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7[思い出エナジー・1]
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宇宙戦艦三笠
7[思い出エナジー・1]
メイドさんは四人とも同じメイド服なんだけど色がちがう。白、黒、茶、そして白黒茶の混ざったの。
「「「「お早うございます、ご主人さま、お嬢様」」」」
一瞬驚いたあと、四人のメイドさんは揃って挨拶をしてくれる。
「あ……」「う……」「え……」「お……お早う」
互いに挨拶を交わして、あとが続かない。
「わたしたち、陰ながらみなさんのお世話をいたします。わたくしがミケメ」
白黒茶が口火を切った。
「シロメです」「クロメです」「チャメです」
「陰ながらのお世話のはずでしたが、申しわけございません、早々にお目に留まってしまいました」
「あ、いや、それはいいんだけど……」
「三笠はフルオートの自律戦艦ですが、やはり、細々とした気配り目配りはメイドがいなければ叶いません。そのために、わたしどもが乗艦しております。お目に留まった以上は、遠慮なくお世話をさせていただきますが、わたしどもの居場所、キャビンはご詮索なさらないでくださいませ。必要な時は『ミケメ』とお呼びくださいませ」
「シロメとお呼びくださいませ」
「クロメとお呼びくださいませ」
「チャメとお呼びくださいませ」
「「「「よろしくお願いいたします」」」」
四人そろって挨拶されて、天音がピンときた。
「キミたち、ドブ板のネコだろ!?」
「「「「ニャ!?」」」」
言い当てられて、四人とも尻尾と猫耳が出てしまう。
「し、失礼いたします!」
ピューーーー
ミケメを先頭に四人とも飛んで行ってしまった。
「アハハ……バレちゃいましたね(^_^;)あの子たち」
呆気に取られていると、神棚からミカさんが現れた。
「ミカさんは知ってたの?」
「はい、三笠が旅に出ると知って手伝ってくれることになったんです。みなさんが横須賀を愛してくださっているのを知って、ぜひお手伝いしたいと。まあ、よろしくお願いしますね」
「それで、今日は何をしたらいいのかしら(^_^;)?」
「まずは、寛いでください、長い旅になりますから、あとはおいおいとね……」
そう言うと、ミカさんは神棚に戻ってしまった。
寛げと言われて、自分から仕事を探すような俺たちじゃない。
サイドテーブルの上には、お茶のセットやポットがあるので、自然とお茶会のようになってしまう。長官室も雰囲気があって居心地もいいしな。
オレは、保育所の頃、樟葉からおチンチンを取られそうになった……。
オレと樟葉は、保育所から高校までいっしょという腐れ縁だ。かといって特別な感情があるというわけではない。
例えれば、毎朝乗る通学電車は、乗る時間帯がいっしょで、気が付けば同じ車両で隣同士で突っ立てっていることとかがあるだろ。
互いに名前も知らなければ、通っている先も分からない。サラリーマンやOLだったりすると、まるで接点がなく、春の人事異動なんかで乗る電車が違ってしまうと、それっきり。高校生だと、制服で互いの学校が知れる。ごくたまに、こういうことから関係が深まっていくやつもいるけど、大概そのまま口も利かずに三年間が過ぎていく。基本的に樟葉とはそうだ。ただ保育所のころというのは、ネコや犬の子と同じようなところがあって、その程度には関係があった。
年少のころだったけど、オレには鮮明な記憶がある。トイレの練習で、一日に二回オマルに跨って、自分でいたす練習をやらされた。
まだ二歳になるかならないかで、みんな記憶には残っていない。でもオレは鮮明な記憶が残っている。
オマルに跨って用を足していると、視線を感じた。それが樟葉だった。
「あたちも、おチンチンがほちい……!」
と、言うやいなや、樟葉はオレに襲い掛かり、オレのおチンチンをひっぱりまわした。樟葉は道具一式を両手でムンズと握って引っ張るものだから、女には分からない激痛が走って、オレは泣きだすどころか悶絶してしまった。すぐに先生が飛んできて樟葉を引き離して事なきを得たが、幼心にも樟葉の顔が悪魔のように見えた。
「だって、テレビのコンシェント抜けるよ」
涼しい顔で、先生に言っていたのを、オレは覚えている。
「そんなこと知らないもん!」
樟葉は、真っ赤になり、パーにした両手を振って否定した。
「そう、その手でオレのナニをムンズと握って、ひぱったんだ!」
天音とトシがケラケラと笑う。引きこもりのトシが笑うのは目出度いことだ。でも、そのあと樟葉が洗面で思いっきり洗剤使って手を洗ったのには、可笑しくも情けなかった。
「修一だってね、年中さんの時に、みんなでお散歩に行ったとき、他の保育所のかわいい子のあとを付いていっちゃって行方不明になっちゃったじゃないよ!」
「あ、あれは、傍で『お手手つないで』って、声がしたからさ」
「あ、覚えてるんだ、確信犯だ!」
「そうじゃなくって……」
「あのあと、その保育所の先生に手を引かれて泣きながら帰ってきたんだよ。保育所も大騒ぎだったんだから」
「ハハハ、二人とも、そんな昔の話を」
天音が笑うと、はっきり体で分かるくらいに三笠のスピードが上がった。
「なんだ、これは!?」
トシが、テーブルの端で体を支えながら叫んだ。
「ホホホ、三笠は、みんなの思い出や、熱中みたいな精神的なエネルギーで、力を増幅してるのよ」
再び、ミカさんが現れて、みんなを見まわして微笑んだ。
「舷窓から、外を見て」
おお!
三つある舷窓に群がると、中国の定遠をみるみる追い越していくのが分かった……。
☆ 主な登場人物
修一 横須賀国際高校二年 艦長
樟葉 横須賀国際高校二年 航海長
天音 横須賀国際高校二年 砲術長
トシ 横須賀国際高校一年 機関長
ミカさん(神さま) 戦艦三笠の船霊
メイドさんたち シロメ クロメ チャメ ミケメ
7[思い出エナジー・1]
メイドさんは四人とも同じメイド服なんだけど色がちがう。白、黒、茶、そして白黒茶の混ざったの。
「「「「お早うございます、ご主人さま、お嬢様」」」」
一瞬驚いたあと、四人のメイドさんは揃って挨拶をしてくれる。
「あ……」「う……」「え……」「お……お早う」
互いに挨拶を交わして、あとが続かない。
「わたしたち、陰ながらみなさんのお世話をいたします。わたくしがミケメ」
白黒茶が口火を切った。
「シロメです」「クロメです」「チャメです」
「陰ながらのお世話のはずでしたが、申しわけございません、早々にお目に留まってしまいました」
「あ、いや、それはいいんだけど……」
「三笠はフルオートの自律戦艦ですが、やはり、細々とした気配り目配りはメイドがいなければ叶いません。そのために、わたしどもが乗艦しております。お目に留まった以上は、遠慮なくお世話をさせていただきますが、わたしどもの居場所、キャビンはご詮索なさらないでくださいませ。必要な時は『ミケメ』とお呼びくださいませ」
「シロメとお呼びくださいませ」
「クロメとお呼びくださいませ」
「チャメとお呼びくださいませ」
「「「「よろしくお願いいたします」」」」
四人そろって挨拶されて、天音がピンときた。
「キミたち、ドブ板のネコだろ!?」
「「「「ニャ!?」」」」
言い当てられて、四人とも尻尾と猫耳が出てしまう。
「し、失礼いたします!」
ピューーーー
ミケメを先頭に四人とも飛んで行ってしまった。
「アハハ……バレちゃいましたね(^_^;)あの子たち」
呆気に取られていると、神棚からミカさんが現れた。
「ミカさんは知ってたの?」
「はい、三笠が旅に出ると知って手伝ってくれることになったんです。みなさんが横須賀を愛してくださっているのを知って、ぜひお手伝いしたいと。まあ、よろしくお願いしますね」
