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39『ハワイ@ホーム・2・13崩しのマッジ』
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泣いてもω(オメガ) 笑ってもΣ(シグマ)
39『ハワイ@ホーム・2・13崩しのマッジ』
整理してからお話します。
ホノルル空港で出迎えを受けて、お家に着くとすぐに@ホーム歓迎パーティー。
シグマちゃんが言ったとおり、やることに無駄のないお婆ちゃ……いえ、ミリーさん。
パーティーの直後「あの子たちどうかしら!?」とミリーさんに聞かれて、そう答えたところ。
十四人の女の子たちは、年齢こそ17歳から22歳と近いんだけど人種はバラバラだった。アジア系が五人、白人三人、黒人二人、ネィティブ三人、ヒスパニック一人。
アジア系も、日系、中国系、台湾系、韓国系と色とりどり。性別や年齢以外の共通点はアメリカ国籍ということと、アニメとアキバが大好きだということ。
トリプルAだ!
十四人の自己紹介を受けて、シグマちゃんが嬉しそうに言った。
「あらあら、さっそくトリプルAの及第点? ミコ、嬉しいけど、ちょっと気が早くない?」
「あ、じゃあ、なくてみんなの特徴よ。アニメ! アキバ! アメリカ!」
なるほど、ANIME AKIBA AMERIKAでトリプルAになる。
女の子たちもトリプルAは新発見だったようで喜んでいる。
「だって、誰でも、そう思うでしょ?」
シグマちゃんは言うけど、新発見には頷ける。アメリカ人は、自分の国をスティツとかUSAとか呼ぶのが一般的でアメリカのAというのは盲点のだろうね。
「シグマちゃんすごいよ!」
正直に誉めると「ありがと、でも、シグマにちゃん付けするのは勘弁してください」ということなので、ここからはシグマ。
「アキバのメイドをまんまやるのはどうなんだろ……」
これが、@ホーム生え抜きのちろるさんともなかさんの印象だった。
「アジア系の子もいたけど、やっぱりアメリカ人なんだよね……」
三人で部屋に戻ってもなかさんが切り出した。
「アメリカ人の明るさとか、表情の大きさとかがね……」
「うん、アニメを実写でやるような違和感がね……」
二人の表情は冴えない。
二人の言うことも分からないではない。二人には本場アキバのメイドとしての自負があるんだ。
自負は悪いことではないけど、時に自分のところが一番というエスノセントリズムに陥る。
「でも、マッジって子は違ったんじゃない?」
「あ、最後に自己紹介した子?」
一人マッジ・ヘプバーンという子は、立ち居振る舞いも控えめだけど当を得た受け答えが群を抜いていた。
出身はマサチューセッツ、日本人にとってはハワイやワシントン、ニューヨークほどの馴染みは無いが、聞いたことはあるという感じ。その表情を読み取って――マサにチュウくらいの州です――と返してくる。
ちょっとタイプが違うなあと表情に出たんだろう、小さく微笑んで、こう言った――少し硬いと言われますが、両親ともに工科(硬化)大学ですので仕方ないのです――
的確でウィットもあるんだけど、アキバ的『萌え』からは距離がある。
「うん、あのまんまバッキンガム宮殿でも務まりそうな感じ!」
「なんちゅうか、いい学級委員長が務まりそう」
あたしは、マッジの評から話を広げて行こうと思った。
店長やオーナーからは、多少違和感があっても前向きであれば笑顔でOKを出してあげてと言われている。
「完璧な状態でオープンしなくても、ご主人様(お客さま)たちといっしょに変化していけばいいんじゃないかなあ。とりあえずマッジみたいな子もいるんだから、多様性ととらえようよ」
「うん、だよね!」
もなかさんが手を叩いた。
「あたしたちだって、最初からできたわけじゃないもんね」
「あ、マッジはうちでは働くんじゃないのよ」
朝食のテーブルでミリーさんが意外な発言。
「あ、どういう……」
納豆をかき回す手が止まってしまう。
「13崩しでしょ!?」
シグマが盛大に納豆の糸を引きながら手を上げた。
13崩し?
