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異次元からの侵略者
第97話 掘り起こされた記憶
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これは西暦9980年のはるか未来のお話。
活動の場を宇宙へと広げた人類だが、人類の歴史から争いが消える事はなかった。
脱出用ポッドという、死なない仕組みを作ってまで、争いを続けた。
しかもこの脱出用ポッドの使用は、魂の波長のあった者にしか出来なかった。
その魂の波長のあう人物の魂を、過去の時代から召喚する。
そこまでして争いたいのかと、天が激怒した時、異次元からの侵略者が現れる。
この侵略者には、脱出用ポッドもあまり効果がなかった。
脱出用ポッドは、瞬時の破壊には対応しきれない。
脱出用ポッドは、転送する超空間に細工をされたら、何も対応出来ない。
この脱出用ポッドの欠点は、あえて無視されてきた。
だが、異次元からの侵略者は、その欠点をお構い無しに突いてきた。
久しく忘れていた死への恐怖が、人類を襲う。
「はあ、はあ。」
偽物との戦いに、ユアもメドーラも息をきらす。
吹っ飛んだ偽物のふたりが立ち上がる。
立体映像である偽物のユアとメドーラは、疲れる事もない。
「まったく、厄介な相手ですわね!」
ピッツォーン!
メドーラはソウルブレイドの剣を光線銃に変えると、そのまま光線銃を撃つ。
だが光線銃の光弾は、偽物のユアがソウルブレイドの剣で受け止める。
「な?」
ピッツォーン!
メドーラは再び光線銃を撃つ。
光線銃を撃つと、光線銃を持つ腕が勢いで、垂直に跳ね上がるので連射は出来ない。
メドーラの二発目の発砲と同時に、偽物のメドーラがダッシュ。
狙いは本物のメドーラだが、ユアがその直線上に入って、偽物のメドーラを迎え撃つ。
偽物のユアは光線銃の光弾をかわして、ゆっくりと歩み寄る。
偽物のメドーラとの、時間差攻撃だ。
低い姿勢でダッシュする偽物のメドーラは、ユアと交差する瞬間、ソウルブレイドの剣をすくい上げるように振り上げる。
ユアはその剣をたたき落とすように斬りつける。
偽物のメドーラはそのちからに何の抵抗もせず、逆にそのちからを利用して前転してユアの横をすり抜ける。
その際、ソウルブレイドの剣を手放してしまう。
偽物のメドーラはそのまま本物のメドーラに迫るのだが、この動きにユアは戸惑う。
そこへ、偽物のユアの攻撃!
偽物のユアは高くジャンプしていて、その勢いでソウルブレイドの剣を振り下ろす!
ユアはかわす暇もなく、ソウルブレイドの剣で受け止めるのだが、勢いに負けて、片膝をつく。
着地した偽物のユアは、本物のユアを蹴り飛ばす。
後方へ吹き飛ぶユアは、着地と同時に駆け出して、偽物のユアに斬りつける!
偽物のユアは僅かに身を逸らしてかわすと、ソウルブレイドを横一閃!
「ぐは。」
ユアはもう一本のソウルブレイドのクダを左手に逆手で持って、偽物の一撃を受ける。
が、その強烈な一撃に、たたらを踏む。
メドーラに迫る偽物のメドーラは、迫る勢いのまま、右のハイキックをかます!
メドーラが紙一重でかわすと、偽物のメドーラは振り上げた右足の膝を曲げ、踵落としの要領で狩りにくる!
メドーラはその攻撃もかわす。
偽物のメドーラは右膝を上げて状態から、左脚で地面を蹴り、空中の右膝を中心に身体を水平にすると、そのまま左脚を横一閃!
メドーラはとっさにしゃがんでその蹴りをかわす。
そして立ち上がると同時に、偽物のメドーラの顔面に右のハイキックをかます!
