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本編1
06.ぎこちない日常01
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以前と変わらない日々が始まる。
そう思っていたのは樟だけで、退院した次の日から耀一郞が早い時間に帰ってきた。
「……どうしてこれしかないんだ?」
用意した食事が並ぶのを見てあの怜悧な目が細まる。
「あの……、たりませんか?」
たくさん作ったつもりだ。身体が大きく見上げるほど長身な耀一郞でも充分な量だと思った。
「違う。どうしてお前の分がないんだ。今まで何を食べていたんだ」
言われて合点がいった。
これ以上迷惑がかからないように食事の管理をしようとしているのか。
入院したのは肺炎だけではなく栄養失調もあると言われた。だからカロリーの高い点滴をずっと入れるのだと説明された。
「すみません……」
「謝罪はいい。何を食べていたんだ、答えろ」
「あの……ご飯にふりかけをかけて……」
それだって申し訳ない気持ちで食べたのだ。樟は一円も稼いでいないし耀一郞の利益になることもしていない。だというのにちゃんとした食事を摂っては申し訳ない気持ちになる。
だが耀一郞は目尻を吊り上げた。
「それでは倒れて当然だろう! これからは自分の分もちゃんと作れ! 買い物に行くのが面倒なら定期的に届くように契約をしてもいい。ああ、それがいい」
「そんなっ! 大丈夫です、買い物が苦痛じゃないです」
そんな用事でもなければ家から出ないのだ。生まれも育ちも都内だが、恥ずかしいから出歩くなと、学校の行き帰りくらいしか外を歩くことを許されなかった。休日に友人と遊びに行くことすら禁じられた樟には、高層マンションの周囲をただ歩くだけでも楽しい。けれど理由もなく出るのは気が引けるので日々の食材の買い出しは大義名分である。
それだけは取り上げないでほしいと切願して訴える。
「面倒じゃないなら契約はしないが、これからは私に作るのと同じものをお前も食べろ」
でもそれではお金がかかってしまう。耀一郞に負担を掛けてしまう。
引け目が湧きあがるが、口には出さない。耀一郞がとても怖い顔をして否定を許さない姿勢を崩さないから。
「わかりました」
それでいいと頷くと、耀一郞は綺麗に盛り付けた皿をダイニングテーブルの中央に置いた。
「今日はこれを二人で分けるぞ」
寒ブリの幽庵焼きに煮物、副菜には小松菜とシメジのごま和えにほうれん草の白和え。温めたハマグリの潮汁をテーブルに置いて樟は戸惑った。
一緒に食べろということだろうか。退院した日と同じように二人で食卓に着いて。
樟は一瞬にして眉尻を下げた。どうしようも情けない顔になる。
「でも……それでは……足りないんじゃ……」
「足りなかったら冷凍庫にあるものを適当に温めればいい」
冷凍庫?
スーパーマーケットの新鮮な食品をなるべく買うようにしている樟は、あまり冷蔵庫を開けていなかったことに気づき、覗いてみた。
「……すごい!」
パウチに入ったスープや容器ごとの弁当が冷凍庫に隙間なく収納されていた。
プロの管理栄養士がバランスを考えて作ったものがあると知ると、自分が頑張って調理したものがみすぼらしくなる。
「こちらを食べますか?」
素人が作った料理よりも耀一郞の舌に馴染むかもと提案すれば、すでに箸と茶碗を持ち、幽庵焼きを食べていた。
丁寧に咀嚼して嚥下したあとに「それはもう飽きた」と素っ気なく告げられた。
なるほど、外食ばかりではやはり飽きるのだろう。外食なんてもう何年もしていない樟には羨ましいばかりだ。
いつの間にか二人分用意された素焼きの茶碗に気持ち程度のご飯をよそい、耀一郞がおかわりをしてもいいようにハマグリをのけて椀に汁だけ入れてテーブルに着いた。
「……それだけでいいのか。もっと食え」
耀一郞がまた目を細める。雀の涙と言うにふさわしい量はダイエット中の女性ですら物足りないと感じるほどだろう。言外に非難されているようで、また栄養失調にでもなられたら迷惑だと思っているのかもしれない。
「でも……」
これ以上よそうには残っている量が少ないのだとは言えず、俯く。
カタリと耀一郞が立ち上がった。
(やっぱり美味しくないのかな……お弁当を解凍してた方がいいか訊ねるべきかな)
口を開く前に樟の前にあった茶碗が掠われた。
「なんでこんな少量しか炊いていないんだっ!」
炊飯器を開けた耀一郞が怒りが混じった驚きの声を上げる。当然だ、一合しか炊いていないし、ほとんどを耀一郞の茶碗に盛った後だ。
「ごめんなさい……」
耀一郞は深く嘆息すると「もういい」と呟いた後に残ったご飯をすべて樟の茶碗によそった。一人前には少し足りないが充分のご飯が目の前に置かれる。
