ゲート・キーパー〜秘密の実験場で俺は亜人達の教師になる事にした〜赴任先にいたのは美人教師と亜人の生徒達⁈俺はまったり学園生活を送ります

青樹春夜

文字の大きさ
8 / 13

第8話 飛ぶ机

しおりを挟む

「痛て……サクラさん、ちょっと激しくないですか?」

「何がだ!?」

「俺へのツッコミが」

 もう、ほんとコイツを窓から投げ飛ばしたい。

 旧校舎に向かいながら、サクラはそう思った。犬みたいに後をついてくる篠宮はけろっとして話しかけてくる。

「それにしても思ってた教室と違いましたねー」

「そうだな。一般的な学校の教室ではないだろうな」

 六ツ子の少女達は、広い教室に大きな白い机を持ち込んでいて、それぞれにデスクトップ型の端末が置いてあった。

 篠宮は大学の研究室を思い出す。修士課程や博士課程に在籍していた先輩達が、個人の研究机を持っていたのだ。

「今から向かう旧校舎は昔ながらの教室だぞ」

映像ヴィジョンとかで見るやつですよねぇ。机も木造だったりして」

 ははは、と笑った篠宮はサクラの冷ややかな目線に気づき、笑いを途切れさせた。

「え? ほんとに?」

「まあ、何というか……元々たくさん置いてあったからな。壊れても補充が効く。全て壊したら新しいやつが来るだろう」

 何百人も通えそうな校舎二つ分の机を全て壊すって、どういう事だ?

 なんだか嫌な予感——。

 と、思いながら渡り廊下を通って旧校舎へ行く。そこへ轟音と共に噂の学校用机が来た。

 篠宮の顔ををかすめながら、机は飛んで行き、背後の新校舎の壁に激突した。

 血の気の引いた顔で篠宮が振り向くと、机は粉々になり、鉄製のパイプ部分がひしゃげて地面に転がっていた。

「ひ……」

 サクラはと見ると、何事もなかったかの様に涼しい顔をしている。さらりと長い髪をかきあげて、机が飛んで来た方を眺めている。

 篠宮がつられてそちらを見ると、木造校舎の壁に大きな穴が開いていて、どうやらそこから机が飛んで来たらしかった。

「い、一体何が?」

「ん、いや別に」

「『別に』じゃないでしょおおお⁈」

 女性に平手打ちをくらおうとも、踏み付けにされようとも、出席簿で叩かれようとも気にもしない篠宮であるが、理由のない物理的な痛みは全く持って受け付けない。大抵の人がそうであるが。

「行くぞ」

「えっ? やだ」

「『嫌だ』じゃない。生徒が待っているぞ」

 あう。

 机を飛ばして来る様な生徒の先生になりに来たんじゃない。

 そんな事を言えるわけもなく、黙って逃げようとした篠宮は、サクラに襟首を掴まれて引きずられながら、その壁に開いた穴に向かって行く。

「やだやだやだー!」

「子どもか!」

 サクラは篠宮を引きずったまま、そこから中へ入った。

「邪魔するぞ」





 つづく
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

まなの秘密日記

到冠
大衆娯楽
胸の大きな〇学生の一日を描いた物語です。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

処理中です...