犬小屋の暗殺者

ニガヨモギ

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4話

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「ご主人様」
先ほど決まったカロボスの呼び方をテリィが1人反芻すると、横を歩いていたブラッドがたまらず噴き出した。
屋敷の主人であるカロボスを使用人であるテリィがそう呼ぶことはまったくおかしいことではないのだが、この屋敷ではイロモノ的な呼び方のようで、正直にそう呼んだ時カロボスは再び笑い転げていた。
そんなギャグのようなノリで決められあそこまで笑われてしまうと、恥ずかしいことではないのになにか恥ずかしいことをしている気分になり、テリィは内心あまり穏やかではなかった。
とはいえどう呼べばいいのかを尋ねたのは自分で、文字通り「ご主人様」であるカロボスの決定を尊重しないわけにはいかず、結局この呼称で決まってしまった。
ブラッドは今だ少し笑いを漏らしながら屋敷の案内を続け、普段あまり使わない応接室や宴会室の案内を簡単に済ませると、テリィをワインセラーと食料置き場のある地下室へと連れてきた。
この二か所を管理しているのは調理場のハスクとシュナであるらしく、2人の指示がなければあまり出入りする機会もないらしい。
一先ずテリィは今日の午後から、屋敷全体の掃除やメンテナンスをしているハゼットとブルドという人物について仕事を教わるのだという。
二階にある自室の掃除は各自で、と言われ、テリィは最後に先ほどとは違う階段を使って地下のジムへと案内された。
話を聞いた時は、地下にそれほど大きな施設は作らないだろうと思っていたが、ここでもテリィの予想は簡単に裏切られることになる。
街の高級ジムにも引けを取らない設備と機具がずらりと並んで揃っており、プールは巨大な25m。
そして大浴場はこの屋敷にいる全員が同時に入ったとしても余裕があるほどの悠々とした広さがあった。
「おーいハゼット、ちょっといいか?」
「うん?なにか…あ、その子?今日から働く…えーっと、テリィくん」
ランニングマシンの横でポリッシャーをかけていた青年ハゼットは、声をかけられるとすぐに機械のスイッチを切り、ブラッドの横にいたテリィに笑顔を向けた。
「初めまして、俺はハゼット、屋敷全体の清掃とメンテナンスをしてるんだ、よろしくね」
「はい、テリィです、よろしくお願いします!」
よくよく考えてみれば、調理中で忙しく片手間といった様子だったハスク、機関銃のように自分のことだけをひたすら話していたシュナ、ほとんど笑っているだけだったカロボスなど相手のペースに巻き込まれてばかりでこのように真っ当できちんとした挨拶は初めてだとテリィは少し感動してしまった。
「もうランドリーは終わったのか?」
「うん、もう乾燥も終わって畳んである、ここももうちょいで終わるからあとは午後かな」
「ブルドは?」
「屋根のメンテに行ったよ、あいつ午後は一階の清掃だからその子も任せてある」
どうやら未だに顔を合わせていない最後の1人、ブルドという男は簡単に会える場所にはいないらしく、当初の予定通りお昼に顔を合わせることとなった。
その後ブラッドに渡したいものがあると連れてこられたのは、使用人たちが仕事に使う備品や清掃道具を置いてある倉庫だった。
「ブラッドさん達はご主人様と昔からの知り合いなんですか?」
「そうそう、ここにいる奴らみんな同郷なんだよ、あいつが会社立ち上げる前からの知り合いでね」
戸棚をごそごそと漁っているブラッドにカロボス達との関係を尋ねると、予想通りというか昔なじみの友人であるようだった。
特にブラッドとは小さい頃からの付き合いらしく、先ほどの社長室でのやりとりも納得できた。
