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第15話 篠宮の決意
しおりを挟む「キメラ計画はその名の通り、数種の生物の混じり合ったものを生み出す計画だった」
サクラは静かに、篠宮に語りかける。
「この頃から研究所はShinomiyaグループの出資を受け、極端な方向へ舵を取ったのだ。人の可能性をこじ開ける方向にな」
その産物が人と他生物の遺伝子操作から生まれた彼らだというのか。
「俺、ますます篠宮の事が嫌いになりました」
「そうか」
「だってあのガイドには、彼らのことを『生物』って……! そんな呼び方ありますか?」
篠宮の怒りを感じて、サクラは内心喜んだ。見たままを信じてくれるお坊ちゃんだが、彼らを作り出した大人への怒りは本物だろう。
「そんなに怒るな。今はその研究は止まっている。研究の中心にいた博士がドイツへ行っているのでな。ここに居る皆は、経過観察という時を過ごしている」
「どういうことですか?」
「寿命を測っているのさ。いつまで生きるのか、とね」
研究は成功し、人間と多生物の融合した亜人は作り出せた。しかもほぼ人型がベースで能力も様々。
戦場に出しても役に立つし、新しい薬を作れるかもしれないし、既存の病気を克服するかもしれない。
人々は手に入れた技術をどの様に活かすか——金に変えるか、検討しているのだ。
だから商品の賞味期限を調べているといってもいい。
「今時の戦争に、少しくらい強い人間を投入したところで役には立つまい。彼らに望まれているのは健康で強靭な肉体で、かつ長寿である事」
つまり、それが商品。
「商品なんて言わないでくださいよぉ」
「私が言ってるわけじゃない。私はこの学校の生徒たちに、普通に生活して欲しいと思っているんだ」
「……」
サクラの言葉を聞いた篠宮の瞳に光が宿る。どうやらやる気になったらしい。
「わかりました……!」
「頼むぞ、ここの生徒たちは皆、気持ちが硬くなっている」
「俺はその強張っている心と身体をほぐせばいいんですね!」
ん?
「やる気出てきました! あの世間を斜めに見ているようなレディちゃんの気持ちを受け止めて、ついでに身体も受け止めますッ」
どかーん!
サクラの鉄拳が学習端末ごと篠宮を破壊した。
つづく
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