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優しさの檻 茂と花梨
うちの婿の郁さん!
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花梨
郁さん。
うちではもう、そう呼ぶようになった。
本当は「柴崎さん」だけど、家族みんな、いつの間にか「郁さん」になっていた。
釣りが上手で、お父さんは大喜び。
釣りに行った日はいつも豪華なお刺身。
郁さんが器用に捌いてくれる。
本当に、なんでもできる人だ。
週末の買い物にも付き合ってくれて、車まで出してくれる。
もう我が家の“便利さん”。
──ぜったい、空いた場所に滑り込むぞ。
そんな気配を感じるけど、
まだ、確定ではない。
郁さんに呼び出されて、家に行った。
玄関を開けると、知らない女性がいた。
業者さんらしい。図面を広げて、何か説明している。
「古い家をリフォームするんだ」
郁さんは嬉しそうに言った。
「嫁もらうからな」柴崎
「へぇ、そうなんですか?」花梨
「花梨ちゃんとだよ」柴崎
そのまま台所の位置や、サッシ、畳、窓、屋根……
あちこちの修繕箇所を指さして話し始めた。
「マンションの方が安上がりですね」花梨
「こういう家は大切だよ。
人が住めば、家も生きるんだ」柴崎
郁さんの横顔は、まっすぐだった。
何も言い返せなかった。
夜。ダイニング。
夕飯の片づけが終わったころ。
母がテレビを見ながらお茶を飲んでいる。
花梨は冷蔵庫から麦茶を出して、自分のコップを置いた。
⸻
花梨
「郁さん、家リフォームしてくれるんだって。」
母
「へぇ、あの古い家を?」
花梨
「うん。台所とか、窓とか、全部直すって。
“嫁もらうからな”って言われた。」
母
「嫁?」
花梨
「そう。……花梨ちゃんと、って。」
母がコップを持ったまま、少し止まる。
母
「本気、なのかね。」
花梨
「さあ……。でも、業者さんも来てて、本格的だった。」
母
「ふーん。あの人、やること早いね。」
花梨
「……うん。」
テレビの音が小さく聞こえる。
花梨は氷の溶ける音を聞きながら、
なんだか、自分のことじゃないみたいな気がしていた。
翌日の夕食後。
テレビの音が小さく流れている。
母はソファに腰かけて編み物をしていた。
花梨が何気なく話を切り出す。
⸻
花梨
「お母さん、マザコン男性と普通の男性の差って、なんだと思う?」
母
「うーん……母親がいなくてもちゃんと自分で立てるかどうか、かしらね。」
花梨
「郁さんは、どうなんだろう。」
母
「さぁね。でも、ちゃんと暮らしを整える力はあるみたいじゃない。
あのリフォーム、本気でやってるんでしょ?」
花梨が頷くと、隣で新聞を読んでいた父が顔を上げた。
父
「郁さんは、うちの婿でいいぞ。」
花梨
「お魚仲間ですもんね。」
父
「そうそう。あいつの捌き方は本物だ。」
母が小さく笑う。
その笑い声に、花梨は少しだけ救われた気がした。
郁さんの魚捌きは、本当にすごい。
三枚おろしも、二枚おろしも、内臓抜きも――
釣ってきた魚を、次から次へと手際よく捌いていく。
包丁の動きが、まるで迷いがない。
見ていると、気持ちいいくらいだ。
「おいしい魚は、捌けるかどうかだ」
そう言って笑う郁さんの顔は、
まるで料理人みたいだった。
夕方。
テーブルの上には、お父さんと郁さんが釣ってきた魚。
お刺身に、塩焼き、あら汁まで並んでいる。
湯気と醤油の匂いが、部屋いっぱいに広がっていた。
⸻
父
「いやぁ、今日の鯛は最高だな!」
母
「骨の周りまできれいに捌いてあるのねぇ。郁さん、上手ね。」
郁さん
「魚は手間かけた分だけ、うまくなりますからね。」
