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地球へ
第184話 やっぱ固執しすぎるのはよくない
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これは西暦9980年のはるか未来のお話し。
この時代、人類は過去の時代から魂を召喚し、その召喚した魂をアバター体に入れて戦争させていた。
そんなアバター体に、異変をきたした召喚者が現れてしまった。
この事は、召喚者が知ってはならない事であり、召喚者をサポートするサポートAIも、知ってはならない事だった。
その事実にたどり着いたアイツウは、大量にエネルギーを消費してしまう。
これは、履歴が残らないように調べてたため、その分負担がかかった。
そして調べてた事実を隠滅するためにも、多くのエネルギーを消費する。
一度エネルギーの切れたサポートAIの再起動は出来ない。
これは死んだ人間が生き返らないのと、同じ理屈だ。
アイツウは今、生体維持モードへと移行する。
「アイツウ、メロンパン無かったから、他のを買ってきたよ!」
購買から帰って来たマイは、そのままの勢いで部屋に飛び込んだ。
アイツウからの返事はない。
アイツウは動きを止めている。
目を閉じて、軽く口を開けている。
口のそばに持ってきた両手は、何かを掴むような形をしている。
「とりあえず色々買ってきたけれど、まずはカレーパンでいいかな?」
マイはアイツウの両手に、カレーパンをセットする。
アイツウは反応して、両手に持ったカレーパンを口もとに運ぶ。
アイツウは軽く数回咀嚼すると、その後狂った様にカレーパンをむさぼる。
カレーパンを食べ終えたアイツウは、最初の形態に戻る。
両手を口のそばに持っていってる形態だ。
しかしアイツウの顔色は良くなっている。
これは、パンだったら、何でも良かったのだろうか。
メロンパンだったら完全回復したのだろうか。
とりあえずマイは、コロッケパンをセットしてみる。
コロッケパンを食べ終えると、アイツウの顔色はさらに良くなった。
マイはアンパン、焼きそばパン、クリームパン、チョココロネと食べさせた。
チョココロネを食べ終わった後、アイツウは元に戻った。
「マイは、おつかいもちゃんと出来ないのね。」
復活したアイツウは、怒ってた。
「だって、メロンパン無かったんだから、仕方ないじゃん。」
とマイも反論するが、アイツウはいきなりマイの額に左手をかざす。
マイの脳裏に、購買の様子が浮かぶ。
マイが買い漁った後の、マイには見覚えのある陳列棚だった。
その陳列棚の奥を覗き込む様に、視線が動く。
陳列棚のちょっと奥に、メロンパンはあった。
「ほら、ここにちゃんとあるでしょ!」
「ご、ごめん。急いでたから、気づかなかった。」
そこは、ちょっとした盲点になっていた。
「メロンパン無かったとしても、干し葡萄入りメロンパンでも良かったじゃん。」
アイツウは少し怒りすぎた事を反省し、優しい口調に戻る。
「あ、それ僕が嫌いだから。」
と、別のメロンパンを買わなかった理由を述べる。
「ああ、なら仕方ないか。」
とアイツウは、理解を示した。
「それじゃあマイ、デュエルしよっか。」
とアイツウはマイにデュエルを挑む。
折角デュエル用ヘルメットも作った事だし、これを使ってみたい。
との思いもあるが、アイツウの本当の狙いは、別にあった。
マイに、リムの事に触れてほしくなかったのだ。
そしてアイについても、触れてほしくない。
アイはメディカルルームに居る事を、マイも知っている。
そして、その距離で通信が出来なかった事を、マイも疑問に思ってるだろう。
マイが購買にメロンパンを買いに行く時、ついでにメディカルルームに寄る可能性もあった。
しかしアイツウは、自ら生体維持モードに移行する事で、マイを急がせた。
これならマイは、アイツウの事を優先すると、アイツウはマイの性格をよんでいた。
「デュエルもいいけど、今はそんな気分じゃないや。」
と言ってマイはヘルメットを抱えたまま、しゃがみこむ。
「ねえ、それよりもメドーラの事を教えてよ。」
とマイはアイツウに尋ねる。
「メドーラの事ですか。」
アイツウは、メドーラのパートナーであるサポートAIだ。
そして今メドーラは、ここにはいない。
ゴンゴル三姉妹の長女ステーノが消息を絶ったという、グリムア共和国へと向かった。
ステーノを探し、過去の自分との決着をつけるために。
そんなメドーラの今の扱いは、長期極秘任務扱いになっている。
「そうですね、まずは何から話しましょうか。」
アイツウもマイの前に、座り込む。
するとふたりの間に、コタツが現れる。
マイとアイツウはおこたに入って、談笑する形になった。
おこたの上には、何故かみかんとお茶が用意されていた。
部屋のインテリアについては、その部屋の住人の想像力でどうにでもなった。
そしてそれは、この作品の初期でも触れたが、召喚者の働きに応じた報酬の様な物だった。
中には申請を必要とするものもあったが、召喚者が召喚前に触れていた物なら、自由に出現させる事が出来た。
マイもいつしか、室内にライディングデュエルセットを置けるくらい、報酬ポイントを貯めていた。
ここ数話、アイツウとナコが使ってた物は、マイの報酬ポイントによるものだった。
アイツウがコンピュータルームと化してたのも、マイの報酬ポイントだった。
しかしマイは、その事に気がついてはいない。
パートナーのアイも、その辺は無頓着だった。
北部戦線での戦闘を終わらせたマイには、莫大な報酬ポイントが入っていた。