空中で身動きの取れない偽物のメドーラは、両手でガードしたまま、吹き飛ばされる。
メドーラは、偽物のメドーラの動きに心当たりがあった。
「なんであなたが、その攻撃を知ってるのよ。」
それはメドーラがゴンゴル三姉妹のメドーだった頃よりも、昔の話し。
「マイお姉さまも、知らないはず。」
それはメドーとして召喚される前の話し。
メドーラがスラムの貧民街で生きていた頃の話し。
幼い幼女だったメドーラは、その貧民街で生き抜くための殺法を身につけていた。
幼女の身体の柔らかさとしなやかさを最大限にいかし、縮めたバネに力を溜めて、それを一気に解き放つように蹴りを撃つ。
この体術で、メドーラは無敵だった。
ただ、ステーノだけにはかなわなかった。
ステーノはメドーラの工夫を、力でねじ伏せた。
ゴンゴル三姉妹は、召喚される前も三姉妹だった。
「やめてよ、こんなの、思い出したくもない。」
メドーラはよみがえる記憶に、震えだす。
「メドーラ、落ち着いてください。」
メドーラのパートナーであるサポートAIのアイツウが呼びかけるが、メドーラは応えない。
「助けてよ、マイお姉さま。」
メドーラは両手で自分の肩をつかむ。
身体の震えを抑えようと、肩をつかむ両手に力がはいる。
「メドーラ、落ち着きなさい!」
「うるさいわよ!」
アイツウの呼びかけに、メドーラは叫び返す。
そんなメドーラの異変を見て、偽物のユアは、鍔迫り合いをしていたユアを力任せに払いのけると、メドーラに迫る。
そのままメドーラに剣を振り下ろす!
メドーラは上半身をのけぞらすと、その反動で右脚を振り上げる。
メドーラの蹴りは、偽物のユアの剣を持つ右手を弾き上げる。
メドーラはそのまま後方宙返りをすると、着地と同時に右脚の前蹴りをぶち込む。
偽物のユアは後方へ吹っ飛ぶ。
間髪入れず、偽物のメドーラが迫る。
メドーラは右脚の回し蹴りを叩き込むと、右脚は蹴りを入れた状態のまま、左脚のハイキックをかます!
偽物のメドーラは横方向へと吹っ飛ぶ。
「メドーラ、その力に頼ってはいけません!」
「うるさいわよ!さっきから頭の中にごちゃごちゃと!」
アイツウの呼びかけに、メドーラははちまきを投げ捨てる!
「これでやっと静かになったわ。」
ニヤけるメドーラ。
普段のメドーラは、上品なお嬢さま風の雰囲気をかもしだしていた。
だが今のメドーラに、その様なものは感じない。
野蛮で危険な香りがぷんぷんとただよっている。
顔つきも凶暴になり、美しい黒髪も、風もないのにふわりとなびく。
「メドーラ、あなたは一体。」
これにはユアも、驚くだけだった。
活動の場を宇宙へと広げた人類だが、人類の歴史から争いが消える事はなかった。
脱出用ポッドという、死なない仕組みを作ってまで、争いを続けた。
しかもこの脱出用ポッドの使用は、魂の波長のあった者にしか出来なかった。
その魂の波長のあう人物の魂を、過去の時代から召喚する。
そこまでして争いたいのかと、天が激怒した時、異次元からの侵略者が現れる。
この侵略者には、脱出用ポッドもあまり効果がなかった。
脱出用ポッドは、瞬時の破壊には対応しきれない。
脱出用ポッドは、転送する超空間に細工をされたら、何も対応出来ない。
この脱出用ポッドの欠点は、あえて無視されてきた。
だが、異次元からの侵略者は、その欠点をお構い無しに突いてきた。
久しく忘れていた死への恐怖が、人類を襲う。
「はあ、はあ。」
偽物との戦いに、ユアもメドーラも息をきらす。
吹っ飛んだ偽物のふたりが立ち上がる。
立体映像である偽物のユアとメドーラは、疲れる事もない。
「まったく、厄介な相手ですわね!」
ピッツォーン!
メドーラはソウルブレイドの剣を光線銃に変えると、そのまま光線銃を撃つ。
だが光線銃の光弾は、偽物のユアがソウルブレイドの剣で受け止める。
「な?」
ピッツォーン!
メドーラは再び光線銃を撃つ。
光線銃を撃つと、光線銃を持つ腕が勢いで、垂直に跳ね上がるので連射は出来ない。
メドーラの二発目の発砲と同時に、偽物のメドーラがダッシュ。
狙いは本物のメドーラだが、ユアがその直線上に入って、偽物のメドーラを迎え撃つ。
偽物のユアは光線銃の光弾をかわして、ゆっくりと歩み寄る。
偽物のメドーラとの、時間差攻撃だ。
低い姿勢でダッシュする偽物のメドーラは、ユアと交差する瞬間、ソウルブレイドの剣をすくい上げるように振り上げる。
ユアはその剣をたたき落とすように斬りつける。
偽物のメドーラはそのちからに何の抵抗もせず、逆にそのちからを利用して前転してユアの横をすり抜ける。
その際、ソウルブレイドの剣を手放してしまう。
偽物のメドーラはそのまま本物のメドーラに迫るのだが、この動きにユアは戸惑う。
そこへ、偽物のユアの攻撃!
