記憶のない彼女と運命の恋

冬花美優

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第2章 東国編

16話 女同士の譲れないもの

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私はミリア。大精霊ルミナスと帝国国王の娘だけど腹違いの娘として帝国では居場所がなくて、いつも兄様が帝国では担ぎ上げられていた。そんなある日、帝国で王位継承権で妹の私を消そうとする家臣と貴族が発覚した。

それで、いち早く察知したのは義母のマリンナだった。マリンナは帝国で唯一、私に真っ直ぐな瞳で優しい言葉と勇気をくれた。

「ミリア……ごめんなさい。私はあなたを死なせたくないの!だからミリアとは少しの間、離れ離れになるわ」

「え……嫌よ。義母さま、一緒にいてよ!」

マリンナはミリアを抱きしめて言った

「ミリア、この魔法陣の先にあなたの本当のお母さんがいるわ……だからそこに避難して生きてちょうだい。あなたが生きてるのが私のねがいでもあるの」

「義母さま……うぅ…うぁぁん…」

すると魔法陣から大精霊ルミナスが現れた

「マリンナ様、娘を守ってくれありがとうございます」

「何言ってるのよ!私たち古い親友でしょ!だからお願い、絶対にミリアを守ってあげて」

「わかってるわ、私の大切な娘だもの」

そうしてミリアを抱きしめてルミナスとミリアは里へ避難した。


「ん……んんっ、なんで昔の夢なんか見るのよ……義母さま…元気にしてるかしら」

身体を起こして着替えるミリアだった。


私は毎日の日課で楽しみがある、それは里森の中にある湖で水浴びをする事。この場所は私だけの秘密の隠れ家みたいだった。

いつものように服を脱いで裸で水を浴びていると草影から人影がみえた。

「だれだ!あたし裸を見にくるなんていい度胸ね……って、え!?」

草影から現れたのは、ルシアだった。

「すまん……まさか人がいて、しかもミリアだったとは……すぐ立ち去るから許せ」

ルシアはすぐ去ろうと背を向けた瞬間、ミリアは裸のままでルシアに抱きついた。

「まって!、なんで逃げるの?」

「私は、この森に珍しい薬草があると聞いたから探しにきただけだ」


「2人で何をしているの?」

「!?」

驚いたエリスを見てミリアは言った

「あらぁ、エリスじゃないのどうしたの?」

「アトレア様から薬草を取ってくるように言われて来たら声がしたから来て見たら……うそでしょ?」

するとミリアな不敵な笑みを浮かべて言った

「想像は自由だからエリスに任せるわ」

そう言ってミリアは裸のままだったが服を着て去っていった。

そしてエリスの耳元で囁いた

「エリス、あたしは彼を諦めてないから…隙があればあたしは彼をあたしの物にするわね」

エリスは初めて怒りがこみ上げてきた。

そしてミリアを睨みつけた。すると何故か赤い薔薇の烙印が光ってサキュバスに変身した。

「いかん!エリス、落ち着くんだ!」

「何よ、エリス。あたしとやるき?」

エリスは黙ったままミリアを突き飛ばそうとしたがミリアは軽くかわした。

「あのさぁ、あたしをナメないでくれるかな。大精霊の血を引く娘なんだよ、そんな小技なんか通用しないわ」

「ミリア、やめるんだ!俺はエリスを愛して、」

「あなたは黙ってて!!!」

ミリアは叫んでルシアに怒鳴った

「これは女同士の譲れないものがあるの!だから割ってこないで!」

ルシアはその言葉に動けなかった。


「エリス、あたしはあなたと友達として仲良くしたいけどそれとは別に女としてあたしも彼を愛してるの……恨まれようがあたしはあたしの意志を貫く」

それを聞いたエリスはサキュバスのまま、涙だけ無表情で流していた。

「黙ってないで、何とか言いなさいよ!!好きな彼の前だからって汐らしくするなんて、虫唾が走るんですけど!!!」

ミリアはエリスの顔をめがけて飛びついてきた。次の瞬間……

ミリアの拳がエリスの顔寸前で止まった。

「……っ、ミリア、馬鹿なマネはやめなさい」

「いや、いやよ!離して!お母様!離して!」

ルミナスはミリアの肩を掴んで自分の顔へ身体を振り向かせて抱きしめた。

「お……お母さま……」

「ミリア……あなたの事は母の私が1番理解してるから……だから、馬鹿なマネはよしなさい」

ミリアは膝から崩れ落ちてルミナスに抱きしめられながら溜め込んでいた想いを吐き出していた。

するとエリスはサキュバスの変身が解かれてルシアに言った。

「……ごめんなさい、ルシア。先に帰ってもらっていいかしら?」

何かを察したルシアは黙って頷いて去っていた


「ルミナス、ちょっとミリアさんと2人きりで話がしたいの、いい?」

「わかりました、主様の仰せのままに……ただ、娘には寛大な心でお願いします…」

そう言ってルミナスも里に帰った

