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86『あんまり面白くない』
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ここは世田谷豪徳寺・86(さつき編)
『あんまり面白くない』
店を出て五分で女子高生の一群に取り囲まれた……。
「あの、さくらさんですよね!?」
一番元気そうなのが聞いてきた。
「え、うん。佐倉だけど……」
「や、やばいよ。ほんものだ!」
「うわあ、ほんものだ!」
女子高生たちがピーチク騒ぐので、周りの通行人の人たちも注目しはじめた。これは、なんの間違いだ!?
「サインして!」
「あたしも、このハンカチに!」
「あたし、このスマホの裏に!」
「大河出演決定おめでとう!」
「まって、あなたたち何か勘違いしてない。あたしは……」
「つまりい、さくらさんなんでしょ? 『ワケテン』の?」
「え、ワケテン?」
「もう、『はるか、ワケあり転校生の7か月』で由香役やったあ!」
やっと分かった。
「あなたたち、佐倉さくらと間違ってるのよ」
「ええ、うそ!?」
「だって、どう見てもさくらちゃんなんだもん」
「悪いけど、それ妹。あたしは佐倉さつき。なんの変哲もない女子大生!」
「なんだあ……だったら、そんなさくらちゃんそっくりにしないでくださいよ」
「ええ、そんなに似てないけどな……」
「これ見てください」
元気のいいのが、ポップティーンを出した。
「ね、そっくりでしょ?」
――あ――と思った。
ヘアスタイルが、まるでそっくり。あたしはセミロングか、ひっつめアップのどちらかだけど、雑誌のさくらは、前髪に癖を付けたサイドポニーテールだった。美容師のオネーチャンンが「あたしの得意なので……」と、言ったのが、これなんだ。
「というわけで、そっくりになっちゃったわけなので悪しからず」
で、行こうとしたら、改めて女子高生たちがついてきた。
「あの、さくらちゃんのお姉さんに会うなんて、とっても奇遇。それにお姉さんて、自衛隊のイケメンといっしょになって、飛行機助けたひとでしょ! ぜひ写真とサインお願いします!」
で、写メとサイン大会になってしまった。あんまり面白くない。
「ただいま」
「おかえり、ちょっと遅かったわね」
あらかじめメールを入れておいたので、お母さんは、ちょっと不満顔。でも、フランスの留学やら自衛隊でひと月近く幽閉されていたことなんか無かったみたいに日常的。
「あら、お帰りお姉ちゃん!」
なんと、さくらが、あたしと同じ頭で降りてきて抱き付いた。
それから、ピーチクパーチクと互いの数か月を喋りあった。気が付いたら、お母さんの夕飯の手伝いをして、次に気が付くと食べ終わっていた。
「で、お姉ちゃん。なんで、あたしと同じヘアスタイルしてんのよ?」
「もう、あんまり面白くないのよね」
最初から、もう一度説明するあたしだった……。
『あんまり面白くない』
店を出て五分で女子高生の一群に取り囲まれた……。
「あの、さくらさんですよね!?」
一番元気そうなのが聞いてきた。
「え、うん。佐倉だけど……」
「や、やばいよ。ほんものだ!」
「うわあ、ほんものだ!」
女子高生たちがピーチク騒ぐので、周りの通行人の人たちも注目しはじめた。これは、なんの間違いだ!?
「サインして!」
「あたしも、このハンカチに!」
「あたし、このスマホの裏に!」
「大河出演決定おめでとう!」
「まって、あなたたち何か勘違いしてない。あたしは……」
「つまりい、さくらさんなんでしょ? 『ワケテン』の?」
「え、ワケテン?」
「もう、『はるか、ワケあり転校生の7か月』で由香役やったあ!」
やっと分かった。
「あなたたち、佐倉さくらと間違ってるのよ」
「ええ、うそ!?」
「だって、どう見てもさくらちゃんなんだもん」
「悪いけど、それ妹。あたしは佐倉さつき。なんの変哲もない女子大生!」
「なんだあ……だったら、そんなさくらちゃんそっくりにしないでくださいよ」
「ええ、そんなに似てないけどな……」
「これ見てください」
元気のいいのが、ポップティーンを出した。
「ね、そっくりでしょ?」
――あ――と思った。
ヘアスタイルが、まるでそっくり。あたしはセミロングか、ひっつめアップのどちらかだけど、雑誌のさくらは、前髪に癖を付けたサイドポニーテールだった。美容師のオネーチャンンが「あたしの得意なので……」と、言ったのが、これなんだ。
「というわけで、そっくりになっちゃったわけなので悪しからず」
で、行こうとしたら、改めて女子高生たちがついてきた。
「あの、さくらちゃんのお姉さんに会うなんて、とっても奇遇。それにお姉さんて、自衛隊のイケメンといっしょになって、飛行機助けたひとでしょ! ぜひ写真とサインお願いします!」
で、写メとサイン大会になってしまった。あんまり面白くない。
「ただいま」
「おかえり、ちょっと遅かったわね」
あらかじめメールを入れておいたので、お母さんは、ちょっと不満顔。でも、フランスの留学やら自衛隊でひと月近く幽閉されていたことなんか無かったみたいに日常的。
「あら、お帰りお姉ちゃん!」
なんと、さくらが、あたしと同じ頭で降りてきて抱き付いた。
それから、ピーチクパーチクと互いの数か月を喋りあった。気が付いたら、お母さんの夕飯の手伝いをして、次に気が付くと食べ終わっていた。
「で、お姉ちゃん。なんで、あたしと同じヘアスタイルしてんのよ?」
「もう、あんまり面白くないのよね」
最初から、もう一度説明するあたしだった……。
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