから」

あっさり。

ジニーは盛大にため息をついた。

「……どのへんがロマンチックなのよ、そのプロポーズ」

「え、ちゃんと未来の話したし、真面目に言ったし?」

「場所が工房の床でなければ、少しはマシだったかもね。
せめて花のひとつでも……あ、やめて、今そこに生えてるタンポポ抜こうとしないで!」

アルファルは苦笑しながらも、小さな石けんの包みをそっと指さした。

「でもさ、この石けん、名前“Beginning”って付けてたよな。
最初の一歩って意味だろ? ……それ、俺たちのことでも、いいと思ってる」

ジニーは数秒黙ってから、指でひとつ石けんをつついた。

「……仕方ないな。売れ残ったら、責任とってね」

「うん、全部買う。家に山積みしてもいい」

「バカ」

「ありがとう」

そう言って、アルファルはジニーの手を取った。
初めて会った頃のふたりとは、もう全然違うけれど――
それでもやっぱり、言い合って笑い合える今が、いちばん好きだと思った。


アルファルが、ついに街の自衛団に入会した。
「昔、騎士団で副団長してたんで……まあ、経験はあります」
と軽く言っただけで――

「素敵!」
「頼もしいわ!」
「ジニーさんって奥さん? えーいいなー」

街娘たちがざわざわ。



 ジニー、ぷるぷると怒る。

「ちょっとアルファル!? あんた何色目で見られてんのよ!」
「えっ、俺、なにもしてないよ!? 話しかけられただけ!」

「黙ってたらイケメン枠で騎士団経験者とか、最強属性じゃないのよ! もっとこう、地味にしてなさいよ! 服とか泥で汚して!」

「いやだよ……俺、今やっと“まともな人生”送ろうとしてんのに……」



夜。ジニーは唐草模様のエプロンを締めながら、
「……晩ごはん抜きにしよっかな」
とぼそり。

「ええ!? そこは許してぇぇぇ!」

 アルファルが街の自衛団に入って三日。
 既に「頼れる元騎士様」として人気急上昇中だった。

「この前の魔獣騒ぎ、アルファル様が一人で追い払ったんですって」
「わたし、お礼に手編みのマフラーを……」
「彼、独身じゃないの? え? 奥さんあの美人のジニーさん? へぇ~」

 ざわざわ聞こえるうわさに、ジニーは思った。

(……へぇ~~~~~~)

 口元は笑っていたが、目が死んでいた。
 

こうしてアルファルは「街一番の人気者」になり、
ジニーは「街一番の胃薬が必要な女」に……。

でも結局、晩ごはんはちゃんと出てくるあたり――
ツンデレの優しさが透けて見えるのだった。

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