13 / 30
2.野崎 颯 居酒屋ランチタイム
2.野崎 颯 居酒屋ランチタイム⑤
しおりを挟む
大きな木の幹みたいな太い柱っぽい場所に近づいてみた。
近くに行くと中まで見えるようになってたけど見る角度によっては木の幹にしか見えない。
「お母さん、ここ何?」
「ん~…何かなぁ?」
お母さんはその柱の周りに沿って歩いて行く。
ボク達も一緒に歩いていたら入口っぽい所を見つけた。
高い所に何か書いてある。なんだろ?
「あ、『喫煙所』って書いてあるわ」
お母さんが読んでくれた。
「『キツエンジョ』って何?」
優香が聞く。
「タバコを吸う場所よ」
ふ~ん……。
中を覗いてみたけど誰もいなかった。
「電車の中とか駅の中とかタバコ吸っちゃダメだからね。吸いたい人はここで吸うのよ」
「でも誰もいないよ」
「外で寒いからかな?」
なんて話していたら男の人がスーっとやって来て中に入っていった。
「吸う人いるんだねぇ…」
美味しいのかな?
ボクにはわかんない。
「さぁ今度こそ外へ出ましょ。ランドセル買うんでしょ」
お母さんが急かす。
ちょっと名残り惜しい気がしたけどボク達は出口へ向かった。
「あっ!」
「どうしたの?」
「お土産屋さんだ!」
出口の側にはお土産屋さんまで有った。
電車のキーホルダーとかミニタオルとかいろいろ売ってる。
「お母さん、お土産欲しい!」
「はぁ? お土産って…。ここ、観光地じゃないのに…」
「でも海も山もあるじゃん! お土産欲しい!」
お願い! お母さん!
おねだりポーズでうるうるお目々で訴える。
優香と二人で訴える!
お母さんは深々とため息をついて
「しょうがないわねぇ…。高いのはダメよ」
と、言った。
やったぜ!
その売店には漬物だの箱に入ったお菓子だのも売っていた。
でもボクには関係ないもんねー。
やっぱりランドセルに付けられるキーホルダーっぽいのが欲しいな…。
じっくり選ばなきゃ!
キーホルダーもいろんなのが売ってる。
主に電車関係のキーホルダーで特急電車やら駅の看板やらが有った。
よくわかんない電車の部品(?)ぽいものやら和菓子っぽいものやらが組み合わさっていたりしてるものもある。
う~ん……
どれにしよう……
「お母さん、私コレにする!」
優香はもう決めたみたいだ。
チラッと見てみたら電車と何かのキャラクターの絵が描いてあるミニタオルだった。
ふ~ん……
ボクは違うのにしよ。
ボクは悩みに悩んで電車と駅名が組み合わさっているキーホルダーにした。
駅名は【アンドロメダ】って書いてある。
カタカナだけだったからボクにも読めた。
なんとなくカッコイイ駅名だなって思ったんだ!
「お母さん! これにする!」
値段を見たお母さんが変な顔をした。
「はぁ…高いわねぇ……」
ダ…ダメかな……
ドキドキ……ドキドキ……
ため息吐きつつだったけどお母さんは買ってくれた。
やった!
このキーホルダーが着けられるランドセル選ばなきゃ!
すぐ側で優香も買ったばかりのミニタオルをニコニコしながら見ていた。
「さぁ! 今度こそランドセル買いに行くわよ!」
お母さんがズンズンと改札口へ歩いていく。
店の外に出ると冷たい風が吹いてきた。
もうすぐクリスマスだ!
サンタさんから何もらえるかな?
でも! 今日はランドセルだ!
ボクはウキウキしながら優香と手を繋いで歩く。
コートのポケットの中にはさっき買ったキーホルダーが入ってる。
「さっきのお店、面白かったね」
優香がニコニコしながら言った。
「うん! 面白かった! お母さんまた食べに行こう! 今度はお父さんも一緒に!」
そうボクが言うと先に歩いていたお母さんは振り向きながら
「そうね…でも、いろいろ高かったのよ。あのお店……」
アレ…? お母さんの顔がいつもより困った顔になっている?
