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第11話 見込み
しおりを挟む「あじん?」
「亜人。デミ・ヒューマンとか聞いた事はないか? 人間の亜種。人に近しき人ならざるもの」
それはまぁ、マンガとかゲームとか映画でなら聞いた事はあるけど。
篠宮は正直なところレディはコスプレかと思った。実際に触れてみてその手触りに本物だと感じたのだったが。
そして鬼丸については見た目が既に度を超している。あれだけの巨体はなかなかいないだろう。それに間近でその角や牙を目にした篠宮は本物としか見えないと思ったのだ。
「本当のほんとにコスプレとかじゃないんですね?」
篠宮の質問にサクラは重々しくうなずいた。
まあ、サクラにしてみれば、篠宮がビビってこの町から出て行ったところで痛くも痒くもないし、コスプレだと思い込みたいならそれでも良かった。
ただ、この町に住んで、この学校に勤めるのであれば——そして今見たものを信じるのであれば、彼にきちんと説明する腹づもりではあったのだ。
「サクラさん……」
「なんだ?」
逃げ出すのか?
篠宮はソワソワとして落ち着きなく言った。
「あの娘、美人でしたねぇ」
ほわんと浮かれている篠宮の感想を聞いて、サクラはずるっとこけた。一体、今日は何回こけただろう。
「び、美人とな?」
「だって綺麗な娘じゃないですかぁ。身体のラインもまた」
ふへへ、と笑う篠宮を見て、コイツの精神は尋常じゃないとサクラは呆れた。
「レディへの感想はよくわかった。鬼丸についてはどう感じた?」
「えっと、まあデカくて怖いっすね」
「……」
サクラは目を剥いた。
そんな感想?
予想外の言葉に、サクラは押し黙った。意外と見込みのある奴なのかも知れないと思ったのだ。
「……」
「あれ?サクラさん、もしかして……」
「もしかして、なんだ?」
「またやきもちですかぁ?」
「誰がだぁ!?」
つづく
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