「これからは二人分作れ……また倒れられたら困る」
「はい、わかりました」
これからは二人で食事を摂る、ということなのだろうか。
一人じゃない食卓は少し照れくさくて、箸を握るのも自分が作ったおかずを突くのも緊張する。マナーがなっていないと怒られるかもしれないとビクビクする一方で、誰かと一緒の食事は本当に久しぶりすぎて、気恥ずかしくもあった。
会話のないとても静かな食卓だが、樟は嬉しかった。
「……美味いな」
幽庵焼きを口に運んだ耀一郞が呟いた。
独り言なのだとわかっていても信じられなくて顔を上げた。幽庵焼きに続き、白和えで口の中をさっぱりさせてから潮汁を口に含む。
「これもいい」
飾りの結わいた三つ葉を箸で摘まみ、しばらく見つめてから口に入れた。次にハマグリを殻から身を取り、豪快に食べる。それがまた美味しそうに見え、味見したが不安だった樟は安堵して自分も潮汁に口を付けた。
ハマグリの香ばしさが鼻を抜ける。
海を温めて飲んでいる気持ちになるから潮汁なんだと、しょっぱさが心地よくてホッとする。
茶碗に少しだけご飯を残しているが、ちょいちょいと一品ごと手作りした副菜を摘まめば、元々食の細い樟はお腹いっぱいになる。
「ごちそうさまでした」
目を閉じ両手を合わせて挨拶をする。その様子に耀一郞は驚いて目を見開いた。じっと自分が手にしているものを見つめ、それから料理を見た。
「もういいのか。もっと食べていいんだ」
「いえ、もうお腹いっぱいです。あの……その……ありがとうございます」
一緒に食べてくれて、とは恥ずかしくて続けられない。俯いてそそくさと茶碗をシンクに置くと、水を張る。
こんな日々が明日も明後日も続くのだろうか。
少しだけ嬉しくて、期待してしまう。そんな自分に気付いてすぐに戒めた。
(退院してすぐだからかな。耀一郞さんは忙しい人だから、今だけだ……でもやっぱり嬉しい)
オメガと診断されてから、食卓は苦痛の場所でしかなかった。けれど今日は昔に戻ったような気持ちになれた。オメガの自分でも誰かと食事を摂っていいんだと感じただけで充分だ。たとえ数日後にはまた一人で塩おにぎりを食べる生活に戻ったとしても。
そう思っていたのは樟だけで、退院した次の日から耀一郞が早い時間に帰ってきた。
「……どうしてこれしかないんだ?」
用意した食事が並ぶのを見てあの怜悧な目が細まる。
「あの……、たりませんか?」
たくさん作ったつもりだ。身体が大きく見上げるほど長身な耀一郞でも充分な量だと思った。
「違う。どうしてお前の分がないんだ。今まで何を食べていたんだ」
言われて合点がいった。
これ以上迷惑がかからないように食事の管理をしようとしているのか。
入院したのは肺炎だけではなく栄養失調もあると言われた。だからカロリーの高い点滴をずっと入れるのだと説明された。
「すみません……」
「謝罪はいい。何を食べていたんだ、答えろ」
「あの……ご飯にふりかけをかけて……」
それだって申し訳ない気持ちで食べたのだ。樟は一円も稼いでいないし耀一郞の利益になることもしていない。だというのにちゃんとした食事を摂っては申し訳ない気持ちになる。
だが耀一郞は目尻を吊り上げた。
「それでは倒れて当然だろう! これからは自分の分もちゃんと作れ! 買い物に行くのが面倒なら定期的に届くように契約をしてもいい。ああ、それがいい」
「そんなっ! 大丈夫です、買い物が苦痛じゃないです」
そんな用事でもなければ家から出ないのだ。生まれも育ちも都内だが、恥ずかしいから出歩くなと、学校の行き帰りくらいしか外を歩くことを許されなかった。休日に友人と遊びに行くことすら禁じられた樟には、高層マンションの周囲をただ歩くだけでも楽しい。けれど理由もなく出るのは気が引けるので日々の食材の買い出しは大義名分である。
それだけは取り上げないでほしいと切願して訴える。
「面倒じゃないなら契約はしないが、これからは私に作るのと同じものをお前も食べろ」
でもそれではお金がかかってしまう。耀一郞に負担を掛けてしまう。
引け目が湧きあがるが、口には出さない。耀一郞がとても怖い顔をして否定を許さない姿勢を崩さないから。
「わかりました」
それでいいと頷くと、耀一郞は綺麗に盛り付けた皿をダイニングテーブルの中央に置いた。
「今日はこれを二人で分けるぞ」
寒ブリの幽庵焼きに煮物、副菜には小松菜とシメジのごま和えにほうれん草の白和え。温めたハマグリの潮汁をテーブルに置いて樟は戸惑った。
一緒に食べろということだろうか。退院した日と同じように二人で食卓に着いて。
樟は一瞬にして眉尻を下げた。どうしようも情けない顔になる。
「でも……それでは……足りないんじゃ……」
「足りなかったら冷凍庫にあるものを適当に温めればいい」
冷凍庫?