そんな男をこれから殺すことになるのかとテリィは一瞬気が引けたが、自分が殺さなくても結局いつかは誰かに殺されてしまうのだろうと考え、自分の中に僅かに沸いた罪悪感を払拭する。
そんなことを考えている間にブラッドは目的のものを探り当てたらしく、「はい」と小さなそれをテリィに手渡した。
渡されたのはコンパクトなインカムで、そういえばここの使用人たちはみんな同じものをつけていたなと思い出す。

あまり使用頻度の高いものではないらしいが、カロボス以外の全員がつけているものなので、なにかわからないことやトラブルがあったときは気軽に使って構わないということだった。
使用方法や充電方法を教わったテリィは、そろそろお昼の時間だと告げられブラッドと共に食堂に向かった。



「じゃあ改めて、今日からここで一緒に働くことになったテリィくんです、みんな色々教えてあげてね」
「皆さん、よろしくお願いします」
昼食の時間となり食堂に集まって来た人物の中に、唯一顔合わせが済んでいなかったブルドがおり2人は簡単な挨拶を済ませると、ブラッドが改めて全員にテリィを紹介した。
そして挨拶もそこそこにシュナに席に座るよう促され、テーブルの隅の席に腰をおろす。
「ねぇねぇ、テリィは今日お魚気分?お肉気分?」
「え?えーっと…じゃあお魚で」
「おー!お目が高い!今日のお魚担当は俺でーす!」
「シュナやかましい、こっちフォークないぞ」
「へいへい」
ここの昼食はどうやら魚と肉で毎日メニューが変わるらしく、まかないまでこんなに好待遇なのかと驚かされる。
テリィが向かいの席のブラッドにこんな贅沢をしていいのかと尋ねると、代わりに応えたのはサラダを配膳しにきたハスクだった。
なんでも夕食以外は毎日同じメニューをだしていたらしいのだが、カロボスや他の使用人から手抜きだのつまらないだの散々文句を言われ、腹がたったハスクは一切文句の出ない食事を用意するようになったのだという。
大変ではないかと聞くと、以前は庭や犬の世話をしていたシュナが手伝いに入ったことでできることが増えたのと、面倒だけれど色々なメニューを考えたり作ったりするのは楽しいらしく、あまり苦ではないらしい。
そんな話を聞いているうち、目の前にパン、スープ、サラダ、そしてメインの料理が並べられ、ハスクとシュナも席につき食事がはじまった。
見た目だけでも美味しそうだった料理は味も素晴らしく、父が亡くなってからは遺産で細々と食いつないできたテリィにとって久しぶりのまともで豪華な食事であった。
途中ハスクが「俺が作ったやつも食べてみろ」と肉料理を一口分けてくれたりなど、優しく気さくな同僚達と会話も食事もはずみ楽しい時間を過ごしていた。
そんな中テリィはふとあることに気が付き、顔を上げて周囲を見回した。
「どしたのテリィ、おかわり?」
「いえ、あの…ご主人様は自室で召し上がるんですか?」
食事の席にカロボスがいないことに気付き、その様子を見ていた斜向かいのハゼットに声を掛けられたテリィはカロボスの所在を尋ねた。
通常ならば屋敷の主人と使用人が食事の席を共にすることなどないが、カロボスとここの使用人達の関係を考えると一緒に食事をしてもおかしくないのではないかと考えたのだ。
しかしそれを尋ねた瞬間、ハゼットだけでなく、周りにいた者たちが全員食事の手を止めた。
「………テリィ、社長のこと『ご主人様』って呼んでるのか?」
「え?は、はい、なんとお呼びすればいいのかと聞いたら『ご主人様にしよう』って…」
隣にいたブルドに尋ねられ、先ほど社長室であったことを話すと、周囲の者たちがぷるぷると震え始め、やがて我慢できずに噴き出した。
「え??あいつこの子に『ご主人様❤』とか呼ばせてんの??変態すぎるだろ!!」
「いや、おかしくはない、おかしくはないんだけどさ、なんていうか…ぶっ!あはははは、無理無理!!」
「お前ら食事中にうるさ…っぶ、く、くく…」
