25 / 29
第27話 腕輪の譲渡
しおりを挟む
ユウトの生命の危機に現れたのは、異世界パルルサ王国から帰還した緑の国の第一王女、エメラルド・ジュエラル・マドカリアスだった。
マドカの機転で、一命をとりとめるユウト。
だけどマドカの態度が、フィーナの逆鱗に触れる。
「さあ、勝負よ、マドカさん。
早く妖精変化しなさいよ!」
先に妖精変化したフィーナは、マドカを急き立てる。
「ふ。」
対して、このひと言で済ませるマドカ。
「何よ、私なんて妖精変化しなくても充分だっての?
バカにするな、マドカリアス!」
「な」
姉を挑発されて、コマチもミクも、気分はよくない。
しかしフィーナの気持ちも分かるので、何も言えなかった。
「悪りーな、レスフィーナ。」
マドカは左手にはめた浄化の腕輪を見せる。
腕輪には、宝玉がはめられている。
マドカの宝玉は、輝きを失っていた。
「それが何だってのよ!」
輝きを失った宝玉。
それが何を意味するのか、分からないフィーナではなかった。
しかし、自分から振っておいて、それで済ますマドカが、許せなかった。
フィーナは人間体に戻る。
「これでいいでしょ、勝負よ、マドカさん!」
そう言うフィーナの身体は、心なしか震えている。
「フィーナちゃん、もうやめましょう。」
そんなフィーナを、コマチがとめる。
「でもコマチさん、ユウトがバカにされたのよ。
許せるわけないじゃん。」
フィーナの声に涙が混じる。
このままマドカに殴りかかりたい。
だけど体力差がそのまま反映される人間体では、勝ち目が無い事も、フィーナには分かっている。
「それよりも今は、ユウト君の事を心配しましょ。」
とコマチはフィーナをなだめる。
現状、どうすればいいのか、分かってるのはマドカだけだ。
「そうね、勝負はお預けね、マドカさん。
後でミクと一緒に、相手してあげるわ。」
とフィーナは矛先を収める。
「ミクと一緒に?」
マドカはその単語に引っかかる。
「あ、そう言えば。」
ミクは自分がフィーナに、決闘を申し込んだ事を思い出した。
「だってあれは、レスフィーナさんがユウト様を下僕扱いしてるから、」
と言いかけて、ミクは言葉をにごす。
ユウト様にそう言わせてるだけで、実際のふたりは、そんな関係には見えなかった。
ならばミクにとって、フィーナと決闘する意味はなかった。
ユウト様をフィーナから解放してあげる。
この目的が、ユウトの意にそぐわない事も、ミクは分かっていた。
「ははは、下僕のために、そんなに取り乱してるのか。」
とマドカはニヤける。
「何よ、悪い?」
フィーナはマドカをにらむ。
「フィーナちゃん。」
そんなフィーナを、コマチがたしなめる。
「今は、ユウト様の事を心配しましょう。
マドカお姉さま、どうすればいいのですか?」
ミクもフィーナをたしなめ、マドカに問う。
「ここは、混色の四重封印〔フェアリーカルテット)しかないな。」
「混色の四重封印?」
フィーナとコマチとミクは、同時に声を上げる。
混色の四重封印とは、色の違う四人で封印の儀式を行う事。
混色する色の比率は、合わせる必要がある。
「ちょっと待ってください。
今封印の儀式に参加出来るのは、フィーナちゃんだけですよ。」
早速コマチが異を唱える。
「いや、あとふたりいるだろ。」
マドカは自分の浄化の腕輪の宝玉から、緑色に光る小さな玉を取り出す。
これは、マドカが異世界パルルサ王国から持ち帰った、魔石の一部。
その玉はコマチの浄化の腕輪の宝玉に吸い込まれる。
これでコマチは、妖精変化出来るくらいには、回復する。
「あとひとりは、」
と言いながらマドカは、浄化の腕輪をはずす。
そしてその腕輪を、ミクに投げ渡す。
受け取ったミクは、姉の行為の意味が分からない。
「その腕輪は、今日からおまえの物だ。」
とマドカに言われても、ミクには意味が分からない。
この腕輪は、マドカお姉さまの物だ。
マドカお姉さまが何と言おうと、その事実は変わらない。はず。
「ミク、受け取りなさい。」
コマチも、今まで見せた事のない真剣な表情で、ミクをうながす。
マドカは異世界パルルサ王国での戦闘で、腕輪の全能力を解放した。
それは故郷ジュエガルドに帰る事を放棄する事で、発動する。
そしてそれは、ジュエガルド緑の国の王位継承権を放棄する事も、意味する。
王女のみに扱えると言う浄化の腕輪を、今のマドカは扱えない。
一生異世界パルルサ王国で住ごす事を決意したマドカだが、異世界パルルサ王国での仲間達によって、マドカはジュエガルドに帰還させられる。
上記の様な事を、コマチは説明させたくなかった。
異国の王女である、フィーナのいる所では。
「分かりました。
浄化の腕輪、このミクルーカが譲り受けます。」
ミクは腕輪を左腕にはめる。
宝玉は輝きを取り戻す。
「な、何これ。」
ミクの身体に、腕輪に秘められた魔素が流れ込む。
以前の持ち主、マドカの意志とともに。
ミクは理解する。
異世界パルルサ王国での、マドカの決意を。
そして今、ユウトを救うために、何をするべきなのかを。
「で、あとひとりは、どうするつもり?」
腕輪がミクを受け入れたのを見て、フィーナはアスカに問う。
腕輪の無いアスカは、四重封印に参加出来ない。
「ああ、それならこれから連れてくる。
ちょっと待ってろ。」
アスカは転移魔法を使い、どこぞかへと、飛び去った。
次回予告
はあーい、私、フィーナのママ様ですぅ。
やりましたわ。ついにこのコーナー、取り戻せましたわ。
ざまあみろ、小娘ども。
いえーい、見てるぅ?ユウト君。ってユウト君?