花梨
「そう言って、自分で全部やっちゃうんですから。」
みんなで笑った。
食卓の会話が途切れることはない。
お茶碗を手に取る音、箸が当たる音が、どこか心地いい。
母がふと、郁さんに味噌汁をよそいながら言った。
母
「もう、すっかり家族みたいね。」
郁さんが照れたように笑って、
「ありがとうございます」と小さく頭を下げた。
その笑顔を見ながら、
花梨はふと――本当に、そうなるのかもしれないと思った。
リフォーム後の家。
まだ新しい畳の匂いが残っている。
夕方の光が差し込み、部屋の中はやわらかい色に染まっていた。
郁さんが、「少し休もうか」と言って、布団を敷いた。
冗談だと思って笑ったのに、
そのまま、空気が変わった。
郁さんが、キスしてきた。
一瞬、どうすればいいのか分からなかった。
気づいた時には、もう、すべてが始まっていて――
すっぽり郁さんの腕の中にいた。
あの時は、本当に油断していた。
でも、不思議と怖くはなかった。
ただ、現実が静かにひとつ動いた気がした。
翌朝。
カーテンの隙間から、やわらかな光が差し込んでいた。
リフォームしたばかりの家は、まだどこか新しい匂いがする。
郁さんは、もう台所に立っていた。
エプロン姿で、魚を焼いている。
まるで、昨日のことなんて何もなかったみたいに。
「おはよう。朝ごはん、すぐできるよ。」
いつもと変わらない声。
いつもと変わらない笑顔。
花梨は「……おはようございます」とだけ言って、
テーブルの前にもそもそと、座った。
焼き魚の香ばしい匂いが広がる。
皿の上の湯気を見ていると、
何が現実で、どこまでが夢だったのか、わからなくなった。
郁さんは、食卓に味噌汁を置きながら言った。
「やっぱり、こうして人が住むと家が喜ぶな。」
その言葉に、返す言葉が見つからなかった。
ずっと、一緒の約束。
古い家で、アレルギーはすっかり治りました。
離婚から半年後、休日の昼。結婚報告
郁さんと花梨、それに、昔からの会社の友人たちが集まっていた。
テーブルには、イタリアンな料理とケーキ。
郁さんが、少し照れたように立ち上がった。
「今日は、ちょっと報告があります。
花梨ちゃんと、結婚しました。」
一瞬、みんなが顔を見合わせて――
「えーっ!」「ほんとに?」
驚きと笑いが混ざった声が上がる。
「半年で? はやっ!」
「おめでとう! すごいね!」
花梨は軽く頭を下げて、
「ありがとうございます」と笑った。
「それと……赤ちゃんも、できました。」
歓声と拍手。
誰かが「やったじゃない!」と声を上げ、
母親世代の女性が「無理せず、体冷やさないようにね」と言う。
みんなの笑顔の中で、
花梨はお茶の入ったコップを両手で包んだ。
あたたかくて、
それでも、どこか夢みたいだった。
夜、郁と花梨の家。
報告を終えて帰ると、外はもう冷たい風。
玄関の灯りがほっとする。
花梨が台所でポットを用意し、
棚から金柑のシロップ瓶を取り出した。
琥珀色の実が、やわらかく光っている。
湯を注ぐと、ほのかな香りが立ちのぼる。
「はい、郁さん。金柑茶。」
「お、いい香りだな。」
郁さんが湯気を見つめながら、
「こうしてると、やっと落ち着くな」とつぶやいた。
「今日は、ちょっと緊張しましたね。」
「みんな驚いてたな。でも、嬉しそうだった。」
「……はい。」
二人で湯気の向こうを見ながら、
しばらく何も言わなかった。
金柑の甘さが、口の中でやさしく広がる。
その味に、花梨はようやく“これから”という言葉の重さを感じた。
郁さんが、湯飲みを置いて言った。
「この家も、もうじき冬を越えるな。」
花梨はうなずいた。
「はい。うまくいけば、クリスマスには、三人ですね。」
冬。
外は粉のような雪。