そんなに高いお店なのかな?
ボクはちょっと悲しくなった。
そんなボクの顔を見たお母さんは
「でも気分だけは旅行に行ったみたいだったから楽しかったね。また行けたら行きましょう」
と、言い直してくれた。
「うん!」
ボクは嬉しくて優香と繋いだ手をブンブン揺らす。
デパートはもうすぐだ!
追記
ボクは真っ黒なカッコいいランドセルを買ってもらってさっそくキーホルダーを着けた。
あぁ…早く4月にならないかなあ……。
春になったら一年生!
4月になったら一年生!
楽しみ!
楽しみ!
2.野崎 颯 居酒屋ランチタイム 了
近くに行くと中まで見えるようになってたけど見る角度によっては木の幹にしか見えない。
「お母さん、ここ何?」
「ん~…何かなぁ?」
お母さんはその柱の周りに沿って歩いて行く。
ボク達も一緒に歩いていたら入口っぽい所を見つけた。
高い所に何か書いてある。なんだろ?
「あ、『喫煙所』って書いてあるわ」
お母さんが読んでくれた。
「『キツエンジョ』って何?」
優香が聞く。
「タバコを吸う場所よ」
ふ~ん……。
中を覗いてみたけど誰もいなかった。
「電車の中とか駅の中とかタバコ吸っちゃダメだからね。吸いたい人はここで吸うのよ」
「でも誰もいないよ」
「外で寒いからかな?」
なんて話していたら男の人がスーっとやって来て中に入っていった。
「吸う人いるんだねぇ…」
美味しいのかな?
ボクにはわかんない。
「さぁ今度こそ外へ出ましょ。ランドセル買うんでしょ」
お母さんが急かす。
ちょっと名残り惜しい気がしたけどボク達は出口へ向かった。
「あっ!」
「どうしたの?」
「お土産屋さんだ!」
出口の側にはお土産屋さんまで有った。
電車のキーホルダーとかミニタオルとかいろいろ売ってる。
「お母さん、お土産欲しい!」
「はぁ? お土産って…。ここ、観光地じゃないのに…」
「でも海も山もあるじゃん! お土産欲しい!」
お願い! お母さん!
おねだりポーズでうるうるお目々で訴える。
優香と二人で訴える!
お母さんは深々とため息をついて
「しょうがないわねぇ…。高いのはダメよ」
と、言った。
やったぜ!
その売店には漬物だの箱に入ったお菓子だのも売っていた。
でもボクには関係ないもんねー。
やっぱりランドセルに付けられるキーホルダーっぽいのが欲しいな…。
じっくり選ばなきゃ!
キーホルダーもいろんなのが売ってる。
主に電車関係のキーホルダーで特急電車やら駅の看板やらが有った。
よくわかんない電車の部品(?)ぽいものやら和菓子っぽいものやらが組み合わさっていたりしてるものもある。
う~ん……
どれにしよう……
「お母さん、私コレにする!」
優香はもう決めたみたいだ。
チラッと見てみたら電車と何かのキャラクターの絵が描いてあるミニタオルだった。
ふ~ん……
ボクは違うのにしよ。
ボクは悩みに悩んで電車と駅名が組み合わさっているキーホルダーにした。
駅名は【アンドロメダ】って書いてある。
カタカナだけだったからボクにも読めた。
なんとなくカッコイイ駅名だなって思ったんだ!
「お母さん! これにする!」
値段を見たお母さんが変な顔をした。
「はぁ…高いわねぇ……」
ダ…ダメかな……
ドキドキ……ドキドキ……
ため息吐きつつだったけどお母さんは買ってくれた。
やった!
このキーホルダーが着けられるランドセル選ばなきゃ!