まあ、大変じゃない。
私が目を離してた隙に、こんな事になるなんて。
緑の国の王妃も、なんて事してくれてんのよ。
今度会ったら、文句言ってやるわ。
まあ、文句言いたいのは、緑の王妃だけじゃないけどね。
幼児退行してもフィーナちゃんを守るなんて、やっぱり素敵ね、ユウト君。
待ってて、ユウト君。
混色の四重封印で、元に戻してあげるからね。
ほんとは、私が駆けつければ、一発で元通りなんだけどね。
フィーナちゃん達の出番を奪っちゃ、かわいそうだし、それに鳳凰谷は緑の国のパワースポット。
ここはマドカリアスさんの顔を、立てなくちゃね。
次回、異世界を救ってくれと、妖精さんに頼まれました、ユウト君復活。
お楽しみに。
※今回四重封印させるつもりでしたが、出来ませんでした。
次回もどうなるか、分かりません。
この予告と異なる可能性もありますが、ご了承下さい。
マドカの機転で、一命をとりとめるユウト。
だけどマドカの態度が、フィーナの逆鱗に触れる。
「さあ、勝負よ、マドカさん。
早く妖精変化しなさいよ!」
先に妖精変化したフィーナは、マドカを急き立てる。
「ふ。」
対して、このひと言で済ませるマドカ。
「何よ、私なんて妖精変化しなくても充分だっての?
バカにするな、マドカリアス!」
「な」
姉を挑発されて、コマチもミクも、気分はよくない。
しかしフィーナの気持ちも分かるので、何も言えなかった。
「悪りーな、レスフィーナ。」
マドカは左手にはめた浄化の腕輪を見せる。
腕輪には、宝玉がはめられている。
マドカの宝玉は、輝きを失っていた。
「それが何だってのよ!」
輝きを失った宝玉。
それが何を意味するのか、分からないフィーナではなかった。
しかし、自分から振っておいて、それで済ますマドカが、許せなかった。
フィーナは人間体に戻る。
「これでいいでしょ、勝負よ、マドカさん!」
そう言うフィーナの身体は、心なしか震えている。
「フィーナちゃん、もうやめましょう。」
そんなフィーナを、コマチがとめる。
「でもコマチさん、ユウトがバカにされたのよ。
許せるわけないじゃん。」
フィーナの声に涙が混じる。
このままマドカに殴りかかりたい。
だけど体力差がそのまま反映される人間体では、勝ち目が無い事も、フィーナには分かっている。
「それよりも今は、ユウト君の事を心配しましょ。」
とコマチはフィーナをなだめる。
現状、どうすればいいのか、分かってるのはマドカだけだ。
「そうね、勝負はお預けね、マドカさん。
後でミクと一緒に、相手してあげるわ。」
とフィーナは矛先を収める。
「ミクと一緒に?」
マドカはその単語に引っかかる。
「あ、そう言えば。」
ミクは自分がフィーナに、決闘を申し込んだ事を思い出した。
「だってあれは、レスフィーナさんがユウト様を下僕扱いしてるから、」
と言いかけて、ミクは言葉をにごす。
ユウト様にそう言わせてるだけで、実際のふたりは、そんな関係には見えなかった。
ならばミクにとって、フィーナと決闘する意味はなかった。
ユウト様をフィーナから解放してあげる。
この目的が、ユウトの意にそぐわない事も、ミクは分かっていた。
「ははは、下僕のために、そんなに取り乱してるのか。」
とマドカはニヤける。
「何よ、悪い?」
フィーナはマドカをにらむ。
「フィーナちゃん。」
そんなフィーナを、コマチがたしなめる。
「今は、ユウト様の事を心配しましょう。
マドカお姉さま、どうすればいいのですか?」
ミクもフィーナをたしなめ、マドカに問う。
「ここは、混色の四重封印〔フェアリーカルテット)しかないな。」
「混色の四重封印?」
フィーナとコマチとミクは、同時に声を上げる。
混色の四重封印とは、色の違う四人で封印の儀式を行う事。
混色する色の比率は、合わせる必要がある。
「ちょっと待ってください。
今封印の儀式に参加出来るのは、フィーナちゃんだけですよ。」
早速コマチが異を唱える。
「いや、あとふたりいるだろ。」
マドカは自分の浄化の腕輪の宝玉から、緑色に光る小さな玉を取り出す。
これは、マドカが異世界パルルサ王国から持ち帰った、魔石の一部。
その玉はコマチの浄化の腕輪の宝玉に吸い込まれる。
これでコマチは、妖精変化出来るくらいには、回復する。
「あとひとりは、」
と言いながらマドカは、浄化の腕輪をはずす。
そしてその腕輪を、ミクに投げ渡す。
受け取ったミクは、姉の行為の意味が分からない。
「その腕輪は、今日からおまえの物だ。」
とマドカに言われても、ミクには意味が分からない。
この腕輪は、マドカお姉さまの物だ。
マドカお姉さまが何と言おうと、その事実は変わらない。はず。
「ミク、受け取りなさい。」
コマチも、今まで見せた事のない真剣な表情で、ミクをうながす。
マドカは異世界パルルサ王国での戦闘で、腕輪の全能力を解放した。
それは故郷ジュエガルドに帰る事を放棄する事で、発動する。
そしてそれは、ジュエガルド緑の国の王位継承権を放棄する事も、意味する。
王女のみに扱えると言う浄化の腕輪を、今のマドカは扱えない。
一生異世界パルルサ王国で住ごす事を決意したマドカだが、異世界パルルサ王国での仲間達によって、マドカはジュエガルドに帰還させられる。
上記の様な事を、コマチは説明させたくなかった。
異国の王女である、フィーナのいる所では。
「分かりました。
浄化の腕輪、このミクルーカが譲り受けます。」
ミクは腕輪を左腕にはめる。
宝玉は輝きを取り戻す。
「な、何これ。」
ミクの身体に、腕輪に秘められた魔素が流れ込む。
以前の持ち主、マドカの意志とともに。
ミクは理解する。
異世界パルルサ王国での、マドカの決意を。
そして今、ユウトを救うために、何をするべきなのかを。
「で、あとひとりは、どうするつもり?」
腕輪がミクを受け入れたのを見て、フィーナはアスカに問う。
腕輪の無いアスカは、四重封印に参加出来ない。