スーパーマーケットの新鮮な食品をなるべく買うようにしている樟は、あまり冷蔵庫を開けていなかったことに気づき、覗いてみた。
「……すごい!」
パウチに入ったスープや容器ごとの弁当が冷凍庫に隙間なく収納されていた。
プロの管理栄養士がバランスを考えて作ったものがあると知ると、自分が頑張って調理したものがみすぼらしくなる。
「こちらを食べますか?」
素人が作った料理よりも耀一郞の舌に馴染むかもと提案すれば、すでに箸と茶碗を持ち、幽庵焼きを食べていた。
丁寧に咀嚼して嚥下したあとに「それはもう飽きた」と素っ気なく告げられた。
なるほど、外食ばかりではやはり飽きるのだろう。外食なんてもう何年もしていない樟には羨ましいばかりだ。
いつの間にか二人分用意された素焼きの茶碗に気持ち程度のご飯をよそい、耀一郞がおかわりをしてもいいようにハマグリをのけて椀に汁だけ入れてテーブルに着いた。
「……それだけでいいのか。もっと食え」
耀一郞がまた目を細める。雀の涙と言うにふさわしい量はダイエット中の女性ですら物足りないと感じるほどだろう。言外に非難されているようで、また栄養失調にでもなられたら迷惑だと思っているのかもしれない。
「でも……」
これ以上よそうには残っている量が少ないのだとは言えず、俯く。
カタリと耀一郞が立ち上がった。
(やっぱり美味しくないのかな……お弁当を解凍してた方がいいか訊ねるべきかな)
口を開く前に樟の前にあった茶碗が掠われた。
「なんでこんな少量しか炊いていないんだっ!」
炊飯器を開けた耀一郞が怒りが混じった驚きの声を上げる。当然だ、一合しか炊いていないし、ほとんどを耀一郞の茶碗に盛った後だ。
「ごめんなさい……」
耀一郞は深く嘆息すると「もういい」と呟いた後に残ったご飯をすべて樟の茶碗によそった。一人前には少し足りないが充分のご飯が目の前に置かれる。
「これからは二人分作れ……また倒れられたら困る」
「はい、わかりました」
これからは二人で食事を摂る、ということなのだろうか。
一人じゃない食卓は少し照れくさくて、箸を握るのも自分が作ったおかずを突くのも緊張する。マナーがなっていないと怒られるかもしれないとビクビクする一方で、誰かと一緒の食事は本当に久しぶりすぎて、気恥ずかしくもあった。
会話のないとても静かな食卓だが、樟は嬉しかった。
「……美味いな」
幽庵焼きを口に運んだ耀一郞が呟いた。
独り言なのだとわかっていても信じられなくて顔を上げた。幽庵焼きに続き、白和えで口の中をさっぱりさせてから潮汁を口に含む。
「これもいい」
飾りの結わいた三つ葉を箸で摘まみ、しばらく見つめてから口に入れた。次にハマグリを殻から身を取り、豪快に食べる。それがまた美味しそうに見え、味見したが不安だった樟は安堵して自分も潮汁に口を付けた。
ハマグリの香ばしさが鼻を抜ける。
海を温めて飲んでいる気持ちになるから潮汁なんだと、しょっぱさが心地よくてホッとする。
茶碗に少しだけご飯を残しているが、ちょいちょいと一品ごと手作りした副菜を摘まめば、元々食の細い樟はお腹いっぱいになる。
「ごちそうさまでした」
目を閉じ両手を合わせて挨拶をする。その様子に耀一郞は驚いて目を見開いた。じっと自分が手にしているものを見つめ、それから料理を見た。
「もういいのか。もっと食べていいんだ」
「いえ、もうお腹いっぱいです。あの……その……ありがとうございます」
一緒に食べてくれて、とは恥ずかしくて続けられない。俯いてそそくさと茶碗をシンクに置くと、水を張る。
こんな日々が明日も明後日も続くのだろうか。
少しだけ嬉しくて、期待してしまう。そんな自分に気付いてすぐに戒めた。
(退院してすぐだからかな。耀一郞さんは忙しい人だから、今だけだ……でもやっぱり嬉しい)
オメガと診断されてから、食卓は苦痛の場所でしかなかった。けれど今日は昔に戻ったような気持ちになれた。オメガの自分でも誰かと食事を摂っていいんだと感じただけで充分だ。たとえ数日後にはまた一人で塩おにぎりを食べる生活に戻ったとしても。
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