「それで、今日は何をしたらいいのかしら(^_^;)?」
「まずは、寛いでください、長い旅になりますから、あとはおいおいとね……」
そう言うと、ミカさんは神棚に戻ってしまった。
寛げと言われて、自分から仕事を探すような俺たちじゃない。
サイドテーブルの上には、お茶のセットやポットがあるので、自然とお茶会のようになってしまう。長官室も雰囲気があって居心地もいいしな。
オレは、保育所の頃、樟葉からおチンチンを取られそうになった……。
オレと樟葉は、保育所から高校までいっしょという腐れ縁だ。かといって特別な感情があるというわけではない。
例えれば、毎朝乗る通学電車は、乗る時間帯がいっしょで、気が付けば同じ車両で隣同士で突っ立てっていることとかがあるだろ。
互いに名前も知らなければ、通っている先も分からない。サラリーマンやOLだったりすると、まるで接点がなく、春の人事異動なんかで乗る電車が違ってしまうと、それっきり。高校生だと、制服で互いの学校が知れる。ごくたまに、こういうことから関係が深まっていくやつもいるけど、大概そのまま口も利かずに三年間が過ぎていく。基本的に樟葉とはそうだ。ただ保育所のころというのは、ネコや犬の子と同じようなところがあって、その程度には関係があった。
年少のころだったけど、オレには鮮明な記憶がある。トイレの練習で、一日に二回オマルに跨って、自分でいたす練習をやらされた。
まだ二歳になるかならないかで、みんな記憶には残っていない。でもオレは鮮明な記憶が残っている。
オマルに跨って用を足していると、視線を感じた。それが樟葉だった。
「あたちも、おチンチンがほちい……!」
と、言うやいなや、樟葉はオレに襲い掛かり、オレのおチンチンをひっぱりまわした。樟葉は道具一式を両手でムンズと握って引っ張るものだから、女には分からない激痛が走って、オレは泣きだすどころか悶絶してしまった。すぐに先生が飛んできて樟葉を引き離して事なきを得たが、幼心にも樟葉の顔が悪魔のように見えた。
「だって、テレビのコンシェント抜けるよ」
涼しい顔で、先生に言っていたのを、オレは覚えている。
「そんなこと知らないもん!」
樟葉は、真っ赤になり、パーにした両手を振って否定した。
「そう、その手でオレのナニをムンズと握って、ひぱったんだ!」
天音とトシがケラケラと笑う。引きこもりのトシが笑うのは目出度いことだ。でも、そのあと樟葉が洗面で思いっきり洗剤使って手を洗ったのには、可笑しくも情けなかった。
「修一だってね、年中さんの時に、みんなでお散歩に行ったとき、他の保育所のかわいい子のあとを付いていっちゃって行方不明になっちゃったじゃないよ!」
「あ、あれは、傍で『お手手つないで』って、声がしたからさ」
「あ、覚えてるんだ、確信犯だ!」
「そうじゃなくって……」
「あのあと、その保育所の先生に手を引かれて泣きながら帰ってきたんだよ。保育所も大騒ぎだったんだから」
「ハハハ、二人とも、そんな昔の話を」
天音が笑うと、はっきり体で分かるくらいに三笠のスピードが上がった。
「なんだ、これは!?」
トシが、テーブルの端で体を支えながら叫んだ。
「ホホホ、三笠は、みんなの思い出や、熱中みたいな精神的なエネルギーで、力を増幅してるのよ」
再び、ミカさんが現れて、みんなを見まわして微笑んだ。
「舷窓から、外を見て」
おお!
三つある舷窓に群がると、中国の定遠をみるみる追い越していくのが分かった……。
☆ 主な登場人物
修一 横須賀国際高校二年 艦長
樟葉 横須賀国際高校二年 航海長
天音 横須賀国際高校二年 砲術長
トシ 横須賀国際高校一年 機関長
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メイドさんたち シロメ クロメ チャメ ミケメ
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