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咲那・全裸の逃避行(第22話)
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さて、今度は晶君たちに連絡しなくてはー。
咲那とのやり取りも終え、咲那と合流した後にモリガンの様子を確認しに行くために、その旨を晶たちに伝えることにした。
「あ、鏡香さん!」
晶がすぐに応じてくれた。
「晶君、こっちはもう明日の午前中には咲那さんと合流できそうなので」
「ということは、帰りは明後日くらいになりそうですか、鏡香さん?」
「晶君、そのことなんだけど・・・」
鏡香が、モリガンの様子を見に行くために咲那と一緒に惑星Σ-11方面を目指すことを伝えた。
「ああ、わかりました。こっちの転送魔法陣はもう消えているんで、そうですね・・・確かに足は飛空船しかないでしょうね」
「ええ、悪いけど、早苗ちゃんやカイトさん達にも伝えておいてくれる?晶君」
まだしばらくは、大樹まで戻れそうもない・・・あと何日かは空の旅となりそうだった。
「わかりました・・・ああ、それだとどうするかな・・・こいつらのこと」
「・・・?どうかしたの、晶君」
生体端末越しの晶の声に、何やら困惑の色が混じっていたことに気が付き、尋ねる鏡香。
「ああ、実は、ミケさんのことで、ちょっと面倒なことが・・・」
「・・・?ミケさんが」
「ああ、でも、鏡香さん、これから他の大陸を目指すんですよね?」
どうやら晶は、鏡香たちがこれからモリガンの様子を確認しに行くという話を聞いて、何やら遠慮しているようだった。
「・・・晶君、私たちは大丈夫よ。話してくれるかしら、何かあったの?ミケさん」
「いやあ、実は・・・」
鏡香が日向荘を離れた後のことを、晶から聞かされた。なんでも、その直後にミケさんを追い掛け回す借金取りの集団が現れて、そのままミケさんはタコ部屋送り・・・ただ、そこですら使い物にならないということで、なんと例の借金取りの集団が日向荘に居座ると言い出したらしい。
「言ってることが支離滅裂ですよね・・・金払えないから、しばらくミケさんの監視のため、日向荘で一緒に生活させろだなんて」
誰に聞いても理屈の通らない話であることには違いない・・・。
だがー。
「いいですよ、晶君。その借金取りさん達とは、私が直にお話しますから、私たちが帰宅するまで日向荘に留まらせてください」
「ええ・・・って、ええ!?」
予想外の返事に、晶が驚きの声を上げる。鏡香は、そんな晶に苦笑しながら、
「お話を聞く限り、ミケさんのお仲間さんみたいな子たちなのよね、その借金取りさん達は・・・一度会ってみたいわ・・・さぞかし可愛らしいのでしょう?」
鏡香もやはり女性ー可愛いものには確かに目がないのだろう。
・・・まあ、可愛いと言えば確かにそうなのだが・・・。
「・・・鏡香さんがいいって言うんなら、オレはOKですが・・・かなりうるさいやつらですよ?何せ、日向荘の玄関先で、ひたすら「はらいた~まえ」ってコーラスしてましたから、こいつら」
「あらあら、それはそれは・・・」
その光景を思い浮かべて、さらに苦笑する鏡香。思わず、牧歌的で微笑ましい光景を想像してしまう。
「どちらにしろ、ミケさんのお仲間さんなら、益蟲さんでしょうから、一度面談する必要はあるでしょうね・・・晶君、大変かもしれないけど、私たちが戻るまでの間、何とかその子たちをお願いできないかしら」
鏡香にお願いされては、さすがの晶も断ることはできない。少し考え込んだ後に、晶が応えた。
「・・・わかりました。こっちはこっちで何とか対処しておきます・・・鏡香さんも、咲那姉やモリガンのことをよろしくお願いします」
「ええ、こっちも任せて」
そこで、通話を終える。
「ふう」
軽く息をつき、部屋からベランダへと移動する。それから、おそらく咲那が向かったであろう浮遊小島の方角に目を向けた。
「・・・明日からは、少し忙しくなりそうですね・・・」
