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「この胸の高鳴りは、運動のせいですか?」
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ダンスの授業中、レオン様と目が合った。
それだけで、なぜだか心臓が忙しくなる。
「アネット、足の角度、もう少しこうです」
「は、はいっ!」
そっと触れられた手。
ちゃんと丁寧で、指導の一環だってわかっているのに、
体の芯まで、熱くなるのはなぜなんでしょう。
これ、運動のせいですよね?
筋トレを始めてから、代謝が上がっただけで……。
そう、自分に言い聞かせながら、
鏡の中の自分を見る。
「……少しだけ、変わったかも」
以前よりも背筋が伸びていて、頬もほんのりピンク色。
目の奥に、ちょっとだけ自信の光が宿っている気がした。
レオン様に褒められたい、って思ってる――
そんな自分に気づいて、また胸がきゅっとなる。
* * *
放課後、体育館裏で、ひとりストレッチしていたら、
ふと、レオン様が現れた。
「がんばってますね、アネットさん」
「え……っ、見て……ましたの?」
「はい。毎日、です」
……やっぱり、バレてる。
わたくし、バレてるんですわ。
筋トレして、綺麗になりたいって。
あなたに近づきたくて、少しでも“似合う私”になりたくて。
でも、逃げません。
だって――
「ありがとうございます。まだまだ筋肉、ありませんけど、がんばりますわ」
「知ってます。……だから、応援してます」
レオン様のその言葉が、今日一番の栄養になりました。
* * *
帰り道、ふと思う。
これって、恋……なんでしょうか。
でも、それならそれで――
「ちょっとぐらい、スイーツ食べてもいいですわよね。今日、がんばりましたもの!」
ポーチにしのばせた小さなキャンディが、
ほんのり甘くて、ほっとする味がした。
学院の中庭で、偶然エリオットとすれ違った。
あちらは一瞬、私に気づかず通り過ぎ――
そして、数歩あとに振り返った。
「……アネット、か?」
思い出すような声だった。
以前の私を、忘れていたかのように。
「ええ、ごきげんよう、エリオット様。お元気そうで何よりですわ」
いつも通りの挨拶。
でも、なぜか彼の目が、私の姿を上から下までゆっくりとなぞっていた。
「……少し、雰囲気が変わったな」
「そうですの。筋肉のおかげですわ」
冗談めかして言ってみた。
以前なら言えなかった一言が、口をついて出たのは、
きっと、ほんの少しだけ自信が持てるようになったから。
エリオットはぽかんとしていた。
──そう、それでいい。
あなたに振り向いてもらうために、変わったわけじゃない。
でも。
「やっぱり、お前、もともと悪くなかったんだよな……」
そう呟く声に、わたくしの中の“見返したい心”が、
小さく、くすりと笑った。ざまぁ、
* * *
最近、なぜだか注目されている。
廊下ですれ違った他の男子生徒が、少し照れたように目をそらす。
レオン様と話していると、何人かの女子から羨ましげな視線を感じる。
でも――わたくしの気持ちは、変わらない。
「推しは……レオン様、ただお一人ですもの」
筋肉と努力と、ちょっとの勇気で見つけた恋。
それは、まだ始まったばかりだけれど――
心は、しっかりとレオン様に向いている。
それだけで、なぜだか心臓が忙しくなる。
「アネット、足の角度、もう少しこうです」
「は、はいっ!」
そっと触れられた手。
ちゃんと丁寧で、指導の一環だってわかっているのに、
体の芯まで、熱くなるのはなぜなんでしょう。
これ、運動のせいですよね?
筋トレを始めてから、代謝が上がっただけで……。
そう、自分に言い聞かせながら、
鏡の中の自分を見る。
「……少しだけ、変わったかも」
以前よりも背筋が伸びていて、頬もほんのりピンク色。
目の奥に、ちょっとだけ自信の光が宿っている気がした。
レオン様に褒められたい、って思ってる――
そんな自分に気づいて、また胸がきゅっとなる。
* * *
放課後、体育館裏で、ひとりストレッチしていたら、
ふと、レオン様が現れた。
「がんばってますね、アネットさん」
「え……っ、見て……ましたの?」
「はい。毎日、です」
……やっぱり、バレてる。
わたくし、バレてるんですわ。
筋トレして、綺麗になりたいって。
あなたに近づきたくて、少しでも“似合う私”になりたくて。
でも、逃げません。
だって――
「ありがとうございます。まだまだ筋肉、ありませんけど、がんばりますわ」
「知ってます。……だから、応援してます」
レオン様のその言葉が、今日一番の栄養になりました。
* * *
帰り道、ふと思う。
これって、恋……なんでしょうか。
でも、それならそれで――
「ちょっとぐらい、スイーツ食べてもいいですわよね。今日、がんばりましたもの!」
ポーチにしのばせた小さなキャンディが、
ほんのり甘くて、ほっとする味がした。
学院の中庭で、偶然エリオットとすれ違った。
あちらは一瞬、私に気づかず通り過ぎ――
そして、数歩あとに振り返った。
「……アネット、か?」
思い出すような声だった。
以前の私を、忘れていたかのように。
「ええ、ごきげんよう、エリオット様。お元気そうで何よりですわ」
いつも通りの挨拶。
でも、なぜか彼の目が、私の姿を上から下までゆっくりとなぞっていた。
「……少し、雰囲気が変わったな」
「そうですの。筋肉のおかげですわ」
冗談めかして言ってみた。
以前なら言えなかった一言が、口をついて出たのは、
きっと、ほんの少しだけ自信が持てるようになったから。
エリオットはぽかんとしていた。
──そう、それでいい。
あなたに振り向いてもらうために、変わったわけじゃない。
でも。
「やっぱり、お前、もともと悪くなかったんだよな……」
そう呟く声に、わたくしの中の“見返したい心”が、
小さく、くすりと笑った。ざまぁ、
* * *
最近、なぜだか注目されている。
廊下ですれ違った他の男子生徒が、少し照れたように目をそらす。
レオン様と話していると、何人かの女子から羨ましげな視線を感じる。
でも――わたくしの気持ちは、変わらない。
「推しは……レオン様、ただお一人ですもの」
筋肉と努力と、ちょっとの勇気で見つけた恋。
それは、まだ始まったばかりだけれど――
心は、しっかりとレオン様に向いている。
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