ハゼットとブルドが一斉に笑い始め、それを注意しようとしたハスクまでつられて笑い始める。
聞き慣れ始めていたブラッドも改めてツボに入ったのか、肩を揺らして笑い始めた。
そんな中1人笑わずにどこか茫然としていたのはシュナだった。
そしてシュナはなにか意を決したようにテリィの元へ駆け寄り、最初出会ったときのように両の手をぎゅうっと掴んできた。
「テリィ!じゃあ俺のことは『お兄ちゃん』って呼んで!!」
「へ!?え…?……いや、それはちょっと…」
「なんで!?社長のことはご主人様って呼べるのに俺はダメなの??」
いつから呼称が希望制になったのかと反論したかったが、ぐいぐいと迫ってくるシュナに冷静な対応ができない。
しかしカロボスをご主人様と呼ぶことと、シュナをお兄ちゃんと呼ぶことを並列に扱うことに違和感を拭えず、テリィは彼の申し出をやんわりと断った。
なおもシュナは食い下がってくるがテリィは首を縦に振らず、業を煮やしたシュナは「社長にお願いしてくる!」と食事中にも関わらず食堂を飛び出していった。
「………あの、僕が悪いんでしょうか?」
「いいよ放っておいて、バカだから」
「そうだね、バカだから」
「付き合うだけ損だな」
同僚であるはずのハゼット、ハスク、ブルドに散々な言われようのシュナに少し同情しながら、静かになった食卓でテリィは残りの食事を済ませた。



ブラッドに連れられて屋敷中を案内され、食事の時間も含めて騒がしかった午前中とは打って変わって午後の仕事は実に静かだった。
物腰が柔らかく、落ちついた印象だったブルドはいざ仕事が始まると非常に手早く仕事も丁寧で、口数こそ少なかったがしっかりと要点を搾って指導してくるため、テリィは必死にメモを取りながら作業を進める。
ハゼットとハスクは街に買い出しに行っているらしく、その間にガレージの清掃を行い、一時間程で車が戻ってくると丁度同じタイミングで清掃も終わり、次に玄関の靴とカロボスのスーツの手入れをすることになった。
ブルドはどの仕事の丁寧さもさることながら教え方も丁寧で、おそらく1人で作業する方が圧倒的に効率的であろうはずなのにそんなことをおくびにもださず、まさに仕事人間といった感じだ。
「で、最後に仕上げ磨きをしたらシューキーパーかませて終わり、OK?」
「はい、覚えました、他のも同じ手順で大丈夫ですか?」
「おう、ブラウンの靴はこっちのクリームな」
一つ手本を見せるように仕事をこなし、残りは分担することになった靴磨き。
地味な作業ではあるが、カロボスが外出する時の身だしなみを整えるのも大事な仕事である。
テリィはブルドのスピードには及ばないものの、なんとか目標時間に間に合わせた。
しかしやることはまだまだ山積みで、今度はカロボスの更衣室にあるスーツの手入れだ。
以前いた屋敷でも口を酸っぱくして言われていたことではあるが、高級なスーツほど虫に食われやすいらしく、手入れを怠るとみるも無残な虫の住処になってしまうらしい。
途中ブルドが漏らした「流石に虫にまで話は通じないからなぁ」という言葉の意味はわからなかったが、テリィはスーツの種類によって微妙に違う手入れの方法をしっかりとメモして覚えた。
テリィは自分に縁のない高級な仕立服に少し及び腰になってしまうが、ブルド曰く失敗しても素直に話して謝罪をすればそれほど怒られないのだという。
確かにカロボスという男は噂で聞くほどの気難しい男ではないようだったが、それはあくまでブラッド達などのいわば身内だからこそ見せる姿ではないかとテリィは考えた。
もし、よそ者の自分が失敗をしようものなら即刻クビを切られることも覚悟しなければいけないのだ。
クローゼットの手入れを終えると、今度は備品室から鍵の束を持ち出し、二階の各部屋のゴミを纏めに行くと話した。