心地よい夜気の風にその薄紫の髪を靡かせつつ、鏡香は独り言ちたー。
咲那とのやり取りも終え、咲那と合流した後にモリガンの様子を確認しに行くために、その旨を晶たちに伝えることにした。
「あ、鏡香さん!」
晶がすぐに応じてくれた。
「晶君、こっちはもう明日の午前中には咲那さんと合流できそうなので」
「ということは、帰りは明後日くらいになりそうですか、鏡香さん?」
「晶君、そのことなんだけど・・・」
鏡香が、モリガンの様子を見に行くために咲那と一緒に惑星Σ-11方面を目指すことを伝えた。
「ああ、わかりました。こっちの転送魔法陣はもう消えているんで、そうですね・・・確かに足は飛空船しかないでしょうね」
「ええ、悪いけど、早苗ちゃんやカイトさん達にも伝えておいてくれる?晶君」
まだしばらくは、大樹まで戻れそうもない・・・あと何日かは空の旅となりそうだった。
「わかりました・・・ああ、それだとどうするかな・・・こいつらのこと」
「・・・?どうかしたの、晶君」
生体端末越しの晶の声に、何やら困惑の色が混じっていたことに気が付き、尋ねる鏡香。
「ああ、実は、ミケさんのことで、ちょっと面倒なことが・・・」
「・・・?ミケさんが」
「ああ、でも、鏡香さん、これから他の大陸を目指すんですよね?」
どうやら晶は、鏡香たちがこれからモリガンの様子を確認しに行くという話を聞いて、何やら遠慮しているようだった。
「・・・晶君、私たちは大丈夫よ。話してくれるかしら、何かあったの?ミケさん」
「いやあ、実は・・・」
鏡香が日向荘を離れた後のことを、晶から聞かされた。なんでも、その直後にミケさんを追い掛け回す借金取りの集団が現れて、そのままミケさんはタコ部屋送り・・・ただ、そこですら使い物にならないということで、なんと例の借金取りの集団が日向荘に居座ると言い出したらしい。
「言ってることが支離滅裂ですよね・・・金払えないから、しばらくミケさんの監視のため、日向荘で一緒に生活させろだなんて」
誰に聞いても理屈の通らない話であることには違いない・・・。
だがー。
「いいですよ、晶君。その借金取りさん達とは、私が直にお話しますから、私たちが帰宅するまで日向荘に留まらせてください」
「ええ・・・って、ええ!?」
予想外の返事に、晶が驚きの声を上げる。鏡香は、そんな晶に苦笑しながら、
「お話を聞く限り、ミケさんのお仲間さんみたいな子たちなのよね、その借金取りさん達は・・・一度会ってみたいわ・・・さぞかし可愛らしいのでしょう?」
鏡香もやはり女性ー可愛いものには確かに目がないのだろう。
・・・まあ、可愛いと言えば確かにそうなのだが・・・。
「・・・鏡香さんがいいって言うんなら、オレはOKですが・・・かなりうるさいやつらですよ?何せ、日向荘の玄関先で、ひたすら「はらいた~まえ」ってコーラスしてましたから、こいつら」
「あらあら、それはそれは・・・」
その光景を思い浮かべて、さらに苦笑する鏡香。思わず、牧歌的で微笑ましい光景を想像してしまう。
「どちらにしろ、ミケさんのお仲間さんなら、益蟲さんでしょうから、一度面談する必要はあるでしょうね・・・晶君、大変かもしれないけど、私たちが戻るまでの間、何とかその子たちをお願いできないかしら」
鏡香にお願いされては、さすがの晶も断ることはできない。少し考え込んだ後に、晶が応えた。
「・・・わかりました。こっちはこっちで何とか対処しておきます・・・鏡香さんも、咲那姉やモリガンのことをよろしくお願いします」
「ええ、こっちも任せて」
そこで、通話を終える。
「ふう」
軽く息をつき、部屋からベランダへと移動する。それから、おそらく咲那が向かったであろう浮遊小島の方角に目を向けた。
「・・・明日からは、少し忙しくなりそうですね・・・」
心地よい夜気の風にその薄紫の髪を靡かせつつ、鏡香は独り言ちたー。
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