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妖精姫は皇帝国の王女です。
世紀の結婚式ーーロレーヌ皇妃は踊る
しおりを挟む世紀の結婚式
この上ない快晴だった。
ハリスとリリベッタの、
世紀の結婚式にふさわしい、
眩しいほどの青空。
教会には、白い花が溢れていた。
リリベッタの叔父皇帝が、
父親がわりとして、
誇らしげに付き添う準備をしている。
祭壇の前に、ハリス氏が立つ。
その隣に、付き添いの、ギデオン。
ハリス氏が、横目でギデオンを見た。
目配せしながら、静かに聞いてくる。
「……昨日は、どうだった?」
ギデオンは、すっと斜めに構えて、
「人の事、どうでもいいじゃないですか。」
まさか言えるか。
朝までぐっすり寝込んで、
ベッドの上で花嫁に土下座したなど——
絶対に、言えない。
ここは牽制だ。
「ハリス氏こそ、今夜、頑張ってください。」
どうだ。
ハリス氏は、少し考えて、
「いや、俺とリリベッタは、
そっちはすでに、経験してるから、
大丈夫かなぁ。」
余裕の笑みで、そう言った。
ギデオン、心の中——
うわあああああーーーー!!!
牽制しようとして、ドツボを踏んだ!!!
祭壇の上、
ギデオンの顔は、微動だにしない。
さすが、百戦錬磨。
表情だけは、プロだった。
快晴の空の下、
結婚式は、始まった。
ギデオンの心の中だけが、
嵐であった。
リリベッタ様は美しかった、
付き添いのマルガリータも美しい。
ギデオンは、花婿の、義務はまだ果たしてなかった。
大変な、パニックである。
そして、結婚式済んで、宴会。
──ロレーヌ皇妃、伝説のステージと“忘れられた皇太子”
⸻
城下・皇都中央広場
帝国主催・結婚祝賀前夜祭
盛大な提灯と灯りがともる中、
人々が待ち焦がれるのは「前夜の女神」──そう、ロレーヌ皇妃の登場である。
司会「本日は──帝国皇女リリベッタ様、そして皇太子殿下ハリス様のご結婚を祝し──」
(司会の声を遮って)
ロレーヌ「わたくしが踊りますわ」
\どよめき/
\またか!?/
\よっ、帝国の伝説!/
⸻
ステージ上
夜風を受けて揺れるシフォンドレス。
舞踏会ではなく、広場で踊るには華やかすぎるロレーヌ皇妃。
しかし彼女が一歩踏み出すと、
音楽が彼女に従い、
風がドレスを捧げ持ち、
観衆は言葉を失う。
──完璧なワルツ。
ステップ、ターン、そしてフィナーレ。
そのすべてが美しく、あまりに堂々としていた。
⸻
観客席・ギデオンの視点
(──ああ、まただ)
ギデオンは黙って目を閉じた。
視界が暗くなるのと同時に、耳に残るのは観衆の喝采とどよめき。
彼はつぶやく。
「……ここまでやると、逆に尊敬しますね……」
⸻
ロレーヌ、フィナーレ後に一言
「ふふ、皆さん。楽しかったわね」
「そうそう──わたくし、忘れていたのよ」
観衆(……?)
「うちの皇太子──独身でしたわ。」
\ザワァッ/
「毎日楽しいから、つい忘れてたのよね。ギデオン、探してくださる?」
ギデオン(無表情)
「……承知いたしました。まずは“お母様に気に入られるかどうか”からの審査になりますか?」
「もちろんよ♡」
⸻
ロレーヌの独白(心の声)
(ギデオンが選べば、息子も浮気しないし、家庭もうまくいくわ)
(え? 母親の欲が強すぎる? それがどうしたの)
(王家安泰のためですもの)
⸻
皇太子(ロレーヌの息子)視点
ステージ裏からそれを見ていた当の本人。
「……ギデオンが選ぶなら、もう僕、何も言えない気がしてきた……」
◆「忘れられた皇太子、嫁を探される」
──ロイヤル婚ブームに踊らされる男たちと、選ばれし花嫁候補たち
⸻
帝国王宮・執務室
ギデオン「……というわけで、皇太子殿下。こちらが候補の釣書でございます」
ヨーゼフ「多くない……?」
机の上には山のような釣り書の束。
婚姻届ではなく、嫁候補の履歴書。
貴族、商家、外交筋、そして「私を選んでください!」系の直筆ラブレター付き。
ロレーヌ皇妃「選びきれないから、私とギデオンで3人に絞ったわ♡」
ヨーゼフ(僕が選ぶんじゃないの……?)
⸻
ロレーヌ&ギデオン選出「三大花嫁候補」
1. フローラ嬢(侯爵家の令嬢)
優秀で容姿端麗。だが……趣味は戦場跡の地形研究。
2. シルヴィ嬢(学者の娘)
超理論派。恋愛を生殖確率と定義し、皇太子との子供の遺伝適合率をプレゼン予定。
3. レネット嬢(老舗菓子店の次女)
庶民代表。笑顔が可愛いが、誰にでも優しい天然系。既にヨーゼフを「ヨーちゃん」と呼んでいる。
ヨーゼフ(何この……濃い……)
⸻
ハリスとリリベッタの結婚式・披露宴会場
ロレーヌ「さあ! 披露宴の場で、お見合い三連コンボいくわよ!」
ヨーゼフ「披露宴って普通、新郎新婦を祝う場じゃ……?」
ギデオン「※皇族に“普通”はありません」
⸻
披露宴・お見合いパートスタート!
司会「それでは、ここからは“皇太子殿下の花嫁候補・特別紹介タイム”に移ります!」
\ええええ!?!?/
\新郎新婦どこいった!?/
一人ずつ登場する候補たち
・フローラ嬢「皇太子殿下、古戦場跡巡り、ご一緒にいかがですか?」
・シルヴィ嬢「遺伝子的には、私が最も高適合です」
・レネット嬢「ヨーちゃん、今日もかわいいね♡」
ヨーゼフ(……逃げたい)
ギデオンのつぶやき
「ロイヤルの結婚、もはや国家行事ですね……」
(でも……こういう混沌の中で本物の愛が芽生えるのが、皇族というものかもしれません)
そして、これをうまく回していかなければ、
ギデオンの、苦悩は続く。
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