すぐ側で優香も買ったばかりのミニタオルをニコニコしながら見ていた。
「さぁ! 今度こそランドセル買いに行くわよ!」
お母さんがズンズンと改札口へ歩いていく。
店の外に出ると冷たい風が吹いてきた。
もうすぐクリスマスだ!
サンタさんから何もらえるかな?
でも! 今日はランドセルだ!
ボクはウキウキしながら優香と手を繋いで歩く。
コートのポケットの中にはさっき買ったキーホルダーが入ってる。
「さっきのお店、面白かったね」
優香がニコニコしながら言った。
「うん! 面白かった! お母さんまた食べに行こう! 今度はお父さんも一緒に!」
そうボクが言うと先に歩いていたお母さんは振り向きながら
「そうね…でも、いろいろ高かったのよ。あのお店……」
アレ…? お母さんの顔がいつもより困った顔になっている?
そんなに高いお店なのかな?
ボクはちょっと悲しくなった。
そんなボクの顔を見たお母さんは
「でも気分だけは旅行に行ったみたいだったから楽しかったね。また行けたら行きましょう」
と、言い直してくれた。
「うん!」
ボクは嬉しくて優香と繋いだ手をブンブン揺らす。
デパートはもうすぐだ!
追記
ボクは真っ黒なカッコいいランドセルを買ってもらってさっそくキーホルダーを着けた。
あぁ…早く4月にならないかなあ……。
春になったら一年生!
4月になったら一年生!
楽しみ!
楽しみ!
2.野崎 颯 居酒屋ランチタイム 了
0
あなたにおすすめの小説
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
壊れていく音を聞きながら
夢窓(ゆめまど)
恋愛
結婚してまだ一か月。
妻の留守中、夫婦の家に突然やってきた母と姉と姪
何気ない日常のひと幕が、
思いもよらない“ひび”を生んでいく。
母と嫁、そしてその狭間で揺れる息子。
誰も気づきがないまま、
家族のかたちが静かに崩れていく――。
壊れていく音を聞きながら、
それでも誰かを思うことはできるのか。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
フッてくれてありがとう
nanahi
恋愛
「子どもができたんだ」
ある冬の25日、突然、彼が私に告げた。
「誰の」
私の短い問いにあなたは、しばらく無言だった。
でも私は知っている。
大学生時代の元カノだ。
「じゃあ。元気で」
彼からは謝罪の一言さえなかった。
下を向き、私はひたすら涙を流した。
それから二年後、私は偶然、元彼と再会する。
過去とは全く変わった私と出会って、元彼はふたたび──
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
私のドレスを奪った異母妹に、もう大事なものは奪わせない
文野多咲
恋愛
優月(ゆづき)が自宅屋敷に帰ると、異母妹が優月のウェディングドレスを試着していた。その日縫い上がったばかりで、優月もまだ袖を通していなかった。
使用人たちが「まるで、異母妹のためにあつらえたドレスのよう」と褒め称えており、優月の婚約者まで「異母妹の方が似合う」と褒めている。
優月が異母妹に「どうして勝手に着たの?」と訊けば「ちょっと着てみただけよ」と言う。
婚約者は「異母妹なんだから、ちょっとくらいいじゃないか」と言う。
「ちょっとじゃないわ。私はドレスを盗られたも同じよ!」と言えば、父の後妻は「悪気があったわけじゃないのに、心が狭い」と優月の頬をぶった。
優月は父親に婚約解消を願い出た。婚約者は父親が決めた相手で、優月にはもう彼を信頼できない。
父親に事情を説明すると、「大げさだなあ」と取り合わず、「優月は異母妹に嫉妬しているだけだ、婚約者には異母妹を褒めないように言っておく」と言われる。
嫉妬じゃないのに、どうしてわかってくれないの?
優月は父親をも信頼できなくなる。
婚約者は優月を手に入れるために、優月を襲おうとした。絶体絶命の優月の前に現れたのは、叔父だった。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる