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010:初めてのダブルベッド初めての襲撃
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待ての勇者と急ぎの姫騎士
010:初めてのダブルベッド初めての襲撃
「なあ……本当は何者なんだ?」
とりあえず夕食を済ませて部屋に入る。
ダブルベッドにたじろぐが、取りあえずは風呂。オレが先にヒルデがあと。
風呂の前後、互いに発見やら驚きがあるんだが、取りあえず先に進んで、ベッドの中。
29年の人生、風呂上がりに年頃の女と一つベッドに入るのは初めて、湯上りの髪の匂いにクラクラ。半ばきまり悪さもあって、核心に触れる質問をしたんだ。
「言ったろ、主神オーディンの娘にしてヴァルキリーの戦乙女ブリュンヒルデだ」
「ああ……体育会系で、北欧系、日本語完ぺきだから留学生とかじゃなくて、生まれた時から日本にいる人なんだ。ご両親、またはどっちかか向こうの国。大使館の駐在武官とか」
キラ
ヒルデの瞳が光った。
ドガ!!
横の壁にヒルデの剣が突きたった!
「ヒ」
「蚊が飛んでいた……」
オレに覆いかぶさるようにして壁の剣を抜く。
「すまん、嚇かしてしまったな」
「あ、いや……(#-_-#;)」
突然の剣にも驚いたが、それだけじゃない。一瞬ヒルデの頬と腋の下が迫って来て、そっちの驚きの方が大きい。
「どうとろうがスグルの勝手だし、旅の使命について言うわけにはいかんが、我が名について偽りや隠し立てはせん……普通の蚊だったな」
「危ない蚊とかがいるのか!?」
「いや、わたしを追っている者が放った使い魔かと思ってな」
「女神が、そういうのは居ないと……」
「ああ、そうだったな。ここは旅をしていた世界に似てるもんでなあ、つい反射的に動いてしまう……ん?」
「どうかしたか?」
「街の外で騒ぎだ……」
「え、騒ぎって?」
「襲われている、行くぞ!」
「ちょ、待て!」
ササッと胴鎧にヘルムだけを着けると、オレの制止など聞かず、剣を携え窓から飛び出すヒルデ!
「おい、待てったら!」
「スグルにも最低のスキルはある、着いてこい!」
そう言うと、五軒飛ばしでジャンプして街の城壁に向かっていく。俺は一軒ごとに屋根をジャンプ。ヒルデには及ばないが、現世での身体能力を考えると飛躍的な向上だ。
こんなこと、街の衛兵たちに任せておけばいいのに……。
数分遅れて城壁にたどり着くと、衛兵たちが外の騒ぎを見下ろしている。
一応、胸甲とヘルムを装着して弓や槍を持ってはいるが動こうとはしない。
昼間と同じ臭いが立ち上ってくるが、ちょっと薄情すぎないか?
魔物たちがキャンプの旅人たちを襲っている!
キャンプの中には冒険者や傭兵崩れたちが居て迎え撃ってはいるが、レベルが低いうえに統率がとれていない。どれも苦戦して、わが身を守るのに精いっぱいで、女子供や、スキルの無い一般の旅人は、狩られまくっている。逃げ惑った何人かは、あの肥溜めのような堀に飛び込んでいるではないか!
——こいつらは、大方低レベル! スグルのスキルでも立ち合える! 敵を倒しながら、負傷者を救助しろ!——
ヒルデの思念が頭に響く!
——早くしろ! 勇者の使命だぞ!——
「グ!」
勇者の一言に体中の血が沸騰する!
「危ない!」「待てよ!」「待て!」「おい、待て!」
衛兵たちが制止する、「待て」はオレの口癖だが、こういう状況でひとに言われると、すごく薄汚く聞こえる。
セイ!
オレは、なにかに決別するように城壁を飛び降りた!
