おじさんの恋

椎名サクラ

文字の大きさ
65 / 100
番外編

酔っ払いと甘い言葉と可愛い人4

しおりを挟む
「ん、いい……はるとのせーえき、ぜんぶこのなかにだして」

「ほんと、俺を煽るのが天才的に上手いですね」

 ズンッと下から突き上げれば気持ちいいとばかりに首をそらす。その白い首に唇を押し当て、所有の印を付けていく。消えるまではこの家から出ることはできないだろう。わかっていて敢えて服では隠れない場所にキスマークを残していく。

 そんな意地悪をされているというのに、隆則の口からは何度も「はると、すきっ」と甘い告白が上がってくる。もう自分を駐めることなんてできやしない。腰の動きを激しくし、愛しい人を貪った。

「ぁぁっ……もぉいくっ! ぁぁぁぁっ」

 ビクンビクンと身体を大きく震わせて、また隆則が絶頂を迎えた。けれどその瞬間も遥人は腰を打ち付けていく。

「いってるっ! いってるからっ! ぃやぁぁぁぁぁぁっ!」

 絶頂を迎えても許さない激しい腰使いに隆則は髪を振り乱し、すぐさままた追い上げられていく。強制的に短い期間で何度も絶頂へと押しやれば、愉悦に歪んだ顔がどんな仮面も纏えなくなる。ただ遥人を欲するだけの獣へと変え、それから大量の蜜をその中に注ぎ込んだ。

 内壁を打つ射精の勢いにも感じる隆則は、ビクンッビクンッと身体を震わせる。

「気持ちいい? こんなことする俺でも、まだ好きですか?」

 確かめたくなる。己の悪癖だとわかっていても止められない。どこまでこの人に愛されているのかを知りたくて無茶をさせてしまう。

「す、きぃ」

「可愛い……もっと俺を好きになってください」

 力を失ってもまだ逞しい欲望を抜き、隆則を抱えて立ち上がった。次に何をされるかわかっている愛しい人は、すぐさま遥人に背を向け爪先立ちになる。たらりと蜜を垂らす蕾に遠慮なくまた欲望を挿れた。

「ぁぁっ……いいっおかしくなる!」

 前に倒れそうになる上体を支え、激しく腰を打ち付ければ、淫らな嬌声が上がる。

「ねぇ見て、隆則さん。俺に抱かれて感じてるこの綺麗な人が、俺の恋人ですよ」

 バックでも隆則の感じきった顔を見れるように買った姿見の前で、囁きかければ緩く首が振られる。

「やだっみないで」

「どうして? 感じている隆則さんが一番可愛くて綺麗なんですよ。ほら、見て」

「いやっ」

 腰を打ち続けながら、頤を掴みそこへと向かせる。

「見て、綺麗でしょ。俺のでめちゃくちゃ感じてる隆則さんは。何をしてもいいって平気でいっちゃうくらい、可愛い人なんです。そして俺がどんなことをしても感じちゃういやらしくて綺麗な人。……これが、俺の愛してる人なんですよっ」

 一際強く腰を打ち付ければ、最奥を突いたのか悲鳴が上がった。

 分身の裏だけではなく、最近は最奥を突かれても達くようになった。遥人は遠慮なく底ばかりを突き続けた。

「だめっはるとぉぉぉっ」

「ちゃんと見て、達ってるときの隆則さんがどれくらい綺麗か、知って」

 そして、その顔を自分以外に見せないでくれと懇願する。

「こんなに感じて可愛くなってる隆則さんの全部、俺のものだから、ね」

「わかってるっわかってるからぁぁぁぁ……ぁぁっ」

 絶頂に蕩けた表情を薄めでもちゃんと見ているのを確かめて、遥人は細い身体を苛み続けた。

 もう無理だと啼いても許さず、好きだと言い続けるのに興奮し、全部遥人のものだからと誓う言葉に心が満たされていく。

 アルコールでいつもよりも素直な隆則にのめり込み、遥人はなかなか放してやることができなかった。

 もう立てなくなった隆則をシーツに横たえても、前から後ろから抱きしめては激しく腰を打ち付け啼かせ続けた。

 ぐったりとシーツに沈み声すら上げられなくなってから、最後の蜜を吐き出したのは、空が白くなってからだった。

「あんまり可愛い事ばっか言ってるとこうなるんですよ、わかりましたか?」

 返事すらできなくなった唇を塞ぎ、舐めてから力を失った欲望を抜いた。しどけなく開いた足の間から蜜が垂れていく。

 こんなに出しても、まだ足りない。もっともっとこの人を愛したい。

 けれど今日はこれでおしまいだ。

 意識を飛ばした隆則を抱きしめ、その心地よい体温を味わってから遥人は起き上がった。身体を壊さない様、全てを清め服を着せてやるために。



 痛い。とにかく頭が痛い。

 珍しく元後輩が誘ってくれた打ち上げに、乗り気ではなかったが参加したせいだ。元々アルコールに弱い隆則はあまり酒を嗜まないが、無理矢理飲まされてしまった。

 その結果がこの二日酔いだ。

 頭がガンガンして気持ち悪い。

「大丈夫ですか、隆則さん」

 ベッドから起き上がることもできない程の二日酔いに苛まれている隆則を、なぜか遥人は嬉しそうに甲斐甲斐しく世話を焼いてくる。彼に怒られるかもとビクビクしながら断れない飲み会へ参加したにもかかわらず、だ。