「ミリア、これを手にしなさい」

渡されたのは手を保護する手袋だった。

「なんの真似?」

エリスは言った

「私にも譲れないものがある……あなたに彼は渡さない。渡したくない。だから私の意地も見せてあげる」

するとミリアは保護手袋を手にして立ち上がって言った。

「あたしにだって、プライドぐらいあるわよ……この好きな気持ちは偽りじゃないんだから!」

2人は互いの想いをぶつけた。


ミリアはエリスの胸元も掴んで押し倒したが負けじとエリスもミリアの方を掴んで押し返す


「あたしだって昔から虐げられてずっと1人だった時に彼だけはあたしに真っ直ぐな瞳で接してくれた!だから、アンタなんかに渡さない!あたしが奪い返してやるんだから!」

するとエリスも言い返した

「私だって……帝国に来て色々な屈辱に耐えて、耐えて……ずっと彼を信じて、ようやく掴んだ私の居場所なんだから!誰にもわたさないんだから!!」


2人は湖の原っぱで、揉み合いになっていた。

「アンタが諦めて!」

「絶対イヤ!あなたが諦めてよ!」

「ふざけないで!」

「……絶対わたさない!うぁあ!」

「……痛ったいな!このっ!!」

互いに髪を引っ張り合い、押し合いを繰り返した。


それを遠目でルミナスとユリナが見ていた。

「ユリナ様……もう、耐えれません。あの子を助けたい……」

するとユリナも言った

「あたしも同じだよ……止めたいさ……」

2人のうしろから転送魔法陣からマリンナが現れた

「今の2人を止めたら、あとで後悔するわよ。2人の想いをぶつけ合ってお互いが想いを理解する必要があるのよ」

「それが女同士の意地ってかい」




長い揉み合いからミリアは限界に達したのか護身用に持参していた短剣を突き刺した。

するとルミナスが叫んだ
「ミリア!だめ!よしなさい!」

とっさにルミナスが飛び出して手を伸ばすが、短剣がエリスの身体を突き刺してエリスは倒れた。

「姉様、お願い」

「まかせて!」

我に返ったミリアは短剣を離して崩れ落ちる

「あ、あたしは……なにを……」

マリンナはエリスに治癒魔法をかけて事態は事なきを得た。

ルミナスはミリアの頬に手のひらを打ちつけた。

パシンっ

「……っ、……。」

ルミナスは涙を浮かべながら言った

「ミリア、あなたの気持ちは充分に分かるけど、自分をそこまで追い込んで彼女を殺めようとする気?」

ミリアも涙を浮かべて訴えた

「ようやく見つけたあたしの拠り所を、はいわかりましたって言って易々と渡すほどお人好しじゃないもん!ずっとずっと1人だったのを優しく差し伸べてくれた彼を諦められない!う、うぁぁん!」

そこへ、ユリナがミリアの元へ寄って同じ目線で座って話した。

「はじめまして、ミリアちゃん。あたしはエリスの母のユリナよ」

ミリアは身体を震わせて脅えていた。そうなるのも分かる。目の前にいるのは女帝の覇気を纏わせた本物の女帝サキュバス・ユリナだからだた。しかしユリナはミリアに、こう言った。

「ミリアちゃんの気持ちはよく分かるよ……その気持ちは大切にしなさい。それで、もしあの2人に隙があれば、今回みたく、あなたは真正面から正々堂々と立ち向かっていきなさい」


「なんで、そこまでして……あたしはあなたの娘を刺して……うぅ…」

するとユリナは言った

「指したことは、そりゃ親としては見過ごせないし許したくないしアナタを生かしておきたくないわ。」

そう言ってユリナは女帝の覇気を身体から出して睨みつけて言った。

そこへルミナスがユリナの前に立ちはだかった。

「なんの真似だルミナスよ……我が主に歯向かうのか?」

「すみません、太后様……それが私には死が待っていたとしも、たった一人の愛娘の為なら親としては誰が敵に回っても守ります」

「お……お母様……」


するとユリナは覇気を消してルミナスとミリアに言った


「ちょっとだけ脅して試しただけよ……でも、これだけやったら互いに気持ちはスッキリしたでしょ?」

ユリナは笑みを浮かべて言った

そしてミリアは答えた。

「うん」

「なら、エリスの母としてお願いよ。エリスとこれかも仲良くしてあげてね」

ミリアは真っ直ぐな瞳で言った。

「もちろん」

「……っ、うぅ……」

「エリスさま!」

ルミナスはエリスに膝まづいて謝罪した

「エリス様、私の娘がとんだご無礼を申し訳ございません!主様に刃を向けるなど言語道断、主様からの処罰は私がお受けします」


するとエリスは言った

「私も、譲れないものがあったから…お互い様です。でも、これだけは言わせてください」

「はい、何でしょう?」

エリスは笑を浮かべながら言った

「彼は私の大切な人だから渡しません。それだけです」


そうしてエリスとミリアの譲れない想いのぶつけ合いは幕を閉じた


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