そしてメドーラが長期不在を許されるのも、そのおかげだった。
アイツウは、グリムア共和国に向かったメドーラの話しを始めた。
この時代、人類は過去の時代から魂を召喚し、その召喚した魂をアバター体に入れて戦争させていた。
そんなアバター体に、異変をきたした召喚者が現れてしまった。
この事は、召喚者が知ってはならない事であり、召喚者をサポートするサポートAIも、知ってはならない事だった。
その事実にたどり着いたアイツウは、大量にエネルギーを消費してしまう。
これは、履歴が残らないように調べてたため、その分負担がかかった。
そして調べてた事実を隠滅するためにも、多くのエネルギーを消費する。
一度エネルギーの切れたサポートAIの再起動は出来ない。
これは死んだ人間が生き返らないのと、同じ理屈だ。
アイツウは今、生体維持モードへと移行する。
「アイツウ、メロンパン無かったから、他のを買ってきたよ!」
購買から帰って来たマイは、そのままの勢いで部屋に飛び込んだ。
アイツウからの返事はない。
アイツウは動きを止めている。
目を閉じて、軽く口を開けている。
口のそばに持ってきた両手は、何かを掴むような形をしている。
「とりあえず色々買ってきたけれど、まずはカレーパンでいいかな?」
マイはアイツウの両手に、カレーパンをセットする。
アイツウは反応して、両手に持ったカレーパンを口もとに運ぶ。
アイツウは軽く数回咀嚼すると、その後狂った様にカレーパンをむさぼる。
カレーパンを食べ終えたアイツウは、最初の形態に戻る。
両手を口のそばに持っていってる形態だ。
しかしアイツウの顔色は良くなっている。
これは、パンだったら、何でも良かったのだろうか。
メロンパンだったら完全回復したのだろうか。
とりあえずマイは、コロッケパンをセットしてみる。
コロッケパンを食べ終えると、アイツウの顔色はさらに良くなった。
マイはアンパン、焼きそばパン、クリームパン、チョココロネと食べさせた。
チョココロネを食べ終わった後、アイツウは元に戻った。
「マイは、おつかいもちゃんと出来ないのね。」
復活したアイツウは、怒ってた。
「だって、メロンパン無かったんだから、仕方ないじゃん。」
とマイも反論するが、アイツウはいきなりマイの額に左手をかざす。
マイの脳裏に、購買の様子が浮かぶ。
マイが買い漁った後の、マイには見覚えのある陳列棚だった。
その陳列棚の奥を覗き込む様に、視線が動く。
陳列棚のちょっと奥に、メロンパンはあった。
「ほら、ここにちゃんとあるでしょ!」
「ご、ごめん。急いでたから、気づかなかった。」
そこは、ちょっとした盲点になっていた。
「メロンパン無かったとしても、干し葡萄入りメロンパンでも良かったじゃん。」
アイツウは少し怒りすぎた事を反省し、優しい口調に戻る。
「あ、それ僕が嫌いだから。」
と、別のメロンパンを買わなかった理由を述べる。
「ああ、なら仕方ないか。」
とアイツウは、理解を示した。
「それじゃあマイ、デュエルしよっか。」
とアイツウはマイにデュエルを挑む。
折角デュエル用ヘルメットも作った事だし、これを使ってみたい。
との思いもあるが、アイツウの本当の狙いは、別にあった。
マイに、リムの事に触れてほしくなかったのだ。
そしてアイについても、触れてほしくない。
アイはメディカルルームに居る事を、マイも知っている。
そして、その距離で通信が出来なかった事を、マイも疑問に思ってるだろう。
マイが購買にメロンパンを買いに行く時、ついでにメディカルルームに寄る可能性もあった。
しかしアイツウは、自ら生体維持モードに移行する事で、マイを急がせた。
これならマイは、アイツウの事を優先すると、アイツウはマイの性格をよんでいた。
「デュエルもいいけど、今はそんな気分じゃないや。」
と言ってマイはヘルメットを抱えたまま、しゃがみこむ。
「ねえ、それよりもメドーラの事を教えてよ。」
とマイはアイツウに尋ねる。
「メドーラの事ですか。」
アイツウは、メドーラのパートナーであるサポートAIだ。
そして今メドーラは、ここにはいない。
ゴンゴル三姉妹の長女ステーノが消息を絶ったという、グリムア共和国へと向かった。
ステーノを探し、過去の自分との決着をつけるために。
そんなメドーラの今の扱いは、長期極秘任務扱いになっている。
「そうですね、まずは何から話しましょうか。」
アイツウもマイの前に、座り込む。
するとふたりの間に、コタツが現れる。
マイとアイツウはおこたに入って、談笑する形になった。
おこたの上には、何故かみかんとお茶が用意されていた。
部屋のインテリアについては、その部屋の住人の想像力でどうにでもなった。
そしてそれは、この作品の初期でも触れたが、召喚者の働きに応じた報酬の様な物だった。
中には申請を必要とするものもあったが、召喚者が召喚前に触れていた物なら、自由に出現させる事が出来た。
マイもいつしか、室内にライディングデュエルセットを置けるくらい、報酬ポイントを貯めていた。
ここ数話、アイツウとナコが使ってた物は、マイの報酬ポイントによるものだった。
アイツウがコンピュータルームと化してたのも、マイの報酬ポイントだった。
しかしマイは、その事に気がついてはいない。
パートナーのアイも、その辺は無頓着だった。
北部戦線での戦闘を終わらせたマイには、莫大な報酬ポイントが入っていた。
そしてメドーラが長期不在を許されるのも、そのおかげだった。
アイツウは、グリムア共和国に向かったメドーラの話しを始めた。
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