窓の外の木に、白い灯りが揺れている。
街はクリスマスの飾りで静かに明るい。
台所では、花梨が鍋を見つめている。
小さな金柑が、コトコトと音を立てながら煮えていた。
湯気の向こうで、琥珀色がゆらゆら揺れる。
郁さんが、毛布を肩にかけたまま廊下から顔を出した。
「どうした? もうすぐじゃないか。」
「うん……この匂いを嗅いでると、落ち着くんです。」
「金柑か。去年もこの匂いだったな。」
「そうですね。あの時は……寒かったです。」
郁さんが花梨の手を包む。
「今は、あったかいだろ。」
花梨は頷いて、
大きなお腹をさすった。
窓の外で雪が舞っている。
遠くの教会の鐘が、静かに鳴った。
郁さんが小さく笑って言った。
「この子が生まれたら、また金柑のシロップ作ろうな。」
「はい。この子の冬の味にします。」
湯気の向こうで、
二人の笑顔がゆっくりと重なった。
――冬の終わり。
新しい家族のはじまり。
最後までお読みくださった皆さま、ありがとうございます。
壊れていったものの中に、
もう一度“はじまり”を見つける物語でした。
金柑の香りに始まり、また金柑の香りで終わるこの物語を、
季節の移ろいとともに見届けてくださったこと、心から感謝しています。
花梨たちの時間は、特別なことのない日々の積み重ねでしたが、
その中に小さな幸せや、確かな温もりを感じていただけたなら嬉しいです。
どうか、あなたの日々にも、
やさしい香りのような時間が訪れますように。
本当にありがとうございました。
次は異世界恋愛を、新連載、
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』 をスタートします。
離婚のその先――痛みのあとにある、少しだけ自由な再生の物語。
次回もぜひ、お付き合いくださいませ。
郁さん。
うちではもう、そう呼ぶようになった。
本当は「柴崎さん」だけど、家族みんな、いつの間にか「郁さん」になっていた。
釣りが上手で、お父さんは大喜び。
釣りに行った日はいつも豪華なお刺身。
郁さんが器用に捌いてくれる。
本当に、なんでもできる人だ。
週末の買い物にも付き合ってくれて、車まで出してくれる。
もう我が家の“便利さん”。
──ぜったい、空いた場所に滑り込むぞ。
そんな気配を感じるけど、
まだ、確定ではない。
郁さんに呼び出されて、家に行った。
玄関を開けると、知らない女性がいた。
業者さんらしい。図面を広げて、何か説明している。
「古い家をリフォームするんだ」
郁さんは嬉しそうに言った。
「嫁もらうからな」柴崎
「へぇ、そうなんですか?」花梨
「花梨ちゃんとだよ」柴崎
そのまま台所の位置や、サッシ、畳、窓、屋根……
あちこちの修繕箇所を指さして話し始めた。
「マンションの方が安上がりですね」花梨
「こういう家は大切だよ。
人が住めば、家も生きるんだ」柴崎
郁さんの横顔は、まっすぐだった。
何も言い返せなかった。
夜。ダイニング。
夕飯の片づけが終わったころ。
母がテレビを見ながらお茶を飲んでいる。
花梨は冷蔵庫から麦茶を出して、自分のコップを置いた。
⸻
花梨
「郁さん、家リフォームしてくれるんだって。」
母
「へぇ、あの古い家を?」
花梨
「うん。台所とか、窓とか、全部直すって。
“嫁もらうからな”って言われた。」
母
「嫁?」
花梨
「そう。……花梨ちゃんと、って。」
母がコップを持ったまま、少し止まる。
母
「本気、なのかね。」
花梨
「さあ……。でも、業者さんも来てて、本格的だった。」
母
「ふーん。あの人、やること早いね。」
花梨
「……うん。」
テレビの音が小さく聞こえる。
花梨は氷の溶ける音を聞きながら、
なんだか、自分のことじゃないみたいな気がしていた。