「だめ……頭痛い」

「きっと飲み過ぎたんでしょうね。普段あまりお酒を飲まないのに急にたくさん飲んだからだと思いますよ」

 たくさんと言ってもビール三杯だが、アルコールをほぼ接種しない隆則にはキャパオーバーだったようだ。

「……ごめん、迷惑かけて」

「何言ってるんですか。隆則さんに色々できて嬉しいです」

 ベッドに伏せっている隆則にはわからなかったが、色々と口にしたとき遥人はニヤリと笑っていた。
しおりを挟む
感想 79

あなたにおすすめの小説

完結|好きから一番遠いはずだった

七角@書籍化進行中!
BL
大学生の石田陽は、石ころみたいな自分に自信がない。酒の力を借りて恋愛のきっかけをつかもうと意気込む。 しかしサークル歴代最高イケメン・星川叶斗が邪魔してくる。恋愛なんて簡単そうなこの後輩、ずるいし、好きじゃない。 なのにあれこれ世話を焼かれる。いや利用されてるだけだ。恋愛相手として最も遠い後輩に、勘違いしない。 …はずだった。

旦那様と僕

三冬月マヨ
BL
旦那様と奉公人(の、つもり)の、のんびりとした話。 縁側で日向ぼっこしながらお茶を飲む感じで、のほほんとして頂けたら幸いです。 本編完結済。 『向日葵の庭で』は、残酷と云うか、覚悟が必要かな? と思いまして注意喚起の為『※』を付けています。

夢の続きの話をしよう

木原あざみ
BL
歯止めのきかなくなる前に離れようと思った。 隣になんていたくないと思った。 ** サッカー選手×大学生。すれ違い過多の両方向片思いなお話です。他サイトにて完結済みの作品を転載しています。本編総文字数25万字強。 表紙は同人誌にした際に木久劇美和さまに描いていただいたものを使用しています(※こちらに載せている本文は同人誌用に改稿する前のものになります)。

売れ残りオメガの従僕なる日々

灰鷹
BL
王弟騎士α(23才)× 地方貴族庶子Ω(18才) ※ 第12回BL大賞では、たくさんの応援をありがとうございました!  ユリウスが暮らすシャマラーン帝国では、平民のオメガは18才になると、宮廷で開かれる選定の儀に参加することが義務付けられている。王族の妾となるオメガを選ぶためのその儀式に参加し、誰にも選ばれずに売れ残ったユリウスは、国王陛下から「第3王弟に謀反の疑いがあるため、身辺を探るように」という密命を受け、オメガ嫌いと噂される第3王弟ラインハルトの従僕になった。  無口で無愛想な彼の優しい一面を知り、任務とは裏腹にラインハルトに惹かれていくユリウスであったが、働き始めて3カ月が過ぎたところで第3王弟殿下が辺境伯令嬢の婿養子になるという噂を聞き、従僕も解雇される。

恋なし、風呂付き、2LDK

蒼衣梅
BL
星座占いワースト一位だった。 面接落ちたっぽい。 彼氏に二股をかけられてた。しかも相手は女。でき婚するんだって。 占い通りワーストワンな一日の終わり。 「恋人のフリをして欲しい」 と、イケメンに攫われた。痴話喧嘩の最中、トイレから颯爽と、さらわれた。 「女ったらしエリート男」と「フラれたばっかの捨てられネコ」が始める偽同棲生活のお話。

【完結】取り柄は顔が良い事だけです

pino
BL
昔から顔だけは良い夏川伊吹は、高級デートクラブでバイトをするフリーター。25歳で美しい顔だけを頼りに様々な女性と仕事でデートを繰り返して何とか生計を立てている伊吹はたまに同性からもデートを申し込まれていた。お小遣い欲しさにいつも年上だけを相手にしていたけど、たまには若い子と触れ合って、ターゲット層を広げようと20歳の大学生とデートをする事に。 そこで出会った男に気に入られ、高額なプレゼントをされていい気になる伊吹だったが、相手は年下だしまだ学生だしと罪悪感を抱く。 そんな中もう一人の20歳の大学生の男からもデートを申し込まれ、更に同業でただの同僚だと思っていた23歳の男からも言い寄られて? ノンケの伊吹と伊吹を落とそうと奮闘する三人の若者が巻き起こすラブコメディ! BLです。 性的表現有り。 伊吹視点のお話になります。 題名に※が付いてるお話は他の登場人物の視点になります。 表紙は伊吹です。

Free City

七賀ごふん
BL
【彼が傍にいるなら、不自由はなんでもないこと。】 ───────────── 同性愛者と廃人が溢れる自由都市。 そこは愛する人と結ばれる代わりに、自由を手放す場所だった。 ※現代ファンタジー 表紙:七賀ごふん

ヤンキーDKの献身

ナムラケイ
BL
スパダリ高校生×こじらせ公務員のBLです。 ケンカ上等、金髪ヤンキー高校生の三沢空乃は、築51年のオンボロアパートで一人暮らしを始めることに。隣人の近間行人は、お堅い公務員かと思いきや、夜な夜な違う男と寝ているビッチ系ネコで…。 性描写があるものには、タイトルに★をつけています。 行人の兄が主人公の「戦闘機乗りの劣情」(完結済み)も掲載しています。

処理中です...