ラーメンが出来上がる前に

村田ユキ

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ホック

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この一ヶ月、俺は悩んでいた。
とんでもない秘密を知ってしまったのではないか…
決して触れてはならない。そう、パンドラの箱に。

「おーい、白鳥(しらとり)」
「な、なんです……剛力(ごうりき)部長…」
悩みの種がやって来た。

「いや、ここの所、元気がなさそうなお前が少し心配でな。今夜やらないか」
「やりませんよ!」
俺はやや語気を強めた。

「まあいい、他に先約があるかもしれんしな、ハッハッハ」
部長の豪快な笑い声を尻目に、俺は目を伏せる。

「そういえば、儂、一カ月くらい前にな」
一カ月という言葉に、体がビクッと反応する。

「いやー、肋骨にヒビが入ってしまってな」
俺は顔を上げて部長を見る。

「何、サポーターを付けているんだが、動きにくくてかなわん」

心のモヤが晴れるようだった。
「よかったー」
俺は、忍び寄る恐怖からやっと解放された。
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