翌日の夕食後。
テレビの音が小さく流れている。
母はソファに腰かけて編み物をしていた。
花梨が何気なく話を切り出す。
⸻
花梨
「お母さん、マザコン男性と普通の男性の差って、なんだと思う?」
母
「うーん……母親がいなくてもちゃんと自分で立てるかどうか、かしらね。」
花梨
「郁さんは、どうなんだろう。」
母
「さぁね。でも、ちゃんと暮らしを整える力はあるみたいじゃない。
あのリフォーム、本気でやってるんでしょ?」
花梨が頷くと、隣で新聞を読んでいた父が顔を上げた。
父
「郁さんは、うちの婿でいいぞ。」
花梨
「お魚仲間ですもんね。」
父
「そうそう。あいつの捌き方は本物だ。」
母が小さく笑う。
その笑い声に、花梨は少しだけ救われた気がした。
郁さんの魚捌きは、本当にすごい。
三枚おろしも、二枚おろしも、内臓抜きも――
釣ってきた魚を、次から次へと手際よく捌いていく。
包丁の動きが、まるで迷いがない。
見ていると、気持ちいいくらいだ。
「おいしい魚は、捌けるかどうかだ」
そう言って笑う郁さんの顔は、
まるで料理人みたいだった。
夕方。
テーブルの上には、お父さんと郁さんが釣ってきた魚。
お刺身に、塩焼き、あら汁まで並んでいる。
湯気と醤油の匂いが、部屋いっぱいに広がっていた。
⸻
父
「いやぁ、今日の鯛は最高だな!」
母
「骨の周りまできれいに捌いてあるのねぇ。郁さん、上手ね。」
郁さん
「魚は手間かけた分だけ、うまくなりますからね。」
花梨
「そう言って、自分で全部やっちゃうんですから。」
みんなで笑った。
食卓の会話が途切れることはない。
お茶碗を手に取る音、箸が当たる音が、どこか心地いい。
母がふと、郁さんに味噌汁をよそいながら言った。
母
「もう、すっかり家族みたいね。」
郁さんが照れたように笑って、
「ありがとうございます」と小さく頭を下げた。
その笑顔を見ながら、
花梨はふと――本当に、そうなるのかもしれないと思った。
リフォーム後の家。
まだ新しい畳の匂いが残っている。
夕方の光が差し込み、部屋の中はやわらかい色に染まっていた。
郁さんが、「少し休もうか」と言って、布団を敷いた。
冗談だと思って笑ったのに、
そのまま、空気が変わった。
郁さんが、キスしてきた。
一瞬、どうすればいいのか分からなかった。
気づいた時には、もう、すべてが始まっていて――
すっぽり郁さんの腕の中にいた。
あの時は、本当に油断していた。
でも、不思議と怖くはなかった。
ただ、現実が静かにひとつ動いた気がした。
翌朝。
カーテンの隙間から、やわらかな光が差し込んでいた。
リフォームしたばかりの家は、まだどこか新しい匂いがする。
郁さんは、もう台所に立っていた。
エプロン姿で、魚を焼いている。
まるで、昨日のことなんて何もなかったみたいに。
「おはよう。朝ごはん、すぐできるよ。」
いつもと変わらない声。
いつもと変わらない笑顔。
花梨は「……おはようございます」とだけ言って、
テーブルの前にもそもそと、座った。
焼き魚の香ばしい匂いが広がる。
皿の上の湯気を見ていると、
何が現実で、どこまでが夢だったのか、わからなくなった。
郁さんは、食卓に味噌汁を置きながら言った。
「やっぱり、こうして人が住むと家が喜ぶな。」
その言葉に、返す言葉が見つからなかった。
ずっと、一緒の約束。
古い家で、アレルギーはすっかり治りました。
離婚から半年後、休日の昼。結婚報告
郁さんと花梨、それに、昔からの会社の友人たちが集まっていた。
テーブルには、イタリアンな料理とケーキ。
郁さんが、少し照れたように立ち上がった。
「今日は、ちょっと報告があります。
花梨ちゃんと、結婚しました。」
一瞬、みんなが顔を見合わせて――
「えーっ!」「ほんとに?」
驚きと笑いが混ざった声が上がる。
「半年で? はやっ!」
「おめでとう! すごいね!」
花梨は軽く頭を下げて、
「ありがとうございます」と笑った。
「それと……赤ちゃんも、できました。」
歓声と拍手。
誰かが「やったじゃない!」と声を上げ、
母親世代の女性が「無理せず、体冷やさないようにね」と言う。
みんなの笑顔の中で、
花梨はお茶の入ったコップを両手で包んだ。
あたたかくて、
それでも、どこか夢みたいだった。
夜、郁と花梨の家。
報告を終えて帰ると、外はもう冷たい風。
玄関の灯りがほっとする。
花梨が台所でポットを用意し、
棚から金柑のシロップ瓶を取り出した。
琥珀色の実が、やわらかく光っている。
湯を注ぐと、ほのかな香りが立ちのぼる。
「はい、郁さん。金柑茶。」
「お、いい香りだな。」
郁さんが湯気を見つめながら、
「こうしてると、やっと落ち着くな」とつぶやいた。
「今日は、ちょっと緊張しましたね。」
「みんな驚いてたな。でも、嬉しそうだった。」
「……はい。」
二人で湯気の向こうを見ながら、
しばらく何も言わなかった。
金柑の甘さが、口の中でやさしく広がる。
その味に、花梨はようやく“これから”という言葉の重さを感じた。
郁さんが、湯飲みを置いて言った。
「この家も、もうじき冬を越えるな。」
花梨はうなずいた。
「はい。うまくいけば、クリスマスには、三人ですね。」
冬。
外は粉のような雪。
窓の外の木に、白い灯りが揺れている。
街はクリスマスの飾りで静かに明るい。
台所では、花梨が鍋を見つめている。
小さな金柑が、コトコトと音を立てながら煮えていた。
湯気の向こうで、琥珀色がゆらゆら揺れる。
郁さんが、毛布を肩にかけたまま廊下から顔を出した。
「どうした? もうすぐじゃないか。」
「うん……この匂いを嗅いでると、落ち着くんです。」
「金柑か。去年もこの匂いだったな。」
「そうですね。あの時は……寒かったです。」
郁さんが花梨の手を包む。
「今は、あったかいだろ。」
花梨は頷いて、
大きなお腹をさすった。
窓の外で雪が舞っている。
遠くの教会の鐘が、静かに鳴った。
郁さんが小さく笑って言った。
「この子が生まれたら、また金柑のシロップ作ろうな。」
「はい。この子の冬の味にします。」
湯気の向こうで、
二人の笑顔がゆっくりと重なった。
――冬の終わり。
新しい家族のはじまり。
最後までお読みくださった皆さま、ありがとうございます。
壊れていったものの中に、
もう一度“はじまり”を見つける物語でした。
金柑の香りに始まり、また金柑の香りで終わるこの物語を、
季節の移ろいとともに見届けてくださったこと、心から感謝しています。
花梨たちの時間は、特別なことのない日々の積み重ねでしたが、
その中に小さな幸せや、確かな温もりを感じていただけたなら嬉しいです。
どうか、あなたの日々にも、
やさしい香りのような時間が訪れますように。
本当にありがとうございました。
次は異世界恋愛を、新連載、
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』 をスタートします。
離婚のその先――痛みのあとにある、少しだけ自由な再生の物語。
次回もぜひ、お付き合いくださいませ。
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ちょび太郎さん、ありがとうございます。
義母マウンティング、本当に“どこにでもいそう”な感じを、少し誇張して描いてみました。
花梨や茂の関係も、まさに現実にありそうな距離感ですよね。
読んでいただけてうれしいです。