「ええ、そうよ。十三人で始めたら縁起が悪いから」
思い出した、アメリカでは13は日本人が4を嫌う以上にタブーの数字なんだ。
一人増やして14人、ダメなときは14番目の席にクマのぬいぐるみなどを置いて、13になることを回避する。
ちょっと残念だったけど、ちろるさんももなかさんも「そうなんだ」と感心して、今日は朝からアキバ流メイド術の講習会になった。
☆彡 主な登場人物
妻鹿雄一 (オメガ) 高校二年
百地美子 (シグマ) 高校一年
妻鹿小菊 中三 オメガの妹
妻鹿由紀夫 父
鈴木典亮 (ノリスケ) 高校二年 雄一の数少ない友だち
風信子 高校二年 幼なじみの神社の娘
柊木小松(ひいらぎこまつ) 大学生 オメガの一歳上の従姉 松ねえ
ミリー・ニノミヤ シグマの祖母
ヨッチャン(田島芳子) 雄一の担任
39『ハワイ@ホーム・2・13崩しのマッジ』
整理してからお話します。
ホノルル空港で出迎えを受けて、お家に着くとすぐに@ホーム歓迎パーティー。
シグマちゃんが言ったとおり、やることに無駄のないお婆ちゃ……いえ、ミリーさん。
パーティーの直後「あの子たちどうかしら!?」とミリーさんに聞かれて、そう答えたところ。
十四人の女の子たちは、年齢こそ17歳から22歳と近いんだけど人種はバラバラだった。アジア系が五人、白人三人、黒人二人、ネィティブ三人、ヒスパニック一人。
アジア系も、日系、中国系、台湾系、韓国系と色とりどり。性別や年齢以外の共通点はアメリカ国籍ということと、アニメとアキバが大好きだということ。
トリプルAだ!
十四人の自己紹介を受けて、シグマちゃんが嬉しそうに言った。
「あらあら、さっそくトリプルAの及第点? ミコ、嬉しいけど、ちょっと気が早くない?」
「あ、じゃあ、なくてみんなの特徴よ。アニメ! アキバ! アメリカ!」
なるほど、ANIME AKIBA AMERIKAでトリプルAになる。
女の子たちもトリプルAは新発見だったようで喜んでいる。
「だって、誰でも、そう思うでしょ?」
シグマちゃんは言うけど、新発見には頷ける。アメリカ人は、自分の国をスティツとかUSAとか呼ぶのが一般的でアメリカのAというのは盲点のだろうね。
「シグマちゃんすごいよ!」
正直に誉めると「ありがと、でも、シグマにちゃん付けするのは勘弁してください」ということなので、ここからはシグマ。
「アキバのメイドをまんまやるのはどうなんだろ……」
これが、@ホーム生え抜きのちろるさんともなかさんの印象だった。
「アジア系の子もいたけど、やっぱりアメリカ人なんだよね……」
三人で部屋に戻ってもなかさんが切り出した。
「アメリカ人の明るさとか、表情の大きさとかがね……」
「うん、アニメを実写でやるような違和感がね……」
二人の表情は冴えない。
二人の言うことも分からないではない。二人には本場アキバのメイドとしての自負があるんだ。
自負は悪いことではないけど、時に自分のところが一番というエスノセントリズムに陥る。
「でも、マッジって子は違ったんじゃない?」
「あ、最後に自己紹介した子?」
一人マッジ・ヘプバーンという子は、立ち居振る舞いも控えめだけど当を得た受け答えが群を抜いていた。
出身はマサチューセッツ、日本人にとってはハワイやワシントン、ニューヨークほどの馴染みは無いが、聞いたことはあるという感じ。その表情を読み取って――マサにチュウくらいの州です――と返してくる。
ちょっとタイプが違うなあと表情に出たんだろう、小さく微笑んで、こう言った――少し硬いと言われますが、両親ともに工科(硬化)大学ですので仕方ないのです――
的確でウィットもあるんだけど、アキバ的『萌え』からは距離がある。
「うん、あのまんまバッキンガム宮殿でも務まりそうな感じ!」
「なんちゅうか、いい学級委員長が務まりそう」
あたしは、マッジの評から話を広げて行こうと思った。
店長やオーナーからは、多少違和感があっても前向きであれば笑顔でOKを出してあげてと言われている。
「完璧な状態でオープンしなくても、ご主人様(お客さま)たちといっしょに変化していけばいいんじゃないかなあ。とりあえずマッジみたいな子もいるんだから、多様性ととらえようよ」
「うん、だよね!」
もなかさんが手を叩いた。
「あたしたちだって、最初からできたわけじゃないもんね」
「あ、マッジはうちでは働くんじゃないのよ」
朝食のテーブルでミリーさんが意外な発言。
「あ、どういう……」
納豆をかき回す手が止まってしまう。
「13崩しでしょ!?」
シグマが盛大に納豆の糸を引きながら手を上げた。
13崩し?
「ええ、そうよ。十三人で始めたら縁起が悪いから」
思い出した、アメリカでは13は日本人が4を嫌う以上にタブーの数字なんだ。
一人増やして14人、ダメなときは14番目の席にクマのぬいぐるみなどを置いて、13になることを回避する。
ちょっと残念だったけど、ちろるさんももなかさんも「そうなんだ」と感心して、今日は朝からアキバ流メイド術の講習会になった。
☆彡 主な登場人物
妻鹿雄一 (オメガ) 高校二年
百地美子 (シグマ) 高校一年
妻鹿小菊 中三 オメガの妹
妻鹿由紀夫 父
鈴木典亮 (ノリスケ) 高校二年 雄一の数少ない友だち
風信子 高校二年 幼なじみの神社の娘
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