部屋の掃除は各自で、とのことだったが、ゴミ箱のゴミのまとめは毎日清掃担当が行うらしい。
ただし他人の部屋に入るときは必ず2人以上で、と念を押された。
「まずはブラッドの部屋な」
どこか上機嫌になっているブルドが階段に一番近い部屋のドアを開けると、そこはテリィの部屋同様一使用人の部屋とも思えないほど広く、調度品もクラシカルで落ち着いた雰囲気がありつつ、とても豪奢な部屋だった。
まだ物の少ないテリィの部屋と比べると本棚や柱時計、収納家具など立派なものが揃っていたが、一切部屋の狭さを感じなかった。
「テリィ、次行くぞ」
「あ!す、すいません!」
ついきょろきょろとブラッドの部屋を観察してしまっていたら、その間にブルドは手早くゴミを纏めてしまっていたらしく、既に部屋を出ていこうとしていた、
「あの、ここの使用人の人達ってみんなこんなに部屋が広いんですか?」
「あぁ、部屋の大きさはみんな一緒だよ、……まぁこんな部屋もあるけど」
こんな部屋、と言って開かれたドアの名札には「シュナ」と書かれてあり、一歩部屋に踏み込んだ瞬間テリィは絶句した。
確かに部屋の面積は同じなのだろう。
しかし先ほどのブラッドの部屋と比べると感じる圧迫感は天と地ほど違いがあった。
部屋の隅に置かれた巨大なテレビモニターとそこにつながっているいくつものゲーム機と棚を埋め尽くす大量のゲームソフト。
そしてテレビに引けをとらない大きさのディスプレイとハードディスクを有したPC。
本棚には夥しい量の漫画が詰め込まれており、開きっぱなしになっているクローゼットには隙間が無いほど私服が掛けられている。
ベッドのそばにあった大きな玩具箱のような入れ物には大小様々なボールやテニスラケット、スケートボードやバットやグローブが積みあがっている。
確かにどれも整理整頓され、汚らしさや散らかっている印象は受けなかったが、同じ部屋でここまで違うのかとテリィは開いた口が塞がらなかった。
「ほんとあいつの部屋はもの多いな…、おい、向こうのゴミ箱とってきてくれ」
呆気にとられていたテリィはなんとか正気に戻り、テレビモニターの前にあったゴミ箱を持ち上げると、中は大量のお菓子の箱や食玩の空き箱が詰まっていた。
シュナの部屋を後にした2人は、今度はブルドの部屋にやってきた。
自分の部屋に入るテリィにブルドは気にした様子もなく、机の前にあったゴミ箱を手に取って大きなゴミ袋に移す。
「テリィ、次の部屋に…なんだ?大きいの珍しいか?」
「はい、家にはなかったので」
ブルドの部屋にはシュナの部屋にあったものに負けず劣らず巨大なテレビモニターがあり、テリィが物珍しげに見つめているとブルドが声をかけてきた。
父親と一緒に暮らしているときには小さいものがあったが、1人になってからは買う余裕も見る機会もなかった。
「まぁシュナはアニメとゲーム専用、俺は動画とDVD専用って感じだけどな、この屋敷にあるのこことシュナの部屋だけだから、なんか見たくなったらいつでもきていいぞ」
まぁ欲しければブラッドに買って貰えるけどな、とブルドが一言付け加え、2人は部屋を出た。
最初に自室に案内された時から薄々感じていたが、この屋敷の人間は社長含めて少し金銭感覚がおかしいのではないかとテリィは不安に感じてきた。
確かに業績も良く、収益の上がっている会社だとは聞いているがたかだか一使用人にここまでのことをするだろうか?
しかしどの道自分が暗殺の仕事を成功させてしまえばこの会社は間違いなく傾くだろう。
番犬達に襲われる心配もなくなり、後はこのままブルド達の信用を得て1人で動ける時間が増えれば自然と暗殺の機会も巡ってくるはずである。
テリィは粛々と午後の仕事を進めながら、暗殺の下準備である同僚達からの信頼を得ようと画策するのであった。
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