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第70話 もしや、この子は?
しおりを挟む「それは置いといて、篠宮。大変だぞ」
「大変ですよ! マジで過去へ来たんですか!? それとも、ドッキリとかですか!?」
「『どっきり』とはなんだ?」
「知らないならいいです。えーと、お芝居で俺を驚かせようとしている訳じゃないですよね?」
「あたりまえだ。何故私がそんな事をしなければならない?」
サクラは真剣な顔つきでそう言った。
「……て、事はマジですか!? 本当に過去へ来たんですか!?」
はわわわ……。
意外と簡単に来れたな。
いや、そうじゃなくて。
「サクラさん、あれ見て! あれって一花ちゃん達なんですか?」
サクラは篠宮の指す方を見た。
見覚えのある光景——。
「そうか、一花達が造られた頃か」
「——と、言う事は」
篠宮は幼女を見た。二人があまりまくし立てるものだから、目を丸くして驚いている。
長い髪に大きな瞳。クマのぬいぐるみを抱いたこの女の子の名前は——。
「まさか——?」
篠宮とサクラの会話に幼女は二人を見つめたまま、後退りした。
「待て、待つのだ子どもよ」
「サクラさん、そんな呼び方ってないですよ」
「だが、我々のことをベラベラと喋られては困るのだ」
サクラはジリジリと動いて、ドアを塞ぐ位置を取る。
その剣幕に、幼女は震えた。
これは——。
泣くぞ。
篠宮がそれを察して、あやそうと屈んだが、間に合わなかった。
「ふぇっ、ふぇっ……ふええええ———!!」
「あわわ、泣かないで……」
「びえええーッ!!」
「篠宮なんとかしろッ!」
サクラさんが怒鳴るからじゃ……。
とは言えず、篠宮は慌てて幼女を泣き止まそうとする。
「えーと、えーと、ほら面白い顔~♪」
篠宮渾身の変顔。
…………。
「うぎゃーッ!!」
ダメか。
篠宮は目の前に泣く子と、後ろにいる無言の圧力のサクラに挟まれてうろたえた。
つづく
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