ぼっちな僕がデスゲームに強制参加させられたんだけど、逃げ回っているうちにハーレムがどんどん増えて夜の順番とか勝手に決められて困っています

Rain

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9 弱点克服

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 ゆかりちゃんは、泣きながら薬屋から出ていきました。
 慌てて追いかけます。

 通り過ぎる人、みんながみんな、こちらを一瞥します。


 ようやく追いついたのが、人けのない大きな木の下。木に額をくっつけて泣いています。

「あーん、あーん、あーん」
 涙をぽろぽろ流して号泣するゆかりちゃん。

「ごめん、勘違いするようなことを言って。薬が欲しいと言ったけど、小雪ちゃんとエッチなんてしないよ。彼女をなんとか説得して薬を貰おうとしただけなんだ。だって、ぼくはゆかりちゃん以外の子に触ったら気絶しちゃうし」

「グスン……。
 違うの。
 私ね、海斗くんを独り占めにしたかったの。でもそんなことをして、もしエッチのできない日にサイフィスが攻めてきたら大変なことになっちゃう。
 私の身勝手な理由で、海斗くんに迷惑をかけていた。
 ごめんね。小雪のとこ、戻ろっ」


 ゆかりちゃんは涙を拭いて、にっこり笑いました。
 だけど、彼女の大きな瞳は真っ赤でした。


 *


 薬屋に近づくにつれて、ゆかりちゃんの表情はだんだんと険しくなっていきます。

 ぼくは、
「大丈夫だよ。ちゃんと話したら分かって貰えるって」
「……半年くらい前にね、小雪が海斗くんの下駄箱に手紙を入れていたのを見たことがあるの」


 手紙?
 そんなのあったかな?


「私が気づいて、ビリビリに破いて捨てたんだ。それから私達、犬猿の仲」

「なんて書いてあったの?」
「……海斗さんがお漏らしをした日から、ずっとあなたの事が気になっていました。わたくしは、あなたの病気を治すお手伝いがしたいです。よかったら一緒にお昼をしませんか?
 ……そんな手紙を見たら海斗くんが、鼻血を出して死んじゃうっての!
 あの子、なんも分かっていないんだから!」


 確かに、突然女の子にお昼を誘われたら発狂して死ぬ。
 あまりにもレベルが高すぎます。


「……私だって、我慢していたんだから……」
「え?」
「あ、いや、なんでもない、なんでもない。エヘヘ」

 軽く笑ったゆかりちゃんでしたが、急に真顔になって、
「で、でも、いつまでも女子が弱点っていうのは、良くないと思うんだ。敵に女がいたら、即死だよ」


 た、確かに。
 サイフィスの仲間に女戦士がいたら、触れただけで気絶させられちゃう。


「……だからね。
 辛いんだけど、小雪と……エ、エ、エ、エッチを……
 あーん、あーん、あーん」

「ゆ、ゆかりちゃん!?」


 ゆかりちゃんは、また泣き出しました。


「小雪とエッチして、弱点のない男の子になって!
 で、でも私を捨てないでね」
「む、無理だよ! 死んじゃうよ! 怖いよ。触ったら意識が吹っ飛ぶんだよ? 鼻血とか大量にでるんだよ? 考えただけでも、ほら、鼻血がタラリと……。
 ぼくはゆかりちゃんだけがいい」
「……逃げる? 私とどこまでも逃げる? サイフィスの来ない山奥に逃げて、二人でひっそりと生活する? 崎谷くん達を見捨てる? 海斗くんは、それができる?」


 うん。
 それも悪くないかも。
 もう逃げたいです。


 思わずうなずいてしまった。

「海斗くん、嘘つくのが下手だね」

 へ?

「海斗くんが友達を裏切る訳ないじゃん。そうやって私を安心させてくれようとしているんでしょ? だから海斗くん、大好き。
 ……で、でもね、やっぱり弱点を克服しよ」


 えー! 嫌です。死にます。マジで。
 それに、それ、多分ぼくをあまり知っていませんよ?

 
 そんな会話を繰り返しながら、とうとう薬屋までやってきました。
 
 これから小雪ちゃんとエッチをしなくてはいけないんですか?
 女子接触致死という異常スキルを持ったぼくですよ?
 お腹が痛いです。
 
 
 小雪ちゃんは、ゆかりちゃんを睨んでいます。
 話を切り出したのはゆかりちゃんでした。

「小雪、分かったわ。海斗くんとエッチをさせてあげる」
「なんかその言い方は、まるで海斗さんがあなたのもののように感じますわ。でも、まぁいいです。ようやくあなたも、わたくしの価値を理解したようですし」


 店先で喧嘩しないでくださいよ。
 みっともないです。


「だけど小雪、私を同席させなさい。小雪と二人だと、海斗くん、死んじゃうよ」
「な! 男女の秘め事を見せろというのですか? 大丈夫です。わたくしもちゃんと海斗さんとエッチができます。そもそも、あなたに出来てわたくしに出来ない筈がありません!」
「じゃ、じゃぁ、部屋の外で待たして。お願い。もし海斗くんに何かがあったら、私……」
「わたくしは薬剤師のスキルを持っています。自在に薬を生成できるから、何かあっても何とでもできます! 海斗さん、行きましょ」

 そう言って、小雪ちゃんはぼくの手を取ろうとしました。

 だ、駄目ですよ!

 小雪ちゃんの白い指に触れた瞬間、ぼくの鼻から、噴水のごとく大量に血が噴き上がった。
 ……し、死んじゃう。
 小雪ちゃんは、真っ青。

「ど、どうしてゆかりさんには触れられて、わたくしだと……」

 ゆかりちゃんが、ぼくをかばうように前に立ち、
「やっぱり小雪は分かっていない! 絶対に私も混ざる! それじゃなきゃ、やらせてあげない!」

 今度は小雪ちゃんが、しくしくと泣きだしました。

「……悔しいです。
 ほんとうに悔しいです。
 ですが、その条件、飲むしかないようね。
 今のわたくしだと、海斗さんを殺めてしまうかもしれません。
 ですが、どうしても海斗さんのお嫁さんになって、海斗さんを生涯守ってあげることがわたくしの夢。悔しいですが、譲渡してあなたを特別に混ざらせてあげます。
 まぁ、一度わたくしの最高なお膣の感触を知れば、わたくしの素晴らしさが理解できて、海斗さんの心の壁が崩れるに違いありませんから」



 二人の間には、火花がバチバチと飛び交っています。



 って、黙って聞いておりましたが、まさかの3Pですか?
 ぼくには拒否する権利はないのですか?
 嫌なんですけど。


 店先で卑猥な宣言をするものだから、お客さんはドン引きです。




 そしてぼくは、高級ラブホに連れ込まれました。
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