☆彡 主な登場人物
・鈴木 秀(すずきすぐる) 三十路目前のフリーター
・ブリュンヒルデ ブァルキリーの戦乙女
・女神 異世界転生の境に立つ正体不明の女神
・秀の友人たち アキ 田中
010:初めてのダブルベッド初めての襲撃
「なあ……本当は何者なんだ?」
とりあえず夕食を済ませて部屋に入る。
ダブルベッドにたじろぐが、取りあえずは風呂。オレが先にヒルデがあと。
風呂の前後、互いに発見やら驚きがあるんだが、取りあえず先に進んで、ベッドの中。
29年の人生、風呂上がりに年頃の女と一つベッドに入るのは初めて、湯上りの髪の匂いにクラクラ。半ばきまり悪さもあって、核心に触れる質問をしたんだ。
「言ったろ、主神オーディンの娘にしてヴァルキリーの戦乙女ブリュンヒルデだ」
「ああ……体育会系で、北欧系、日本語完ぺきだから留学生とかじゃなくて、生まれた時から日本にいる人なんだ。ご両親、またはどっちかか向こうの国。大使館の駐在武官とか」
キラ
ヒルデの瞳が光った。
ドガ!!
横の壁にヒルデの剣が突きたった!
「ヒ」
「蚊が飛んでいた……」
オレに覆いかぶさるようにして壁の剣を抜く。
「すまん、嚇かしてしまったな」
「あ、いや……(#-_-#;)」
突然の剣にも驚いたが、それだけじゃない。一瞬ヒルデの頬と腋の下が迫って来て、そっちの驚きの方が大きい。
「どうとろうがスグルの勝手だし、旅の使命について言うわけにはいかんが、我が名について偽りや隠し立てはせん……普通の蚊だったな」
「危ない蚊とかがいるのか!?」
「いや、わたしを追っている者が放った使い魔かと思ってな」
「女神が、そういうのは居ないと……」
「ああ、そうだったな。ここは旅をしていた世界に似てるもんでなあ、つい反射的に動いてしまう……ん?」
「どうかしたか?」
「街の外で騒ぎだ……」
「え、騒ぎって?」
「襲われている、行くぞ!」
「ちょ、待て!」
ササッと胴鎧にヘルムだけを着けると、オレの制止など聞かず、剣を携え窓から飛び出すヒルデ!
「おい、待てったら!」
「スグルにも最低のスキルはある、着いてこい!」
そう言うと、五軒飛ばしでジャンプして街の城壁に向かっていく。俺は一軒ごとに屋根をジャンプ。ヒルデには及ばないが、現世での身体能力を考えると飛躍的な向上だ。
こんなこと、街の衛兵たちに任せておけばいいのに……。
数分遅れて城壁にたどり着くと、衛兵たちが外の騒ぎを見下ろしている。
一応、胸甲とヘルムを装着して弓や槍を持ってはいるが動こうとはしない。
昼間と同じ臭いが立ち上ってくるが、ちょっと薄情すぎないか?
魔物たちがキャンプの旅人たちを襲っている!
キャンプの中には冒険者や傭兵崩れたちが居て迎え撃ってはいるが、レベルが低いうえに統率がとれていない。どれも苦戦して、わが身を守るのに精いっぱいで、女子供や、スキルの無い一般の旅人は、狩られまくっている。逃げ惑った何人かは、あの肥溜めのような堀に飛び込んでいるではないか!
——こいつらは、大方低レベル! スグルのスキルでも立ち合える! 敵を倒しながら、負傷者を救助しろ!——
ヒルデの思念が頭に響く!
——早くしろ! 勇者の使命だぞ!——
「グ!」
勇者の一言に体中の血が沸騰する!
「危ない!」「待てよ!」「待て!」「おい、待て!」
衛兵たちが制止する、「待て」はオレの口癖だが、こういう状況でひとに言われると、すごく薄汚く聞こえる。
セイ!
オレは、なにかに決別するように城壁を飛び降りた!
☆彡 主な登場人物
・鈴木 秀(すずきすぐる) 三十路目前のフリーター
・ブリュンヒルデ ブァルキリーの戦乙女
・女神 異世界転生の境に立つ正体不明の女神
・秀の友人たち アキ 田中
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