偽物のユアは高くジャンプしていて、その勢いでソウルブレイドの剣を振り下ろす!
ユアはかわす暇もなく、ソウルブレイドの剣で受け止めるのだが、勢いに負けて、片膝をつく。
着地した偽物のユアは、本物のユアを蹴り飛ばす。
後方へ吹き飛ぶユアは、着地と同時に駆け出して、偽物のユアに斬りつける!
偽物のユアは僅かに身を逸らしてかわすと、ソウルブレイドを横一閃!
「ぐは。」
ユアはもう一本のソウルブレイドのクダを左手に逆手で持って、偽物の一撃を受ける。
が、その強烈な一撃に、たたらを踏む。
メドーラに迫る偽物のメドーラは、迫る勢いのまま、右のハイキックをかます!
メドーラが紙一重でかわすと、偽物のメドーラは振り上げた右足の膝を曲げ、踵落としの要領で狩りにくる!
メドーラはその攻撃もかわす。
偽物のメドーラは右膝を上げて状態から、左脚で地面を蹴り、空中の右膝を中心に身体を水平にすると、そのまま左脚を横一閃!
メドーラはとっさにしゃがんでその蹴りをかわす。
そして立ち上がると同時に、偽物のメドーラの顔面に右のハイキックをかます!
空中で身動きの取れない偽物のメドーラは、両手でガードしたまま、吹き飛ばされる。
メドーラは、偽物のメドーラの動きに心当たりがあった。
「なんであなたが、その攻撃を知ってるのよ。」
それはメドーラがゴンゴル三姉妹のメドーだった頃よりも、昔の話し。
「マイお姉さまも、知らないはず。」
それはメドーとして召喚される前の話し。
メドーラがスラムの貧民街で生きていた頃の話し。
幼い幼女だったメドーラは、その貧民街で生き抜くための殺法を身につけていた。
幼女の身体の柔らかさとしなやかさを最大限にいかし、縮めたバネに力を溜めて、それを一気に解き放つように蹴りを撃つ。
この体術で、メドーラは無敵だった。
ただ、ステーノだけにはかなわなかった。
ステーノはメドーラの工夫を、力でねじ伏せた。
ゴンゴル三姉妹は、召喚される前も三姉妹だった。
「やめてよ、こんなの、思い出したくもない。」
メドーラはよみがえる記憶に、震えだす。
「メドーラ、落ち着いてください。」
メドーラのパートナーであるサポートAIのアイツウが呼びかけるが、メドーラは応えない。
「助けてよ、マイお姉さま。」
メドーラは両手で自分の肩をつかむ。
身体の震えを抑えようと、肩をつかむ両手に力がはいる。
「メドーラ、落ち着きなさい!」
「うるさいわよ!」
アイツウの呼びかけに、メドーラは叫び返す。
そんなメドーラの異変を見て、偽物のユアは、鍔迫り合いをしていたユアを力任せに払いのけると、メドーラに迫る。
そのままメドーラに剣を振り下ろす!
メドーラは上半身をのけぞらすと、その反動で右脚を振り上げる。
メドーラの蹴りは、偽物のユアの剣を持つ右手を弾き上げる。
メドーラはそのまま後方宙返りをすると、着地と同時に右脚の前蹴りをぶち込む。
偽物のユアは後方へ吹っ飛ぶ。
間髪入れず、偽物のメドーラが迫る。
メドーラは右脚の回し蹴りを叩き込むと、右脚は蹴りを入れた状態のまま、左脚のハイキックをかます!
偽物のメドーラは横方向へと吹っ飛ぶ。
「メドーラ、その力に頼ってはいけません!」
「うるさいわよ!さっきから頭の中にごちゃごちゃと!」
アイツウの呼びかけに、メドーラははちまきを投げ捨てる!
「これでやっと静かになったわ。」
ニヤけるメドーラ。
普段のメドーラは、上品なお嬢さま風の雰囲気をかもしだしていた。
だが今のメドーラに、その様なものは感じない。
野蛮で危険な香りがぷんぷんとただよっている。
顔つきも凶暴になり、美しい黒髪も、風もないのにふわりとなびく。
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