「ああ、それならこれから連れてくる。
ちょっと待ってろ。」
アスカは転移魔法を使い、どこぞかへと、飛び去った。
次回予告
はあーい、私、フィーナのママ様ですぅ。
やりましたわ。ついにこのコーナー、取り戻せましたわ。
ざまあみろ、小娘ども。
いえーい、見てるぅ?ユウト君。ってユウト君?
まあ、大変じゃない。
私が目を離してた隙に、こんな事になるなんて。
緑の国の王妃も、なんて事してくれてんのよ。
今度会ったら、文句言ってやるわ。
まあ、文句言いたいのは、緑の王妃だけじゃないけどね。
幼児退行してもフィーナちゃんを守るなんて、やっぱり素敵ね、ユウト君。
待ってて、ユウト君。
混色の四重封印で、元に戻してあげるからね。
ほんとは、私が駆けつければ、一発で元通りなんだけどね。
フィーナちゃん達の出番を奪っちゃ、かわいそうだし、それに鳳凰谷は緑の国のパワースポット。
ここはマドカリアスさんの顔を、立てなくちゃね。
次回、異世界を救ってくれと、妖精さんに頼まれました、ユウト君復活。
お楽しみに。
※今回四重封印させるつもりでしたが、出来ませんでした。
次回もどうなるか、分かりません。
この予告と異なる可能性もありますが、ご了承下さい。
0
あなたにおすすめの小説
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』
チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。
気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。
「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」
「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」
最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク!
本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった!
「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」
そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく!
神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ!
◆ガチャ転生×最強×スローライフ!
無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
唯一無二のマスタースキルで攻略する異世界譚~17歳に若返った俺が辿るもう一つの人生~
専攻有理
ファンタジー
31歳の事務員、椿井翼はある日信号無視の車に轢かれ、目が覚めると17歳の頃の肉体に戻った状態で異世界にいた。
ただ、導いてくれる女神などは現れず、なぜ自分が異世界にいるのかその理由もわからぬまま椿井はツヴァイという名前で異世界で出会った少女達と共にモンスター退治を始めることになった。
真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます
難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』"
ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。
社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー……
……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!?
ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。
「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」
「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族!
「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」
かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、
竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。
「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」
人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、
やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。
——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、
「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。
世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、
最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕!
※小説家になろう様にも掲載しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる