52 / 432
052『エディンバラ・8』
しおりを挟む
せやさかい
052『エディンバラ・8』
御堂筋みたいなもんかな……。
そう言ってから、頼子さんはコロコロと笑った。
なにが御堂筋かと言うと、エディンバラの旅も一週間になった昼下がり。
わたしらは、エディンバラのメインストリートであるロイヤルマイルに立っている。
エディンバラは、お城とホリルード宮殿を結ぶロイヤルマイルがメインストリートで、その点が、御堂筋を中心としている大阪に似ているんやそうです。ようは「あんたたちは、エディンバラの中心にいるのよ」という説明なんやけど、ちょっと強引なんで、頼子さんは自分で言うて笑っているという次第。
お城を皮切りに、四日かけてロイヤルマイルに面してるところを見て回った。セント・ジャイルズ大聖堂と付属のクラフトマンショップ。クラフトマンショップは普通のお土産屋さんでは売ってないコアなハンドメイドな品物が一杯。最初は見て回るだけにして、ヒルウッドに戻ってから絞り込んであくる日にお買い物。
何を買ったかは、言い出すとキリが無いので、帰ってから別の所で語りたいと思います。
大聖堂前の銅像で待ち合わせ、暇なんで、銅像の銘板を読んでみる……て、中学一年の英語で分かるわけないねんけど、名前だけはなんとなく『Adam Smith』……アダム・スミス……聞いたことがある。すると、最初にやってきたジョン・スミスが「あ、ぼくのご先祖様」とシラッと言う。
「うわあ、そうなんや!」
苗字が同じスミスやし、性格のええわたしは直ぐに信じてしまう。
「それ、ちがいます!」
真面目な顔でソフィアさんが否定する。
「『アダム・スミスはエディンバラ出身の経済学者で、近代経済学の父と言われています。国富論を著わし、経済という物は神の見えざる手によって予定調和に達する』と言いました」
中学生相手には難しい説明を翻訳機を通して説明してくれる。なるほどねえ……とか感心したけど意味は分かってない。生真面目なソフィアさんには真っ直ぐ向きあわならあかんと思うからです。
「銅像なら、こっちの方が分かりやすいわよ」
戻ってきた頼子さんが手招きする。
それは、イギリスの忠犬ハチ公やった!
160年ほど昔、エディンバラ警察の警官やったジョン・グレイが亡くなると、飼い犬やったボビーは死ぬまで十四年間、ずっとジョン・グレイのお墓を離れませんでしたという美談。ハチ公もそうやったけど、地域の人が「おまえは、えらいやっちゃなあ!」と感激して、墓守をするボビーにエサをあげたり世話をしたげたりしたそう。
「ジョン・グレイこそがご先祖なんだ。ジョン・グレイ、ジョン・スミス。ね」
ジョン・スミスが、またかます。
真面目な留美ちゃんが「そうなんですか!」と感激しかける。
「ちゃう、ジョンは名前で苗字とちがうで!」
「な、なんだ(#ω#)」
それからエレファントハウスというカフェレストランに向かう。
ここは、J.K.ローリングが毎日のように通って名作を書いたお店!
分かる? J.K.ローリングですよ、J.K.ローリング!
へへ、わたしも最初は分からへんかったんやけど、留美ちゃんは「え、うっそー!?」と一発で感動。
看板の横に書いてあるタイトルでビックリ!
ここは『ハリーポッター』が生まれたお店なんですのよ!
頼子さんは文芸部の部長やけど、あんまり推薦図書も言わないし、しつこく感想を求めたりもせえへん。
普段は、部室の図書分室でお茶ばっかりしてる。時々留美ちゃんが質問したりしてすると、びっくりするくらい熱を込めて話してくれたり。わたしは、二人の横で、ひたすら感心してるばっかし。
J.K.ローリングが毎日ハリポタを書いてた横の席でランチとお茶。
「なんだか、自分も書いてみようって気がするでしょ」
「「は、はい!」」
返事こそ留美ちゃんと揃ったけども「いやいや、気分だけですよって(;^_^」と逃げを打つ。
「いいのよ、気になるだけで十分だから」
エディンバラ合宿は二週目に入ろうとしていた。
052『エディンバラ・8』
御堂筋みたいなもんかな……。
そう言ってから、頼子さんはコロコロと笑った。
なにが御堂筋かと言うと、エディンバラの旅も一週間になった昼下がり。
わたしらは、エディンバラのメインストリートであるロイヤルマイルに立っている。
エディンバラは、お城とホリルード宮殿を結ぶロイヤルマイルがメインストリートで、その点が、御堂筋を中心としている大阪に似ているんやそうです。ようは「あんたたちは、エディンバラの中心にいるのよ」という説明なんやけど、ちょっと強引なんで、頼子さんは自分で言うて笑っているという次第。
お城を皮切りに、四日かけてロイヤルマイルに面してるところを見て回った。セント・ジャイルズ大聖堂と付属のクラフトマンショップ。クラフトマンショップは普通のお土産屋さんでは売ってないコアなハンドメイドな品物が一杯。最初は見て回るだけにして、ヒルウッドに戻ってから絞り込んであくる日にお買い物。
何を買ったかは、言い出すとキリが無いので、帰ってから別の所で語りたいと思います。
大聖堂前の銅像で待ち合わせ、暇なんで、銅像の銘板を読んでみる……て、中学一年の英語で分かるわけないねんけど、名前だけはなんとなく『Adam Smith』……アダム・スミス……聞いたことがある。すると、最初にやってきたジョン・スミスが「あ、ぼくのご先祖様」とシラッと言う。
「うわあ、そうなんや!」
苗字が同じスミスやし、性格のええわたしは直ぐに信じてしまう。
「それ、ちがいます!」
真面目な顔でソフィアさんが否定する。
「『アダム・スミスはエディンバラ出身の経済学者で、近代経済学の父と言われています。国富論を著わし、経済という物は神の見えざる手によって予定調和に達する』と言いました」
中学生相手には難しい説明を翻訳機を通して説明してくれる。なるほどねえ……とか感心したけど意味は分かってない。生真面目なソフィアさんには真っ直ぐ向きあわならあかんと思うからです。
「銅像なら、こっちの方が分かりやすいわよ」
戻ってきた頼子さんが手招きする。
それは、イギリスの忠犬ハチ公やった!
160年ほど昔、エディンバラ警察の警官やったジョン・グレイが亡くなると、飼い犬やったボビーは死ぬまで十四年間、ずっとジョン・グレイのお墓を離れませんでしたという美談。ハチ公もそうやったけど、地域の人が「おまえは、えらいやっちゃなあ!」と感激して、墓守をするボビーにエサをあげたり世話をしたげたりしたそう。
「ジョン・グレイこそがご先祖なんだ。ジョン・グレイ、ジョン・スミス。ね」
ジョン・スミスが、またかます。
真面目な留美ちゃんが「そうなんですか!」と感激しかける。
「ちゃう、ジョンは名前で苗字とちがうで!」
「な、なんだ(#ω#)」
それからエレファントハウスというカフェレストランに向かう。
ここは、J.K.ローリングが毎日のように通って名作を書いたお店!
分かる? J.K.ローリングですよ、J.K.ローリング!
へへ、わたしも最初は分からへんかったんやけど、留美ちゃんは「え、うっそー!?」と一発で感動。
看板の横に書いてあるタイトルでビックリ!
ここは『ハリーポッター』が生まれたお店なんですのよ!
頼子さんは文芸部の部長やけど、あんまり推薦図書も言わないし、しつこく感想を求めたりもせえへん。
普段は、部室の図書分室でお茶ばっかりしてる。時々留美ちゃんが質問したりしてすると、びっくりするくらい熱を込めて話してくれたり。わたしは、二人の横で、ひたすら感心してるばっかし。
J.K.ローリングが毎日ハリポタを書いてた横の席でランチとお茶。
「なんだか、自分も書いてみようって気がするでしょ」
「「は、はい!」」
返事こそ留美ちゃんと揃ったけども「いやいや、気分だけですよって(;^_^」と逃げを打つ。
「いいのよ、気になるだけで十分だから」
エディンバラ合宿は二週目に入ろうとしていた。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
光のもとで1
葉野りるは
青春
一年間の療養期間を経て、新たに高校へ通いだした翠葉。
小さいころから学校を休みがちだった翠葉は人と話すことが苦手。
自分の身体にコンプレックスを抱え、人に迷惑をかけることを恐れ、人の中に踏み込んでいくことができない。
そんな翠葉が、一歩一歩ゆっくりと歩きだす。
初めて心から信頼できる友達に出逢い、初めての恋をする――
(全15章の長編小説(挿絵あり)。恋愛風味は第三章から出てきます)
10万文字を1冊として、文庫本40冊ほどの長さです。
貧乏大家族の私が御曹司と偽装結婚⁈
玖羽 望月
恋愛
朝木 与織子(あさぎ よりこ) 22歳
大学を卒業し、やっと憧れの都会での生活が始まった!と思いきや、突然降って湧いたお見合い話。
でも、これはただのお見合いではないらしい。
初出はエブリスタ様にて。
また番外編を追加する予定です。
シリーズ作品「恋をするのに理由はいらない」公開中です。
表紙は、「かんたん表紙メーカー」様https://sscard.monokakitools.net/covermaker.htmlで作成しました。
結婚相手は、初恋相手~一途な恋の手ほどき~
馬村 はくあ
ライト文芸
「久しぶりだね、ちとせちゃん」
入社した会社の社長に
息子と結婚するように言われて
「ま、なぶくん……」
指示された家で出迎えてくれたのは
ずっとずっと好きだった初恋相手だった。
◌⑅◌┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈◌⑅◌
ちょっぴり照れ屋な新人保険師
鈴野 ちとせ -Chitose Suzuno-
×
俺様なイケメン副社長
遊佐 学 -Manabu Yusa-
◌⑅◌┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈◌⑅◌
「これからよろくね、ちとせ」
ずっと人生を諦めてたちとせにとって
これは好きな人と幸せになれる
大大大チャンス到来!
「結婚したい人ができたら、いつでも離婚してあげるから」
この先には幸せな未来しかないと思っていたのに。
「感謝してるよ、ちとせのおかげで俺の将来も安泰だ」
自分の立場しか考えてなくて
いつだってそこに愛はないんだと
覚悟して臨んだ結婚生活
「お前の頭にあいつがいるのが、ムカつく」
「あいつと仲良くするのはやめろ」
「違わねぇんだよ。俺のことだけ見てろよ」
好きじゃないって言うくせに
いつだって、強引で、惑わせてくる。
「かわいい、ちとせ」
溺れる日はすぐそこかもしれない
◌⑅◌┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈◌⑅◌
俺様なイケメン副社長と
そんな彼がずっとすきなウブな女の子
愛が本物になる日は……
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
悪徳公主と冷徹皇帝陛下の後宮薬膳茶
菱沼あゆ
キャラ文芸
冷徹非道と噂の皇帝陛下のもとに、これまた悪しき評判しかない異国の王女、琳玲がやってきた。
琳玲は皇后の位は与えられたが、離宮に閉じ込められる。
それぞれの思惑がある離宮の女官や侍女たちは、怪しい薬草で皇帝陛下たちを翻弄する琳玲を観察――。
悪徳公主と冷徹皇帝陛下と女官たちの日々は今日も騒がしい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる